人間関係を「ギブアンドテイク」「上下関係」でしか考えられないのをやめたいです

2023.03.02 Thu

「人間関係を「ギブアンドテイク」「上下関係」でしか考えられないのをやめたいです」の相談内容詳細

相談者
相談者 夏希
いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
①自分は友人に誕生日プレゼントをあげたけど、友人から私には誕生日プレゼントがなかったり、祝いの言葉すらなかったりした。他の人には誕生日プレゼントあげてるのを見た。(この友人には複数人が含まれる)
②友人がずっとネガティブな感情をSNSに流している。
③仲良くしているネット上のグループがあるが、私を除いて他の皆だけ遊んでいる。
④遊びに私ばかり誘っていて、誘われることはないことに気付いた。
⑤人との会話で、ありのままの自分で話せない。自分の好きなことができない。相手の望む言葉や行動を考えてしまう。
「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
悲しみ50% 怒り・憎しみ80% 不安50% 疲れ60%
「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
①③④⑤
私は大事に思われていないのかな。
皆良いところがたくさんある。だから、何もない私なんて友達である資格なんてないのかもしれない。私はいったい何を与えられているだろう。相手にとって、私の何が得になっているのだろう。
一緒にいて迷惑に思われているのなら、相手の得になることを言わなきゃ。感情も合わせなきゃ。疲れた。私とも話すのも嫌かもしれない。
頑張って絵を描いてプレゼントしたり、買ってあげたりしたのに、なんで私にはないんだろう。悔しい。寂しい。私がすることは価値が無いってこと? 憎い。なんで私は与えても返ってこないものばかりなんだろう。


相談に乗ってあげなきゃいけない、助けなきゃいけないような気分になる。でも、私が助けてほしいときは助けてくれなかったから、ここで助けるのは一方的に奪われる感じがして嫌だ。私も今は余裕がない。
無条件に助けられるのが本当は良い人なんだろうから、こんなことを考えてしまう自分が嫌だ。助けられない自分は嫌われるかも。でも無理。

少しずつ、一人でいるときは「自分は自分でいい」と思えるようにはなってきた。でもどうしても「自分がありのままで」「何も与えなくても」他人に認めてもらえるとは思えない。
一人でいるのが幸せ。でもこのままではダメな気がする。
今まで与えるだけで、返ってこなかったものばかり思い出すようになってしまった。悔しいし、憎いと思う。
いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
優しい人であろう、良い人であろうと努力はしているし、何かをしてあげたときには「ありがとう」と言われるから、意外と認められているのかもしれない。
優しい人、というだけで十分なのかもしれない。
仲良くしているメンバーに直接、嫌われるようなことは言われていないから、大丈夫かもしれない。
少し前までは、ありのままの自分でたくさん一緒に笑えて、安心できた。思い切って、気を遣うのをやめてしまえばいいのかもしれない。
仕事では「わからない」とはっきり言えたり、自分の意見を言えるようになってきた。それは仕事上、自分の意見を言うことは利になるとわかったからで、友人関係でも自分の意見を言うことが利になることが実感できれば、自分の気持ちも言えるかもしれない。
悲しいけど、もう友人たちとは相性が合わないのかもしれない。

全てが私の思い込みである可能性は十分にあると思っている。
いま専門家に聞いてみたいことは?
人間関係を「ギブアンドテイク」「上下関係」でしか考えられないのをやめたいです。もしくは、この考え方とのうまい付き合い方を知りたいです。
自分が一人のときは、自分の好きなことをしていいと幸せを感じられるのに、他人といると他人に操作されているような(操作されなきゃいけないような)気持ちになってしまいます。
年齢、性別、職業
24歳 女性 会社員
既往歴
カウンセリングを約1年受けている。
悩みの内容の自由記述
ネット上の知り合いで2,3人、たくさん「好き」と伝えてくれたり、褒めてくれたりする人たちがいて、その人たちとは安心して話せる。
でも、それもその人が「好き」と言ってくれる「何か」を私が与えられていると思えているからで、いつかそれが与えられなくなったら、という不安もある。
または「好き」と積極的に伝えてくれる人のことしか信じられないのは、今後困ると思っている。
相談者 夏希 さんの自分史
  • 30歳まで

    • 24

      高校時代から仲良くしていて、信用していた友人に「私(友人自身)を本当に救えるのは友達じゃなくて、恋人だから」と言われた。

      友人の恋人と、友達である私を比べられた気持ちになった。
      今までたくさん相談に乗ってあげたりしていたのも、意味がないように思えてしまった。
      この友人にいつか見離されるのかなと不安な気持ちが生まれた。
      「それを私に言わなくてもよくない?」と思った。

