共依存を招く“イネイブラー”って?意外な特徴とやめる方法

2022.01.26 Wed
シンくん

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シンくん

イネーブラーの特徴とイネーブラー診断
共依存を招く“イネイブラー”って?意外な特徴とやめる方法

特定の物質や行為・過程に対して、やめたくてもやめられない状態になってしまう依存症。依存を抑えられない、何度も再発を繰り返してしまうのは一見、本人だけの問題に見えるよね。

でも実は、依存症に苦しむ人の周りには「イネイブラー」という依存症を助長する存在が隠れていることがあるんだ。「あの人には私がいないとだめだから」「私がどうにかしてあげないと」といった感情や言葉が出たら要注意。

今回は、依存とは切っても切り離せない存在「イネイブラー」の問題について解説していくよ。

イネイブラーは本人が自覚を持ちにくいのも問題だよ

イネイブラーとは?

イネイブラー(enabler)」とは、嗜癖や問題行動を陰で助長している身近な人のこと

「イネイブラー」の語源は英語のenableで、enablerを直訳すると「~を可能にする人」という意味になるよ。「世話焼き人」などと言い換えられることもあるんだ。つまりイネイブラーとは、「問題行動に依存する状態を維持させている人」と言えるね。

また、「相手にやってほしくない行動があるのに、気がつかないうちに自分がその行動を可能にしてしまっている」という行動全般を「イネイブリング」というよ。

イネイブラーの歴史

イネイブラーの存在が世の中で注目され始めたのは、1970年代、アメリカのアルコール依存症治療からなんだ。

アルコホリック(アルコール中毒患者)の治療が奏功しない原因を探る中で、アルコホリックの支え手であるパートナーが、アルコールを飲む状況を可能にしたり、依存を後押ししてしまっていることが明らかになったんだよ。

あると飲んじゃう…

イネイブラーと共依存との関係

イネイブラーは困った人を支える人。だから、支えている相手が健康になれば自分は必要なくなるよね。

イネイブラーは、”相手に問題行動をやめてほしい”と思いつつも、”相手を支えることで自分の存在意義を確認している”人とも考えられるんだ。その深層には、「必要とされること/相手に依存されること」に対しての依存があるんだ。

依存症を抱える人は、やめたいけどやめられない気持ちといつも葛藤しているよね。その中で、「大丈夫だよ、少しくらい」というささやきがあったり、そっとお金やお酒が置いてあったりすると我慢できなくなってしまうんだ。

イネイブラーにとっては、自分の存在価値を見出してくれる「問題を抱えている人」が大切。そして問題を抱えている人にとっても、なんだかんだ自分の欲求を叶えてくれるイネイブラーは大切なんだ。だから、お互いに離れることのできない”共依存”という関係に陥ってしまうんだよ。

薄々わかってんだよなぁ…この関係はマズイって…

イネイブラーに陥る原因

どんな人が、どんな状況で、イネイブラーになってしまったり、共依存に陥ってしまうんだろう。原因を探っていくよ。ただし、ここに書かれている原因があるから、必ずしもイネイブラーや共依存になってしまうわけではないよ。

身近に問題行動を起こす人がいる

家族や親しい人の中に、「誰かが支えてあげないといけないくらいの問題行動」を起こす人がいることが要因になるよ。

何年にもわたって、身近に問題行動を起こし続ける人と一緒にいると、いつしか”支えることが自分の生きがい”になって、知らず知らずに問題行動を支えてしまっていることがあるんだ。

イネイブラーは、いわゆる「アダルトチルドレン」のケアテイカータイプにも関連するよ。家事をしない親に代わってこなしたり、相手が望むお酒や金銭をサポートすることで、本来の親の役割を奪ってしまったり、相手が変わることを妨げてしまっていることがあるんだ。

生きづらいアダルトチルドレンとは?3つの回復方法【診断チェック】

これも共依存関係ですか?

