親との距離の取り方4選!近すぎる理由と罪悪感が消える方法

2021.12.27 Mon
シンくん
案内人 シンくん
ライター
執筆 浅井 音楽 臨床心理士 / 公認心理師
距離感が近すぎる親と距離を置く方法
親との距離の取り方4選!近すぎる理由と罪悪感が消える方法

年末やお盆など、季節の節目で実家に帰る人は多いよね。

実家が安心できる場所ならいい休息になるけど、そうじゃない人もいると思う。親族が集まる機会では「結婚についてしつこく聞かれたり、プライベートなことに口を出される」「子育てについてあれこれ言われる」などストレスの種が多いのも事実だよね。

今回は親子関係に焦点を当てて「親との適切な距離の取り方」を説明していくよ。自分らしく過ごせる親との距離感を見つけよう。

親と自分は別の存在。すべて言いなりになる必要はないよ
 

離れたほうがいい親の特徴

まず「距離を置いたほうがいい親」の特徴について説明していくね。

ここで紹介する特徴を持った親には要注意。健全でない親の養育を受けた人や、今も密接な関係にある人は、いわゆるAC(アダルトチルドレン)と呼ばれる心理的傾向が生じることがあるよ。

だけど、エネルギーのない状態で急に親に立ち向かったり、むやみに親を攻撃するのも効果的とは言えないんだ。まずは距離を取って、離れて過ごしてみるのが大切だよ。

思い通りに行動を支配しようとする

仕事や育児、人間関係といった自分自身で決めて行動するべき事柄について、思い通りに支配しようとしてくる親からは、距離を取ったほうがいいよ。

子どもの行動を支配しようとする親は「子どもは自分とは違うひとりの人間」だと認められず「子どもは自分のもの」だと思い込んでいることがあるんだ。

支配的な親は子どもが自立する機会を奪い、自分らしく生きる妨げになるよ。

お前の行動はワシが“支配”する
 

気持ちや価値観を否定してくる

「その考えはおかしい」「そんな子に育てた覚えはない」など、考え方や価値観を否定してくる親にも注意が必要だよ。

子どもを否定する親は自分自身の正しさに不安があるから、子どもにもそれを強制することで「自分は間違ってなかった。これが正しいんだ」と安心したいのかもしれないね。

考え方や価値観は人それぞれ違うものだし、親子ほど年が離れていれば時代による違いも出てくるよね。

家族とは「一番近いだけの他人」とも言えるんだ。他人の価値観を否定する人からは、まず距離を取るのが大切だよ。

見ている世界はそれぞれ違うんだ
 

愛情や心配を盾にする

「子どもが毎朝起きられるか心配でモーニングコールする」など、一見すると愛情深い親にも親にも注意が必要なんだ。

子ども中心の生活をしてきた親は、子どもが自分から離れていくのが寂しくて、過剰な干渉をしてくることがあるよ。親自身が「子どもが離れてしまうのが寂しかった」と内省できればいいんだけど、そう考えられる親は少ないんだ。

「愛情深いから」「心配だから」と子どもに干渉する親は、一見すると優しく見えるかもしれないけど、愛情や心配を盾に子を支配しているとも言えるね。

親が愛情や心配を盾に干渉することを続けていると、子どもは「これ以上心配をかけられない」と悩みごとを相談できなくなったり「親を放っておけない」と自分の人生を蔑ろにしてしまったりするんだ。

また、子どもが親からの干渉を良く思っていない場合にも「愛情深い親と親不孝な子」の構図に押し込まれて、子どもが非難されたり罪悪感を背負わされたりしてしまうよ。

愛情を盾に
 

親との問題の背景

次に親子の距離の問題がどうして生じるのかについて、社会的な観点から見ていこう。

少子化・核家族化

近年、昔のような大家族は少なくなって、少子化が進んでいるという話はよく聞くよね。

少子化の要因は、明治維新以降の人口増加や産業の発展にあると言われているよ。親と同居する必要がなくなった子どもが家族を持つようになって、その後の高度経済成長で都市部に移住する人が増えたのがきっかけなんだ。

近年では、子どもが大学を出るのがあたり前になって教育費が増えた結果、少ない数の子どもに重点的にお金をかけることが一般的になったよね。さらに近所付き合いなどが減少したことも手伝って、近年の親子関係は「第三者の目が届きにくい家の中で、多くの資源を投じられた子どもが過剰な期待や支配を受けやすい」構造になっているんだ。

