お風呂に入りたくありません。人間として大丈夫でしょうか?

2022.10.02 Sun

目次

回答したカウンセラー

小野寺 リヒト

臨床心理士/公認心理師

小野寺 リヒト

臨床心理士・公認心理師。FP2級所持。
医療機関や一般企業の産業保健事業部等での勤務経験があります。心の悩みが気兼ねなく相談できたり、セルフケアの重要性が浸透した世の中になってくれたらいいなと思っています。読書と料理が好きです。
【得意な相談】
〇気分の落ち込みや不安に関する相談(上手な気持ちの切り替え方、最初の一歩になる行動の踏み出し方等)
〇人間関係に関する悩み(パートナー・親子・職場関係・友人等)
〇お金の相談(ついお金を使ってしまう心理、貯蓄・節約のこと等)

「お風呂に入りたくありません。人間として大丈夫でしょうか?」の相談内容詳細

相談者
相談者 そのだ
いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
・毎日、夜お風呂(シャワー)に入りたくない。
・入らなければと思っても、ソファでダラダラしたり、ケータイを見たり、何か理由をつけて先延ばしにしてしまう。
・お風呂そのものよりも、上がった後のスキンケアや髪を乾かすことが嫌だ。
「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
まいっか40%
またやってしまった後悔30%
お風呂を回避した安心30%
「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
・お風呂に入ることで、体はもちろん、「あとは寝るだけ」という気持ちの面でもさっぱりすることは知っている。
・むしろそうしたい。
・でもどうしても体が動かないし、眠くなってしまい、まいっかとなる。
・晩ご飯後はソファでダラダラしたい。晩ご飯作って疲れてるのに、続けてお風呂入るのはさらに疲れるから。
いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
・いっそのこと夜のお風呂→朝に入ると習慣を変えてみる。
・晩ご飯を作る前にお風呂に入ってしまう。
いま専門家に聞いてみたいことは?
毎日夜になる度にお風呂に入るか入らないかを考えるのがストレスで困っています。ですが、習慣を変えるためには、強い気持ちで心や行動を変えなければならないんだろうなと想像しただけで疲れてしまいます。自分の気持ちに従うと、一日中ベッドから動かなくても問題なしの、何もしたくない、やらない、ただの自堕落人間になります。今この瞬間めんどくさいかどうかで、やりたいこともやれることもコロコロ変わるので、自分で自分の相手をするのも疲れてしまいました。
どうして他の人はできることができないのでしょうか。
年齢、性別、職業
29歳 女性 会社員
既往歴
診断は受けていませんが、仕事で精神的に辛くなり9月いっぱい休職中です。6〜8月の間は食欲も行動力も無くなり、医療機関を受診するか迷いましたが、休職している現在は回復しているような気がします。
悩みの内容の自由記述
お風呂に入りたくないのは、休職する前からずっとです。休憩している今も変わらず、入りたくありません。
相談者 そのだ さんの自分史
  • 20歳まで

    • 15

      中学生の卒アルの写真はとてもつまらなさそうにしている

    • 15

      吹雪の日に部活をサボってデパートに行ったら、母親と遭遇した。怒られず、優しくしてくれて、一緒に買い物して帰った

      部活が辛いことを母親に言っていなくて、悪いなと思いながらも、もう無理と思い仮病で部活をサボった。まさか遭遇すると思ってなかった。怒らずに、そうか辛いのかと話聞いてくれた

      自分のやりたいことには否定しないで育ててくれた

    • 14

      外部顧問のお爺さんに、ヘラヘラするなと言われた

      自分は楽しく部活できてればいいのに、なんでそんな怒るんだろうとモヤモヤした

      楽しい気持ちに水を差さないで

    • 13

      学校がつまらなくなってきた。

      おちゃらける男子とか、部活の外部顧問のお爺さんとか、いろいろつまらなくなる原因があって、毎日つまらない

      いい人ばかりじゃなく、嫌な人もいるんだなと思った

    • 13

      中学生になる。登校時迎えに来る友人をいつも待たせていた

      ごめんと思いながらも、毎日のように玄関で待たせていた

      朝に弱い

  • 10歳まで

    • 9

      部活を始める。高校まで同じ部活をやることになる。

      保育園からの友人と、弟と、楽しく活動していた

      好きな人と楽しいことするの好き

    • 6

      小学校に入学したが、相変わらず母親と離れたくなかった、登校したあとも泣きじゃくる私を担任の先生が慰めてくれた

      優しい先生だなと思って、だんだん学校に行きたくなってきた

      優しくない人は嫌い

    • 5

      両親の離婚をきっかけに、保育園を転園する。新しい園でできた友人は、今も親友

      転園してすこし寂しかった、1人でいたら声を掛けてくれた子がいて、とても嬉しかった

      友達を大事にする気持ち

    • 5

      保育園に行きたくなくて、毎日母親にぐずっていた

      母親と離れたくなかったような気がする

      わがまま

    • 4

      保育園の登園中、風が強い日は口を開けて強風を楽しんでいた。

      口の中に風が入ってくるのが楽しかった。

      感情に従って行動する

※ プライバシー保護のため、ご質問の一部を編集部で変更している場合がございます。

「お風呂に入りたくありません。人間として大丈夫でしょうか?」への回答

  • そのださん、ご相談を寄せていただきありがとうございます。臨床心理士・公認心理師の小野寺です。

    お風呂に入るのが面倒と感じる一方、入ってさっぱりしたいとも感じていらっしゃるようですね。そして、こういった葛藤を持っていることや、その結果お風呂に入れなかった日があると後悔や自責感を感じる辛さもおありなんだなと感じました。