      「この子が友達だから大丈夫。この子なら私をずっと大切にしてくれる」と信じていて、悪く言うと依存していた友人だったので、支えがなくなったように感じ、人間関係全体に不安を覚えるようになっている。

    • 23

      同期の人たちと、仲良くなれなかった。
      「嫌われているかも」「挨拶をするのも迷惑かも」と思ってしまい、こちらから避けるような行動をとってしまった。

      仲良くなりたい気持ちはあったけど、「私には面白い話はできない」「もう既に悪い印象を抱かれてるかもしれない」と思うと、話すのも億劫になってしまった。

      今でも同期に仲良くなれそうと思える人がおらず、気軽に話せる人もいない状態。
      根本に「人間関係は面倒」という気持ちがあるため、仲良くなるために頑張るエネルギーが必要で、今もそれが枯渇している。

    • 23

      就職して、また新しい場所で一人暮らしを始めた。

      ずっと就きたかった職業、住みたかった場所だったので、無事就職できて安心した。

    • 22

      友人もそれなりにでき、大学生活を楽しく過ごして、無事卒業した。

      楽しかった半面、友人たちに行動や、感情を合わせなくてはいけないような気持ちになることがあり、疲れることがあった。そのため、一人の時間も必要だった。人間関係って面倒だなという気持ちが抜けなかった。

      人間関係のリセット癖なのかもしれない。
      大学生時代の友人とは連絡を取っておらず、縁が切れたように感じている。

  • 20歳まで

    • 20

      新しい趣味を始めて、ネット上の人と繋がり、絵を描いたり、通話をしたりするようになる。

      いろんな人と繋がれて楽しかった。

    • 19

      大学生になって、一人暮らしを始めた。
      父親から離れられて、気楽に過ごせるようになった。

      自由に過ごせる時間が幸せだった。

    • 18

      内容は覚えてないが、父親に理不尽なことで怒られ、不満が爆発し、泣きながら怒った。ほとんど初めて父親に対抗をしようとした。
      しかし、すぐに胸ぐらを掴まれ、「大学に行くお金を出さないぞ」と脅された。

      ああ、ここまで傷ついていて、必死に言葉を伝えようとしても、父親にとってはどうでもいいことで、私の言葉にも思いにも私自身にも価値なんてないんだなと思った。
      思いを伝えても意味なんてなんだなと、全てを諦めた。
      子供にはどうしようもできないお金で脅すのはずるいと思った。

      自分の意見を言うのが苦手で、意見を言っても価値があるとは思えない。
      たいてい他の人の意見や気持ちを優先してしまう。

    • 17

      父親に相談や質問をすると、必ず不機嫌になったり、怒鳴られたりして、まともに相談ができなかった。

      私は話し合いがしたいだけなのに、父親の意に添わないことを言うと怒られるから、父親に相談することが怖くなった。母親にしか相談しなくなった。
      それなのに、母親から「お父さんが『俺には何も相談してこない』って言ってるよ」と伝えられ、どうしたらいいのかわからなくなった。相談できなくなっているのは父親のせいだし、相談を受ける気もないじゃんと思っていた。

      「物事がわからないこと」が悪いことだという思い込みがある。
      質問・相談・報告などが大の苦手で、「相手の時間を取ってしまう」「怒られてしまうかも」と不安になる。

    • 16

      父親が弟には優しくしているのに、私には理不尽に怒ってきたり、扱いが酷かった。
      バレンタインにチョコをあげたりしていたけど、母親にはお返しをしていても、私には何も返ってこなかった。

      私よりも弟の方が大事で、私のことなんかどうでもいいんだろうな、愛されてないんだろうなと思っていた。私が頑張って、愛されようとして与えているものもどうでもいいんだろうなと思っていた。

      人に喜んでもらおう、人の利になるものを与えよう。そうしないと愛してもらえないと思っている反面、私が与えるものも、私自身も価値が低いと思っているところがある。
      「弟は男の子だから」と誰かに聞いた記憶があり、男尊女卑を感じ、少し男性に嫌悪感がある。

    • 15

      クラス替えで、別の子が私たちの仲に入ってくるようになった。私はその子と相性が良くなくて、離れることになった。

      やっとできた親友を取られた気分になった。

    • 14

      念願の友達ができた。親友だと思っていたし、ずっと一緒にいられて楽しかった。

      優しい子で、部活も一緒で、学校が楽しくなった。

    • 13

      大好きだった小説が、友人同士でギスギスする内容で、「友達を傷つけることになるなら、友達なんかいらない」と中学生になった瞬間、友達を作らず、本ばかり読むようになった。

