自分の将来に希望を持ちたいです

2023.06.26 Mon

目次

回答したカウンセラー

中浦ダイ

精神保健福祉士

中浦ダイ

精神保健福祉士。ニュージーランド在住。Waikato大学大学院カウンセリング学修士課程。Free to Runアンバサダーランナー。精神科医療機関でのソーシャルワーク、オルタナティブ教育団体でのプログラム運営、心理カウンセリング、女性の権利擁護などの活動を行う。知識が経験になり自分の物語になるようなコンテンツを作りたいと思っています。
【得意な相談】
◯自己肯定感・自尊心に関する相談(自信がない、何をしたいか分からない、自分がどんな人間か分からない等)
◯コミュニケーションに関する相談(家族・夫婦・親子・職場・友人との人間関係等)
◯適応に関する相談(職場・異文化・出産などライフステージに伴う変化等)

「自分の将来に希望を持ちたいです」の相談内容詳細

相談者
相談者 練乳
いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
現在高二で、ド田舎で1番、いわゆる自称進学校に通っています。
小学生の時に同級生の女の子2人に騙されて公園に置いていかれたり、遊具に悪口を書かれたり、顔面に油性ペンで落書きされたり等軽く虐められていましたが、自分に対する嫉妬が原因だと今でもなお思っていて、メンタルは強くなったと感じます。しかしその女の子のうちの1人と揉めた時、担任と女の子の親が癒着していて正しく対処してもらえなかったことから人に対する不信感が芽生え始めました。
中二の春に部活の先輩からのレイプ未遂に遭ってギリギリ逃れられた時、狙いやすそうな雰囲気(薄い顔)やポジション(数少ない初心者)だから狙ったのかなどと色々考えるうちに、特に顔が以前よりさらにコンプレックスに感じ、高二の春に安価な二重埋没をしました。
小学校と中学校は治安が悪かったのですが、高校は一変しました。同級生の出身校は地元で有名なA中学の人ばかりで、親も医者や教師ばかりです。高校を中退する大半は、中学までの優しい環境に慣れていてギャップについていけなかったA中出身の人です。会話をすると世界が違うんだな、この人達は今まで理不尽な思いをしていないんだろうなという自分の勝手な妄想が膨らみ、人と距離を置こうとしてしまいます。比べてしまう自分が惨めです。それでも一応仲良くできていて、同性の1番仲良い友人もA中学出身です。「結婚式どこで挙げたい?」など明るい未来しか想像していないような質問を私に投げかけてくるところが好きです。
高一の冬、重要な役職につくA中出身の先輩が精神的苦痛を理由に部活を長期間休むことを理解出来ず、幼稚な私は部活をやめてしまいました。
その1ヶ月後、妹が自殺未遂をし、母が妹の中学から呼び出されました。母と2人で話をした日から、家では1人で部屋に引きこもることでしか落ち着けません。母のGPSが海にあると本当に怖いです。
また、中二から性格が変わったと言われます。小規模な模試で全国単独1位、内申オール5など中一まではそこそこの学力でしたが、今では一言書くだけの提出物にすら手を付けられません。そのため高校では呼び出されてばかりで先生に迷惑をかけています。全く勉強していないし、進路について何も考えられません。これまで以上のことが起こったら耐えられないし、希望の見えない未来のために今努力することができません。
「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
無力感 60%
迷惑をかけている申し訳なさ 20%
不安 10%
周りの境遇への嫉妬 7%
自暴自棄 3%
「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
自分の人格を形成するにおいて割と自分にとって辛い出来事が複雑に絡み合った末陰湿な性格になり、何の気力も湧かず趣味も楽しめず、ただひたすら時間を浪費している中、進路の決断が近づいている。周りの幸せそうな境遇を羨んだ結果、自分は周りのようにネガティブな出来事の少ない育ち方をしていないから何も出来なくても仕方ないなど散々な結論に至ってしまう。
いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
色々考えたのですが分かりませんでした。思慮が浅くて申し訳ないですが、上記の通りです。
いま専門家に聞いてみたいことは?
勉強や趣味をするための気力を取り戻す方法が気になります。今は勉強するのにペンすら持ちたくないです。
年齢、性別、職業
17歳 女 高校2年生
既往歴
--- 未回答 ---
悩みの内容の自由記述
--- 未回答 ---
相談者 練乳 さんの自分史

自分史はまだありません。

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「自分の将来に希望を持ちたいです」への回答

  • 練乳 さん、ご相談を寄せていただきありがとうございます。精神保健福祉士の中浦です。

    「自分の将来に希望を持ちたいです」というタイトルの相談ですが、 練乳 さんの悩みを拝見したら、未来に希望が持てなくてもおかしくないくらい辛い思いをしてきたことが伝わってきました。

    前提になりますが、「希望」は世界への安心や信頼が土台にあって初めて築かれるものです。ピアノの腕前を褒められる機会が多かった子どもは、そうでない子どもと比べると「希望を持って音大に行く」という進路を選択しやすいはずです。

    練乳 さんの相談内容にはたくさんの辛い経験が書かれていましたね。

    小学生の時に同級生に騙されたこと、遊具に悪口を書かれたこと、顔面に油性ペンで落書きされたことなど、読んでいるだけ胸が痛くなる思いです。また中学では暴行未遂を受け、高校では妹さんの自殺未遂など、生きていることだけでも辛くなるような出来事ばかりです。