    まず、そのださんにお伝えしたいのは、「お風呂って面倒ですよね」ということです。お風呂って、一種の仕事ですよね。自分の身体を洗浄し、スキンケアでメンテナンスし、場合によってはお風呂掃除もしなければなりません。スマホやゲームなど、もっと楽しいことがあるはずなのに。どうしてお風呂ってこんなに面倒なのでしょう…。

    そのださんは、お風呂に入らない日があると「人間として大丈夫なのか」「どうして他の人はできることができないのか」と心配なさっておられますが、面倒くさいことを避けたくなるのは人間として当然の気持ちです。そういう意味では、そのださんはとても人間らしいと思います。

    お寄せいただいたご相談を拝見する限り、そのださんは非常にまじめな方なのだなと感じました。お風呂に入れないことに関して、そのときの気持ち、考え、別の考え、聞いてみたいことなどしっかりと記載して向き合おうとなさっているからです。「自分史」もご記載くださっています。実は、人に悩みを相談したり、自分の過去を振り返れる人はそう多くはないのです。そのださんは、他の人にはできないことが出来る方なのですね。

    お仕事が精神的にお辛かったのも、まじめに頑張ってこられたからだろうと推察します。

    そんな本来まじめで人以上に取り組む力のあるそのださんですから、「お風呂に入る」という一見他の人でも普通にできることができないと感じると、より一層のプレッシャーを感じるのかもしれません。

    ですが、そんな「まじめ」で「取り組む力」は誰にでも備わったものではありません。この力を活用しない手はないでしょう。この力を「毎日夜になる度にお風呂に入るか入らないかを考える」ストレスを取り除いていくのに使うにはどうしたら良いかを考えていきたいと思います。

    結論から申し上げると、「入る・入らないを考えなくてもいいように、ルール化してしまう」のが有効ではないか、と思うのです。ルールにしてしまえば、そのださんの「まじめ」「取り組む力」が活かせると考えるからです。

    ルールの内容自体は「まじめ」なものにする必要はありません。例えば「必ず毎日30分はお風呂に入る」のようにする必要はないのです。そんな「強い気持ち」を必要とする高すぎる目標は、むしろ目標達成には足かせになります。

    そうではなく、「月水金だけ入る」などでも全然いいのです。その他、「シャワーでさっと身体を流すだけでもいい」とか、「21時に鳴るようにセットしたアラームを風呂場に置いておいて、アラームをとめに風呂場に行ったとき気が向いたら入る」とか。そんなものもいいかもしれません。あと「スキンケアは乳液だけでいい日をつくる」もありかもしれませんね。

    もちろん、そのださんがご自身で思いついたように「いっそのこと夜のお風呂→朝に入ると習慣を変えてみる」「晩ご飯を作る前にお風呂に入ってしまう」も、素晴らしい対策だと思います。

    こんな感じで、マイルールを決めてしまうと、「お風呂に入るか入らないかを考える」ストレスからは多少解放されるかと思います。「まじめ」さはルールを遂行するときに発揮できればそれでOKです。

    マイルールに沿って行動できたら、頑張った自分にご褒美をあげるのも良いかと思います。「あんまり乗り気しないな」と思う行動をしたあとにご褒美をあげると、その「あんまり乗り気しないな」と思う行動が少しずつ嫌なものじゃなくなっていくことが知られているからです。これを心理学では「プレマックの原理」といいます。

    ご褒美はシンプルなものでもOKです。「今日はマイルールを守れた」と思った日はカレンダーに印をつけるみたいなものでも十分。その印が一定数溜まったら、欲しいものを買ったり、したいことをしてもいいですね。ポイントカードのポイントが溜まったら好きな商品と交換できるみたいな感じです。「欲しいものの購入やしたいことを何ポイント溜まったら実行するか」は事前に決めておく方がいいと言われていますよ。それらを考えるだけでもワクワクしませんか。

    いかがだったでしょうか? 最後にまとめをしていきたいと思います。

    お風呂に入るのはとても面倒くさいです。そのださんのようにお仕事や晩ご飯を作って疲れているときにはなおさら面倒くさく感じます。それはごく自然な気持ちです。

    きっとそのださんは、「まじめ」で「取り組む力」が強い分、「お風呂に入ったらあれもしなきゃこれもしなきゃ」と色々想像できてしまうので、ますます面倒くささに拍車がかかるのでしょう。

    ですが、「まじめ」で「取り組む力」があることは決して悪いものではありません。そのださんが「毎日夜になる度にお風呂に入るか入らないかを考える」ストレスを取り除くのにも活かせるのです。

    今回は、一方的にルールを考えてしまいました。でも、これらはあくまでも参考にしていただければ幸いといった類のものです。なにかそのださんが「毎日夜になる度にお風呂に入るか入らないかを考える」ストレスを取り除くヒントになっていれば光栄です。

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