      最初はそれでよかったけど、しばらくして友達がいないことに寂しくなった。気づいたときには周りにはグループができていて、友達を作るのが難しく感じた。

      「相手より自分の価値が低いと思うようにして行動したら、相手に迷惑をかけない、失礼のない行動ができるかもしれない」と思って行動し始めた記憶がある。自分と相手を比較して、自分を低く見る癖はここでついたと思う。

    • 12

      弟と喧嘩をして、私が悪くなくても、「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」と言われたり、怒られたりするので、「私が我慢すればいいのか」と全て諦めたり許すようになった。

      私が悪くないのになぁ、とモヤモヤする気持ちはあったと思う。
      でも、結果的には喧嘩もなくなったし、弟とは中学生以降喧嘩をしたことはなく、仲良くできていて嬉しかった。

      「怒り」という感情を言葉や表情で伝えたりすること、相手と違う意見を持った時に伝えて話し合うことが苦手なのは、この時の影響があると思う。
      うまい伝え方がよくわからないし、伝えたところでうまくいくと思えない。

    • 12

      父親が気分屋で、不機嫌になると勝手に物を捨てたり、理不尽なことで怒ってきたりして、ずっと怯えていた。
      旅行に連れて行ってくれたりしたが、毎回不機嫌になり、運転していた車を途中で降りるなんてこともあった

      ただただ怖かった。何が父親の怒りに触れるかわからないから、慎重に行動するしかなかった。
      私が悪くないことでも怒られるから、「私が正しいはずなのに」「お父さんのせいなのに」と思っていた。私の気持ちが全てないがしろにされている気がした。ずっと私は愛されていないんだと思っていた。

      人に対して、「何か相手にとって利になるものを与えないと仲良くなってもらえない」「ありのままの自分じゃ愛してもらえない」と思う。
      相手が機嫌が悪そうだと感じると、機嫌を取ろうとしてしまう。
      これはこの時の経験かも。

    • 12

      小学生まではクラスの人たち含め、たくさん友達がいた。はじめましての人に話しかけるのが好きだった。
      失敗も「ま、いっか」で済ませられるほど前向きだった。

      友達を作ったり、一緒に遊んだりするのが、すごく楽しかった。「はじめての人と、たくさんの人と仲良くできる」と少し誇りにも思っていた。

      人への不安が無くなって前向きになれたら、この時みたいにたくさんの人と仲良くなれるかもと期待している部分があるかもしれない。

※ プライバシー保護のため、ご質問の一部を編集部で変更している場合がございます。

「人間関係を「ギブアンドテイク」「上下関係」でしか考えられないのをやめたいです」への回答

  • 回答したカウンセラー

    小野寺 リヒト

    臨床心理士/公認心理師 小野寺 リヒト

    夏希 さん、ご相談をよせてくださりありがとうございます。臨床心理士・公認心理師の小野寺です。

    唐突に感じるかもしれませんが、まず最初に「ダブルカウンセリング」についてお断りをさせてください。

    「カウンセリングを約1年受けている」と現在形で書かれていますね。どこかでカウンセリングを今受けている最中なのでしょうか。

    ダブルカウンセリングとは、同時期に二人以上のカウンセラーからカウンセリングを受けることです。一般的に、ダブルカウンセリングはできれば避けたい事柄だと考えられています。なぜなら、相談者が混乱するリスクがあるからです。

    「Aカウンセラーは○○と言っていたのに、Bカウンセラーは××と言っていた」みたいなことがあると、相談者はどちらの方針にそってカウンセリングを受ければいいかわからなくなってしまいますよね。AカウンセラーもBカウンセラーも同じゴールを目指していたとしても、そこに行くまでに進むルートが違うことはよくあるのです。

    このココロジーのお返事はカウンセリングではありませんので、ここで何か回答をしても厳密な意味ではダブルカウンセリングには当たらないと思います。

    しかし、 夏希 さんの心理的な事柄や自分史にあった現在の価値観の形成に大きな影響をもたらしていそうなお父様との関係に触れると、何かしらの混乱を 夏希 さんもたらしてしまうリスクが0ではありません。

    そこで以下のお返事は、客観的な事実に基づくものとなることをご容赦ください。もしもっと【人間関係を「ギブアンドテイク」「上下関係」でしか考えられない】について掘り下げて検討したいなと思った場合は、現在担当しているカウンセラーにご相談してみてくださいね。