家族が共依存の関係にある(あった)

「父はお酒を飲んだら暴れるのに、お酒を切らさないように準備するお母さん」

「お母さんは買い物依存に困って通院しているのに、お小遣いを渡し続ける祖母」

依存しあう家庭環境で育った子どもは、困った行動をする人か、困った行動を支える相手に自分を重ねることがあるよ。依存しあう関係を間近で見ていることで、似た対人関係のパターンを繰り返すことがあるんだね。

だけど、この負のループは決して、絶対的なものではないんだ。家族で起きていたこと、自分が見てきたことをはっきりと自覚することで、負のループを断ち切ることができるんだよ。

負のループから脱するんだ!

「コントロールしなきゃ」の悪循環に陥っている

依存が進む要因には、コントロールの悪循環があるんだ。

①相手の行動そのもの②行動の原因③行動の結果の3つをコントロールしようとすることで、よけいに依存が強まってしまうよ。

アルコール依存を例に考えてみるね。

①飲酒をコントロールしようとする(怒る、監視する、酒を捨てる)
②飲酒の原因をコントロールする(機嫌を窺う、生活を変えさせる)
③飲酒の結果をコントロールする(酔ったときに介抱する、迷惑をかけたときに代わりに謝る)

このような「コントロールの悪循環」を認識することが依存症治療の第一歩と考えられたんだ。

コントロールしようとするのを辞めるのが第一歩なのね

イネイブラーの特徴

次はイネイブラーに代表的な特徴を一緒に見てみよう。

個人の性格や環境によって、タイプは様々だよ。今回もここにある特徴に当てはまったからといって、必ずしもイネイブラーであるとは限らないことには注意してね。

過保護である

「自分がやってあげないと、この子はなにもできない」

「私がいないと生きていけないんだから」

…と思って、見守る前に手を出してしまうのは要注意

例えば、親が子どもの友人関係をすべてコントロールしようとすると、子どもは自分の力で人間関係を築けなくなったり、親の視点以外を得られなくなってしまうよね。

子育て本のベストセラーとなった『アメリカインディアンの教え』の中では、こんな格言があるよ。

アメリカインディアンの子育て四訓

  1. 乳児はしっかり肌を離すな
  2. 幼児は肌を離し、手を離すな
  3. 少年は手を離せ、目を離すな
  4. 青年は目を離せ、心を離すな

子どもの成長に合わせて、親の関わりも成長させていく必要があるんだね。

私も成長したんだから親も成長してよね!

自分と相手との境界が曖昧

「子どもの幸せが私の幸せだから、自分なんてどうでもいい」

「四六時中彼のことで頭がいっぱい、彼に関すること以外興味がない」

このような、自分と相手の境界が曖昧な場合も要注意。

親子であっても、恋人であっても、自分は自分で相手は相手。違う考え方や感情をもって、それぞれの足で自分の人生を歩いていく必要があるよ。

相手の手となり足となり、献身的に支えていることが生きがいになっていると、相手が自分で歩き出したときにどうしたらいいかわからなくなってしまうよね。相手が自分の足で歩いて行ってしまうことを引き留めたいと感じるとき、イネイブラーに陥ってしまっているのかもしれないよ。

自他境界の作り方って?境界が“あいまい”だと感じたときの改善法

人の手を借りずとも、生まれつき8本もあるぜ

自分に自信がない

「自分なんて取るに足らない存在だから相手に尽くして生きていきたい」

「子どもには自分の人生まで生きてほしい!」

このように思う背景には、自分に対する自信のなさが隠れているかも。

自分が相手の人生の脇役として生きている場合、相手には悲劇の主人公でいてもらわなきゃ困るよね。なぜなら、相手がハッピーになったら、自分の健気で献身的な役目がなくなってしまうから。自分の人生の主役を担えていないとき、イネイブラーとして相手の問題に加担してしまっているかもしれないよ。

私の人生の主人公は私だ!

