「私、彼氏に依存ぎみかも」
「俺って通勤中もビジネス系ユーチューバーの動画見るくらいyoutube依存症だから」
そんなふうに、好きだったりハマっているものに対して「依存している」とか「依存症」って言ったりもするよね。
今回そんな人が何かに依存する心理や、依存しすぎて生活に支障が出てきてしまったときの対策などについて、「依存症」をメインにして解説していくよ。この記事を読んで依存症を正しく理解してくれる人が増えたら嬉しいな。
目次
依存症とは?
依存症とは、特定の何かに心を奪われ、「やめたくても、やめられない」状態になることだよ。ほかの何にも優先して、その特定の何かをせずにはいられなくなってしまうんだね。
依存症は、「症」の字が使われていることからもわかるように、元来病気として扱われる状態なんだ。人を依存させるような対象は、人間の脳の報酬系を刺激し、脳の状態を変化させてしまうからだよ。
例えば、お酒を飲むとドーパミンと呼ばれる快楽物質が生じるんだけど、脳が「もっともっと」とこの快楽を求め続けた結果、本人の意思ではお酒を飲むことをやめられなくなってしまった状態をアルコール依存症と言うんだ。
ただ、例えば「買い物依存」のように、病気と認められるための診断基準がないからといって「買い物依存はアルコール依存症よりも困り感は少ない」なんてことはないんだ。アルコール依存症も買い物依存も、自分でコントロールできなくなるまでのメカニズムはよく似ているし、その困り感は相当なものだよ。
以上から、今回の記事では診断基準のあるなしによって「依存症」と「依存」と呼び分けることはするものの、重症度による差を設けることはしないことにするね。
ちなみに「依存症」という用語は、WHO(世界保健機関)が提唱したものなんだけど、現在では「依存症」の代わりに「物質使用障害」「非物質関連障害」などといった用語が使われるようになってきているんだ。でも今回はよりなじみのある「依存症」の方を使っていくことにしたよ。
依存の種類
依存とは、特定の何かに心を奪われた状態なのだけど、「特定の何か」は大きく「物質」 「行為」 「人間関係」の3つのものに分けて考えることができるんだ。
物質への依存
物質への依存とは、アルコールや大麻、タバコ、砂糖、食べ物など、ある物質を摂取することで得られる快楽によって、快楽を引き起こした物質に心が奪われてしまうことだよ。
物質は脳に直接影響を及ぼすイメージがわくので、依存しやすくなるというのは理解しやすいんじゃないかな。
行為への依存
行為への依存とは、ギャンブルや性行為、仕事、ダイエット、スポーツ、買い物、スマホ、SNS、ゲームなど、ある行為をすることで得られる快楽や興奮によって、それらの快感情を引き起こした行為に心が奪われてしまうことだよ。
この中でギャンブル、性行為、ゲームへの依存は、行き過ぎた場合「依存症」と診断される可能性があるんだ。
ダイエットやスポーツ、買い物、SNSは現時点では「依存症」とはならないけれど、依存しすぎると生活に支障をきたしたり、他の病を発症するリスクがあるよ。例えば、ダイエットやスポーツは適度にやる分には健康的な行為だけど、「絶対に40㎏以下の体重じゃないといけない」と体重に縛られるようになると、拒食症などの病気になる可能性がでてくるんだ。
人間関係への依存
人間関係への依存とは、いわゆる対人依存のことで、恋愛関係や異性関係、DVなど、関係性から得られる安心感や満足感によって、その関係性に固執してしまうことだよ。
恋愛依存は「愛されている実感が欲しい」と、不特定多数とセックスを繰り返すことも多いから、行為への依存である性依存症と同義として考えている人もいるよね。
「DVが依存関係なのは違和感」と思った人もいるかな。けど、特に男性は誰かを罰すると脳の即座核が反応することが知られているんだ。即座核は快楽を生み出す報酬系として知られているよ。
また罰せられる方、つまりDVの被害者も知らず知らずのうちに「この人には自分がいないとダメ」と相手にしがみついてしまっていることもあるんだ。このように、罰し罰せられ関係も、一つの依存関係を生み出すんだね。なお、このような関係を共依存というんだ。
依存の具体例
では、依存状態にはどのようなものがあるのか、それを次にみていこう。
物質依存症
物質への依存は「物質依存症」として診断基準が設けられているんだ。現時点で医学的に認められている物質依存症はアルコールや薬物(大麻)、タバコ、カフェイン、アヘン、コカインなどだよ。
アルコールやタバコ、カフェインあたりは簡単に手に入ってしまう物質だけど、依存症になるリスクがあるんだね。
物質依存症になる原因は?
