「つい、いい子を演じてしまう」
「常に指示待ち」
自分にとっての幸せよりも、親や大人、上司など、身近な人にとっての「いい子であること」を優先してしまう「いい子症候群」。きちんとした病名ではないけど、大人になっても未だにこの傾向があると感じる人も多いんじゃないかな。
2010年、心理学者の豊田弘司氏の論文では、従順な子どもほど自尊感情が低いと指摘されているよ。この記事で、いい子症候群を脱するための特徴と原因、対策を身につけよう。
目次
いい子症候群とは?
「いい子症候群」とは、自分の感情を隠して、周りのイメージ通りのいい子な自分を演じてしまうことを表す言葉だよ。
子どもに多いと言われているんだけど、自分の心の癖を治すことができずに、大人になってからもいい子を演じてしまう人が増えているんだ。
いい子症候群になってしまう人の多くが、自分の気持ちを隠して生活をしているよ。だけど、大人になると、その気持ちに違和感を感じることも出てくるよね。
その違和感が原因で、周りの「理想の自分」についていけなくなって、引きこもりになってしまう人や、感情がふとしたときに爆発してしまう人もいるんだ。
いい子でいることは時と場合によっては大事だよ。でも、それが毎日続くと心が疲弊しちゃうかも。
いい子症候群の特徴チェックリスト
いい子症候群になりやすい人にはどんな傾向があるんだろう?ここでは、いい子症候群の特徴を紹介していくね。自分に当てはまるところがないかをチェックしてみよう。
いい子症候群の特徴チェックリスト
- どんなときでも空気を読むことが当たり前
- 普段の人間関係が受け身
- 休むことに罪悪感を感じる
- 自分の感情に鈍感
- 我慢強さはピカイチ
いい子症候群になりやすい人は、自分の意志で何かを判断したり、選択することを怖く感じてしまうんだ。「周りのイメージと違う判断をしてしまったらどうしよう?」といった不安が大きいんだね。そもそも自分で物事を判断して、決断することに慣れていないよ。
だからこそ、違和感を感じても我慢してしまったり、自分の感情に気付かないフリがうまくなってしまうんだね。
いい子症候群の原因
ここからは、いい子症候群になってしまう原因を一緒に見ていくよ。原因を知ることは、改善への第一歩にもなるよね。
親子関係
幼少期から親に過度な期待を押し付けられていた人は多いんじゃないかな?
「あなたはできる子」「他の子とは違う」なんて言葉は、かなりプレッシャーになってしまうよね。
「いい子」傾向の要因には、親子関係の影響が大きいと考えられるよ。東京学芸大学の市毛氏らの研究では、児童期に親から「いい子でいて欲しい」願望を感じた青年は、「何らかの外的な基準上で高いパフォーマンスを行い他者からよい評価を得るということが、自己価値の感覚においても重要な地位を占めている」と指摘されているんだ。
「いい子」の期待をずっと背負って生きていると、いつしか「いい子じゃなきゃ私じゃない」「私はいい子であるべきなんだ」と、いい子じゃないことに不安を感じてしまうんだね。でも、自分の心の中にいる親の存在に従ってしまうことが癖になると、社会人になってからも、何か選択をするときに「親ならどうするだろう」と考えやすくなるよ。
「期待には応えたい」のが子ども心だけど、あくまでも自分は自分。親のためだけに生きていく必要はないからね。
自己否定感
いい子症候群になってしまう人の多くが、自己否定感が強い傾向があるんだ。自己否定感が強いと、ありのままの自分を認められなくなっちゃうよね。
とくに、いい子症候群になりやすい人は、「自分がいい子じゃない」と感じる出来事に遭遇するたび、自己否定感が強くなってしまうよ。だからこそ、自分を守るためにもいい子でいようとしてしまうんだ。いい子でいれば親に否定されることもなく、周りからの印象も変わらないもんね。
これまで当たり前だった世界から一歩踏み出すことには、本当に勇気がいるよね。「それなら、今のままでもいいや」と思ってしまう気持ちは仕方がないことだよ。
でもね、いい子症候群になってしまう人は、「今のままでもいいや」と自分の感情を押し殺してしまう癖がついてしまいやすいんだ。押し殺した感情はいつか爆発する可能性が高いよ。
ありのままの自分を認めることは怖いよね。でも、今少しでも自分を認めようと思えていたら、まずはそう思えた自分を大切にしてあげようね。
周囲から「いい子」のレッテルを貼られていた
周りの人からの何気ない一言が影響で、いい子症候群になってしまう人は多いんだ。
