何事も手につかず、日々つらいです。

2022.10.17 Mon

目次

回答したカウンセラー

梅本 武史

臨床心理士・公認心理師

梅本 武史

臨床心理士・公認心理師。主に精神科クリニックにて働く人々の復職への支援や、ひきこもり状態にある方への支援などを行ってきました。ココロジーが皆さんの心の居場所に少しでもなればいいなと思っています。趣味はスポーツ観戦です。

「何事も手につかず、日々つらいです。」の相談内容詳細

相談者
相談者 はすのは
いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
①ここ2ヶ月、仕事以外の何事にも(好きだった趣味でさえ)やる気が起きない。一瞬起こったとしても、すぐにそれが過去のことのように感じられてしまう。
②関連してここ2ヶ月、自分の部屋がとても散らかっているのに、全く片付けられない(部屋には服、本、ゴミが散乱しており、辛うじて足の踏み場がある状態)
「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
①むなしい60%さみしい20%くるしい20%
②むなしい40%怒り20%つらい30%
「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
①つい数ヶ月前まで没頭していたことが馬鹿馬鹿しく思えてしまう。同時に、あの頃はきっと楽しかったはずだと思う。今どうして生きているのか分からない。何か楽しいことを見つけようとしても、それがどこか外の世界のことに思えて、没入できない。“楽しそうなこと”に直接触れているときは“楽しい”と思えても、それが終わったりした瞬間に虚無になってしまい、このまま一瞬の感情を消費して縋りついて生きていくことにひどく絶望している。
②ゴミを片付けたり、服を一枚畳んだり、小さなことから始めれば良いだけなのに、なぜそれが出来ないのか。自分でもわからない。ふつうの人にはできて当たり前のことができないのは自分が欠陥人間だからだと思う。自分で買った服や本、全て気に入ったから買ったものなのに、大切にできないのは愛情が欠落しているからだろうか。こんな状態の私を友人が知ったらきっと皆んな嫌悪して離れていってしまうと思う。自分は異常なんだと思う。
いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
①②
いまはそういう時期で、少し暖かくなればまた元気になれるのかもしれない。できない、と思い込んでいるだけで、実際は努力やあと一歩踏み出す力が足りていないだけだから、もう少し自分を奮い立たせればうまくいくのかもしれない。
いま専門家に聞いてみたいことは?
気分の浮き沈みによって、できることできないことに極端に差があるように感じています。
親からも、どうして当たり前のことができないのか、やる時はやれるのだからやらないのは努力が足りていない。と言われ続けてきました。
当たり前のことが日々当たり前にできるようになるには、どうしたらいいのでしょうか。
年齢、性別、職業
26歳 女性 会社員
既往歴
なし
悩みの内容の自由記述
支離滅裂なことを書いてしまったような気がします。すみません。
どんな些細なことでも、どんな指摘でも構いません、アドバイスいただければ幸いです。
相談者 はすのは さんの自分史
  • 30歳まで

    • 23

      転職

      体力的にも精神的にも追い込まれていたところから、解放されてホッとした。

      転職するにあたって、何を自分の軸にしたいか、をとことん自分に問い続けた。

  • 20歳まで

    • 18

      第一志望の大学に合格した

      家の都合で塾には行かず、学校の先生方に面倒を見ていただいたので、大きな感謝とホッとした気持ちがあった。
      公立大学だったので、学費の心配をあまりしなくても良いことへの安堵も大きかった。
      自分の努力が報われたと感じた。

      死ぬ気で努力して限界まで自分を追い込めば、無理だと思われる壁もクリアできると実感した。

    • 17

      父の口から「僕の今のパートナー(両親の離婚のきっかけになった愛人)は、はすのは(私)のことを我が子のように思っているよ」と言われた

      気持ち悪い

    • 15

      両親が離婚

      もうそれまで長く別居していたので、大きな感慨はなく、区切りがつくのだな、と思った。
      母は父の愛人に嫌がらせをずっと受けていたので、それが減ると良いなと思った。

      家族というつながりは簡単に解けてしまうんだなあと思った。

    • 14

      家族三人で予定していた観劇。当日父から「チケット二枚しかない」と告げられ、母はその場で帰宅。私は母を追いかけられず、父と観劇後帰ると母から「私を追いかけなかったのはお前に愛情がないからだ」と言われた

      どうしたらいいか分からなかった。
      別居中の両親を仲直りさせたくて、父に観劇をセッティングしてもらったのに、どうしてこんなことになってしまったのか。
      私が変な期待をするから良くなかった。
      私には母への愛情が無いのか、と思った。
      どうして自分は母を追いかけず、舞台を見てしまったのか。
      父はなぜチケットが二枚しか用意できなかったことを話してくれなかったのか。(結局有耶無耶にされてしまった)

      人は信じてはいけない、とぼんやり思った。
      自分は家族への愛情が欠落しているんだ、と強く感じた。

  • 10歳まで

    • 7

      父が母を殴っているところに居合わせる

      怖い

      男性への恐怖
      愛情のもろさ

※ プライバシー保護のため、ご質問の一部を編集部で変更している場合がございます。

「何事も手につかず、日々つらいです。」への回答

  • ご相談をお寄せくださり、ありがとうございます。臨床心理士の梅本です。

    ご質問を拝見したところ、 はすのは さんは「当たり前」をこなそうと日々頑張っておられるのですね。それでも、お仕事以外にも家事に片付けにと、「もっと当たり前」に近づきたいと思われたからこそご相談してくださったのだと思います。