物質依存症は、どの物質に対する依存かによって得られる快楽や依存しやすさに違いはあれど、基本的にはどれも同じメカニズムによって依存症が形成されていくんだ。物質を摂取することで一時的に快楽を得られるんだけど、効果が切れると大きな副作用が生じ、更には耐性が生じるのでより多くの物質を得ようとする、といったメカニズムが共通しているんだね。
例えば、大麻依存症の場合、マリファナなどの大麻類を使用することで幻想的な体験ができ、大きな高揚感に包まれるらしいよ。そして、その効き目が切れると今度は不眠や焦りの気持ちがでてくるみたい。その不快感から逃れようと、また大麻を摂取しようとして依存していくんだ。
タバコ依存症もこれとまったく一緒だよ。ニコチンが血流にのって脳に到達するとドーパミンが放出されすっきりした感覚になるんだけど、効き目が切れるとイライラや落ち着かなさが表れるんだ。だからタバコを手放せなくなるんだね。
ギャンブル依存症
ギャンブル依存症も医学的に認められているよ。ギャンブルも物質依存症と同様の危険性があると考えられているんだ。それに借金の問題など、社会的に深刻な支障を来すリスクがかなり大きいので、早期発見・早期対処によって対応していくことが求められているよ。
ちなみに、幸か不幸か、ビギナーズラックを引き当てた人は「あの快感をもう一度」と、依存症に陥ってしまうリスクが高くなるそうだよ。
ギャンブル依存症になる原因は?
そもそも、どうして人はギャンブルに依存してしまうんだろう。物質が脳に直接作用するなら依存するのも理解しやすいけど、ギャンブルなら自分の意思で辞めることができるんじゃない?と思うよね。
けど、ギャンブルは「変動比率強化」によって人の行動をコントロールしているから、なかなか意思の力で対処することは困難なんだ。
変動比率強化とは、簡単にいうと、ランダムな確率で報酬が与えられることだよ。人の脳は何かを期待しているときにより多くの快楽物であるドーパミンが出るようになっているんだ。だから、スロットを回して毎回大当たりが出るよりも、ほとんど当たらないけどたまに当たる使用になっていると「次こそは当たる次こそは当たる…」と期待し続けることなり、その間ドーパミンが出続けるんだ。
特にスロットに代表されるギャンブルは「当たるかも?」と期待させる派手な演出がなされるから、余計にドーパミンが出やすいんだよ。もちろん、実際に大当たりを引いたら更にドーパミンが出てくるしね。ドーパミンは「脳内麻薬」と呼ばれるほど、依存性の高い物質なんだ。
ギャンブルは娯楽の一つを割り切って、負けてもいい分だけのお金だけを入れたサイフをもって楽しむなど工夫をするといいかもしれないね。
性依存症
性依存症も医学的に認められているよ。
いわゆる性依存症は「性嗜好障害」と「強迫的性行動症」の二つに分けて考えることができるんだ。
性嗜好障害とは痴漢、下着泥棒、盗撮、露出症など、明らかな社会的逸脱がある行為を繰り返すことだよ。「捕まるかもしれない」といった背徳感やハラハラ感に加え、捕まったときの社会的ダメージの大きさや羞恥心を想像して更にスリルが高まるので、捕まることなく逸脱行為をやり遂げた後の満足感が大きく、「もっと過激なことを」とエスカレートしてしまうんだ。
一方、強迫的性行動症とは自慰行為や性行為、性風俗店や出会い系サイト、アダルトサイトの利用などを繰り返すことだよ。ここに挙げた行為自体はどれも社会的な逸脱行為ではないけれど、本人の意思ではコントロールできないことが特徴なんだ。そのため、家族関係が破綻しても、仕事に行けなくなっても、借金を抱えることになっても止まることはないよ。
性依存症になる原因は?
