不安障害の種類と原因、治し方をやさしく解説

2022.05.31 Tue
シンくん

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シンくん

不安障害の症状と治し方
不安障害の種類と原因、治し方をやさしく解説

「電車が怖くて乗れない」
「人前に立つと動悸がする」
「みんなが平気なことが異様に怖い」

こんな症状が出てくる精神的な病を不安障害というんだ。

不安障害はおおよそ5~6%の人がかかると言われていて、決して珍しい病気じゃないんだ。知らないだけで、身近な人が不安障害に苦しんでいるなんてことがあるかもしれないね。

今回はそんな不安障害について詳しく解説していくよ。

治療法も解説してるよ

不安障害とは

不安障害とは、その名の通り、不安・緊張・心配が過度に生じて、そのために日常生活に支障をきたしてしまう精神的な疾患のことだよ。不安障害は、動悸や息苦しさ、発汗、めまいなどの不快な身体症状も引き起こすから、とてもしんどい病なんだ。

不安や身体症状の表れ方によって、不安障害はいくつかの種類に分けられるよ。

不安障害の種類

不安障害にはどのような種類があるのかをみていこう。不安障害にはいくつかの分類法があるのだけど、ここではアメリカの精神医学会が出しているDSM-5と呼ばれる診断マニュアルに準拠して説明していくね。

パニック障害

不安障害の一つにパニック障害があるよ。パニック障害の特徴は、突然生じるパニック発作を何度も繰り返すことなんだ。

パニック発作とは、突然激しい動悸や息苦しさ、めまいなどが起きる症状だよ。そのあまりの突然さと激しさのために「このまま死んでしまうのでは?」と強い恐怖と不安、混乱を感じるんだ。「また発作が起きたらどうしよう?」と心配になる「予期不安」を伴うことも多いよ。

パニック発作は10分ほど続くことが多いと言われているのだけど、渦中にいるとその10分がとても長く感じるみたい…。

ちなみに、ドラマなどでパニック発作を起こしている人に紙袋をあてがうのをみたことがある人もいるかもしれないね。けど、この方法は低呼吸を引き起こし、失神のリスク、最悪の場合死亡のリスクがあるから絶対にやってはいけないよ。

もし自分あるいは近くにいる人がパニック発作で苦しんでいたら冷たい水を飲んだり、アメをなめたりして必要以上に息を吸い過ぎないように工夫しよう。背中をさすって冷静に「大丈夫大丈夫」と声をかけてあげるのも、応急処置としては良い方法だよ。

やばい、突然めまいが…

広場恐怖症

広場恐怖症(ひろばきょうふしょう)も不安障害の一つだよ。誤解されやすいのだけど、広場恐怖症は広い場所が怖い病気ではないんだ。

広場恐怖症は広場のように人がごった返すなどして、「その場から簡単には離れることができない場所」に対して恐怖を感じる病だよ。だから、例えば、映画館やエレベーターの中、美容院のシャンプー台などは広場ではないけど「簡単には離れることができない場所」なので不安を感じる場合があるんだ。

どうして「その場から簡単には離れることができない場所」に対して不安を感じるのかというと、「何かあったときにすぐに逃げ出せない、助けが来てくれない」ことが不安だからだよ。

広場恐怖症は、先述したパニック障害を患っている人が併発しやすい病気なんだ。「パニック発作が出たときに逃げ出せなかったらどうしよう」「助けてもらえずそのまま死んでしまったらどうしよう」と考えてしまうんだね。

広場恐怖症があると、外に出るのが怖くなってずっと家に引きこもらざるを得ない状態になることもあるんだ。とてもしんどいよね。

こんな狭いところでパニック発作が起きたら誰も助けてくれない…こわい

全般性不安障害

不安障害には、全般性不安障害(ぜんぱんせいふあんしょうがい)もあるよ。全般性不安障害とはその名の通り、ありとあらゆることが不安で仕方がない障害だよ。

不安以外にも、①落ち着かなさ・緊張感・神経過敏、②疲れやすい、③集中困難、④怒りっぽい、⑤筋肉の緊張、⑥睡眠障害のうち、3つ以上が同時にみられた場合に診断されるんだ。

ただ、全般性不安障害によく似た症状は甲状腺の病気や低血糖など、身体の病気にもみられるから、「自分は全般性不安障害かも?」と思ったら、精神科よりも心療内科で身体の検査もしてもらう、あるいは内科に行って「全般性不安障害の可能性有」と診断されてから精神科に行くといいかもしれないね。どういった病院を選べばいいかは心療内科と精神科の違いは?の記事を参考にしてみて。

