彼氏に毎回振られてしまいます

2023.06.15 Thu

目次

回答したカウンセラー

浅井 音楽

臨床心理士 / 公認心理師

浅井 音楽

【臨床心理士/公認心理師】
思春期・青年期のアイデンティティを中心に、人間の苦悩全般に興味があります。最近はコミュニティによるケアに関心があり、雑貨屋やカフェ、本屋をなど兼ねた場所を作りたいと思っています。趣味は散歩、自転車、漫画、読書、映画、音楽、ゲーム。本が好きなので本とか出したいです。
【お受けすることが多い相談】
○実存的な苦しさについての相談(どう生きていけばいいのか、自分とはなんなのか、正しい生き方とは、など)
○思春期・青年期の適応やコンプレックスやアイデンティティについての相談
○生きやすい環境の探しかた、作り方についての相談
○環境との不和に関する相談
 ・発達障害をはじめとした器質的要因による環境との不和
 ・セクシャリティやジェンダーロールに関する生きづらさ
 ・自分はHSPかもしれない、などの悩み

「彼氏に毎回振られてしまいます」の相談内容詳細

相談者
相談者 ハッピーちゃん
いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
2週間前、彼氏の家に泊まりに行った時に彼から別れを告げられた。
「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
悲しみ100%怒り1%
「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
いつもの様に泊まりに行った時に別れを告げられ、受け入れられない、好きだから別れたくない、理由を知りたい、と泣きながら話し合いをしましたが、彼の仕事の状況や、私との結婚を考えた時にこの先のライフプランを考えられないので、一旦気持ちの整理をしたいとの事で、引き止めることができませんでした。
彼も泣いていたし、もう少し時間を掛けて話し合いをし、どうにかやり直したいと思っていました。
しかし翌日、実は少し前から気になる人が出来てその人との進展を期待していると言われ、嘘をつかれた(話し合いで教えてくれなかった)事への怒りが湧いてきましたが、とにかく彼とはもう会えない、今まで過ごした日々を思うと悲しい、孤独と感じて仕方ありません。
いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
彼の本当の気持ちはわからないし、考えたって仕方ない。
理由はどうあれ別れる運命だったのかも。
いま専門家に聞いてみたいことは?
私は、高校生の時初めてお付き合いした時から今まで全員に振られていて(そう多くはないですが)、私から振った事がありません。
付き合っていて嫌な部分や合わないと感じる部分が見えたとしても、イコール別れるという考えにはならないのです。
振られて感じる事は、私は選ばれなかった、私は他の人より劣っている、私は幸せになれないんだ、私にダメな所があるから振られるんだ、と自己肯定感ゼロになり悲しみにどっぷり浸かってしまい、仕事中も涙が出てきてしまうこともあります。
結婚願望はありますが、好きな人と穏やかに別れる恐怖を感じることなく幸せに過ごしたい願望、と言うニュアンスの方が近いかもしれません。
何故毎回振られてしまうのか、自分を責めてしまうのか、別れた方が良い状況であっても別れたくないと思ってしまうのか、私の心の中に問題がある気がしますがわかりません。
私が望んでいる幸せがよくわかりません。
年齢、性別、職業
35歳、女、会社員
既往歴
2021年11月パニック障害発症、休職
2022年9月復職、現在も2週間に1度心療内科通院中
症状は落ち着いています
悩みの内容の自由記述
他の人って振られた時どんな感情になるの?
私は悲しみに浸りすぎ?
相談者 ハッピーちゃん さんの自分史
  • 40歳まで

    • 34

      パニック発作

      死んでしまうのではないかという恐怖

      実家へ戻り10ヶ月療養。
      実家での暮らしは約15年ぶりで、学生の頃の両親のイメージのままだったが、すっかり歳をとったんだなぁと目の当たりにする。
      何歳になっても、親は絶対的に私の味方だし、今までの親の苦労を想像し、改めてすごい存在なんだと感じる事ができた。
      親の苦労や愛情を考えるといつでも涙が出る。

    • 32

      復縁専門カウンセラーにのめり込む

      藁をも掴む思いで復縁したい。

      高いお金をかけてカウンセリングやセミナーに参加し引き寄せの法則や心理学的な事を学んだ。
      結果、復縁は出来なかったがいい勉強になった。
      しかし復縁活動中はとても辛かった。
      知識は得ても、自分を癒すことが出来ていないと思う。

  • 30歳まで

    • 30

      彼氏に振られる、同棲解消

      結婚すると思っていた相手に振られた、ショック、パニック。
      新しい女の存在に気づき、証拠を掴むも本人に言えず。
      別れを告げられてから同棲解消するまで半年ほどそのまま一緒に住むのが辛すぎて地獄だった。初めての同棲で結婚まで考えてた相手に振られ今まで味わったことの無い悲しみ、絶望、怒り、孤独、全てに飲み込まれてしまった。

      絶対なんてないんだ。
      私は結婚に向いてない、出来ないんだ。

    • 28

      C社就職

      こんなに楽で給料も今までより良い仕事があるなんて幸せ!

