「男性とのお付き合いを長続きさせることができません」の相談内容詳細
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いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
- 男性との交際が長続きしない。
付き合ってから嫌悪感?不安感?のようなものを抱いてしまい、わたしから別れを告げることになる。
付き合うまでは確かに好きだった。 - 「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
- 罪悪感80% 悲しさ80% 焦燥感50%
- 「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
- 交際し、関係が発展していくことに恐怖を感じているように思う。
服装やメイク、髪など身なりには気をつけているが、自分に自信がないため、手汗で引かれたらどうしよう、服を脱いでから幻滅されたらどうしよう、すっぴんとメイクをしている状態の差でがっかりさせたらどうしよう、などと考えてしまい、付き合っていく自信もなくなってしまう。
また、周りと自分を比べて、自分の見た目に田舎者っぽさやダサさを感じ、そんな私を連れて歩く彼氏に申し訳なくなってしまうのでデートも楽しめず、お付き合い自体が嫌になってしまっているかもしれない。 - いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
- 自分に自信がないのと同時に、付き合っている彼氏にも自信がないため別れてしまうのかもしれない。
自分のプライドが高く、もっとハイスペックな男性と付き合うべきと心のどこかで思っているのかもしれない。 - いま専門家に聞いてみたいことは?
- せっかく自分を好きになってくれて、自分も好きになった男性と長く付き合っていくためにはどうすれば良いのか。
- 年齢、性別、職業
- --- 未回答 ---
- 既往歴
- --- 未回答 ---
- 悩みの内容の自由記述
- --- 未回答 ---
自分史はまだありません。
※ プライバシー保護のため、ご質問の一部を編集部で変更している場合がございます。
「男性とのお付き合いを長続きさせることができません」への回答
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サトウ さん、ご相談を寄せていただきありがとうございます。精神保健福祉士の中浦です。
せっかく好きになった人と付き合うことができても、いろいろなことを考えてしまい自ら別れを告げることで交際が長続きしないというご相談ですね。
まずは、なぜ サトウ さんが別れを選んでしまうかということについて、ご自身の考えを整理することから始めてみたいと思います。
①付き合っていく自信がない(手汗、体型、すっぴんなどで幻滅されたらどうしよう)
②彼に対する申し訳なさ(外見や雰囲気に負い目がある)
③もっとハイスペックな男性と付き合うべき(付き合っている彼氏にも自信がない)相談内容に書かれていたことを元にすると、こんな感じになるでしょうか。
何も知らなかった他人とお付き合いを始め、関係を深めていく中で、 サトウ さんが感じられる「自分に対する自信」「彼に対する自信」「もっと他に良い人がいるのかもという迷い」などの思いは、きっと誰にでも起こりうることだと思います。
でも、私はどれも今の サトウ さんの悩みを表すには少し当てはまらないのではないかなと感じているんです。
なぜなら、自信のなさ、特に自分に対する自信のなさは、付き合いを始める前から存在していると思うからです。
手汗や体型、すっぴんを見られることに対する不安は、付き合う前からあったのではないでしょうか?「付き合う前は確かに好きだった」と書かれていましたが、たとえ好きだったとしても、これらの不安が付き合う前には存在していなかったというわけではないと思います。
つまり、元からあったご自身の外見や雰囲気に対する不安が、付き合いを始めることで思い出されたということです。
次からは、なぜ付き合いを始めることで サトウ さんの不安が甦ってしまったのかを考えていきたいと思います。
付き合いは始まっているけど関係は深まっていない
元からあった サトウ さんの不安が付き合うことで思い出されてしまった理由ですが、私は「付き合いを始めたけど関係は深まっていない」というジレンマによるものではないかなと感じています。
相談内容には書かれていなかったので、あまり確信を持って言うことはできないですが、 サトウ さんは今の彼とあまり良い関係を築けていないと感じられていませんか? 自分の気になることや知られたくないことがあったとしても、二人の関係が穏やかで分かり合えるものであれば、それらを覆い隠してくれる時もあるはずです。
私は、 サトウ さんの「不安」が甦ってしまったのは、二人の関係があまりうまくいっていないことが原因ではないかなと思っています。
そして、関係がうまくいっていないのは二人に原因があるはずなのに、 サトウ さんはその原因を自分の「不安」のせいにしてしまい、二人の問題を一人で抱え込んでいるように感じられるんです。
まず初めに、誰かと「付き合う」というのがどういうことなのか考えてみます。
付き合い方は人それぞれですが、「友達や家族、知り合い」と「付き合っている人」が違うところは、「その人しか知らない自分を見せる」ことではないかなと思うんです。
手をつなぐにしてもキスやセックスにしても、自分の肌や体などプライベートな部分を相手と共有することになります。「好き」という自分の気持ちを伝えることだって、すごくセンシティブな感情を相手に伝える行為です。仕事から帰ってパートナーに愚痴を言うことも、辛いときに泣いて相手に慰めてもらうのも、将来について二人で語り合ったり、我が子の成長を心配したり期待したりするのも、どれも「付き合っている人」以外にはあまり見せない自分の姿です。
つまり、誰かと付き合うというのは、他の人には見せない自分を見せて、それをお互いで受け止め合うことだということです。
もし、ある二人が付き合いを始めたにもかかわらず、お互いで相手にしか見せない部分を見せることができれなければ、「付き合っていること」の実感が湧かなくなってしまい、「自分たちの関係はうまくいっていない」と感じてしまうのではないでしょうか。
サトウ さんはいかがですか? 他の人にはあまり言えないようなことをパートナーの人に言えていますか? パートナーは サトウ さんにプライベートなことを話してくれていると感じますか?