異次元へ逃げたい

社交不安障害

社交不安障害(しゃこうふあんしょうがい)もその名の通り、人とのかかわりを過剰に不安がる精神疾患だよ。

誰でも人前に立つなどの人とのかかわりでは、多かれ少なかれ不安になるだろうけど、社交不安障害の場合は頭が真っ白になったり、倒れてしまったりするくらいの強い不安・緊張を呈することが特徴なんだ。

誰かと食事を摂ることに対しても不安を感じるので、友だちにランチに誘われても断らざるを得なくなり、疎遠になってしまうこともあるよ。社交不安障害だからといって「友だちなんかいらない」と思っているわけではないから、友人が思うように作れないとなるととても悔しい気持ちになるよね。

つ、次のス、ス、スライドをご覧ください(次のスライドって何書いてたっけ?汗)

分離不安障害

分離不安障害(ぶんりふあんしょうがい)とは、愛着をもっている重要な人物から離れなければならないことに対して強い不安を感じる障害だよ。離れることを想像するだけで不安になったり、頭痛や吐き気などをもよおすこともあるんだ。

分離不安障害は子どもに多い障害だけど、成人にも分離不安障害を患っている人もいるよ。

離れ離れになるなんて想像しただけても涙が出てくるわ

選択制緘黙

選択制緘黙(せんたくせいかんもく)とは、しゃべることそのものには障害がないにもかかわらず、特定の場面になるとしゃべれなくなる不安障害のことなんだ。

例えば、家ではお母さんとは話すことができるけど、学校では話さなくなるというような感じだね。

……。

限局性恐怖症

限局性というと難しく感じるけど、「何か特定の物」という意味で、例えば高所恐怖症とか、先端恐怖症とか、ヘビ恐怖症とか、雷恐怖症といったものだよ。

多かれ少なかれ、みんな苦手なものってあるよね。例えば、虫が苦手とか、刃物が怖いとか。でもその苦手さが過剰で、「過剰である」という自覚があるくらい不安になるのが限局性恐怖症の特徴なんだ。

鬼は豆恐怖症?

不安障害が維持される理由

一言で「不安障害」といっても、多彩な障害が含まれているのがわかったよね。これだけ多彩な症状のある障害だから、「そうなってしまう原因って何なんだろう?」と気になった人も多いかも。

けど、実はまだ不安障害の原因は分かっていないんだ。同じような境遇に立たされた人でも、ある人は広場恐怖を感じるし、別の人は感じない、ということがよくあるんだね。

一方、「どうして不安障害が維持されてしまうのか?」はある程度普遍的な事柄が分かってきているんだ。維持されてしまうメカニズムがわかれば、不安障害を患っても治していける見通しが立つよ。

以下、不安障害の代表格であるパニック障害を例に考えていこう。

ここではメカニズムを細かく説明するために、パニック障害が起こりそうな状況を詳しく記述しているよ。パニック障害を抱えている人は読むだけで不安になってしまうかもしれないね。だから、続きを読むのを控えるか、リラックスした状態になってから読むか、信頼できる誰かと一緒に読むことをオススメするよ。

考えないようにしている

不安障害が維持されてしまう理由の一つ目は「考えないようにしている」だよ。

パニック障害を患うと、パニック発作が生じたときの体験が、文字通り「死ぬほど」恐ろしかったものだから、パニック発作で苦しんだ経験を何とか忘れよう忘れようとするんだ。

でも、皮肉なことに、人間の脳は「考えないようにしよう」と考えていることほど考えてしまう性質があるんだよ。「Aのことを考えないようにしよう」と考えると、「今考えているBはAと関係することかな?」と、常に「Aと関係ある?」とAのことを考えてしまうからなんだ。そしてAのことを思い出したら「はやくAを忘れなきゃ」とまた考えないように努力をすることになるよ。

このことが、逆に恐怖体験を繰り返し思い返す結果につながり、ますます不安が募っていく悪循環を生んでいるんだね。

後ほど「場数を踏む」のところで詳しく解説するけど、不安障害を克服するためには、自分が感じている不安をレベルの低いものから高いものに順番に並べて、不安レベルの低いものから順番に「あえて思い出す」作業をしていくよ。無理していきなりめちゃくちゃ怖い体験を考える必要はないから安心してね。

いくら忘れようとしても君を忘れられないんだ

避けている

不安障害が維持されてしまう理由の二つ目は「避けている」だよ。

例えば、電車に乗っているときにパニック発作が生じると、「もうあんな体験はイヤだ」と、電車に乗ることを避けるようになるんだ。

でも、電車を避け続けると「電車に乗っても大丈夫だった」経験はいつまでたっても得ることができず、その人にとって「電車=怖い」の図式が変わらず固定されてしまうようになるんだ。