実は性に依存してしまう理由は、まだよくわかっていないんだ。「物質依存と似たメカニズムが働いている」と言われたり「前頭前皮質の活動が関係している」と言われたりもするけど、まだまだ研究が少なくて科学的に「こうだ」と言える状況ではないみたいだね。
ちなみに「性犯罪者=性依存」ではないよ。例えば性風俗店通いに依存がある人がいても、性風俗に通うこと自体は犯罪ではないから、性犯罪者ではないんだ。
ゲーム依存症
ゲーム依存症も2019年から医学的に認められるようになったよ。正式には「ゲーム障害」と呼ばれるんだ。
(1)ゲームをする時間や頻度を自ら制御できない
(2)ゲームを最優先する
(3)問題が起きているのに続ける
こういった状態が12カ月以上続き、社会生活に重大な支障が出ていると診断される可能性があるよ。
ゲーム依存症を病気と認定することには慎重な意見もあったのだけど、昨今のゲーム市場の加熱を鑑み、予防に向けて早め早めに対策しておく必要があるとして、新たに障害認定されることになったみたいだね。
ゲーム依存症になる原因は?
ゲームには、長時間プレイさせるべくギャンブル同様、変動比率強化によって人をコントロールする仕掛けが施されたものが多いんだ。例えばたまにしかエンカウントしない幻のモンスターがいたり、敵がたまにしか落とさないアイテムがあったり。こういった要素があると、つい「次こそは!」とのめり込んでしまうよね。
さらに人の収集癖や顕示欲を刺激する要素もあるんだ。ゲームをクリアする条件ではなかったとしても、ついアイテムやモンスターを全種類集めたくなっちゃわない? 当然その分ゲームに使う時間は増えていくんだ。
一度ゲーム依存症になると、ゲームを見たときに理性を司る前頭前野の働きよりも、本能や感情を司る大脳辺縁系の働きが顕著になり「ゲームしたい欲」が支配的になってしまうよ。こうなってしまうと、本人の意思で止めることは難しいんだ。
依存症になるリスクを念頭に置いて、一日のプレイ時間を事前に決めておくなど、対策をセットにして楽しく遊ぼうね。
買い物依存
ストレスを発散させたり、高価なものを試着して「お似合いですね」と言ってもらえる優越感に浸る快楽のために買い物をする状態を買い物依存というよ。本来、買い物の目的は「何を買うか」なんだけど、買い物依存になると「買うことそのもの」が快楽を得るための行為になるんだ。
買った瞬間が一番満足する瞬間なので、買った物を家に持ち帰ってから一度も開けることがないなんてことも起きうるんだよ。
最近はキャッシュレスが進んで「お金を払っている」実感に乏しいから、「気が付いたらかなりのお金を使っていた」なんてことが起きやすく、借金問題にまで発展することも多いんだ。
買い物依存になる原因は?
買い物依存に陥る人は世の中に不満があったり、孤独だったりすることが多いよ。心がSOSを発している状態ともいえるから、そのサインに気づいたら周りの人の力も借りながら、上手に買い物と付き合っていけたらいいよね。
SNS依存
ユビキタス社会やスマホ世代といった言葉があるけど、そんな時代を代表するツールがSNSだよね。
総務省が令和3年6月に発表した「令和2年通信利用動向調査の結果」によれば、国民の73.8%が何かしらのSNSを使っているとのことだよ。確かにLINEやTwitter、Instagram、YouTubeなどは誰もが一度は触れたことのあるツールになっているよね。
SNS依存になる原因は?
