「自分の過去を肯定的に受け入れるにはどうすればいいでしょうか。無力感を減らしたいです」の相談内容詳細
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いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
- ここ数ヶ月、自分の言動ひとつひとつをその直後に否定してしまう。
他人の言動が全て自分の否定の材料になる、自分の無力感を増す。
朝起きれない、昼は辛い。夜は楽だが現実逃避で酒を飲みすぎる。
人とのコミュニケーションを避け失敗を恐れている、一人になりたい気持ちが強い。 - 「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
- 自責80%
焦り50%
悲しさ50% - 「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
- 誰も覚えていない過去の自分の些細な傷つきを反芻して現在とつなげてしまう。
頭がボーとして脳の パフォーマンスが下がっている気がする。
自分のことばかりを考えて、一緒に暮らしている人や家族や将来のこと、転職のことを考えたいけど、考えることができない。視野が狭くなっている。
自分の人生に現実感がない。主体性がない。 - いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
- 決して悲しいことや失敗だけが続いているわけではないので
失敗が強調されて記憶してしまう偏りがあるのかもしれない。
定期的に深く落ち込んでしまうけど時間が経てばマシになるかも知れない。 - いま専門家に聞いてみたいことは?
- 自己否定ばかりしてしまいます。自分の過去を肯定的に受け入れるにはどうすればいいでしょうか。
自分の人生に現実感、主体性がありません。 - 年齢、性別、職業
- 28歳 男 会社員
- 既往歴
- --- 未回答 ---
- 悩みの内容の自由記述
- 大きなきっかけがなく、積み重なった悩みを抱えきれず相談させてください。
まとまらない文ですいません。
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頭の中で自分に対するネガティブなイメージが止まらず、全ての言動が間違っっていたような気がする。
自分の無力さ無能さを受け入れることが辛い
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28
入社から5年になる香り関連の仕事を続けている。
モチベーションが湧かず、仕事も減ってきたし
楽しくない。自信がなく転職に踏み出せない
何をして生きていくか、わからなくなっている。
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仕事の半期の表彰にメンバーから選ばれた。
みんなに頑張りを認められたことが嬉しかった。
あの頃に比べて仕事量が減ったので頼られなくなっている気がする。
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写真がVOGUEのサイトで選出された
自信になった。
続けることができず、勢いがなくなった。
投稿もままならなくなった
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バイトで遅刻を繰り返し
ただ謝ることしかできなかった。申し訳なさそうにするしかできなかったが
それに対して演技をやめろと言われ悔しかった遅刻、諦め癖が残っている
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時間を忘れて写真を撮っていた。日が暮れるチャンスを狙って校舎に立っていた。就活中もカメラを持ち歩くほどだった
良い写真を生み出せる自信があった。
最近は撮れていないのだが
時間がないと撮れないのか、写真への情熱が冷めてしまったのか分からない。
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芸大に潜りで行っていた。1人だった楽だった。香りの芸術の講義、写真の講義を受けた。(夜勤明けが多くせっかく行ったのに寝たらしていた。)
大学のどの授業よりも興味があった。
香りと記憶というテーマで作品を作りたいと思っていた。写真も好きで、いい写真に出会うために読み漁った。香り空間デザインという今の仕事に繋がっている。
興味のあることには怯まずチャレンジすることは現在もそう
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ローム京都の写真で入選した。
嬉しかった
大学時代は写真に熱中していた。映像も写真も撮れていない現在が虚しく、情けない。