    そんな人生を送ってきた人が、将来に「希望」を持つというのは簡単なことではありません。「ピアノが下手」と言われて続けてきた人が、進路を決める時に親に「音大に行ってピアニストになりたい」というのがどんなに難しいことか、きっと 練乳 さんなら想像できるのではないでしょうか。

    ただし、「希望」は持てないかもしれないけど絶望する必要もありません。なぜなら、 練乳 さんには「救い」があるからです。

    次からは、 練乳 さんが未来に向かって少しでも明るい気持ちを持てるようになるための方法を考えたいと思います。

    「希望」は持てないかもしれないけど「救い」はある

    繰り返しになりますが、これまでの 練乳 さんの世界は怖くて厳しいものだったから、未来に希望を持てないのは仕方のないことなのかもしれません。

    「希望の見えない未来のために今努力することができません」と書かれていましたが、出ていくべき世界が怖いところなのだから、わざわざそんな世界に出ていくために努力をできないのは当然といえば当然です。

    でも、「希望」は持てないかもしれないけど、今の 練乳 さんの世界には「救い」があるように感じています。

    練乳 さんの「救い」は、A中学出身のお友達の存在です。

    「希望」は世界への安心や信頼が土台にあって初めて築かれる、と前述しましたが、「救い」は曇り空から差し込む一筋の光のようなものです。これまでの土台に関係なく、今の世界を変えるきっかけになり得るものです。

    相談内容には、裕福な家庭で育った人が多いA中学出身の人たちに対して、「会話をすると世界が違うんだな」と感じられ「距離を置こうとしてしまいます」と書かれていました。

    これは、これまでの 練乳 さんとA中学の人たちの世界があまりにも違いすぎるために、同じ世界を共有することに困惑している状態だと言えます。

    「比べてしまう自分が惨めです」と書かれていましたが、惨めなのではなく仕方ないことです。 練乳 さんが悪いとかではなく、それまでの世界が違うのだから仕方ない、というのを知っておくことはとても重要だと思います。

    もっと重要なことは、そんな中でも 練乳 さんが仲良くできるA中学出身の友達がいる、ということです。「『結婚式どこで挙げたい?』など明るい未来しか想像していないような質問を私に投げかけてくるところが好きです」と書かれていましたが、未来への明るい希望を口にする友達に対して、戸惑いながらも笑顔で聞いている 練乳 さんの姿が想像できて、こちらも微笑ましくなります。

    練乳 さんはこれまで暗くて怖い世界の中で生きてきたかもしれないけど、そんな 練乳 さんの世界は今、友達がいることで変わり始めているのではないでしょうか? 変わり始めているからこそ、戸惑いつつも未来に希望を持っているA中学出身の友達といる時間を心地よく思えるのではないでしょうか?

    練乳 さんの世界は変わり始めている。友達と一緒にいることで、これまでの世界が別の世界で上書きされ始めている。

    このように考えたら、友達との関係をこれからも大切にすることで、 練乳 さんの世界に対する怖さが変わっていくかもしれません。少しずつ世界を信頼できるようになったら、未来に希望を持てたり、将来のために努力する価値を見出せるようになるかもしれません。

    これが、 練乳 さんには「救いがある」と私が感じた理由です。

    普段お友達とはどんな話をされますか?

    進路で困っていること、勉強に気持ちが向かないこと、あまり未来に希望を持てないことなど、できる範囲で構わないので友達にも話をしてみてください。

    別の世界を持つ友達と未来について話すことで、 練乳 さんがこれまでとは違う目線で未来を見られるようになるかもしれません。「そんな未来なら悪くないかも」と感じられた時に、自然とペンを持ち机に向かうことができるかもしれません。

    世界への信頼は、一人の信頼できる友達を持つことから始められるはずです。

    専門家を頼る

    次はもう少しだけ別の話をさせてください。

    それは、専門家などの力を頼ってほしい、ということです。

    相談内容には「何の気力も湧かず趣味も楽しめず、ただひたすら時間を浪費している」と書かれていたので、精神的にだいぶ消耗していることが想像されます。

    もちろん友達と話すことで気分が変わったりすることもあるかもしれませんが、もし 練乳 さんの心の健康が大きく崩れているとしたら、頼るべき人は友達よりも先に医療機関です。

    未成年の受診は保護者の同伴が必要になりますが、親には今の 練乳 さんの状態を話せたりしていますか? もし話せていないようだったら、これを機会に親に相談してみてもいいと思います。頼れる人は一人よりも二人の方が良いです。

    親に話すことが難しそうであれば、学校の担任や保健室の先生、スクールカウンセラーがいるのであれば適任かもしれません。

    学校でもなかなか話せそうな人がいなければ、以下のサイトでは10代の方に役立つリソースがたくさん紹介されているので、良ければ活用してみてください。

    10代のための相談サイト
    https://me-x.jp/

    自分の困りごとを誰かに話すのは最初は勇気のいることかもしれません。でも、人を頼るというのは誰かを信頼することです。信頼できる人が増えるということは世界が信頼できるものに変わっていくということです。

    今の辛い自分の気持ちを誰かに話すことは、 練乳 さんの世界を自分で変えることにも繋がるということなんです。

    今回お伝えしたことをまとめると以下になります。

    ①友達との関係が希望の持てない未来を変えることができる
    ②親、先生、スクールカウンセラー、医師などを頼ることでも未来を変えることができる

    こうやってココロジーを頼って相談をしてくれたことも、 練乳 さんの未来を変えるきっかけになってくれたら嬉しいです。

    最後まで読んでいただきありがとうございました。

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