    ギブアンドテイクはごく普通の対人関係

    では以上を踏まえ、 夏希 さんが【聞いてみたいこと】に書いてくださった「人間関係を「ギブアンドテイク」「上下関係」でしか考えられないのをやめたいです。もしくは、この考え方とのうまい付き合い方を知りたい」について、一緒に考えていければと思います。

    私の考えはこうです。

    「人間関係を『ギブアンドテイク』で考えるのはとても普通のことだから、やめることはない。だからこの考えと上手く付き合っていく方がいいかも」

    もちろん、世の中には聖人君子のような人もいて、そういう人は「ギブアンドギブ」で考えられるのかもしれません。しかし、そんな人は極めて少数の歴史に名を残すような人だけではないでしょうか。

    ですから私はギブアンドテイクは極めて人間的な対人関係様式だと思います。やめる必要はないし、「ギブアンドテイクでしか考えられない」とご自身を責める必要は一切ありませんから安心してくださいね。

    人生で最も損をするのはギブをする人。最も得するのは…?

    ただ、「自分は友人に誕生日プレゼントをあげたけど、友人から私には誕生日プレゼントがなかったり…」との記述などから、普段いかに 夏希 さんが人のためにギブをしているか、しかし、それがなかなか報われずにいて辛い思いをしているのが伝わってきます。

    自分ばっかりが損な役回りになっている感じがして、悲しくなりますよね。相手に対する不快感もあるでしょう。【怒り・憎しみ80%】もさもありなんといったところです。
    ギブアンドテイクで対人関係を見てしまうのが普通であるのと同様、自分のギブが返ってこないとイヤな気持ちになるのも無理はありません。この点も、安心してくださいね。

    とはいえ、ここで「あなたは普通です」と回答するのも、「イヤならギブするのをやめればいい」と回答するのも、かなり不誠実だし私の本意ではありません。「この考え方とのうまい付き合い方を知りたい」という 夏希 さんのお気持ちに応えたいなと思っています。

    そこで参考になるのが、その名もずばり「GIVE & TAKE 」です。この本は組織心理学者であるアダム・グラント氏によって書かれたもので、上手にギブアンドテイクするにはどうしたらいいかを指南してくれます。

    この本には、人間関係がギブアンドテイクであることを前提とした上で、ギブの多い人を「ギバー」、テイクの多い人を「テイカー」、半分半分の人(相手次第でギブしたりテイクしたりする人)を「マッチャー」と定義し、どういう人が一番人生を上手く乗りこなすことができるか研究した結果がまとめられています。ちなみに、ギバーは25%、テイカーは19%、マッチャーは56%いるそうです。

    夏希 さんはどのタイプの人が最も成功すると思いますか?

    3位はテイカー、2位はマッチャー、そして1位は…ギバーです。

    夏希 さんはこの結果を知って、おそらく違和感を感じたのではないかと思います。 夏希 さんは「自分は友人に誕生日プレゼントをあげたけど、友人から私には誕生日プレゼントがなかった」「遊びに私ばかり誘っていて」などの記述から、おそらくギバータイプなのでしょう。でも「あなたが1位です」と言われても、おそらくピンとこないと思います。

    GIVE & TAKE 」の話は「1位はギバーです」で終わりません。実は、「4位もギバーである」ということが書かれているのです。

    「ギバー、テイカー、マッチャーの3種類しかないのに、4位ってどういうこと?」と思われたかもしれませんね。

    実は、ギバーには二種類のタイプがあります。それが「自己犠牲のギバー」と「他者志向のギバー」。1位になりやすいのが「他者志向のギバー」、4位に甘んじてしまうのが「自己犠牲のギバー」というわけです。

    ギバータイプの人は①相手のことを信用しすぎてしまう、②相手に共感しすぎてしまう、③臆病になりすぎてしまうといった3つの罠に陥りやすいと言われています。そしてその結果、自分ではなく他人のために割く時間が長くなり、うまくギブできた実感が伴わないと燃え尽きてしまうのです。この手のギバーが「自己犠牲のギバー」と呼ばれます。

    ネガティブな感情をSNSに流している友人に対して「相談に乗ってあげなきゃいけない、助けなきゃいけないような気分になる」などの記述から、 夏希 さんは「自己犠牲のギバー」なのではないかと心配しています。

    「「ギブアンドテイク」「上下関係」でしか考えられないのをやめたい」と思うのは、 夏希 さんが上述の3つの罠にはまっていることからくる不快感によるものなのかもしれませんね。