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大学の授業をきっかけに映像会社と出会い、その後撮影にアシスタントとして参加した。安い給料だったが、経験になると思い色んな現場に連れて行ってもらった。
始めは尊敬できたが、給料の支給が遅れたりがあり、信頼出来なくなった。まずい酒を飲み交わし昔のテレビ業界の話に終始するおっさんの話に付き合った。親族を馬鹿にされて腹がたった。器の小さい威張るだけの人に言いように使われていた、自分の選択が間違ったと思った。
でもただカメラアシスタントとしてついていくことしかできなかった。自分の環境を客観的に見ることが出来ていなかった。人を本気で信頼できなくなった。
自分の選択に自信がなくなった。
新しい環境に 飛び込んだと言う勇気だけで
実際の業務内容の将来性を考える視野の広さがなかった。
ただ流れに任せれば何とかなるかも、と言う甘い考えがあったかも、情けない。
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言ったことがウケて中心グループにいた
笑わせるのが面白かった
笑わせるのは好きだが自信がない
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15
肌が弱く、学校では自信がなかった
いじられる対象になる学校に本当に行きたくなかったと言っていたと後から親に聞いた。辛かった以外記憶があんまりない。
あんまり記憶がない
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13
反抗期で、煽るようにだらけていた。親と争い、生まれて来なければ良かった、育て方を間違ったと言われた
親自身が自責ばかりなのが嫌だった。
どうにもならない過去の可能性ばかりを願う、現状を受け止めない態度、信頼されていないのが悲しかった自己否定の根底があるかも知れない。無力感を学習して
自分を信用しなくなっていく
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散歩中犬が近所の人を噛んだ
走って泣いた、自分のせいで傷付けた
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6
人を笑わせらことが好きで、たまにふざけるような性格だった。自分のプロフィールを書く時に、自分の性格を「調子に乗りすぎることがある」と書いたら担任の先生に「自分の事よく分かってるじゃん」と言われた
調子に乗ることは問題視されていて
それを自重しろと言われているようで
傷付いたかは分からないがとても印象に残っている。プラスの言動よりマイナスを出さないように自分を抑える感情が働いているかもしれない。
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6
親の干渉が強く、どう監視から抜け出して楽をするかを身につけた。読むものや教材など、用意されることが多く
与えられる待ちの姿勢が染みついた気がする。自分の考えを出しても、結局なだめられ親の意見に従うことが多く自我を出すより合わせる方が穏便にことが進む気持ちがあった
人に合わせて共感ベースで生きている自分に嫌気がさす。
会話で言いたいことより、荒波立てないことを優先している傾向。会話が終わった後で腹の中に溜まった思いを一人で考えている。
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「自分の過去を肯定的に受け入れるにはどうすればいいでしょうか。無力感を減らしたいです」への回答
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二個泥 さん、ご相談をよせてくださりありがとうございます。臨床心理士・公認心理師の小野寺です。
ふとした瞬間に過去のことを後悔が伴う形で思い出してしまう、というお悩みですね。
二個泥 さんはどんなことをしているときに、どのような過去を思い出すことが多いのですか? その過去は、自分史に書いてくださっていますか?
「他人の言動が全て自分の否定の材料になる」とのことでもありましたが、これは過去のことを否定してしまうことと関係があるのでしょうか? また、誰にどんなことを言われたときに自分のことをどう思うのでしょうか?
実は上記のように私にはまだ 二個泥 さんのことを理解しきれていない事柄がいくつかあります。今 二個泥 さんがどのような生活をしているのかはわかりませんし、いつ頃のどんな記憶を否定的に思い出しているのかもわかりません。
ですがそんな状況でも、なんとなく思うことがあります。
これから述べることは少し失礼な物言いになってしまうかもしれません。しかし、「過去を肯定的に受け入れる」ことを考えるのに大切な観点ですからご容赦ください。
私がなんとなく 二個泥 さんに対して感じていること。それは「きっと 二個泥 さんは今の生活に満足していないのだろう」です。
