「「恋愛感情」がよくわからないので、教えていただきたいです」の相談内容詳細
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いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
- 数年前に告白された人に返事を待ってもらって、気付いたら数年が経っていた。
先日会ったら改めて告白されたが、恋愛感情がよく分からない。 - 「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
- もやもや50%、罪悪感30%、嬉しい20%
- 「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
- 相手はいいよと言ってくれたけど、数年返事を保留してるのは本当に申し訳ない。改めて告白されたしさすがにそろそろ答えを出さないといけない。
こんな私を好きでいてくれるのは嬉しいけど、自己肯定感が低すぎて納得できない。本当に好きなのか不安になる。
私は友達に対して魅力的と感じたり依存したりすることも何回かあったし、それと恋愛感情の差がよく分からない。
付き合ってから好きになるんでも良いと聞いたことがあるけど、年単位で待たせているからそれで良いのか分からない。 - いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
- 相手は別に答えを急かした訳では無いのかもしれない。
友達に感じていたものも恋愛感情だったのかもしれない。
友達にも魅力的だと感じるのは普通のことで、恋愛感情はもっと別なものなのかもしれない。 - いま専門家に聞いてみたいことは?
- 恋愛感情ってなんなんでしょうか。「付き合う」ということをすると、それ以前と何が変わるんでしょうか。
私はどうすればいいですか? - 年齢、性別、職業
- 未成年 ? 学生
- 既往歴
- --- 未回答 ---
- 悩みの内容の自由記述
- 自分史に「彼女ができた」と書いてありますが、保留してる間に付き合って別れてます。それも相手に伝えてはいますが、理解したのでこれからも仲良くして欲しいと言われ、そのままです。
また、相手は男性で、私はバイだと思います。多分。
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彼女と別れた
申し訳ないとは思ってたけど、メンヘラすぎてうんざりしてたしそんなもんかと思った
メンヘラを慰める人の大変さを知って、人に迷惑をかけたくない気持ちに拍車がかかった
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彼女ができた
恋愛感情がよく分からなかったので、告白された時そのまま分からないと伝えたらいくつか質問されて流れで付き合うことになった
好きではあったけど、未だに恋愛感情はよく分からない
彼女もメンヘラだったし私もそうだったから共依存しまくった
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TRPGを始めた
めっちゃくちゃ楽しかった
でもキャラクターを考察して演じることで、その後はそのキャラの影響を受けていて、自己同一性が保てなくなりそうになったこともあったキャラクターを演じたことの影響が多少残っていると思う
あと他人が今何考えてるか過剰に考えるようになった
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14
ネットの友達と本格的に仲良くなった
なんでも話せて趣味もあって相談もできる友達がいるのですごく生きやすくなった
仲良くなってから学校に復帰できたし、辛いことも多少頑張れるようになった
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13
夜に出かけた
背徳感があってすごく楽しかった
同じ趣味で集まって遊んでるおじさん達がいて、羨ましかった
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不登校になった
2人友達ができたけど、両方すごく勉強ができたし絵も上手かったから、すごく劣等感を感じてつらくなった
自分は他より劣っているという思考のベースになってるかも?
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11
友達がめっちゃ病んでた
私が助けてあげなきゃと思ってたし、影響されてしまってこの頃から病みはじめた
本格的にメンヘラになってきた
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帰り道の猫を可愛がってた
かわいい
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いじめられてた
あまり覚えてないけど多分悲しかったんだと思う
後半はいじめっ子も周りから白い目で見られるようになってきてたしイライラの方が大きかった
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8
ずっと一緒に下校してくれてた地域のおじさん(?)の担当がわたしの帰る方向と違うところになった
捨てられたような気持ちになってすごく悲しかった
置いていかれたくない 捨てられたくない 寂しい みたいな気持ちはここからきてるかもしれない
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6
子役養成所に通ってエキストラの仕事をしてた
大人に褒められたり、新しい友達ができたり、わりと楽しかった
敬語を使うことが当たり前だったし、同年代より少し上みたいに振る舞うくせがついた
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「「恋愛感情」がよくわからないので、教えていただきたいです」への回答
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ミコさんへ、ご相談くださりありがとうございます。臨床心理士の浅井です。
「恋愛感情というものがよくわからない」難しい問いですね。