「毒親」なんて言葉が流行る背景には、家族構造の変化があるのかもしれないね。

家族の形は変化しているんだ
 

性役割の関係

親子関係の中で生じる問題の背景には、社会から求められる性役割の影響が考えられるよ。

たとえば男性には「稼ぎの多さや社会的な地位」が、女性には「自己犠牲的な献身やケア労働」が求められがちなのは実感できる人もいるんじゃないかな。でも縛られる一方で、「男らしさ」や「女らしさ」は、人が自分自身の価値を確認するためにも使われがちなんだ。「らしさ」に縛られながらも、自分の価値を客観的に担保してくれる「らしさ」からは逃れにくいんだ。

家庭の中では、「女らしさ」の影響から母親や娘が家庭のケア労働を担いがちだよね。上でも触れたように、核家族化や生活環境の変化など第三者の目が届きにくく、サポートを受けにくいことも、母と子の間でトラブルが起きやすい背景だと考えられるよ。

だけどどんな理由があっても、子どもを支配したり蔑ろにしていい理由にはならないんだ。「このままじゃ自分がダメになる」と感じたときは、距離を置くことも大切だよ。

逃げるんだよォォォーーーーーッ
 

親との距離の取り方

ここからは親との距離の取り方について考えていこう。

最近は本やブログなどで「毒親」「親ガチャ」なんて言葉を目にする機会が増えたよね。もしかすると親子関係を神聖視せず相対化する動きが活発になっているのかも。

一方で「毒親には一切関わるな」「毒親とは縁を切れ」といった少し極端な考え方が発信されているのも事実なんだ。親子関係は多種多様。必ずしも「関係を絶つ」だけが正しいとは限らないよね。だからこそ「関係を絶つ」以外のかわし方を持つことは、複雑な現実に柔軟に対応できる大切な力になるんだ。その選択肢をいっしょに増やしていこう。

親と自分は別の存在だと意識する

支配的な親に育てられた子どもは、自分の行動に対する親の反応を強く心配する傾向があるよ。

「自分が離れたら親が傷つく」など自分の行動と親の反応をセットで感じたときは「親と自分は別の存在」と強く意識してみて。

最初は大変かもしれないけれど「自分は親とは別の存在。自分には自分の人生があり、自分らしい選択肢を選ぶ権利がある」とおまじないのように繰り返し意識することで、自分と親との意識的な分離が進んでいくよ。

詳しくは下の「自他境界の作り方」を読んでね。

自他境界の作り方って?境界が“あいまい”だと感じたときの改善法

親は親、自分は自分
 

連絡の主導権を握る

親元から離れても連絡が頻繁に来たり、返事がないことを責められたりして憂鬱になってしまうことってあるよね。

そういうときは「いつもありがとう。頼りにしてるから、助けてほしいときは一番に連絡するね」など、親の自尊心を上手に転がしながら連絡の主導権を握るのがおすすめだよ。

ご愛願いただいております。子でございます
 

経済的に自立する

親と距離を取るときには、経済的に自立していることが大切だよ。

親によっては、子どもを実家に押さえつけることで自立する機会を奪って、自分の支配下に置こうとする場合もあるんだ。

まずは自分が生活するのに必要な資産を計算して、どんな風に働けばそれが達成できるのかを考えてみるのが大切だよ。

いざ距離をとっても経済的な支援を受けている状態では負い目もあるし、精神的な束縛からは逃れられないことが多いんだ。

自分は親から経済的に自立しているという事実は、「自分と親は違う」という考えを補強してくれて、より良い親子関係のための助けになるはずだよ。

ここまでやる必要はないぜ
 

幸せになっていい

「親に感謝しろ」「親孝行するべき」というメッセージは巷にあふれているよね。

だけどそれに従う必要はないんだ。誰も他人の気持ちや行動を強制することはできないからね。親孝行の気持ちは素敵なものだけど、それは親や社会に強制されることではなく「自分がやりたくてやっている」からこそ素敵なんだ。あくまでも「一番大切なのは自分」だよ。親を憎む自分も許せない自分も、まずはありのまま受け止めてあげよう。もちろん、親を愛する気持ちと離れたい気持ちが一緒にあったっていいんだよ。

「親とは関係なく幸せになっていい、幸せになれる」と自分に寄り添ってあげよう。

幸せになっていいんだ
 

親との距離は自分次第

親から距離をとって自分が幸せになれば、今度は親に返すべきものが見つかるかもしれないよね。困った親と距離を取るのは、実はお互いのためにもなることなんだ。

でも、支配され、依存させられている状態で未来について考えるのはとても大変な作業だよね。今回の記事が少しでもその助けになれば嬉しいな。

親のために自分を犠牲にするのではなく「どんな自分になりたいか」と未来を見つめて、幸せになっちゃおう

自分が幸せになることが最優先だよ
 

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