生活環境が変わり、何となく寂しくて辛い気持ちが続いています

2023.07.03 Mon

目次

回答したカウンセラー

中浦ダイ

精神保健福祉士

中浦ダイ

精神保健福祉士。ニュージーランド在住。Waikato大学大学院カウンセリング学修士課程。Free to Runアンバサダーランナー。精神科医療機関でのソーシャルワーク、オルタナティブ教育団体でのプログラム運営、心理カウンセリング、女性の権利擁護などの活動を行う。知識が経験になり自分の物語になるようなコンテンツを作りたいと思っています。
【得意な相談】
◯自己肯定感・自尊心に関する相談(自信がない、何をしたいか分からない、自分がどんな人間か分からない等)
◯コミュニケーションに関する相談(家族・夫婦・親子・職場・友人との人間関係等)
◯適応に関する相談(職場・異文化・出産などライフステージに伴う変化等)

「生活環境が変わり、何となく寂しくて辛い気持ちが続いています」の相談内容詳細

相談者
相談者 うみ
いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
大学進学をきっかけに高校の友達と顔を合わせることがなくなり、連絡もめっきりとらなくなった。
中学高校の頃からやりたいことや生活していく糧となるくらいに好きなこともなく、また高校では特定の友達に半ば依存するような形で構ってもらいにいく(構ってもらう)ことでメンタルを保っていた。
大学に友達と呼べる子がいないわけではないが、その子たちから恋バナを耳にする機会がこのところ多く、何だか置いていかれているのではないかと漠然とした寂しさや不安に苛まれている。

また、大学での勉強やアルバイトなども義務感からどうにかやってはいるものの積極的にやりたいとは思えず、やりたくないことまでしてどうして生きていかなきゃいけないのか悶々としてしまう。
「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
寂しさ40%、虚無感30%、羨望30%
「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
無意識に拠り所(人でも物でも)を求めており、宙ぶらりんな現状がつらい。
高校ではその友達に会うためと自分の中で何とか理由付けをして生活していたが、それができなくなった今、何を目標や楽しみとしていけばいいのか分からなくなっているのだと思う。
誰かの一番になりたい、自分を優先してもらいたいという気持ちがあるため、友達に恋人や気になる相手がいると私は一番になり得ないのだと感じてしまい苦しくなるのだと思っている。
いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
友達の枠の中ではそれなりに大切にしてもらっているのかもしれない。
いま専門家に聞いてみたいことは?
人に依存して生きていくのはあまり良くないと思っています。精神的な自立をするにはどうしたらいいでしょうか。また、メンタルを安定させるために何か効果的な方法はありますか。
年齢、性別、職業
19歳、女性、大学生
既往歴
--- 未回答 ---
悩みの内容の自由記述
高校の頃に依存していた友達にはよくスキンシップをとってもらったり、どうでもいい話から悩みまで色々な話を聞いてもらっていました。こちらを突き放さずに大丈夫だよと言ってくれる安心感があったのだと思います。
とはいえその子の負担になりたくないという気持ちもあり、現在はこちらから連絡をすることもできないでいます。
相談者 うみ さんの自分史

自分史はまだありません。

※ プライバシー保護のため、ご質問の一部を編集部で変更している場合がございます。

「生活環境が変わり、何となく寂しくて辛い気持ちが続いています」への回答

  • うみ さん、ご相談を寄せていただきありがとうございます。精神保健福祉士の中浦です。

    大学に進学することで高校の頃に仲良くしていた友達と(相談内容では依存していた友達)と顔を合わせることがなくなり、寂しさや辛さを感じるとともに、そんな誰かに依存してしまうような自分ではダメという思いの板挟みにあっていると理解させていただきました。

    新しい環境だったり、心を許せる友達がいない状況はとても不安だし落ち着かないものだと思います。

    でも、私は今 うみ さんはすごく大事な時間を過ごしているのではないかなと思うんです。大事な時間というのは、これまでの うみ さんから、もう少しまた違う うみ さんに変わる時間ということです。大人になるための変化の時期とも言えるかもしれません。