「友達に感じていたものも恋愛感情なのかも」「恋愛感情はもっと別なものなのかも」と別の可能性を考えてくださったことや、告白された方へ「保留しているのは申し訳ない」と感じられていることからも、ミコさんがこの問いの難しさに真摯に向き合おうとしているのだとお見受けします。
そもそも「恋愛感情」とは、どのような意味なのでしょうか。
有斐閣から出版されている「心理学辞典(2014)」では「恋愛(romantic love)」の項目は以下のように説明されています。
【相互のロマンティックな愛情を主な基盤として成立している対人関係を恋愛関係という。(中略)恋愛中のカップルは、デートと呼ばれる恋愛行動のなかで、身体的接触、排他性、熱中など特徴的な行動パターンを示すことが多い。】
お堅い書き方ですね。これを見ると「身体的な接触がない恋愛もあるよね?」といった疑問も湧いてくるのではないでしょうか。実際、心理学の世界でも時代が進み社会が変化するにつれ、恋愛のあり方は多様化していることが指摘されています。このように「恋愛感情」ひとつとっても、よくよく考えてみると定義が難しいんです。
そのため、ミコさんが「友達に感じていたものも恋愛感情なのかも」「恋愛感情はもっと別なものなのかも」と思い悩むのも無理はないと思います。逆に、多くの人が当たり前に流してしまうことを疑問視できる稀有な視点を持っているとも言えるでしょう。
ですが不安な気持ちや罪悪感を抱えたままだとしんどいですよね。人生は楽で楽しいほうがいいと思いますので、今回は楽になるための方法を探っていければと思います。
ミコさんはお書きいただいたとおり、多くの人が当たり前に持っているらしい「恋愛感情」がよくわからず、不安でもやもやするという状態なのだと思います。告白を保留している罪悪感や、相手の言う「好き」が本当なのかわからない不安感も、もやっとした気持ちに拍車をかけているようです。
結論から言いますと「恋愛感情」なるものは存在しません。少なくとも私はそう考えます。
何を言ってるんだと思われるかもしれませんが、もう少しお付き合いください。
「恋愛感情」は明確に定義できず、相手を独占したい気持ちや性的な欲求、安心感や高揚感といった様々な気持ちをごちゃまぜにしたものに貼られるラベルに過ぎません。
一緒にいると心地いい。もっと深く繋がりたい。独占したい。支えてほしい。そうした本来バラバラな気持ちをまとめて「恋愛感情」とラベルを貼ることで、単純化して、自分も相手も理解しやすいようラッピングしているんです。なので「これは恋愛感情なのか」という問いはそれほど意味を持ちません。
人間は自分が処理しきれない複雑な感情や理解できない現象に直面すると強いストレスと不安を感じます。大昔の人が災害や病気の背景に神や悪魔といった存在を考え出したのも、こうした心の働きによるという説もあります。
バラバラな気持ちをまとめて「恋愛感情」のラベルを貼ることを、多くの人が当たり前に行っているのには他にも理由があります。
まず「私はあなたに恋愛感情を向けています」と明言すると相手もそれを意識するようになり「付き合う」契約を結びやすくなるんです。好意には好意を返したくなる、というこの気持ちは「返報性の原理」と呼ばれたりします。
ですが逆に「好意を返さなくてはいけない」と罪悪感を抱え、ストレスになってしまうこともあります。ミコさんの中にある罪悪感も、こうした返報性によって生じているのかもしれませんね。
また「自分たちは互いに恋愛感情を持ち、付き合っている」と明言することで、交際相手に他人が近づくのを牽制できたり、交際相手をより特別かつ親密に感じられるようになる、などの心理的な効果も期待できます。
これはミコさんが書いてくださった「“付き合う”ということをすると、それ以前と何が変わるんでしょうか?」という疑問への回答でもあります。
つまり「“付き合う”ことで親密で他の人が入りにくい関係が作りやすくなる」ということです。また「恋愛感情を明言することで“付き合う”状態に移行しやすくなる」とも言えます。
言ってしまえばこれだけの話です。付き合ったからといって世界がガラッと変わるわけではないですし、付き合ったから相手に恋愛感情を持てるようになるということもありません。(もちろんそういう気持ちになる可能性はありますが)。
こうした前提を踏まえ「私はどうすればいいですか?」というミコさんの質問に、私なりに答えてみたいと思います。
まずは「自分の気持ちを深め、言語化する」ことを習慣にしてみてください。自分が何に心を動かされ、何を必要とし、何に喜びを感じるのかを日々の生活の中に発見し、集めてほしいと思います。
そうして集まった情報から「自分には恋愛は必要ない」と気づくかもしれませんし、逆に「いっちょ恋愛してみようか」となるかもしれません。日頃からご自身の気持ちや考えに目を向け深める習慣ができていると、その時々の行動の指針になってくれます。また、この習慣には自己肯定感や自己同一性を高める働きもあります。
はじめは「今日あった出来事」と「そのときの気持ち」をスマホにメモする、など簡単な方法からスタートすると継続しやすいですよ。
自分の気持ちを言語化するのに慣れてきたら「自分は他者との関係に何を求めているのか」についても深めてみてください。
「相手とどんな関係を築きたいか」を起点に「相手にしてほしいことはなにか」「自分ができることはなにか」などの考えを深めていくことで自己理解が進み、話し合いもしやすくなるでしょう。
考えがまとまってくると「自分はこの関係に〇〇を求めています。△△は求めていないので一般的な意味でのお付き合いには適さないと思います」など、自分にも相手にもわかりやすい伝え方ができるようになります。
また、他者との関係については「相手は自分との関係に何を求めているのか」を聞いて「自分はその求めにどの程度応じられるか」を考えるのも重要です。その結果「なら付き合ったほうがいいな」「付き合う以外の関係性がベストだな」と答えが出たりします。
大切なのは「付き合う」のはあくまで手段だと理解することです。付き合うことが自分と相手の幸せに役立つと思ったなら付き合ってみればいいですし、そうでないなら避けたほうがいいでしょう。付き合っていないから関係性の程度が低い、なんてことも当然ありません。
まずはミコさんご自身の気持ちや考えを深め、労り、尊重することから始めてみてください。そうして深めた価値観は、かならずミコさんを助ける人生の指針になってくれるはずです。