「自分に対する劣等感がひどく、生きづらいです。どうしたら楽になれるでしょうか?」の相談内容詳細
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いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
- ・同じ時期にゲームを始めた友人の方がずっと先を進んでいて酷い劣等感に襲われた。
・(別のゲーム)自分より後に始めた友人が自分より上手くなっていて劣等感を感じた。
・ゲームのライブイベントに参加したが、MCなどでキャストが喋ると「本当は嫌なのに楽しそうに繕っている」と冷めてしまい、周りの盛り上がりに置いて行かれて劣等感を感じる。 - 「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
- イライラ80%
悲しみ40%
嫌悪100% - 「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
- ・自分は何をしても駄目で嫌になる。
・人と比べても意味がないのに比べるのを止められない自分が嫌。
・相手に見下された気分になる。
・劣等感や被害妄想、疑心ばかりで疲れる。
・人と会うと合わせたり共感しなければならないので疲れるし会いたくなくなる。
・こんな被害妄想や劣等感が激しい自分は大嫌いだ。
・こんなにしんどいならいっそ死んで楽になりたい。
・死にたい気持ちはあるが実行できない自分も所詮意気地がなくて嫌になる。 - いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
- ・そもそも人と競うゲームではないので、劣等感を感じる必要はない。
・相手の方が上手くやれることを認識が出来ているので、冷静に比較ができている。
・自分より上手い相手は自分の事など気にしていない(見下してもいない)。
・ライブを楽しんでいる人達はライブに集中しているので、合わせる必要はない。 - いま専門家に聞いてみたいことは?
- とにかく劣等感と被害妄想が酷く、何を言われてもネガティブに捉えてしまい辛いです。
たまに褒められても「偶々気が向いて言っているだけだ。どうせ上部だけだ。持ち上げて仕事を押し付ける気だ」と言った疑心暗鬼を持ってしまいます。
ココロジーさんの悩み相談を拝見して、劣等感を緩和するには自信を持つことが必要なのは理解しているつもりです。
ただ、自信に繋がるものさえ常に懐疑的で自分より上手い人なんて山ほどいるのだから、こんな事で自信を持つなんて思い上がりだという考えに落ち着いてしまいます。
どうしたらもっと自分を下げたり見下したりせず、人の言葉を素直に受け取る事が出来るようになるでしょうか? - 年齢、性別、職業
- 36歳、女性、会社員
- 既往歴
- 心療内科に通院・服薬中(27歳から)
- 悩みの内容の自由記述
- --- 未回答 ---
自分史はまだありません。
※ プライバシー保護のため、ご質問の一部を編集部で変更している場合がございます。
「自分に対する劣等感がひどく、生きづらいです。どうしたら楽になれるでしょうか?」への回答
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回答したカウンセラー
いぬのしっぽ さんこんにちは、臨床心理士の浅井です。
強い劣等感があると疑心暗鬼になりやすく、そんな自分への嫌悪感も湧いてきて苦しいと思います。今回は いぬのしっぽ さんの生きづらさが少しでも軽くなるよう一緒に考えていければと思います。
いぬのしっぽ さんの「人と比べても意味がないのに止められない」「被害妄想や劣等感が激しい」といった言葉からも、 いぬのしっぽ さん自身「現実にそぐわない考えには気づいているのに止められない」状態なのが見て取れます。こうなると外からも内からも追い詰められるような感じがして、とても辛いと思います。ではこうした劣等感にはどのように対処していけば良いのでしょうか。
劣等感について調べてみると「自信を持とう」「自己肯定感が大事」などの言葉が目に付きます。ですがこうした抽象的なアドバイスは健康度が高い人への励ましとしては機能するものの、苦しさにもがく人にとってはあまり意味がありません。「自信・自己肯定感を持とう」などと言われても「持ってないからこうなっとるんやろがい」と言いたくなります。
深刻な劣等感へ対処するには自分が持つシステムを分析し、適応的な形に更新していくことが重要です。いきなりシステムとか言われてもなんのこっちゃと思われるかもしれませんので説明していきます。
「劣等感」や「被害妄想」が生じるシステム
いぬのしっぽ さんご自身「とにかく劣等感や被害妄想が酷く、何を言われてもネガティブに捉えてしまい辛いです」と書いているように、同じ言葉をかけられた場合でも個人が持つシステムによって捉え方が変わります。