    ただ、ここ数ヶ月でとくに気分が落ち込んでいるご様子が気になります。以前「楽しめていた趣味ができない」、「ゴミを片付けられない」「服を一枚たたむことができない」などから、とてもお辛い様子に見受けられます。また、以前から気分の浮き沈みがあったとのことですが、ここ最近はとくに落ち込んでいる状態が長引いておられるのでしょうか。

    何か明確なきっかけがあったかは、こちらからはわからないのですが、もしかすると「当たり前にできている」と感じていたときこそ、何か無理していた可能性はないでしょうか。
    そして、「当たり前ができない」裏に、 はすのは さんの中で言葉になっていない辛さがあるのではないでしょうか。

    こうした状態の中には、心療内科など医療機関にかかっている方もおられ、治療で良くなる場合も少なくありません。どうしてもお辛いという場合は、医者や専門家に診ていただくことも選択肢に入れても良いかもしれません。

    もしかすると病院に行くことには抵抗がおありかもしれませんので、無理にとは言いません。ただ、自分史では、 はすのは さんは学校の先生に支えられて第一志望の大学に合格された経験をお持ちであると書いてくださっていました。もしかすると、今も努力が足りないわけではなく、 誰かに支えてもらうことで今後の人生に向けて一歩踏み出す力が湧いてくるのかもしれません。もしよければ、検討してみてください。

    ここまでお伝えした心身の状態を踏まえた上で、ご自分の中でもできそうなことをご提案させていただきますね。大切なのは、 はすのは さんの考える「当たり前」との付き合い方を見直すことではないかと考えます。

    自分史を拝見しましたが、 はすのは さんが小さい頃はご両親の関係に巻き込まれてしまった面もうかがえました。「当たり前」ができないと、親御さんに自分を認めてもらえないと感じる体験や、自分を大切にしてもらえると感じられた機会も少なかったのかもしれませんね。「当たり前」ができるように強く意識せざるを得ない環境にいて、周囲や人から要求された「当たり前」を守ろうとされてきたのではないかと推察します。ただ、「当たり前」を守ろうとすることが体調の面にも少なからず影響を与えているようにお見受けします。

    ですのでこれを機に一度、自分に合う「当たり前」について立ち止まって考えてみるのはいかがでしょうか。 はすのは さんは、転職されるときに、「何を自分の軸にしたいか?」を問い続けられたと自分史に書かれていました。同じように生活における「当たり前」についても、考えてみるのはいかがでしょうか。

    自分に合う「当たり前」を知ることは、「自分に合った環境を知ること」と言えます。人によっては、ある程度部屋が汚いほうが落ち着く人もいたりします。掃除が苦手だったり体調が悪ければ、自分が希望する部屋の環境と、掃除ができる頻度とのバランスから決めればいいのです。例えば、片付けであれば「足の踏み場が無くなったら片付ける」「友達が遊びに来るときは片付ける」と最低限の基準を決めて、後は「片付けたくなったときにやる」というやり方です。これはあくまで1つの例ですが、世間的な「当たり前」と「自分に合った環境」を分けて考えることで、体調面での負担も減るので、気分の浮き沈みの幅も小さくなる可能性があります。

    とはいっても人間ですので、浮き沈みを完全になくすのは難しいことです。ですので、浮き沈みの上下の幅を少なくしていく2つの方法をお伝えしますね。

    1つ目は、ご自身の気分の上がり下がりの傾向をつかむことです。具体的には「-100~+100で評価したその日の気分」と「感じたこと」を書いてください。気分の浮き沈みでは、「上がるきっかけ」「下がるきっかけ」があるかどうかをつかむことが大切です。記録を通して、気分が上がるタイミング、下がるタイミングを把握することができると、体調が変化する前のタイミングで対処ができますので、結果として気分の浮き沈みの幅が小さくなるでしょう。

    2つ目は、寝る前の振り返りです。就寝前に、今あるものや、できているものについて振り返ると、気分を安定させる効果があるんです。ポジティブ心理学の研究では、毎晩寝る前に良いことを3つ書くことを1週間継続するだけで、半年間にわたって、幸福度が向上し、抑うつ度が低下するという結果が出ています。記憶は寝ている間に定着しやすいと言われているので、ポジティブな思い出が残りやすいことが一因として挙げられます。 はすのは さんが、「もっと幸せになりたい」と思ったときに、収入を上げたい、きれいな家に住みたい、友達がたくさん欲しいといったことを考えるかもしれません。しかしその前に、今お仕事をこなせていることや、今お付き合いのあるご友人がいることが はすのは さんの日々の支えになっている可能性もあるでしょう。

    それでも最初にお話したとおり、どうしてもお辛い状況であれば、医療機関など専門家に相談してみてもよいかもしれません。これからの季節は寒くなりますので、体調管理にもどうぞお気をつけください。少しでもお役に立てれば幸いです。

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