それに加えて、「避けている」は「考えないようにしている」と同じことなので、避けている間、ずっと避けている対象のことを考えているとも言えるね。

怖い対象を避ける行為は、短期的にみれば「怖さを感じなくて済む」となるけど、長期的にみると「怖さをストックし続けている」となるんだ。

こちらもさっきの「考えないようにしている」で述べたのと同じく、不安のレベルが低いものから高いものに順番に並べて、不安レベルの低いものから順番に慣れていけるといいね。

宿題やるのを避け続けたつけが回ってきた。ぴえん

頑張っている

「自分は電車の中でパニック発作になったことがあるから電車に乗るのは今でも怖いけど、通勤で仕方がないから乗っている。避けてない。けど、今でもパニック障害は治っていない」という人も中にはいるかもしれないね。

そういう人は、もしかしたら知らず知らずのうちに「安全行動」を頑張って取っているかもしれず、その頑張りが不安障害を維持させている理由かもしれないよ。

安全行動とは、「大丈夫」と思わせてくれる行動だよ。電車でのパニック発作を恐れている人がよくとる安全行動は、水が入ったペットボトルを常にカバンに入れておいたり、エチケット袋を入れていたり、アメを食べたりなどだね。中には信頼できる人と必ず一緒に乗るという人もいるよ。

このような安全行動が決していけないわけではないんだ。安全行動をとることで生活に支障が出ていないのなら、それを続けても構わないよ。

でも、安全行動をあまりに必死でやっているのなら、そのことが緊張を生んで、不安を維持してしまう理由になっている恐れがあるんだ。

例えば、アメを食べるのを安全行動にしている場合を考えてみよう。アメを忘れまいと必死になっていればいるほど、寝坊などのために慌てていてアメを忘れてしまったとき、普段アメを忘れまいと必死だった分だけ、忘れてしまったときの動揺は大きくなるよ。この動揺を身体が「パニック発作の前兆」と錯覚し、本当にパニック発作が生じる結果になってしまうんだ。

もう空っぽじゃん!やばいやばい!え、うそ…なんか苦しくなってきたかも…

不安障害の治し方

では、不安障害の治し方についても見ていこう。こちらもパニック障害を例に見ていくことにするね。パニック障害に限らず、不安障害の治し方はすべて共通しているから、他の不安障害で苦しんでいる人も参考にしてみてほしいな。

あくまでも治し方の紹介であって、ここに挙げる治し方を自分一人や自力でやることを推奨するものではないからその点は注意してね。「へえ、こういう治し方があるのか」ということを参考にして、ぜひ専門家と一緒に治していってね。

お薬を飲む

まず第一に、精神科や心療内科で処方されるお薬を飲むことだよ。

不安障害は些細な不安状況に対して過剰に反応する、いわば脳のバグなんだ。「心が弱い」とか「自意識過剰」というわけではないんだよ。

人は誰でもその日その日のコンディションが違うよね、だから、いつも歩いている道をいつも通り歩いても、ちょっと息が上がることは普通にあるんだ。けどパニック障害になると、息が上がったことを「パニック発作の前兆だ」と脳が勘違いしてしまうので、不安になり、結果本当にパニック発作が起きてしまうんだね。

しっかりと脳に働きかけるお薬を飲むことが、不安障害を治すのに最も大事なことの一つなんだ。

基本はやっぱりお薬

時間薬

お医者さんから処方されるお薬とともに、時間薬も有効だよ。

ここでいう時間薬とは、「パニック発作は確かに怖いけど、何もしなくても時間の経過とともに治まっていく。死ぬことは絶対にない」ことを体験し続けることだよ。こんな風に、安全行動を取らなくても時間経過と共に不安が下がるのを経験していくことを、専門的には曝露と呼んでいるんだ。

先述の通り、不安障害になったときに感じる過剰な不安は脳のバグのようなもの。不安を感じるべき対象は、本当はその場には無いんだ。「ここはそんなに不安を感じる状況ではない」ことが少しずつでもわかってくると、時間経過とともに必ず不安は落ち着いていくよ。

案外、電車に乗っても何も起きないな

場数を踏む

場数を踏むのも、不安障害を克服するのに有効だよ。

突然だけど、初めて高速道路を自分の運転で走るときってすごく怖くなかった? けど、何度か高速道路を利用しているうちに、初めての時と比べて随分楽に運転できるようになったよね。何度も同じ体験をすると、人は慣れていくんだ。

「場数を踏む」は、それと原理は一緒だよ。

「またパニック発作が起きるんじゃないか」との予期不安は、それだけで相当な不安だよね。だからこそ、電車でパニック発作が起きることを恐れる人は、電車に乗るのを避けたくなるんだ。