例えば、幼少期に「いい子だね」と褒められることってあるよね。周りの人からすれば、何気なく子どもを褒めただけかもしれない。でもその一言がずっと頭に残って、「私はいい子じゃないといけないんだ」と思ってしまう人もいるんじゃないかな。
とくに女性は、大人しい=いい子と言われることが多いよね。そして社会的にもそれを求められがちだと思う。「〇〇ちゃんはいい子なのに、なんであなたはいい子じゃないの?」と言われた経験をした人もいるんじゃないかな。その経験によって、自己主張や他人を頼ることが苦手になることもあるよ。
自分がいい子であることによって社会的に認められた経験をすると、そこから抜け出すこと怖くなってしまうんだ。
いい子症候群の治し方
ここからは、いい子症候群の治し方について紹介していくよ。
いい子症候群は幼少期から積み重ねてきたプレッシャーが原因なことが多いから、今日から改善できるって言い切ることはできないんだ。でもね、少しずつ自分と向き合うことで、必ず気持ちが楽になるからね。一緒に克服方法を見ていこう。
自分の中の「いい子でいたい自分」の存在に気付く
いい子症候群になっている人は、「いい子の自分をやめたい」と思っているかもしれない。でも、心のどこかに「いい子でいたい自分」の存在が必ずあると思うんだ。
その気持ちはまったく変なことじゃないよ。「いい子」で居続けることで、自分を守ってきたんだよね。だからこそ、まずは心の中にいる「いい子でいたい自分」の存在に気付いて、ちゃんと認めてあげてね。
そして今まで精一杯、自分を守ってきたことをねぎらってあげよう。自分は本当に強くて、逞しい人なんだ。
親子関係を振り返る
これまでの親子関係を時間をかけて振り返ってみるのも効果的だよ。自分が「いい子じゃなきゃだめ」と思ったキッカケはいつあったのか。どんな言葉だったのかを思い出すことで、当時の気持ちを思い出すことができるんだ。
「親の言う通りにしていないと叱られた」「いつも身近な人と比べられて叱責されていた」
こんなことはなかったかな?
「自分がどうしていい子じゃなきゃいけない」と感じたかを明確にすることで、改善がしやすくなるよ。
ここで覚えておいてほしいのが、子どもは確実に悪くないということだよ。
ただ、親からの言葉を思い出すことは辛いよね。だから、全部を一気に思い出そうとしなくて大丈夫だよ。まずは少し前の記憶から、ゆっくり時間をかけてさかのぼっていこう。
もしできそうであれば、言われた言葉とどうして嫌だったかをメモしておこう。言語化することで、当時自分が抱えたけど、スルーしてしまった本当の気持ちに気付くことができるかもしれないよ。
自分の感情と繋がる
親自身や心の中の親の声と距離を取れるようになった後は、自分の感情と繋がってみよう。
自分が好きなことは何?不安なことは?楽しいことは?何でもいいんだよ。普段の日常のなかで、少しでも感情が動いたことをメモしたり、心にとめてみてね。そして余裕があればその理由も考えてみよう。いい子症候群になってしまう人は、自分の感情を後回しにしがち。だからこそ、「自分がどんなことをしたいのか」。些細なことでもいいから、その感情を大切にしていこうね。
そうすると、少しずつ自分の感情を意識できるようになるんだ。日々の感情メモにはジャーナリングを試してみてね。
自分の意見を優先する
自分の感情と繋がることができたら、「自分がどうしたいか」が少しずつ明確になったんじゃないかな?
いい子症候群になってしまう人はここで、自分の感情を後回しにしてしまうんだ。だからこそ、今回はちゃんと繋がった自分の感情を優先してみよう。
大きなことじゃなくていいんだ。たとえば「コンビニでお菓子を買いたい」と思ったから買いに行くとか、「お風呂よりも先にドラマが見たかったから、ドラマを見てからお風呂に入る」とかね。大きなルールを破って「悪い子」になる必要はなくて、まずは自分の感情を優先することが、どれだけ幸せなことかを体感しよう。
最初はちょっと怖いかもしれないけど、大丈夫だよ。自分の人生を大切にできるのは、自分自身だけだからね。
いい子症候群まとめ
今回は、いい子症候群について原因や改善策を一緒に見て行ったよ。いい子症候群になると、「いい子じゃなきゃいけない」と自分のことを縛ってしまうんだね。
いい子じゃない自分を責めてしまう気持ちは、長い時間をかけて覚えた自分自身の守り方でもあるよね。だから、今すぐ改善することは怖いかもしれない。
だけど、ここまで自分をちゃんと守ってきた自分は本当にすごいんだよ。まずは、自分自身をねぎらってあげてね。