なぜ私がこのように考えるかというと、誤解を恐れずに言えば、人間にとって「過去はフィクション」といえるものだからです。想起された過去とは、現在抱いている感覚とつじつまが合うように加工された形で表出されるイメージなのです。
この事実から、 二個泥 さんが自分の過去を肯定的に受け入れられないのは、現在にあまり肯定的な印象を抱けていないからなのではないか?と推察したわけです。
もしこの推察が正しいのだとしたら、自分の過去を肯定的に受け入れるには、今現在を肯定すること、満足するものにすることが求められているのだと言えそうです。
気分が記憶を左右する
「今現在を肯定することができれば、自分の過去も肯定的に受け入れることができる」というのが私の主張ですが、この主張に対してこのように思うかもしれません。
「今現在を肯定できたとしても、過去は変えられないのだから、過去を肯定することなんてできっこない」
確かにその可能性はあります。どう頑張っても過去に起きたことは変えることはできません。変えられない以上、過去に起きた事実や出来事は残り続けるでしょう。
過去が現在に影響を与えることは避けることができません。「今」は「過去」から延びる連続線上に必ず布置するものです。「過去をチャラにしていきなり『今ここ』から人生再スタート」なんてできるのは創作物の世界の中だけのお話です。現実の人間にタイムリープなんて能力はないのです。
しかし、どう頑張っても過去に起きたことは変えることができないという歴然たる事実そのものが、「今現在を肯定すること」の重要性を強調しているのだとも思います。私たちの限りあるエネルギーやリソースは、変えることが叶わない事柄に使うのではなく、変えることができることにこそ投下するべきだろうことを物語っていると思うからです。
私たちの記憶とその想起には、かなり複雑なメカニズムが働いていることがわかっています。その一つに『気分一致効果』があります。これは心理学ではよく知られた概念で、私たちの記憶は感情の影響をかなり大きく受けることを示しています。悲しいときには悲しくなったときのことを思い出しやすくなるし、楽しいときには楽しくなったときのことを思い出しやすくなるのです。
好きな人に振られて悲しくなったときには「この前も振られた…」と以前の失恋を思い出す可能性が高くなりますし、劇場版コナンを観てワクワクしたら「あの話も面白かったからもう一度読み返そう」とワクワクした漫画版コナンの存在を思い出す可能性が高まります。
「決して悲しいことや失敗だけが続いているわけではないので失敗が強調されて記憶してしまう偏りがあるのかもしれない」と 二個泥 さん自身記載されていますが、これは気分一致効果で説明可能でしょう。
悲しいことばかりではないのは頭ではわかっているけど、何やら最近どうも引っかかることが多い。だから同じような気分になったときのことを優先的に思い出してしまっているのかもしれません。「誰も覚えていない過去の自分の些細な傷つきを反芻して現在とつなげてしまう」のは、その実例だろうと思います。
今のところこの気分一致効果が 二個泥 さんには肯定的に作用していないようです。しかし、裏を返せばたとえ過去の内容を変えることができずとも、今現在を肯定することができ、満足感が高まれば高まるほど、肯定でき満足感が高まった過去の記憶を思い出しやすくなるということです。
思い出す過去の内容が、少しずつ「肯定的」なもので占められるようになり「自分の過去も案外捨てたものじゃない」と思えるものが多くなれば、「過去」そのものに対する感じ方も自ずと肯定的なものへと変わっていくことでしょう。
夢中になって現在に集中する
過去は変えられないにもかかわらず、現在に影響をもたらすものである。しかし、現在は変えられる。現在が変えられれば、思い出す過去の内容が変わる。思い出す過去の内容が変われば、過こそのものに対する印象も変わる。
まとめると上記の通りです。
では、残された課題はどうしたら 二個泥 さんは現在を満足するものに変えていけるのか?肯定的なものにして行けるのか?ですね。
そのためには、現在満足できていることをより強調していくことがまず第一です。 二個泥 さんは熱中できる趣味があるのですね(自分史の非公開部分より)。とても素敵ですね。せっかく素晴らしい趣味をお持ちなのですから、この趣味に夢中になれるといいかもしれません。
夢中になれるものがあるのは、現在を満足させるという目的のためにはとてもいいことなのです。
「現実の人間にタイムリープなんて能力はない」と先述しましたが、これは実は半分嘘です。人間にはタイムリープする能力が備わっています。頭の中の世界だけが、ですが。
私たちの頭の中の世界は、気が付いたら過去に行ったり未来に行ったりします。「昨日あんなことした」とか、「明日はどこどこに何時に集合だ」とか、絶えず頭の中の世界は時空を超えるのです。
当然のことながら、このこと自体に問題は何もありません。むしろ社会生活を送る上では欠かせない能力です。