けど、避け続けていると「怖さをストックし続けている」ことになるんだったよね。逆に言うと「今が一番怖さが少ないとき」でもあるんだ。怖さが少ないときに、少しずつ場数を踏んで不安に慣れていくことが、不安障害を治すのに有効な手段になるよ。

とはいえ、電車の中でパニック発作が出てしまった経験のある人に、いきなり「満員電車に何度も乗って慣れろ」というのは乱暴に過ぎるよね。

場数を踏むときは、まずは不安な状況を細かく細分化して、その状況一つ一つに点数をつけていくんだ。電車関連の不安で例えると「【満員電車に乗る】は不安レベル100。【急行電車に乗る】は80。【普通電車に乗る】は50。【駅に行く】は30」みたいにね。

このように点数をつけていくと、「この状況からなら場数を踏むことが、ちょっとがんばれば出来そう」といったものがわかってくるよ。あとは、最初につけた点数が下がっていくまで何度か場数を踏んでいくんだ。

【グーグルアースで最寄り駅まで行くシミュレーション】なら不安レベル20かな

実況中継

今何が起きているかを実況中継するのも、不安障害克服にとって効果的な方法だよ。

不安障害の症状は、基本的にすべて「過去」や「将来」に対する懸念なんだ。だから、意識を「今」に戻してあげることが重要になるんだね。

パニック障害は、過去にパニック発作が起きたことを契機として、将来また同じことが起きるのではないかと不安になるんだ。過去の出来事や将来の悲観的な予測が不安を作り出していると言えるね。「今ここ」には不安がないときも不安を作り出してしまうんだ。

だから、過去や将来のことを考えている頭を、「今」に向けなおせるといいね。それが実況中継だよ。

電車に乗っているときに、窓の外を見ながら「あんなところに大きな建物があったんだ」と外の風景を見てみたり「今、『ちょっと怖いかも』と考えたな」と自分の思考を客観的にみてみたり、「今ちょっとだけ心臓がバクバクしているな」と自分の身体感覚を第三者視点で観察してみたりしていくんだ。

「過去」でも「未来」でもなく、今ここにとどまる

他の精神疾患との違い

よく不安障害と間違われたり、どこが違うのか分かりにくい精神疾患があるから、それらをまとめていくね。

うつ病との違い

うつ病は憂うつな気持ちになる病気、不安障害は不安な気持ちになる病気だから、一見すると全く違う病気に思えるよね。

けど、うつ病は気分の落ち込みや憂うつ感、意欲の低下などの気持ちの問題を中心に、吐き気やめまい、頭痛などの身体的な症状も呈する病気だから、似ている部分もあるんだ。実際、うつ病と不安障害には同じお薬が使われることも多いんだよ。

それに、不安障害のために活動範囲に制限がかけられ「自分って情けないな」と感じ、うつ病を併発することもしばしばなんだ。

うつ病と不安障害は似てはいるけれど、多少乱暴に整理すると、落ち込みが強く出ていればうつ病、不安が強く出ていれば不安障害と診断されるといっていいかもしれないね。うつ病と不安障害の関係は、いわば従兄弟のような関係といえるよ。

強迫性障害との違い

強迫性障害とは、強迫観念とそこからくる不快な感情を打ち消すために行われる強迫行為を特徴とする障害だよ。

例えば、「もしかしたら鍵をかけずに家を出てきてしまったかもしれない」といった強迫観念が出てきて、その不快な気持ちを打ち消すためにわざわざ家に帰って鍵を閉めたか確認するといったものだね。この確認行為が何度も何度も行われるので、強迫行為と呼ばれるんだ。

強迫性障害は不安障害の一種と考えられていたこともあるんだよ。ところが、不安や恐怖というよりも過剰な嫌悪感や道徳心が症状の根幹であることがわかってきたために、今では不安障害の一種ではなく、独立した病気と考えられるようになったんだ。

汚れが気になって気になって仕方がないの

不安障害まとめ

DSM-5に準拠して不安障害とその種類について解説したよ。不安障害には、以下のものがあるんだ。

パニック障害:パニック発作を繰り返す
広場恐怖:その場から簡単には離れることができない場所に対して恐怖を感じる
全般性不安障害:あらゆることが不安
社交不安障害:人とのかかわりが不安
分離不安障害:愛着ある対象から離れることができない
選択制緘黙:特定場面になると話せなくなる
限局性恐怖症:特定のものが怖い

いずれも原因は不明だけど、「怖いものを避けている」点が共通していて、避けることで少しずつ不安がストックされていってしまっていることが病気を維持させるメカニズムになっているんだ。

不安障害は病気なので、お薬をきちんと飲みつつ、カウンセラーなどの専門家の力を借りて治していくことが大切だよ。

焦らずにね

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