このようなシステムは生まれつきの性格傾向だけでなく、他人の顔色を伺う必要がある環境に置かれたり、他人に裏切られた経験がある場合に構築されやすくなります。「自分は劣っている」という前提を置くことで「だからしょうがない」と自分を納得させ、ショックな出来事から受けるダメージを抑える役割があります。
ですがこのシステムは同時に、他人から褒められたり認められたりした際に得られる自信を減少させてしまいます。「自分は劣っているのに褒めるなんて、裏があるに違いない」など、ポジティブな刺激をそのまま受け取るのが難しくなってしまうのです。褒められたとき疑心暗鬼になってしまうという悩みにもこの働きが関連していると考えられます。
ゲームに例えると、 いぬのしっぽ さんが今装備しているシステムはこんな感じでしょうか。
【装備時:防御力+50% 攻撃力−50% 獲得スコア−50%】
防御力=ネガティブな刺激に対する耐性
攻撃力=自分の意見を発信したり、場をひっぱる力
獲得スコア=得られる自信や自己肯定感このシステムは小さなミスを責められたり、自分を蔑ろにされるような過酷な環境で有効に働きます。ハードモードをなんとか生き残るための装備といったところでしょうか。 いぬのしっぽ さんがこのシステムを身に着けたのは、ある種の必要性によるものだと思います。
信頼できない他人に囲まれた人間は、なんとか適応し生き延びるためにこのようなシステムを構築します。そして防御力を高める副作用として劣等感や自己否定感、他人との比較がやめられないといった状態異常を引き起こします。
そのため「劣等感が強い自分は性格が悪い」とか「褒め言葉を素直に受け取れない自分が悪い」など、自分を責める必要はありません。問題は「劣等感が強い・自信がない」ことではなく「今の環境にはそぐわない劣等感を誘発するシステムが常態化してしまっている」ことだと捉え直すほうが建設的です。
いぬのしっぽ さん自身、考えとは別の可能性として「人と競うゲームではないので、劣等感を感じる必要はない」「自分より上手い相手は自分の事など気にしていない」と書いてくれています。理屈ではわかっているのにそう思えないのは「自分は何をしても駄目」という前提を置くことで動くシステムを採用しているからです。
劣等感を和らげる鍵は自分の感覚
この前提を解除するために重要なのは、生活の中に心地よい刺激を増やし、不快な刺激を減らしていくことです。好きな小物や雑貨に囲まれてみたり、余計なものを減らしてノイズの少ない環境を作ってみたりするほか、軽めのストレッチや湯船に浸かることを習慣化して、心と身体の両面から心地よい刺激を増やしていくのがポイントになります。こうした環境調整は通院している心療内科の先生とも相談して、アドバイスを受けながら進めていけると良いでしょう。
この方法は特に他人と比較することから生じる劣等感に効果があります。自分という個体が感じる快・不快は、どうやっても他人と比較ができません。自分好みの空間や生活習慣を作っていくことで「自分を一番気持ちよくさせられるのは自分だな」という比較によらない地に足のついた自信がついてきます。それによって「何をしても駄目」という前提が薄れ、劣等感が少しずつ和らいでくるはずです。
こうした自分の個別性に目を向け、心身の状態を整えていくことでシステムは更新されていきます。急に根っから素直になれたり劣等感がパッと消えることはないと思いますが、少しずつ劣等感や猜疑心を俯瞰する余裕が出てくるはずです。猜疑心や劣等感は適切にコントロールできれば騙されにくさや克己心となり、上手なコミュニケーションの糧になります。
内心どんなネガティブなことを考えていても、他者にとっては表現されない限り存在しないのと同じです。そのため人の言葉を素直に受け取れない自分を必要以上に嫌う必要はありません。褒められたときは「ありがとうございます〜(ははーん、さては裏があるな。まぁいまのところは騙されておいてやるか)」など、表面上は穏やかに流せればいいと思います。裏があったときは「やっぱりね」と受けるダメージを減らせますし、裏がなければ御の字です。
ネットやSNSの普及によって自分より優れている(ように見える)人を見る機会が爆発的に増えました。それに伴い、比較によって自信や自己肯定感を得るのが難しくなってきています。容姿や学歴、収入、業績、社会的地位やゲームの上手さ、比べようと思えばきりがありません。このような社会の中で他者と比較できない特別なものは、もはや自分の感覚くらいしか残っていません。まずは自分が心地よいと感じる瞬間を増やしてみることから始めてみてください。
今回はご相談くださりありがとうございました。これまでずっと頑張ってきた いぬのしっぽ さんの気持ちが、少しでも軽くなりますように。