SNSは人と人とのつながりを容易にしてくれて、情報を素早く取得できたりといいことも多いんだ。けど、「いいね」や「再生数」、「フォロワー数」といった数字が自分の評価かのように感じることもあって、SNS上での振る舞いが他人にどう影響するのかとても気になってしまう側面も持っているよね。
だから、つい「今回の投稿の反応はどうかな?」「他の人はどんなツイートしてるんだろう?」「自分だけ話題に乗り遅れるのでは?」といったことが気になって、SNSを利用する時間が伸びていってしまうんだ。
ワーカホリック
ワーカホリックも仕事に依存している状態だね。
もちろん、仕事を熱心にできることは否定されるいわれのないことだよ。熱中できるだけの仕事に巡り合えたのは幸運とさえいえるかもしれないね。
ところが、健康や家族のことを放っておいたままにしたり、仕事からしか楽しみを見出せなかったり、仕事をしていないと不安になるのは問題だよ。健康や家族の支えがあって始めて健全に働けるのだから、それらをないがしろにするのは本末転倒と言わざるを得ないんだ。
ワーカホリック気味になる人は、家族サービスの時間や趣味の時間を事前に確保しておくなどの対策を取れるといいかもしれないね。
仕事に依存する原因は?
自分自身に自信を感じられないと仕事に依存してしまうことがあるよ。仕事は、仕事の成果はもちろん、残業時間、ノルマ、給料など、数字で結果が示される機会が多いよね。数字は「上れば良し」「下がれば悪し」が一目瞭然になるんだ。ある意味、数字を上げるのは、最も簡単な自信の高め方と言えるよ。
自分自身に自信を感じられない人は、この数字によって自信を高めていく行為にますますのめり込んでいくんだね。
けど、数字に紐づく自信は、ちょっとでも数字が下がったときに音を立てるようにして崩れ去ってしまう脆さも併せ持っているんだ。だから数字を下げないよう、ずっと仕事から離れられない状態になってしまうんだよ。
趣味への依存
趣味に依存するといったこともあるよね。
ワーカホリックと同様、趣味に熱心になることやそれだけ情熱を注げることに巡り合えたのは喜ばしいことだよ。
でも、それによって仕事や家庭がないがしろになったり、「趣味に必要だから」といって身の丈に合わない道具を購入し家計が火の車になったりするのは問題なんだ。
趣味は趣味と割り切って、余剰時間や余剰資金で楽しめるといいね。
趣味に依存する原因は?
趣味以外のことに大きな不満を抱えていると、回避行動として趣味に依存してしまうことがあるよ。
趣味は楽しいからこそ趣味なわけで、趣味を楽しむのはとてもいいことだね。でも、趣味以外の時間がとても退屈で不満があり、楽しめないものだったとしたら、それらの負の感情をなんとかしようと趣味に大きく依存してしまうリスクが高まってしまうよ。
趣味はスポーツドリンクのようなもの。それを飲むことで「よしまた運動するか!」などと、リフレッシュしたりエネルギーをチャージすることが目的だね。いくらスポーツドリンクが好きだからと言って、そればかり飲んでいたら身体を壊してしまうかもしれないよ。
趣味を趣味として適度に楽しむために、負の感情を持つその他の活動を整理したり、何とか楽しみを見いだせないかを検討してみるのがいいかもしれないね。
甘いものへの依存
甘いものも依存しやすい対象だよ。
マイルドドラッグという言葉があるのを知っているかな。これは物質依存症を引き起こす程までには脳へ作用しないものの、一度摂取すると止まらなくなってしまうような食べ物や飲み物のことだよ。
そんなマイルドドラッグの代表が砂糖などの甘いものなんだ。中には「甘いものを食べないと、食事が終わった気がしない」という人もいるよね。それくらい甘いものは気が付いたらそばにいるってくらい、身近に潜んでいる存在なんだ。
甘いものに依存する原因は?