適切な関係チェックリスト

親との関係や恋人との関係が適切なのか、依存的なのかわからなくなることってあるよね。ここでは、イネイブラーにも繋がり得る「共依存」という観点から一緒に考えていくよ。

よりよい関係を築くためのヒントにしてみてね。

お互いの成長や目標が優先されているか

付き合っていても結婚していても、たとえ親子であっても、それぞれの道で力を発揮していくことは大切なんだ。

もちろん、自分の夢や目標ばかりを考えていられない状況にある人も多いと思う。ただ、常に自分を脇道において、相手の関心を得たい、相手のために全部を捧げたいという気持ちは、依存といえるかもしれないね。

切磋琢磨していこうね

話し合いや妥協を行えるか

「女性は男性の三歩後ろに下がって歩く」という考え方は今もまだまだ根強いよね。性別や立場に限らず、相手を立てたり、尊重することはもちろん大切だよ。

ただ、今はそれに加えて、ここは譲れないというときに、はっきりと主張したり、”この分野は私が主導”という役割をもつことも、よいパートナーシップに繋がるんだ。

お互いがwin-winな主張方法は、自己開示の方法アサーションについての記事を読んでみてね。

ボケもツッコミもどっちも大事

相手の個性を受け入れているか

「自分は自分で、相手は別の人間である」という線引きができているかどうかということも大切になってくるよ。

「相手の問題行動によって、相手も自分も困っている」という状況であれば、問題行動解消のために一緒に考えていく必要があるよね。でも、「彼には問題がある。彼は困ってないけど、自分にとっては大問題」という場合には一度、自分が何に対して怒っているのかを見直してみてもいいかも。

自分と違う生き方をしてきた相手を無理やり変えようとするのは、自分にとっても相手にとってもストレスフルだよね。

育ってきた環境が違うから~♪

お互いに対して抱く感情や認識を共有できるか

些細なすれ違いや認識の齟齬で喧嘩をしたとき、どんな風に解決してるかな。

冷静に自分の気持ちや考えを、しっかり相手と話し合える関係は長く続くといわれているよ。

時間が過ぎて、曖昧になってなんとなく仲直りするのも悪くないんだけど、似た内容で、またぶつかってしまうことも多いよね。相手とぶつかったとき、自分には自分の、相手には相手の想いがあるという認識をお互いにすることが、「依存ではない親密な関係」にとって大切なんだ。

違いはあって当然

状況や時間の変化に伴って関係も変わっていくか

「成人したのにいつまで経っても子ども扱い」

「子どもが生まれたのに父親意識は全くなし」

こういった対応をされると当人や周囲は困るよね。

ライフステージや人生の節目では、それぞれがもつ役割も変わっていくことが理想とされているよ。

例えば、「子どもが成長して大人の一歩を踏み出したら、親は一歩下がって見守る役割に切り替える」「パートナーとの間に子どもを授かったら、夫婦から家族としての在り方を考えていく」などなど。

だから一方だけが変わって、もう一方はずっと変わらないまま、というときは要注意。「自分が変わらなくても大丈夫な関係」への依存が隠れているかもしれないよ。それに、「変わらないんだから変えてあげないと」と、相手を思い通りにしたい気持ちの芽生えにも繋がることもあるんだ。

(どうしよう…大人なのに異世界転生してしまった)

イネイブラーからの脱出方法

ここまで読んできて、「自分の問題がなかなかよくならないのは近くにいるイネイブラーが影響しているのかも…」、「共依存になってしまっているけどよい関係を築きたい!」と感じる人もいるよね。

イネイブラーから脱出して共依存を止めるにはどんな方法があるんだろう。

物理的な距離をとる

毎日近くに居続けると、どうしてもお互いの存在が大きくなって干渉しあってしまうんだ。

もちろん、「距離を取れないから困ってるんだけど…」と思う人もいるよね。でも、別居をすることや、家出することだけが距離をとることではないよ。1日2時間はお互い別の場所で別のことをする、休日は外にでて好きなことをしたり会いたい人に会うなど、できることから始めてみてね。

少し遠くから見ることで、自分と相手の関係性について新しい発見を得られるんだ。

遠くから見るからこそ見えるものもあるよね

相手が変わるのを期待せず自分から行動する

「相手が~してくれたら、自分も変われるのに」「早く相手が~してくれないかな」って思うこともあるよね。

だけど、どれだけ近くにいても長い時間を過ごしていても、人を思い通りにするのはなかなか難しいんだ。

自分が変わりたいと思ったら、自分から行動を起こすことが最も近道になるんだよ。相手に自分が思っていることをはっきり伝えてみる、自立をするためにできるところから貯金をする、第三者の視点を取り入れるために誰かに相談してみるなど、できるところからチャレンジしてみよう。