    うみ さんは「自立するための方法」や「メンタルを安定させるための方法」を知りたいと書かれていましたね。もちろん2つとも生きるためには大事なことです。

    でも、どちらもそれが絶対に目指さなければいけないものではありません。自立もメンタルの安定も「していた方がいいもの」ですが、少しくらい自立できなかったりメンタルが安定しない時があったからって、それがダメな人間とか悪い人生ということを意味しません。

    私は、今 うみ さんにとっては辛い時期かもしれないけど、安易に困っていることを解決しようとするのではなく、その中から何を学べるかの方が大事だと思うのです。学ぶことが、結果的にはより強く自分の自立やメンタルの安定に効果があると信じています。

    次からは、今 うみ さんが学べることを考えていきたいと思います。

    「宙ぶらりん」に留まっていられる力

    うみ さんに「今大事な時」や「学べることがある」と話した理由は、 うみ さんが次のステップに移行する「宙ぶらりん」の期間を、ちゃんとご自身で感じているからです。

    うみ さんも今の状態を「無意識に拠り所(人でも物でも)を求めており、宙ぶらりんな現状がつらい」と書かれていましたね。

    相談内容に、高校時代は友達に依存する形で構ってもらっていたと書かれていましたが、今そういうことができる人がいないために、 うみ さんは宙ぶらりんの状態に苦しんでいるのだと思います。

    でも、考え方を変えるとまったく別の捉え方ができます。それは、 うみ さんが「自ら」宙ぶらりんの状態に留まっている、という事実です。

    高校の頃は友達に会うために何かしらの理由を作ったり、会ったらスキンシップをとったり色々な話をして過ごしていたと書かれていましたね。

    大学の友達とはまだそこまでできる関係ではないのかもしれませんが、無理やり誰かと会ったりスキンシップをとったりすることだってできなくはないはずです。高校を卒業したからって、どうしても辛かったら以前の友達に会おうと思えば会えると思います。

    でも、 うみ さんは大学の友達に依存的になることもせず、高校の時の友達を頼ることもせず、こうやって一人で苦しい時間をなんとか耐えているのではないでしょうか?

    宙ぶらりんの状態に自ら留まって、自分で何とかしようとしている姿には見えないでしょうか?

    一人で苦しい時間をどうにかしようとしているとしたら、それはもうすでに誰にも依存せずに生きていこうとしているとは言えないでしょうか?

    繰り返しになりますが、 うみ さんはもうすでに高校の時とは違う生き方や人間関係の作り方を実践していると思うんです。だから、私は今 うみ さんが大きく変わろうとしている時期だと感じるし、今の苦しさを解消しなければいけないネガティブなものとしてではなく、もっと成熟した大人になるためのポジティブな変化の最中として捉えてほしいと思っています。

    今の うみ さんの苦しさをご自身の弱さのために起きていると考えるのは、あまりにも自分に厳しすぎるし、もったいないと思います。

    うみ さんはちゃんと大人になる道を歩んでいる。そのことが少しでも伝わっていたら嬉しいです。

    成長はいきなり何かに変わることではない

    成長のための変化の途上にいるとはいえ、「だから苦しくても耐えましょう」だけであれば、それも うみ さんにとっては厳しすぎるアドバイスになってしまいます。

    最後に、依存やメンタルを安定させるための方法をひとつお伝えします。とはいえ、その方法はそこまで難しくないし驚くようなものではないかもしれません。

    私からのアドバイスは、「もう一度高校の時の友達と話す」です。

    相談内容には「その子の負担になりたくないという気持ちもあり、現在はこちらから連絡をすることもできない」と書かれていましたね。

    うみ さんのどんなところがその子の負担になっていたか分からないですし、負担になっていたかどうかも分かりませんが、繰り返しお伝えしてきたように、 うみ さんはこれまでその子に依存していたかもしれないことをちゃんと振り返って、「このままではいけない」と感じて一人で耐えてきました。

