アルコール依存症の治し方って?なりやすい性格傾向とチェックリスト

2022.06.09 Thu
シンくん

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シンくん

アルコール依存症
アルコール依存症の治し方って?なりやすい性格傾向とチェックリスト

お酒は人を解放的な気持ちにしてくれるよね。「お酒が好き」って人も多いんじゃないかな。

自分のアルコール許容度を守ってたしなむ範囲であれば、とてもお酒は楽しいものだよね。

けど、飲みすぎは禁物。今もなお続くコロナ禍にあって、お店でお酒を飲めなくなったことや在宅勤務が増えたことが影響して昼間からお酒を飲む人が増えたみたい。その結果、アルコール関連の問題も比例して増えたんだって。

今回は、アルコール関連の問題の代表格であるアルコール依存症の治し方や、なりやすい性格傾向について解説していくね。

アルコール依存症は誰でもなり得る病気なんだ

アルコール依存症とは

アルコール依存症とは、アルコールを繰り返し大量に飲み続けた結果、自分で飲酒をコントロール出来なくなるくらいお酒に依存してしまった状態のことだよ。

アルコールはコンビニでも売っているくらい、とても簡単に手に入るよね。酔うと気持ちよくなるし、多少の嫌なことも忘れられたりもする。アルコール依存症になってしまう人も、最初はそんな些細な憂さ晴らしのためにアルコールを摂取し始めたのがきっかけであることが多いんだ。

憂さ晴らしになる理由は、アルコールが脳の側坐核という部位を刺激し、ドーパミンが放出されるからだよ。ドーパミンは人に気分の高揚をもたらす神経伝達物質の一つなんだ。酔って「気持ちがいい」と快楽を感じるのはこのためだよ。

ところが、ドーパミンによる快楽は「耐性」といって、慣れが起きてしまうので、同じだけの快楽を得ようと思うと、より多くのお酒を摂取する必要が出てくるんだ。

アルコール依存症になる人は、「もっともっと」とドーパミンによる快楽を求めてアルコールを摂取するようになり、どんどん飲酒量が増え、次第にアルコールなしではいられない脳になっていってしまうんだね。

アルコール依存症は「飲酒を我慢できない気持ちの弱い状態」ではなく、「脳に異常をきたしている病気」なんだ。

ちなみに、最近では「アルコール依存症」とは呼ばず、「アルコール使用障害」と言ったりするんだけど、この記事ではより一般に知られている「アルコール依存症」の呼び名で統一していくね。

アルコール依存症の症状

アルコール依存症になるとどのような症状が出てくるんだろう。大きく精神面に表れる症状と、身体に表れる症状の二つがあると言われているよ。

また、アルコール依存症を抱える親を持つ子どもにも様々な支障が出ることが知られているんだ。以上、精神面、身体面、子どもへの影響の3つをみていこう。

精神面に表れる症状

精神面に表れるアルコール依存症の特徴的な症状に「精神依存」があるよ。精神依存とはアルコールに対する病的に強い欲求のことだよ。ここでは精神依存を4の特徴にまとめることにするね。

アルコール依存症の4つの精神依存
飲まずにはいられない:どうしてもお酒のことが頭から離れなくなり、何をしていてもお酒のことを考えてしまうんだ。
飲むのを何度も繰り返す:「もう飲まない」と誓ったとしても、何度も意に反して飲んでしまうようになるよ。
衝動的に飲む:たとえお酒を飲むのに適した場やタイミングでなかったとしても、考えるよりも先に飲酒行動に出てしまうんだ。
よりたくさん飲む:「もっともっと」と、どんどん飲酒量が増えていってしまうよ。

身体に表れる症状

アルコールの影響は、身体にも表れるんだ。それを身体依存というよ。

身体依存の代表的な症状が、離脱症状だね。飲酒を飲まないと手が震えたり、不眠になったり、発汗したりするんだ。重症化すると、幻覚が見えたり、けいれんを起こしたりもするよ。

アルコールの影響で肝臓の機能が低下すると黄疸(おうだん)が生じて、目や顔の色が黄色くなることもあるんだ。アルコール依存症になると顔つきが変わると言われることもあるようだけど、もしかしたらこの黄疸が関係しているのかもしれないね。

家族への影響

アルコール依存症は本人だけではなく、身近な人にも多大な影響を及ぼすんだ。

東京都立医療技術短期大学の安田氏の研究によると、アルコール依存症を患う親の子どもには未熟児出生、登校拒否、食行動の異常、非行問題などがより多く見られたそうだよ。

アルコール依存症は病気に振り回されることで自分自身のことをコントロールできなくなるばかりか、子どもと関われなくなるくらい、大変な病気なんだね。

父さん落ち着いて!

