「本当の友達がいない」の相談内容詳細
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いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
- 本当の友達がいない。友達はいるが親友と呼べる固定の友達ができない。
- 「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
- 焦り80% 不安20%
- 「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
- 元々自分にかなり自信がなく人と接するのが苦手なためどんな友達といても、楽しくても気を使いすぎて疲れてしまう。
遊びに行ったり学校行事などを過ごす人もその場限りで安定していないのでニコイチという関係が全くなく、こちらが親友だとおもっていても相手にはもう既に親友がいたりなどして焦ってしまいます。その場限りだからこそ長期な関係を保ちにくく周りに親友がいる人が羨ましい。困ったことや世間話を簡単にできる人が欲しい - いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
- 今いる環境が合わないだけで地方からでれば全く違う価値観に人に出会えるかもしれない
- いま専門家に聞いてみたいことは?
- 長期的な人間関係を保つ方法や、友人など信頼関係を上手く築ける方法
- 年齢、性別、職業
- 17歳 女 学生
- 既往歴
- --- 未回答 ---
- 悩みの内容の自由記述
- --- 未回答 ---
自分史はまだありません。
※ プライバシー保護のため、ご質問の一部を編集部で変更している場合がございます。
「本当の友達がいない」への回答
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ねう さんこんにちは、臨床心理士の浅井です。
「本当の友達がいない。友達はいるが親友と呼べる固定の友達ができない」とのことで、焦り不安の気持ちも強いと思います。今回は ねう さんの気持ちが少しでも軽くなるよう、一緒に考えていきたいと思います。
ねう さんの悩みは「本当の友達がいない」というタイトルで表現されています。ですがその裏には自分は人と深い関係が築けないのではないかという、もっと根源的な不安が潜んでいる印象を受けました。
自分に自信が持てず、相手を信頼して自分らしさを出せないため楽しくても気疲れしてしまう。そのせいか困ったことの相談や世間話もしにくく人間関係が安定せず、その場限りになってしまう。
少し大雑把に感じられるかもしれませんが、 ねう さんの悩みを整理するとこんな感じでしょうか。「本当の友達(親友)がいない」という問題も、このような背景から生じていると考えられます。 ねう さんも聞いてみたいこととして書いてくださった信頼関係の築き方や、自信を持てるようになる方法がお返事のポイントになりそうです。
信頼関係の築き方についてネットで検索してみると、喋り方や話題選び、振る舞いや装いといった他人に見える部分を変えていくといったアドバイスがたくさん出てきます。ですがこうしたアドバイスの多くは相手から自分への信頼感を獲得する方法に偏っていて、互いに信頼し合う親友がほしいという目標にはちょっと不十分な感じがあります。その手のアドバイスはせっかく相談をくれた ねう さんへのお返事としては物足りないので、今回は別の角度から考えてみようと思います。
辞書(広辞苑)を引くと親友は「信頼できる親しい友」という意味を持つそうです。ここで重要なのは信頼“できる”という書き方です。この書き方からは、親友になるには相手からの自分への信頼だけでなく自分から相手に向けた信頼も必要なのだと考えられます。
人間関係においてはどうしても「信頼される方法」「好かれる方法」など、相手から自分への印象を操作しようとする気持ちが働きがちです。ですが、良く思われようとして自分を偽り取り繕っているうちに「本当の自分が信頼されているわけではない」と不安な気持ちになってしまうことがあります。これは自分が相手を信頼できていないために起こる事態とも言えます。
かといって「信頼されるにはまずは自分から相手を信頼してみよう!」といったキラキラしたアドバイスをしたいわけではありません。信頼されることと信頼することは別口で語られがちですが実際のところ複雑に絡まっていて、片面からの単純な精神論では解決が難しいからです。
結論から言うと「他者に信頼され良好な関係を維持する」「他者を信頼し自然体で接する」という目標を両面から達成するためには、自己理解を深めることが大切になります。