ところが、後悔や自責の気持ちが強いとき、頭の中の世界が「過去」に縛り付けられてしまうことが往々にして起きえます。「ああ、あのとき何であんなことをしてしまったんだろう…」と過去に起きた出来事に意識が固定されてしまうのです。そうなると後悔の気持ちはますます膨らむことになり、次第に自信もなくなっていってしまいます。
こうなると「現在」にまで悪影響をもたらします。今だったらうまく行くかもしれないチャレンジにも手が出しづらくなってしまうのです。「現在」に楽しく満足できるものが転がっていても、それに気づきにくくもなるでしょう。できた喜びやチャレンジした高揚感などの人生を満足させる機会に巡り合う回数がぐっと減ってしまいそうです。
だから夢中になれるものが人生には必要なのです。夢中になっている間、頭の中の世界は「現在」に留まってくれます。頭の中の世界に「現在にはこんなに満足できるものがある」ことを見せつけられるといいですね。
趣味の活動をする際は、以前の自分と比較してどれくらい成長したかに目を向けたり、趣味ができることそのものに喜びを感じたりして現在への満足感を高めていっていただければと思っています。
本当はしたいことを実現していく
現在の満足をさらに膨らませていくことができたら、次に「避けているけど本当はしたいこと」を実現させていけるといいかもしれません。
ご相談文を拝読する限り、 二個泥 さんにおいては「①人づきあい」と、「②写真」が今後やっていけるとよいが具体的な事柄のような気がします。
①については「人とのコミュニケーションを避け失敗を恐れている、一人になりたい気持ちが強い」と記述されていますね。ここを読むと、一見「一人になりたいと言っているのだから、人づきあいなんて求めていない」と思えます。
しかし私には「実は人と関われるのであれば関わりたい気持ちも強いのではないか?」と感じました。もし本当に一人でいることに満足しているのであれば、わざわざ「人とのコミュニケーションを避け失敗を恐れている」と記載しないのではないかと思ったからです。
人とのコミュニケーションで失敗を恐れておられるのは、それだけ上手に人と関わりたい気持ちが強いことの裏返しではないでしょうか? お一人になりたいのは失敗をすることを回避したいとの消極的な理由からで、もし人と関われるのであればそうしたいと思っておられるのではないでしょうか?
仮にそうであるならば、まずは誘いやすい人から趣味に誘ってみるなど、できる範囲の小さなチャレンジから実施してみることをお勧めします。
はじめのうちはそのチャレンジに緊張や不安など、不快な感情が伴うでしょう。だから避けたくなりますよね。しかし、不快な感情はその感情の赴くままにしておくと、かえって強くなってしまう性質があります。たとえ初めは緊張や不安があったとしても、繰り返しチャレンジしていくことが大切です。そうすれば、必ずそれらの感情は小さくなっていきます。
「興味のあることには怯まずチャレンジすることは現在もそう」とのことですから、人と関わることが過去を肯定的に受け入れるためのチャレンジになるのだと興味を持ってくだされば幸いです。
写真に関しても、「最近は撮れていない」とのことですが、「良い写真を生み出せる自信があった」ことなのでしょうから、是非チャレンジしてみてください。
「時間がないと撮れないのか、写真への情熱が冷めてしまったのか分からない」のなら、時間がなくてもできることを探し、本当に情熱が冷めてしまったのか「実験する」くらいの気持ちでやってみてもいいかもしれません。
もちろん、今は「入選を目指す」など、大々的なものでなくても大丈夫。自分が満足する「実験」が行えたかどうかだけを基準にすればOKです。
通勤時に綺麗な花を見つけたらスマホで撮影してみる。撮る撮らないは決めずに、週末だけ写真を片手にお出かけしてみる。家から見える風景を撮ってみる。他の人が同じ趣味をしているのを撮影する。
何か今の 二個泥 さんができそうなことをしてみて欲しいのです。その結果、
「入選するようなレベルには程遠いものの、時間がないなりにいいのが撮れた」
「案外、自分の生活圏内にも美しいものがあることを発見できた」
「フォームの研究になるから、と同じ趣味のスポーツ仲間に感謝された」など、満足できることが見つかれば儲けものです。
もともとお好きで得意だったものですから、「現在」にも満足をもたらしてくれる可能性は大です。そうなれば、過去を肯定的に見つめ直す要因になりそうですね。
以上、「自分の過去を肯定的に受け入れる方法」について述べさせていただきました。その方法とは「現在に満足感をもたらし、現在を肯定する」です。
過去は現在の気分を通じて見る、ある種のフィクションです。いったんフィクションのことは脇においておき、「今ここ」の現在に目を向けていきたいですね。 二個泥 さんが現在をより楽しめ、満足するものにしていけるように応援しております。
最後までお読みいただきありがとうございました。