一歩踏み出してできた道が近道になるんだ

親との関係性を俯瞰して見る

親のイネイブリングから脱出するためには、自分を起点に考える力をもつことが大切なんだ。

例えば、親の期待に応えるためにしてきたこと、親の希望に従って生きてきた部分を俯瞰してみてね。心の中で聞こえる、”~するべき”、”どうせ~なんだから”という声はもしかしたら、自分ではなく親に言われてきた言葉かもしれないよ。ちなみに、自分の中にある親のイメージのことは「インナーペアレンツ」とも呼ばれることもあるよ。

「親が望んでいるから」「自分はこうしなければ」という考えに縛られず、「自分はこうしていきたい」という考えを大切にしていくことが、イネイブリングからの脱出に繋がるんだ。

自分の考え方や思いを俯瞰的に見るためには、自分史の作成や専門家の力を借りるのが有効だよ。具体的な親との距離を取る方法は、こっちの記事を読んでみてね。

「べき思考」の折の中から飛び出そう

自分がイネイブラーをやめるための対処法

「イネイブラーという自覚はあるんだけど、どうやってやめればいいの?」という人もいるよね。

悪気がなくても、本心からよくなってほしいと思っていても、知らず知らずのうちにイネイブリングしてしまうこともあるんだ。コントロールをキーワードに、イネイブリングをやめていく方法を考えていくよ。

適切な対処ができているか考える

頑張って対応するほど悪化する…なんてこともあるよね。

例えば、子どものスマホゲーム依存を見かねてスマホを取り上げると、子どもは余計にやりたくなって夜中にこっそりと長時間行ったり、友達の家でゲームに夢中になったりしてしまうよ。

強くコントロールしようとすると、反動で、余計やりたい気持ちが高まって隠れてこっそり好きなことをするようになってしまうんだ。隠れて好きなことをしていると、歯止めが効かなくなったり、スリルも含めて癖になったりして、よくない影響も多いんだ。

子どもであっても大人であっても、一人の人間同士として、一緒に話し合って、妥協点を見つけ、お互いが納得できる約束を考えられるといいよね。

しっかりじっくり話し合おう

問題行動の尻ぬぐいをやめる

困った行動の後始末をすることも、イネイブリングの一つになりうるよ。

例えば、夫が飲酒をしてトラブルを起こした後、夫の代わりに謝罪をしたり、金銭で解決したりする人もいるよね。これは飲酒という問題行動の結果を、イネイブラーがコントロールしていると考えられるよ。夫が起こした飲酒トラブルの尻ぬぐいすることは、夫が自分で責任をとる機会を肩代わりしてしまってることになるんだ。

問題を起こした本人が、ことの重大さを認識する機会と考えて、本人が責任を取る姿を見守ることが支援者の役目だよ。

尻ぬぐいは、本人から反省する機会を奪うことになりかねないよ

「手放す」と「見捨てる」の違いを理解する

「大切な子どもを放っておくなんてできない」「夫を野放しにしろっていうの?」と思う人もいるよね。

だけど、「イネイブリングを止めること」と「見捨てる(愛情を断つ)」はまったく違うんだ。大切なのは、手放すこと。「手放す」とは、「愛情をもって見守りながら待つ」というイメージだよ。

待つのはもどかしいし、イライラするし、自分がどうにかしてあげたくなるときもあるよね。だけどその気持ちはぐっと抑えて、相手が「自分で生きる力を持っている」ことを信じるのが大切なんだ。

一心同体として手を繋ぎ続けていたら、いつまでたっても一人で歩き出すことはできないよね。一度手を放してみて見守る姿勢と、「上手くいかなくて戻ってきたらまた一緒に考えよう」という温かい気持ちがなによりの支えになるんだ。

仏心鬼手だね

イネイブラーを脱するには外からの視点と知識が必要

自分が援助者なのかイネイブラーなのかなんてわからないし、何をしても八方塞がりに思えることもあるよね。イネイブラーと離れたいのに、離れられない人も多いんじゃないかな。

でもそんなときに役に立つのは、自分を外から見る視点と少しの知識なんだ。この記事を読んで、「へえ、そういう視点もあるんだ」なんて思ってくれたらとても嬉しいな。

依存を断つのはなかなか難しいよね。でもできるところから取り組んでみてね

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