親友を作る鍵は「自分の譲れない部分」を知ること
自己理解とは簡単に言えば「自分の様々な側面について経験や知識をもとに理解し、受け入れること」です。受け入れるという点に注目し、自己受容と呼ばれることもあります。
一見するとまったく別の事柄のようですが、信頼関係の構築と自己理解には深い繋がりがあります。表面的な信頼はテクニック・ノウハウによってある程度獲得できますが、互いに信頼し合う親友と呼ばれるような関係を作るためには、自己理解が不可欠です。
自己理解を深めて自分の譲れない部分や尊重してほしい部分をはっきりさせることで「この人は自分の大切にしたい部分を尊重してくれているな」と気づきやすくなります。大事にしてほしい部分がわからないと大事にされているかどうかわかりませんから、これはとても重要です。
たとえば私の場合、一日に9〜11時間ほど寝ないと日中がつらすぎる体質なので、友達の誘いを「寝るから無理」と断ることがあります。親しい友人にはそうした体質を日頃から伝えているため、このような断り方を受け入れてもらえます。これも、睡眠時間によって自分の体調がどうなるか観察し、自己理解できたから伝えられたことだと言えます。
このように自己理解とは様々な要素を含みます。自分の体質や健康でいるために必要な行動習慣など、生活していく上での基礎的な部分をはじめ、お金や時間の使い方や物事の優先順位といった価値観など本当に様々です。
自己理解を深めることで人間関係での疲労を減らすことができます。「この人は自分の一番大切な部分を尊重してくれていないな」と思ったら距離も置けますし、「もしかしたらいい人かもしれない」と思って離れられず疲弊するなど、いたずらに消耗することを避けられます。
自己理解を深める具体的な方法としては、簡単な日記をつけることやジャーナリングがあります。どちらも思ったことを書いていくことで思考を頭の外に出し、整理する役割があります。日記であればその日の出来事とそれに対する気持ちや体調などを簡単に書くだけでも効果があります。ジャーナリングの場合はもう少し広く、5分など時間を決めて頭に浮かんだことをばーっと書き出していくものです。詳しいやり方はリンク先で紹介しているので、ぜひ見てみてください。
日記やジャーナリングを通じて自分の思考の癖や大事にしたい部分がわかってきたら、少し抽象的な問いを立ててみるのもおすすめです。 ねう さんの相談を踏まえて考えると「自分にとって親友とはなにか」「自分は親友という存在に何を期待しているのか」などの問いがいいかもしれません。
親友とひとくちに言ってもそのあり方は様々です。四六時中そばにいて互いを支え合うような親友もいれば、離れ離れになっても大丈夫な親友もいます。
自分が親友という言葉に抱いているイメージや理想を言語化していくことで親友になれそうな人を見つけやすくなります。自己理解を深めて発見した自分が大切にしていることや譲れないことを尊重してくれる人、自分と同じような価値観を持っている人とは良い関係を築ける可能性が高いです。
また、親友について「できる」「作る」など能動的なイメージが強い場合どうしても「親友がいない・できない人は劣っている」と思ってしまいがちです。ですが親友はできる・作るというより「結果的にそうなってしまう」ような性質があります。互いにルーズな部分が似ていて許し合ってしまったり、気を使わなすぎて他の友人関係よりもゆるゆるになっていたり。親友にはどこかだらしない側面もあります。ですから、今親友がいないことに焦りすぎる必要はありません。そんなこと言われても焦る気持ちは消えないと思いますが、心の隅に留めておいてくれると嬉しいです。
ねう さんも考えとは別の可能性として書いてくれていますが、環境の変化によって関わる人は大きく変わります。学校という場は関わる人を能動的に選びにくく、相性の良い人に出会えるかどうかには運が大きく関わってきます。これから先は就職や進学によってお金や時間の自由度が上がることにより、ある程度関わる人を選べるようにもなると思います。そこで突然めちゃくちゃ相性の良い人に出会うことも十分ありえます。
いずれにしても今回紹介したような自己理解は無駄になりません。繰り返しになりますが自己理解を深めることで自分に合った価値観の人を見つけやすくなります。これは、親友になれるはずの人を見逃しにくくなるとも言えるでしょう。
自己理解の過程で見えてくる自分らしさや、それを尊重することによって養われる自信はかならず ねう さんの助けになるはずです。このお返事が ねう さんの焦りや不安を和らげるきっかけになれば幸いです。