      好きなこと、やりたい事を仕事にするのではなく出来ることと条件で仕事を選んだ方が楽に生きられる。

    • 28

      B社退職

      長く続けられなかった事への罪悪感。
      辛い環境から抜け出せた安心感。

    • 27

      彼氏と同棲

      幸せ。大切にされていいんだ。

    • 26

      B社、県外へ就職

      憧れの仕事、都会での生活にワクワク。

    • 25

      A社退職

      辞めることへの罪悪感。
      辞められて良かった安心感。

      8年近く働いたが給料はほとんど上がらず、やりがい搾取され、辞めることが悪のように扱われていたので、長く続けることが善、と無意識に思っているかも。

  • 20歳まで

    • 19

      彼氏に振られる

      現実が受け入れられない。どう生きていけばいいかわからない。

    • 18

      A社へ就職、一人暮らしを始める

      親から何の文句も言われずに自由に出来ることが嬉しかった。

      仕事などで誰かに文句や指摘、注意をされるとすぐにイラッとする。
      文句を言われない為に高圧的になってしまう事がある。

    • 16

      初めて彼氏が出来る

      年上の彼氏に色々知らない世界を教えてもらい楽しかった。

    • 15

      高校に入り携帯が欲しかったが、母に自分でバイトして買いなさいと言われた。

      うちは何で裕福ではないんだ。自分で稼いで自分のお金で好きなものを買うからこれからは文句言わせない。

      お金を貯めて将来困らないようにしようと沢山働いてきた。
      欲しいものはあるが大きな買い物をしてお金が無くなるのが不安。

    • 11

      習い事で良い成績を取ったが、母に「月謝払ってるんだから上手くなって当たり前」と言われた。

      冗談っぽく言われ、褒めてくれたとは思うが、素直に褒めて欲しかった。

      他人に褒められても素直に喜べない。
      嬉しくても表現するのが得意ではない。

  • 10歳まで

    • 10

      熱が出て早退した。母は仕事で祖母が傍に居てくれたが「娘が熱あるのにお母さんは仕事が大事なんだ」と愚痴を言った。
      母は急いで家に帰って来たが祖母が先程の愚痴を告げ口し母が物凄く悲しそうな顔をしていた。

      本心ではなく、寂しい、構ってほしい気持ちを抑えるために祖母に可愛げのない言い方で愚痴を言った事が本人に伝わってしまい申し訳ない。
      母は一生懸命働いてくれていて、しかも心配して急いで帰って来てくれたのに、そんな事を言って悲しい顔をさせてしまい、言ってはいけない事を言ってしまった罪悪感。

      辛いことや嫌なことでも我慢するタイプだと思う。
      母に対して、苦労をかけてしまった申し訳なさと、楽をさせてあげたい気持ちが強いが言葉で伝えることが苦手。

※ プライバシー保護のため、ご質問の一部を編集部で変更している場合がございます。

「彼氏に毎回振られてしまいます」への回答

  • ハッピーちゃん さんこんにちは。臨床心理士の浅井です。

    自分は選ばれなかった。自分は幸せになれないんだ。そんな気持ちが日々の生活の中でも湧いてくるのは大変苦しいことだと思います。今回は ハッピーちゃん さんの悲しみが少しでも和らぎ、穏やかな日々に向かっていけるよう一緒に考えていければと思いますので、お付き合いください。

    ハッピーちゃん さんは「私は悲しみに浸りすぎ?」と疑問を持たれているようですが、悲しみに浸ること自体はなにも悪いことではありません。むしろ、悲しみや喪失感をありのまま受け止め咀嚼することは、回復に至る大切なプロセスでもあります。

    とはいえ仕事中に涙が出てしまったり、自分を責めすぎてしまうと辛いですよね。なので今回は「上手な悲しみ方」について考えてみようと思います。こんなことを言うと「悲しみ方に上手も下手もあるかい」とツッコまれそうですが、改めて考え直してみることで見えてくるものもあるはずです。

    悲しみの大きさは、喪失した対象への思いの深さを表す指標の一つです。 ハッピーちゃん さんがいま感じている悲しみも、彼自身や彼と過ごした日々を大切に思っていたからこその反動だと言えそうです。

    とはいえ、悲しみにとらわれすぎてしまうのは ハッピーちゃん さんにとっても損な部分もあります。悲しみにとらわれている状態では、悲しみに連鎖して自己否定感や自責感がドカンドカンと湧いてきてしまいます。 ハッピーちゃん さんの場合「(今現在)好きだった人に別れを告げられた」という出来事から連鎖して「(これまで)全員に振られてきた」という過去の出来事が想起され、それが「私は他の人より劣っている」「私は幸せになれない」という考えを呼び起こしているような印象を受けました。

    最初の「別れを告げられた」は事実ですが「全員に振られてきた」という経験が今回の別れと関連しているとは断定できませんし、 ハッピーちゃん さんが劣っていることや幸せになれないことの証拠にはなりません。ではなぜ、こうした連想が生じてしまうのでしょうか。それは、 ハッピーちゃん さんにとっての幸せのディティールを、 ハッピーちゃん さん自身がまだつかめていないからかもしれません。