砂糖に依存しやすくなるのはどうしてかと言うと、砂糖を摂取することでイライラが解消されるからだよ。砂糖はドーパミンの分泌を促し、幸福感を感じさせてくれるんだ。これをシュガーハイということもあるよ。
ただ、だからといって砂糖の摂りすぎには注意が必要なんだ。もちろん、肥満や糖尿病の心配もあるけれど、メンタルへの影響も無視できないからだよ。
実は、砂糖を取ると血糖値が急上昇するために、それを抑えようと大量のインシュリンが分泌されるんだ。でもあまりにもインシュリンがたくさん出ると、今度は低血糖になってしまい、それとともにアドレナリンなど、イライラや不安を生じさせるホルモンが出てしまうよ。そしてこのイライラや不安を抑えようと、脳はまた「砂糖が欲しい」と信号を出してくるんだ。
砂糖は取れば取るほど、また取りたくなる性質があるんだよ。マイルドドラッグと言われるのも納得だね…。
依存の克服が難しい理由
今まで見てきたように、人は色んなものに依存しやすい性質があるみたいだね。それだけ人には「依存しやすい何か」があるんだ。それは何なのかを見ていこう。そしてその「何か」は、依存から克服するのを難しくさせている要因でもあるんだ。
自分で気づきにくいから
自分が「依存している」ことに気づきにくいことが依存の克服が難しい理由の一つだよ。
例えば、アルコール依存症の患者さんは「病識がない」と言われているんだ。病識とは、「病気であるとの自覚」のことだよ。つまりアルコール依存症の人がアルコールを飲んでも「ただ好きだから飲んでいるだけ」と考えるし、アルコールによる失敗をしても「酔っぱらったら誰だってこうなるだろう」と考える傾向があるんだ。
誤解を恐れずに言えば、依存している瞬間はある意味ゾーンに入っている状態。いつもの感覚とは異なるんだ。だから平常時ならできる正常で客観的な判断ができなくなっているんだね。
「依存」と「趣味」の違いがわからないから
「依存」と「趣味」の違いが分かりにくいのも、依存からの克服が難しい理由だよ。
もちろん、依存と趣味は「生活に支障が出ているか」によって線を引くことはできるんだ。いくら趣味として始めた行為でも、それによって支障が出始めたら依存と言えるかもしれないね。
とはいえ、中には「生活に支障が出ようが、これが自分の生きがいなんだ!」と一つのことに熱狂的になる人もいるし、それが楽しみってことだってあるよね。「推し活」はその典型例かもしれないよ。
本人にとって必要なものだから
「推し活」にも通じるけど、本人にとってはそれが必要なものだからという点も、依存の克服が難しい理由だね。
依存を必要とする人がいる限り、決して「依存=ダメ」というわけではないよ。本人の人生に色どりを与えるものなのであれば、その依存はとっても尊いものなんだ。
一言で「依存」と言っても、そこには「好ましい依存」から「好ましくない依存」までのグラデーションがあるということなんだね。「好ましくない依存」の最たるものが「依存症」と呼ばれる状態なんだ。
「好ましくない依存」の問題点は、それが短期的満足に終始してしまう点だよ。例えば好きなアイドルグループのライブに一回行って、「今月も頑張れそう」と楽しみが持続するなら「好ましい依存」だね。けど、「生活を犠牲にしてでも全てのライブに行かないと」「もっといろんなグッズを買わなければ」などと、一つのライブやグッズから得られる幸福感が希薄になり、幸福を感じるにの多くの工程が必要になったとしたら、それは「好ましくない依存」と言えるよ。
自分が依存症か不安になったとき
ここまでかなり詳細に依存症について見てきたよ。もしかしたら「自分ももしかして依存症?」と感じた人もいるかもしれないね。依存症を疑ったときの対応方法を見ていこう。
自分や大切な人が困っていないか
依存症になる対象は、もともと人を楽しい気持ちにさせてくれるものだよ。アルコールを飲めば酔ってほんわかした気持ちになるし、性行為も人の欲求の一つだし、ギャンブルもドキドキハラハラさせてくれるよね。
けど、なんでも物事は程度問題で、「依存症」レベルにまでその行為をしてしまうと、自分や大切な周りの人が困る状況になってしまうんだ。