サトウ さんの手汗や体型などの不安を相手が受け止めてくれると想像してみてください。想像して、安心できたり「だったらもう少し一緒にいたい」と思えるのだとしたら、まさに「他の人には見せない自分」を見せて受け止めてくれたことで、「付き合っていること」に対する実感が湧き、関係性が深まることを意味するのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、誰かと付き合うということは二人で二人だけの関係性を作っていくことです。決して一方が関係の責任を負うものではありません。
「自分に自信ないから…」と考えるだけでなく、「二人の間に何がないから(もしくは何があるから)…」という見方をすることも忘れないでほしいです。
自己開示は自分をちゃんと見てくれている実感を生む
二人のプライベートな部分を受け止め合うことが、関係を深めるのに重要と説明してきました。
自分のプライベートなことを誰かに伝えることを自己開示といいますが、ここからは自己開示が二人の関係を深めることを少しでも感じていただけたらと思います。
サトウ さんは相談内容に年齢を書かれていなかったですね。もちろん、どんな情報を開示するかはその人の意志が尊重されていいことです。年齢のようなものはプライベートな領域に入る事柄だと思います。
でも、それらを知ることでコミュニケーションは必ず変わります。
付き合うことは他の人が知らない自分を見せることだと上述しましたが、その部分の具体的なこととして、私は手をつなぐことからキス、仕事から我が子の成長までを例えとして話しました。
これは、私が サトウ さんの年齢を分からないからです。分からないから、様々な年齢の場合を考慮して幅広く例を出しました。
もし サトウ さんが10代であれば、「仕事の愚痴をパートナーに伝えること」とする代わりに、「部活や担任の愚痴をパートナーにグチる」などと書いていたと思います。もし サトウ さんが30代であれば、仕事の愚痴も「チームの輪を乱す同僚への愚痴」や「定時なのに帰りにくい雰囲気の職場が嫌」など、より具体的な話をしていたと思います。
繰り返しになりますが、自分のどんな情報を開示するかはその人が決めることです。周りはその人の決定を尊重するべきだし、与えられた情報の中でコミュニケーションをするべきです。
でも、もし サトウ さんと私が顔を合わせて話をしていたとして、 サトウ さんが10代なのにもかかわらず私が我が子や老後の話をし始めたら、「自分のことをわかってくれてるのかな…」と不安や不満に感じるのではないでしょうか?
つまり、自己開示が多くなればなるほど自分に合ったコミュニケーションができるようになり、お互いに理解し合えている感覚を得やすくなるということです。
カウンセリングであれば「このカウンセラーは私を理解してくれない」として別の人を探すこともできます。実際、本当に自分を理解してくれるカウンセラーと治療関係を築くことはそんなに簡単ではありません。
でも、これが恋人との関係であればだいぶ変わってきます。「この人は私を理解してくれない」として次のパートナーを探すのは、それこそ長く付き合いを続けることを妨げることになってしまいます。
つまり、関係性によっては自己開示をせずに済ましたり、自分の話をしてもそれに見合う反応がなければ切ってしまってもいい関係がある一方、恋人関係はお互いのプライベートな部分をある程度見せ合い、それを受け止め合うことで深める関係であることが前提である以上、プライベートなことを一切話さずにいることはできず、うまくいかなければ他の人を見つければ解決するわけでもないということです。
おそらくですが、 サトウ さんはご自身の体型や外見などもっとも自分にとってプライベートな部分を安心して知ってもらうには、まだそこに至るまでのもっと小さな自己開示ができていなかったり、していたとしてもそれを受け止められているという感覚がないのではないでしょうか?
自分を受け止められている実感がないからこそ、ちゃんと自分を見てくれているという安心感を感じられず、相談内容に書かれていた「付き合ってから嫌悪感?不安感?のようなものを抱いてしまい、わたしから別れを告げることになる」のではないでしょうか。
そして、そんな結果になってしまう原因は二人のコミュニケーションにあるにもかかわらず、 サトウ さんはぜんぶ自分の自信のなさなどの責任にして背負ってしまっているのではないかなと思うんです。
サトウ さんには話しやすいと感じるものから、少しずつ自分のことを相手に知ってもらうコミュニケーションをしてほしいです。自分のことを人に話すのは簡単なことではないと思います。不安だし怖いし、受け止めてもらえないこともあるかもしれません。
でも、忘れないでほしいのは、恋人関係も自己開示も、うまくいかないと感じることがあっても、それは決して サトウ さんだけが悪かったり責任があるものではないということです。二人の間に起きることは、個人の問題だけでなく二人の関係性の問題でもあるのです。
もちろん体型や外見的なことなど、 サトウ さんがもっとも気にされていることをいきなり伝えるのは難しいと思います。まずは、趣味や好きなことなどから始めてみてください。少しずつ自分のこれまでのことなどプライベートな部分を話し合えるといいと思います。
以下の記事では自己開示について丁寧に解説されています。具体的な方法もステップ・バイ・ステップで説明しているので、よかったら参考にしてみてください。
今回お伝えしたことをまとめると、 サトウ さんのお付き合いが長続きしないのは、関係を深めるための会話(自己開示)ができていない、もしくはお互いに受け止められていないことが原因かもしれないということです。
自分と相手が安全にお互いのことを見せられていないことで、関係が深まらないことを「関係がうまくいっていない」と感じ、 サトウ さんはそれを自分の自信のなさのせいにしてしまっているのかもしれません。
少しずつ自分のことを伝えて、それを受け止めてくれる安心感を サトウ さんが感じられることを願っています。安心感を感じられる相手なら、きっと自然と付き合いも長くなると信じています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。