    確かに依存は自分で自分の世界を守れない状態であり、自分の人生をコントロールするのに誰かの助けや存在が【いつでも】必要になってしまう状況は好ましくありません。

    でも、誰かの力を借りたり、誰かに自分の苦労を知ってもらおうとすること自体は依存ではありません。

    誰かの存在を頼ることが依存になってしまうのは、あくまで頼ることが【いつでも】になってしまう時です。その人がいなければ自分が何もできなくなってしまう時です。

    【いつでも】でなければ、頼ることは「依存」ではなく「相談」です。いや、相談ですらないかもしれません。友達に困ったことや色々な話をするのは「会話」です

    いくら高校の頃に依存していたかもしれなくて、その子の負担になりたくないからって、今 うみ さんが困っているのに「会話」もしないのは、その子が うみ さんの友達ですらなくなってしまう気がして、私はなんだか悲しくなってしまいます。

    うみ さんは成長の最中にいると話しましたが、成長は急に何かが変わるわけではありません。少しずつゆっくりと変化するものです。

    高校を卒業したからって、 うみ さんがその子に依存しないように今努力しているからって、いきなり一切その子と会話すらしなくなるのは、変化の観点からすれば大きすぎるステップなのかもしれません。

    もちろん、もう一度その子と連絡をとって同じように依存的になってしまったら良くないかもしれません。

    でも、きっと うみ さんなら大丈夫です。この相談を投稿されたのが12月なので、大学に入って9ヶ月間は自分でどうにかしようと努力したことになります。自分でどうにかしようとするのは「依存」とかけ離れた行為です。極端すぎるくらい頑張ったと思います。

    もう一度友達を頼って、これまでに大学で起きたこととか色々な話をしてみてください。依存は人生を苦しくさせるけど、友達は人生に喜びや力強さを与えてくれるものです。

    大人になるとは「どう生きるか」を自分で決めること

    最後に、もうひとつだけ今 うみ さんが学べることをお伝えして終わります。

    それは、大人になるというのは自分の人生を「どう生きるか」を自分で考えて決める、ということです。

    相談内容に「大学での勉強やアルバイトなども義務感からどうにかやってはいる(中略)、やりたくないことまでしてどうして生きていかなきゃいけないのか悶々としてしまう」と書かれていましたね。

    大学と高校の違いは、学びたいことを自分で選ぶことです。そのためには自分がどんなことを学んで、どんな仕事に就き、どんな人生を送りたいかを考える必要があります。逆に、高校までは理系と文系などの選択はあっても、基本的に何をするかはカリキュラムによって決められていました。

    大学生になれば、授業もアルバイトも、卒業後に就職することもすべて義務ではなくなります。でも、仕事をしなければ生きていくことは簡単ではありません。

    つまり、しなければいけないものはないけど、何かをしなくては生きていけないのであれば、どんなことをするかよりも、どれだけ義務感ではなく「自分で納得して選んだか」によって、仕事や人生に対する充足感が変わってくるということです。

    給料が良くても、条件が良くても、1日8時間の労働を義務感でしていたら、どんな仕事でもいつか苦しくなってしまいます。

    うみ さんには、大学での4年間でたくさんの経験を積んで、たくさん考えて、そんなこともたくさん友達と話をしてほしいです。依存ではなく、友達と一緒に大人になる道をお互いで助け合いながら歩んでほしいです。

    今回お伝えしたことをまとめると以下のようになります。

    ①今の うみ さんは「依存から自立」「義務から選択」の大事な変化の時にいる
    ②依存はしない方がいいけど友達はいた方がいい
    ③もう一度友達と会話をして一緒に大人になるために助け合う

    うみ さんが友達と一緒に助け合いながら自立と大人への道を歩めることを願っています。

    応援しています。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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