例えばアルコール依存症になれば、仕事がままならず、借金を抱える困りごとが起きてしまうかもしれないよね。
このように、「その行為自体」は満足を感じさせるものであったとしても、「その行為をし続けること」に自分や大切な人が困っていないかどうかをチェックしてみて。
専門機関に相談する
病院など専門機関に相談するのも、とても大事だよ。
アルコール依存症に対する抗酒薬のように、お薬が有効なものもあるんだ。抗酒薬とは、アセトアルデヒドの分解を阻害し、お酒を飲むと気持ち悪くなるようにする薬だね。
さらにはカウンセリングによって克服を目指すこともできるよ。依存に陥った背景の気持ちを整理したり、「依存行為をしない」行動を増やしていったり、「好ましい依存」先を増やしていったりするんだ。
病院などに行くのは「自分が病気であると認めるのと同じ」と感じて抵抗感があるかもしれないね。けど、その一歩は依存症を克服する上でとても大きな一歩なんだ。きっと治療はいい方向に進むはずだよ。応援しているね。
身近な人が依存症か不安になったとき
この記事を読んで、自分自身ではなく身近な人のことを「あの人、依存症かも?」と感じた人もいるかもしれないね。今度は、身近な人が依存症だった場合の対応を見ていこう。
孤立させない
依存症は自分一人では気付きにくいので、その人を孤立させるとますます依存行為を繰り返してしまうリスクが高まるんだ。なので、依存傾向のある人を孤立させないことが重要になるよ。周りの人が見守りや観察をするだけでも、十分サポートになるんだ。
とはいえ、一緒の時間を過ごす場合「どう一緒に過ごすのか」はとても気を付けなければならない事柄だよ。実は依存症になる背景にはイネイブラーの存在があることが知られているからなんだ。イネイブラーとは、「問題行動に依存する状態を維持させている人」のことを言うよ。
イネイブラーが行う依存状態を維持させる行動のことをイネイブリングというけど、例えば、アルコール依存症の人のためにお酒を買ってきてあげる、などがその典型なんだ。
イネイブリングを辞めることが依存症を克服するのにとても重要な事柄になるよ。だけどイネイブリングを辞めることは、専門知識が必要になるから簡単じゃないんだ。専門知識を得るための方法として、イネイブラーの記事を参考にしてみてね。
専門機関に相談する
自分が依存症だった場合と同じく、専門機関に相談するのもとても大事だよ。
ただ、依存症は病識がない分、本人を連れていくことが難しい場合が多いんだ。強引に連れて行っても、抵抗されてますます専門機関からの足が遠のいてしまうリスクがあるよ。そんなときは、周りの人だけでも専門機関に相談しに行けるといいね。
専門機関に行くことで、本人に対してどのように接すればよいかアドバイスがもらえるだけでなく、断酒会や依存症をもつ家族会のような治療促進的なグループを紹介してくれる場合があるんだ。
身近な人が「依存症かもしれない」と思ったら、お近くの精神科や心療内科、あるいは精神保健福祉センターや保健所に相談してみて。たとえ本人が不在であっても上記の専門機関は相談を受け付けてくれるから安心してね。
まとめ
今日は、依存症について解説したよ。依存症とは、特定の何かに心を奪われ、「やめたくても、やめられない」状態になることなんだね。
本来「依存症」は病気として認められているものだけを指すのだけど、買い物依存など、「依存症」とされていなくても、依存症と同じメカニズムで依存が生じるため、この記事では両者をそれほど厳密に区別せずに解説してきたよ。
依存は生活に支障が生じる困ったものではあるけど、でも「依存=ダメ」なわけではなく、「好ましい依存」から「好ましくない依存」までのグラデーションがあることを理解し、「好ましくない依存」に至らないことが大切なんだ。
そのためには、事前に「今月は推し活に5000円まで使ってOKにする」「ゲームは一日一時間」など、自分の生活状況に応じて限度を決めておくといいかもしれないね。
依存症レベルにまで進行したら、1人で抱え込まず、周りの人や専門機関に助けを求めることが大切だよ。