アルコール依存症になりやすい性格傾向

アルコール依存症は誰にでも起きる可能性がある病気だよ。でも、アルコールに頼りたくなるのはどんなときで、そのときはどんな感情になりやすいかを考えると、その感情を生み出しやすい性格の持ち主をある程度類型化できるんだ。

これから挙げていく性格を持っている人が全てアルコール依存症になるわけでは当然ないよ。一つの目安として考えてみよう。

孤独感が強い

孤独感が強いとアルコールで紛らわせようとする動機が働きやすいよ。

金沢大学の木原氏らの研究によれば、【飲んでも飲まなくても孤独で絶望感をもつような幼少時からの考え方が依存症の根源だと思う】と発言している人がいたとのことで、もともと孤独を強く感じている人がアルコール依存症を患っている人には多いみたい。

孤独を感じている限り、その孤独を紛らわせるためにお酒を飲み続ける必要があり、その習慣がアルコール依存症を作り上げてしまうんだ。

孤独感を減らすためにコミュニティ感覚を育てていくことができるといいね。

不快感に弱い

不快感を極端に苦手としている人も、アルコール依存症には注意が必要かもしれないよ。

同じく木原氏らの研究によれば、アルコール依存症を患う人たちは、とにかく不快感に耐えられなかったことを語ることが多かったみたい。

アルコール依存症は「否認の病」と言われることもあり、辛い現実や不快感を否認する傾向があることが知られているんだ。アルコールは気分を高揚させてくれるので、辛い現実や不快感を否認するのに一役買ってしまうんだね。

けど、その効果もアルコールに酔っている間だけ。アルコールを摂取しても現実は変わらないんだ。だから酔いから覚めれば相変わらず現実は辛いし、不快感もある。否認したい人にとってアルコールは救いでもあったんだね。そのためますますアルコールに手が伸びるようになり、気が付いたらアルコール依存症になっているんだ。

とはいえ、不快感に強い人なんてそうそういないし、一概に「我慢すればいい」という問題でもないよね。適切に対処できるかどうかが肝心なんだ。不快感への耐性をつけるのに、メンタライゼーションがオススメだよ。

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プレッシャーに弱い

プレッシャーに弱い人も、アルコール依存症には注意した方がよさそうだね。

医師の榎本氏によれば、周囲の期待に反して自身の能力が追い付かない場合やプレッシャーに弱い人はアルコールに頼ってしまう傾向があるとのことだよ。

過去に成功を収めた経験がある人も「今回失敗したらどうしよう」と不安になるため、アルコールに頼ってしまうこともあるみたい。

プレッシャーに弱い人の背景には自信のなさがあるのかもしれないね。けど、自信がない人こそ秘めている魅力があるんだよ。自信がなくても誰かの役に立っているし、自信がないからこそ多くの魅力と成長できる可能性だって潜んでいるんだ。

一つのことに熱中しやすい

一つのことに熱中しやすい人も注意が必要だよ。

例えば、アルコール依存症の一種であるキッチンドリンカーは、子育てに一生懸命であった人がなりやすいと言われているよ。子どもが1人暮らしを始めたり、結婚などをして家が空きの巣状態になった際、「取り残された」感覚や胸にぽっかりと穴が開いたような感覚を埋めるために、アルコールに依存してしまうことで生じる傾向にあるからなんだ。

一つのことに熱中できるのはとても素敵なことだよ。でも自分が本当にしたいことを我慢して可能性を狭めてしまっている場合はもったいないよね。

子育てがひと段落した後のこと、今から考えとこ

アルコール依存症チェックリスト

ここまでを読んでくれた人の中には「自分はアルコール依存症かもしれない」とか「あの人もしかしてアルコール依存症?」と思った人もいるかもしれないね。

そんな人のために新久里浜式スクリーニングテストを紹介するよ。これはアルコール依存症の早期発見のために使われる検査なんだ。注意して欲しいのは、この検査は「アルコール依存症であること」を「確定」させるものではなく、あくまでも「疑い」を調べるもだということだよ。