    ハッピーちゃん さんは「私が望んでいる幸せがよくわかりません」と教えてくださいました。自分の望みを100%ハッキリ理解できる人はいないと思いますが、それでもなんとなくわかっている状態とよくわからない状態では大きな差があります。

    自分は他者との関係についてどんな理想を持っているのか。どの部分が妥協できるのか。関係の継続を決める一線はどこなのか。こうした考えを深めておくことで避けられる困難もたくさんあります。

    ハッピーちゃん さんの場合これまで「別れたほうが良い状況であっても別れたくないと思ってしまう」ことがあったようです。仮に一般的に別れたほうが良いとされる状況だったとしても、その決断は個人に委ねられますし他人に強制されるものでもありません。ですが自分の中で基準が定まっていないと「なんとなく別れたくない」といった気持ちにとどまってしまい、結果的に自分が振られるまで動けない、といった事態が起きます。

    こうなってしまうと ハッピーちゃん さんの持つ長所も活かされず、とてももったいない感じです。

    たとえば「付き合っていて嫌な部分や合わないと感じる部分が見えたとしても、イコール別れるという考えにはならない」というのは ハッピーちゃん さんの忍耐強さや寛容さといった長所を表すエピソードです。ですが同時に「別れる基準について深まっていないため決断ができない」という側面を表しているのかもしれません。

    その結果として「振られた」ばかりが積もっていくと「選ばれなかった感」が強くなってしまい「私は幸せになれないんだ」と悲しい気持ちになってしまいます。

    他者は本質的にコントロール不能

    このような事態を避けるためにも、一度立ち止まって ハッピーちゃん さん自身の望みや幸福を感じる基準について考えを深めてみるのも手だと思います。

    考えを深める方法としては、ジャーナリングなどが取っつきやすくおすすめです。ジャーナリングは頭に浮かんだ考えを自由に書き出す取り組みで、今この瞬間の感情の動きや、これから先の指針を考えるために役立ちます。 ハッピーちゃん さんも既に活用くださっている自分史と併用することでより効果を増してくれるはずです。

    書く瞑想「ジャーナリング」が3分でできるやり方【ワーク機能つき】

    ジャーナリングはそのときどきに思い浮かんだことを書き出すものですが、最初はテーマを決めるとはじめやすいです。その際は「自分はどんなとき喜びを感じるか」「どんな相手に居心地の良さを感じるか」といった「快」の感覚に焦点を当ててみるのがおすすめです。その過程で ハッピーちゃん さんが他者との関係に期待していることや妥協できる点がはっきりしてくると思います。その過程で「私は幸せになれない」といった思いも和らいでくるはずです。

    他者は本質的にコントロール不能なものであり、他者との関係は常に破綻の可能性を含みます。そのため「好きな人と穏やかに別れる恐怖を感じることなく幸せに過ごしたい願望」をそのままの形で叶えるのは少し難しいかもしれません。空虚さをコントロール不能な他者で埋めてしまうと、常に喪失の危機に晒され、怯えることになってしまうでしょう。

    交際や結婚といった関係は、コントロール不能な他者の振る舞いをどこまで受け入れられるのか、あるいはどのように互いを尊重した妥協点を設定できるかといったことが重要になってきます。長期的な関係においては「こうしたい!」という理想が重なることよりも「これでいい・これがいい」といった実感に根ざした価値観が重なることがとても大切です。ここで言う価値観とはお金の使い方や食べ物の好み、些細な習慣や癖まで含んだ地味で素朴な感性の集積のことです。「自分の理想はこれくらい」「このくらいまでなら妥協できる」といった感覚が蓄積されていけば、そのぶんコミュニケーションも円滑になります。

    だからこそ今回は、まず自分の望みや譲れないこと、そして妥協可能な部分について考えを深めてみてほしい、という提案をさせていただきました。

    振られた今だからできる3つの取り組み

    ジャーナリングや自分史などの取り組みはもちろん有効ですが、それ以外にもお別れしたばかりの今だからこそ取り組みやすいこともあるかもしれません。

    例えば以下のような感じです。

    ・日用品や小物など、身の回りのものを好きなものに入れ替えてみる(好きだと感じるものを探しに出かける)
    ・交際中は遠慮していたことや相手の反応を気にしてできなかったことを目一杯やってみる
    ・好きな食べ物やお菓子を準備し、映画を見たり音楽を聞いたりして思いっきり泣いてみる

    ハッピーちゃん さんの書いてくださった自分史からも、これまでの人生で「自分が我慢すれば」と気持ちや行動を抑えてきた様子がうかがえます。ですからここはひとつ、 ハッピーちゃん さん自身の感覚や思いを深めるタイミングが巡ってきたのだと捉え直してみてください。

    今回はご相談くださってありがとうございました。 ハッピーちゃん さんが心から望む幸せが見つかり、そこに向かっていけますように。

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