「自分のやりたいことがわかりません」の相談内容詳細
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いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
- 自分のやりたいことがわかりません。
大学生になって何でもしてよくなってから何もやりたいことがないないことに気づきました。
周りの人は何か目的や目標があって動いている気がするのですが、特になりたい自分がなくてなりたくない状態というのもないです。
以前恋愛について考えたことがあって、色々考えた結果社会が恋愛を当たり前みたいにしているので自分も恋愛をしたいんだと思い込んでいただけで別にしたくなかったんだと気が付きました。
その辺から自分がやりたいこととそうであるべきなんだろうなと思っていることとで、自分は後者の気持ちだけで動いていて前者の自分の欲望みたいなものが希薄だと感じるようになりました。例えば、本を読むぞと思って買うのですが買った本を本当に1文字も読んでいなくて、これは読みたいと思ったんじゃなくて読まなきゃいけないと思ってるんだろうと思います。
もともと自分のためになにかする(スキルアップとか自分磨きとか)のはあまり得意ではなくて、人のためになにかするのは得意な方です。 - 「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
- 焦り30%、不安20%、別にいいか30%、上手くできてる人はいいなぁ20%
- 「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
- 自分で自分のやりたいことを把握できている人はどうやっているのか、気になる。
自分を高めたいとどうして自分が思わないのか不思議。
自分の体とか技能が自分のものだという感覚がちょっと薄い気がする。
努力しないとなと思う一方で努力しなくても生きてる人はいるしなとも思う。
たまにずっと同じことをしている時もあるのでその時とも何が違うんだ?と思う - いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
- 何か理由があるのかもしれないし、ただ自分が怠惰なだけかもしれない。就職が近づいてきてただ焦っているだけかも。
受験期の勉強は出来ていたのでみんなある程度強制されて色々やっているものなのかもしれない。 - いま専門家に聞いてみたいことは?
- 将来のためにも自分のために自分で自分を高めることが出来るようになった方がいいと思うのですが、どうしたらいいのでしょうか。
- 年齢、性別、職業
- 20歳 学生
- 既往歴
- --- 未回答 ---
- 悩みの内容の自由記述
- --- 未回答 ---
自分史はまだありません。
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「自分のやりたいことがわかりません」への回答
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すずめ さん、ご相談を寄せていただきありがとうございます。精神保健福祉士の中浦です。
相談内容のタイトルは『自分のやりたいことがわかりません』ということですが、もう少し事情は複雑そうな悩みだとお見受けしました。特に、「やりたいこと」と「やるべきこと」では、 すずめ さんは他者のために何かをしてきたし得意である感覚がある一方、『自分の欲望みたいなものが希薄』と感じられているのは、単純に「やりたいことがない」ということでもないことを意味していると思われます。
また、今は就職を迎える時期ということもあり、将来をどのように過ごすかという選択を迫られやすいですし、自主性や自己実現の観点からすれば「自分は何をしたいのか」を意識する時期でもあるのかもしれません。
【聞いてみたいこと】に「どうやったら将来の自分のために自分を高められるか」と書かれていましたが、結論からいうと、「自分を高める」のではなく「疑問を深める」というマインドセットでいた方が、 すずめ さんには合っているように感じています。
ひとつずつ説明していくのでどうぞお付き合いください。
「好き」だけでは「やりたいこと」は見つからない
相談内容の中に『自分で自分のやりたいことを把握できている人はどうやっているのか』と書かれていましたね。
自分のやりたいことを見つけられるかどうかは、「自分の『好き』をどれだけ作れるかだ」みたいに言われることがありますが、私はそれは必要なことのひとつに過ぎないと思っています。なぜなら、文化によって「好き」が「やれること」に結びつかないものがあるからです。
実用日本語表現辞典で「文化」を引くと、「文化とは、複数名により構成される社会の中で共有される考え方や価値基準の体系のことである」と書かれています。少し乱暴に解釈すると、その時代において「多くの人に受け入れられるもの」ということになります。
そして、「好き」が「やれること」に結びつくものは、今の「文化」において【妥当】と思われるものです。たとえば、今の文化では女性が相撲取りを目指すことはできません。どんなに相撲が好きでも、関係のある業界には入れても力士になることはできないんです。これは、今の時代ではまだ女性が力士になるという文化が確立されていないからです。どんなに相撲が好きでも、この女性は力士を仕事として考えることすらできないのではないでしょうか。つまり、「好き」だけでは「やれること」を見つけるのが難しいときがあるということです。
『就職が近づいてきてただ焦っているだけかも』と書かれていましたが、特に就活の時期はこのジレンマに陥りやすいです。なぜなら、就職セミナーや合同企業説明会などでは、今の文化に受け入れられている業界や職種がほとんどを占めるからです。資本主義ではできるだけ多くの人の役に立つことがビジネスとして成り立ちやすいので、おのずと「大衆による大衆のための仕事」が多くなります。
しかし、自分の「好き」が今の文化の中でまだ共有されていないものである場合、ただ自分の好きなものが文化になっていないだけにもかかわらず、「どうやって社会に出ればいいのか」「社会で何をすればいいのか」と不安を感じ、疎外感や自信を失うことになってしまうのです。
ここまでは、「やりたいことがない」というのが決して文字通りやりたいことや好きなものがないわけではなく、今の文化の中で自分の「好き」を「仕事」に置き換えるのが難しい場合もあることを説明してきました。
自己成長を感じられるかどうかは、決して個人の努力や適正だけによるものではないということを感じていただけたら嬉しいです。
「自分を高める」のではなく「疑問を深める」
次に、「じゃあ一体どうしたらいいのか」ということを一緒に考えていきましょう。
私は、 すずめ さんが「自分を高める」のではなく、 すずめ さんの「疑問を深める」のが役に立つと感じています。なぜこのように考えるかというと、