男性ver

新久里浜式スクリーニングテストは、より精度を高めるため、男性版(KAST-M)と女性版(KAST-F)の2つのバージョンがあるんだ。まずは男性verから。

合計点が3点以上
アルコール依存症の疑いが高いよ。専門医療の受診を検討してみて。

合計点が1~2点
要注意。ただし、質問項目1番のみ「いいえ」の場合には、問題ないよ。

合計点が0点
正常群。問題ないよ。

女性ver

続いて女性verはこちらだよ。

合計点が3点以上
アルコール依存症の疑いが高いよ。専門医療の受診を検討してみて。

合計点が1~2点
要注意。ただし、質問項目6番のみ「はい」の場合には、問題ないよ。

合計点が0点
正常群。問題ないよ。

アルコール依存症のステージ

アルコール依存症を放っておくとどうなってしまうのか、「末路が怖い…」と気になる人も多いみたいだね。アルコール依存症になるサイクルを3段階のステージに分けてみていこう。

第一段階 身体に感じる異変

ほとんどの場合、アルコール依存症になったときには「自分はアルコール依存症である」との自覚はないよ。アルコールで失敗する体験があったとしても「ちょっと飲み過ぎただけ」といった感覚なんだ。

このように病気である意識がないことを「病識の欠如」というのだけど、アルコール依存症の特徴の一つでもあるよ。

病識の欠如があるため、アルコール依存症を患っている人が病院を訪れる際の主訴は胃腸の不調や、肝機能の異常などで、アルコールに依存している悩みではないんだ。

第二段階 しばらく禁酒するも…

身体に異常が出始めたことでしばらくはお酒を控えるようになるよ。でも、それはあくまでも身体に出た症状の治療のため。身体の状態が改善してくると、またお酒を飲むようになってしまうんだ。

しばらく飲まなかった分、飲めるようになったときには、以前よりも多くのアルコールを摂取してしまうようになるよ。

第三段階 最悪のケースには

こうやって、「身体に異常が出ても治ったらまた飲む」ことを続けていくうちに、どんどんアルコールに対する耐性がついてきて、摂取量が増えていくんだ。

当然、胃腸や肝臓の症状はどんどん悪化していくし、脳の萎縮までみられるようになっていくよ。ここまでくると、うつ状態や誰もいないはずなのに声が聞こえる幻聴など精神的な症状も強くなっていくんだ。

そして最悪の場合、死に至ってしまうよ。アルコール依存症の人の平均寿命は52~53歳と言われているんだ。

不死の僕がアルコール依存症になったらそれはそれで大変だ…

アルコール依存症の治し方

アルコール依存症は早めに対処することの望まれる病なんだ。どうしたらアルコール依存症から回復していけるのかをみていこう。

ところで、今「回復」と言ったね。実はアルコール依存症の場合「治癒」という言葉はあまり使わないんだ。というのも、一度アルコール依存症になってしまうと一生「お酒を飲みたい」気持ちがなくならないからだよ。

アルコール依存症は常に「断酒し続ける」ことで、アルコール依存症からくる症状を抑えていく必要があるんだ。症状が抑えられている状態を「回復」と呼ぶんだね。

このままアルコールに依存し続けたらどうなるかを想像する

アルコール依存症から回復するためには「アルコールに依存し続けたらどうなるか」をありありと想像することが大切なんだ。

「このままアルコールに依存した状態があと5年続いたらどうなるだろう? 10年後は?」
「アルコールに依存したことで、出来なくなったことは?」
「アルコールに依存して得たものと、一方で失ったものは?」

こういったことを考えていくんだ。出来れば専門家と一緒に考えられるとベストだよ。先述したように、アルコール依存症は病識が欠如しているんだ。けど、内心は「このままじゃまずい」ということはわかっているよ。

つまり、「別に大した問題はない」気持ちと「変わらなければ」との気持ちの両方を持ち合わせているんだね。この両方の気持ちのバランスをうまく調整しながら、徐々に「変わらなければ」との気持ちを大きくしていくのには、高度なテクニックが必要なんだ。専門的には「動機づけ面接」と呼ばれるテクニックだよ。

自助グループ

自助グループに参加することも、アルコール依存症から回復するのに大切だよ。自助グループとは、同じ悩みを抱える人同士が集まって、どうすれば回復していけるのかを話し合ったり、回復するまでの道のりを互いに支え合ったりするグループのことだよ。

アルコール依存症は自分一人で回復するのはとても困難だから、仲間の相互サポートが不可欠なんだ。自助グループで行われるミーティングに積極的に参加し、アルコール依存症の先輩がどのような工夫をしているのかを知ったり、自分の辛さを話し、聞いてもらう体験はとても貴重だよ。

自助グループは「言いっぱなし。聞きっぱなし」が基本ルールなので、何か言って否定されるようなことはないから安心なんだ。

話せてすっきりした!