    でもだからといってギバーをやめるのももったいないですよね。だって1位もギバーなのですから。

    罠から抜け出して「自己犠牲のギバー」から「他者志向のギバー」へ転じる方法はあるのでしょうか。それを次に見ていきましょう。

    テイカーな友人の見極め方

    「自己犠牲のギバー」から「他者志向のギバー」へ転じるために必要なこと。それは、「相手がテイカーなら、自分はマッチャーになる」です。

    テイカーに対してギブし続けたところで、他の人にギブできたはずの時間と資源をいたずらに奪われてしまうだけです。いくらギバーといえど、自分がとった行動に対して何の反応もなければ心が折れてしまいます。

    だから相手がテイカーかどうかを見極め、テイカーであることがわかったらこちらからギブすることを控えます。そして、テイカーと関わらなくなったことで浮いた時間を、ギバーやマッチャーへギブするために使うわけです。テイカーにギブするのは、相手が気まぐれでギブしてくれたときに、後だしでギブし返すので十分。

    このように、「テイカーだけにはギブを控える」のが「自己犠牲のギバー」から「他者志向のギバー」へ転じるのにとても大事になってきます。

    肝心の「テイカーの見極め方」ですが、ここでは2つ紹介します。一つ目が「話の内容」、二つ目が「アイコン」です。

    テイカーによく見られる共通点の一つは、「話の内容」が「自分のこと」であることが圧倒的に多い点です。「GIVE & TAKE 」によれば、テイカーは「I(私)」を主語にした話がとても多かったそうです。日本語では主語を省略するので見極めの難易度は若干上がりますが、自分の話ばかりの人はテイカーである可能性がとても高いと言えそうです。

    二つ目の共通点は「アイコン」に表れます。テイカーはSNSのアイコンに自分の顔写真を設定していることが多く、それも顔をかなりアップにしたり、加工して過度によく見せようとした写真を用いる傾向が高いのが特徴です。こういったアイコンの人はテイカーである可能性があると言えます。

    もちろんこれらの特徴を持った方すべてがテイカーというわけではありませんが、思い当たる方へのギブは慎重に検討するのが無難かもしれません。

    疲れないギバーになる方法

    とはいえ、いきなりテイカーかどうか見極めるのはとても難しいし、テイカー相手ではないとしても、「何のためにこんなに人に尽くしているんだろう…」とむなしくなる瞬間は誰にでもあると思います。

    そのため、普段から「ギブの仕方」にも少しだけ意識を向けるといいかもしれません。

    燃え尽きになりにくいギブの仕方は下記の3つです。

    ①楽しみに基づいてやる
    ②自己犠牲はしない
    ③人に相談する

    「○○さんの誕生日だからお祝いしてあげなきゃ」「××さんのお祝いに2,000円使ったのに、□□さんのプレゼントが500円じゃマズイよね…」などと考えてギブをするのではなく、純粋に「ギブしたいかどうか」「どんなギブをしたいかどうか」を考え、それを楽しめる気持ちがある場合にギブをするといいでしょう。

    また、自分の心と身体を犠牲にしてまでギブをしていても長続きしませんし、何よりしんどいです。しんどいとつい「こんなにやっているのだから、お返しを」と見返りを求めてしまいます。
    「見返りなんて求めていない」といくら言っても、その気持ちは態度に現れてしまいます。そうするとせっかくギブしても、相手に避けられてしまうこともあり得ますね。無理のない範囲で、楽しめる範囲で行うギブに留めることがとても大事です。

    それでもなおギブに疲れたら人に相談したっていいのです。 夏希 さんは今受けているカウンセラーに「人間関係を「ギブアンドテイク」「上下関係」でしか考えられないのをやめたい」件についてご相談はなさったでしょうか? ココロジーにご相談をよせてくださったということは、もしかしたらまだなのかもしれませんね。

    自分の心を守るためにぜひご相談なさることをお勧めいたします。

    以上、「ギブアンドテイク」について考えてきました。

    ギブアンドテイクの対人関係様式は極めて普通のことかと思います。ですからギブアンドテイクをやめる必要はありません。

    しかし、最も損な役回りになりやすいのはギブする人の特徴なので、どうしたら損をしないで済むのかを考えることは重要です。

    そのための方法としてテイカーを見極めることをお伝えしました。また、疲弊しにくいギブの仕方もお伝えしました。

    「ダブルカウンセリング」を懸念してあまり 夏希 さんのお気持ちにフォーカスできず、物足りなさを感じたかもしれません。その点は大変申し訳なく思います。ぜひ受けているカウンセラーと話し合ってみてください。

    少しでも 夏希 さんから自己犠牲の気持ちが減っていくことを応援しています。最後までお読みいただきありがとうございました。

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