ノーという勇気

「一杯どう?」「うまい酒出す店見つけたんだ」と言われたら、「一回くらい…」とつい誘いに乗ってしまいそうになるよね。

気持ちはわかるけど、その「一回くらい」が取り返しのつかないことになってしまうリスクがあるから、ノーという勇気を持つ必要があるんだ。その「一回」が今までアルコールを我慢してきた努力を水の泡にしてしまうからだよ。

本当の意味での「お酒に強い」とは、どれだけ飲んでもアルコールを分解できる力のことをいうのではなく、飲酒欲求に打ち勝てることなんだ。

抗酒薬を使う

病院で処方される抗酒薬を使うのも大事だよ。

抗酒薬とは、簡単に言うと、アセトアルデヒドの分解を阻害する薬だよ。抗酒薬を飲んだ状態でアルコールを摂取すると、血中アセトアルデヒド濃度が上昇するので吐き気や頭痛、動悸など不快な反応が生じるんだ。

抗酒薬を飲んだ後にアルコールを摂取することを何度か続けると、アルコールを飲むと具合が悪くなる経験が積まれることになるので、アルコールを飲みたい気持ちが少なくなっていくんだね。

自分の意思でアルコールの摂取量をコントロールできなくなっているのがアルコール依存症だから、お薬の力を借りることは理にかなっているよ。

この抗酒薬、こうかは ばつぐんだ!

アルコール依存症の家族の役割

アルコール依存症から回復するのは本人の努力も大切だけど、もともと回復するのが困難な病なうえ、本人に病識がないから家族のサポートも不可欠なんだ。

アルコール依存症を患っている人を、家族がどう支えていけばいいかも確認していこう。

鬼手仏心

鬼手仏心とは、見た目には酷いことをしているように見えても、実は相手のためを思ってのことであるという意味だよ。

この四字熟語のように、アルコールの摂取を一日でもやめることができれば一緒に喜ぶ仏のような心を持ちつつ、本人に困りごとを経験させる鬼の手段をとることが、アルコール依存症を患う人の家族には求められるんだ。

そのためにはまず第一に「一緒にアルコール依存症に打ち勝とう」といった共通認識を持つことが何よりも大切になってくるよ。

それと同時に、一切本人のアルコールの失敗を尻ぬぐいしない、アルコールを絶対に用意しないという強い取り決めも必要なんだ。

アルコール依存症に陥っていく背景に、イネイブリングがあると言われているよ。イネイブリングとは、知らず知らずのうちに行ってしまう依存症を助長する振る舞いのことだよ。イネイブリングの代表が、アルコールでの失敗の尻ぬぐいだったり、アルコールを用意することなんだ。

例えば、家族がアルコール依存症のために朝起きられず遅刻した際、本人が会社に電話するのではなく、家族が代わりに電話して謝罪するなどが典型だね。

イネイブリングは本人を思っての行為なのだけど、本人から「困った」「大変だ」と感じさせる経験を奪ってしまう行為でもあるんだ。それだと残念ながら「どうにかしないと」「治そう」という気にならなくなってしまうよ。

1人で抱え込まない

仏心鬼手に振舞わなければならない、というのは言うのは簡単だけど、いざ実行しようと思うととても大変だよね。

アルコール依存症は、アルコールへの依存度が高ければ高いほど攻撃性も高くなるので、「酒買ってこい!」と強く言われてもなお「買わない」選択をするのは難しいんだ。

だからアルコール依存症を患う人の家族は、問題を1人で抱え込まないことが大事だよ。ときには誰かに相談したり、かくまってもらうことも必要なんだ。

地域の精神保健福祉センター保健所に問い合わせることも考慮してね。アルコール依存症の家族会のようなものがあれば、そこに参加してみてもいいよ。

1人では抱えられないものも、2人なら

まとめ

アルコール依存症は「飲酒を我慢できない気持ちの弱い状態」ではなく、「脳に異常をきたしている病気」なんだね。

アルコール依存症は病識が欠如しているから、自分が病気である自覚がないままどんどん進行し、最悪の場合死に至ってしまうんだ。だから、本人になんとしても病気であることを認識してもらい、しっかりとした治療を行うことが必要なんだね。

そのためには家族のサポートは欠かせないんだ。ただ、かなり大変な作業になるから、行政の支援や専門家の力を借りることを念頭において欲しい。

本人はNOと言う勇気を。家族は誰かに頼る勇気を。

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