行動を続けられない自分に嫌気がさします。どうしたら続けられますか?

2023.06.05 Mon

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回答したカウンセラー

小野寺 リヒト

臨床心理士/公認心理師

小野寺 リヒト

臨床心理士・公認心理師。FP2級所持。
医療機関や一般企業の産業保健事業部等での勤務経験があります。心の悩みが気兼ねなく相談できたり、セルフケアの重要性が浸透した世の中になってくれたらいいなと思っています。読書と料理が好きです。
【得意な相談】
〇気分の落ち込みや不安に関する相談(上手な気持ちの切り替え方、最初の一歩になる行動の踏み出し方等)
〇人間関係に関する悩み(パートナー・親子・職場関係・友人等)
〇お金の相談(ついお金を使ってしまう心理、貯蓄・節約のこと等)

「行動を続けられない自分に嫌気がさします。どうしたら続けられますか?」の相談内容詳細

相談者
相談者 夜空
いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
何に対しても行動が続けられない。
やらないといけないことにしても大好きなことに対しても1ヶ月も続かない。
「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
自己嫌悪80% 焦り30% 不安20%
「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
10の時をきっかけに今の自分を変えるために勉学やダイエットしようと色々方法を調べたり考えたりしても続けられずに今に至るまでずっと挫折続きで何かをやりたい学びたいという思いだけで行動を続けられない自分が嫌い。
外見にコンプレックスがあり外に出たり人と関わるのが怖かったり何かをする時は1人じゃないと出来なくて家族であろうと誰かが近くにいるとその人が気になり自分がどう思われるかなどこその人の考えてることを考えてしまい集中出来なくなってしまうのも原因の一つだと思う。
「○○をやりたい、頑張りたい」の思考だけで行動が伴っていないことを親に定期的に責められるのが自分が1番分かっていることだからとても苦しい。
いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
今まで何かを長期間続けたことがない、自分が完璧主義すぎて続けられないからかもしれない
いま専門家に聞いてみたいことは?
今からでも少しずつ行動を続けられるようになれるのでしょうか?
ずっと何も続けられるずにいるし自分を好きになるためにも目標に向かって行動を続けたいです。
年齢、性別、職業
15歳 学生
既往歴
--- 未回答 ---
悩みの内容の自由記述
--- 未回答 ---
相談者 夜空 さんの自分史

自分史はまだありません。

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「行動を続けられない自分に嫌気がさします。どうしたら続けられますか?」への回答

  • 夜空 さん、ご相談をよせてくださりありがとうございます。臨床心理士・公認心理師の小野寺です。

    やると決めたことも好きなことも長続きしないので、どうしたらよいのかとのご相談ですね。

    ご相談をしてくださった背景には、もちろん「行動を続けられない自分が嫌い」と感じてしまうこともあるでしょうが、それに加えて「親に定期的に責められる」ことにも参ってしまっている気持ちがあるのだろうなと想像します。身近な人に信じていてもらえないと悲しくなってしまいますね。

    でもあまり親御さんの言うことは気にしなくても大丈夫そうです。親御さんは『「○○をやりたい、頑張りたい」の思考だけで行動が伴っていない』ことに対してご立腹とのことですが、誰だって思考や意志の力だけで行動が起こせるようにはできていないからです。

    「思考だけで行動が伴っていない」のは人間であれば当たり前で、親御さんは当たり前のことに腹を立てておられるのです。

    もし思考や意志の力でどんな行動も思いのまま起こせるのだとしたら、世にこれだけのダイエット情報やマネー本があふれているはずがありません。誰だって「運動すれば痩せる」「いらないサブスクを解約すればお金が手元に残る」なんてことは分かっているのです。でも運動はつらいし、サブスクの解約は面倒だからできない。

    なぜ頭でわかっていても行動に起こせないかというと、思考も意思もかなり波があるからです。

    「やろう」と「やりたくない」はとても早いサイクルで交代し合います。やる気も出るときと出ないときの差が激しいのは誰もが経験することです。

    思考や意志の力に行動を起こす・起こさないを決めさせても安定しないのはこの波のためです。「やろう」と思えているときや「やる気」があるときは行動に移せるかもしれませんが、そうではないときには行動を起こしたくても起こせません。

    思考や意志に行動を継続的に起こす力はもともとありません。 夜空 さんは怒られてしまってしんどい思いをされていますよね。でも、親御さんの言うことは真に受けなくても大丈夫かと思います。変に親御さんを刺激しないように聞いているふりはした方が無難かもしれませんが、聞き流しても問題はないでしょう。

    行動するのに大事なのは「思考」や「意志」よりも「環境」

    思考や意志だけで行動を伴わせることができないとしたら、どうしたら行動を生起させることができるのでしょうか。

    それは思考や意志がどうであれ、行動を起こさざるを得ない環境を作ることです。

    私たちが自動販売機で「お金を入れる」という行動を取れているのは、そうしないと飲み物を買うことができないからです。どんなに「お金を払いたくない」と思考したところで、飲み物が飲みたいならお金を投入せざるを得ません。これは極端な例ですが、行動を起こすのに「思考」や「意志」は関係がないことを示す好例かと思います。

    これと同様に、「行動せざるを得ない」環境さえ作ることができれば、思考や意志の力がどんなに強かろうが弱かろうが「行動を起こす」ことには影響をもたらしません。

    例えばこんなやり方は参考になるでしょうか? ターゲットにする行動を「ダイエット」にします。もう少し具体的に「ジョギング」にしましょうか。

    どうすればジョギングを継続できるか、そのための環境としてはこのような方法が考えられます。

    ①「毎日ジョギングする」と紙に書いて、見えるところに貼る。
    ②ご両親にも「私は今日から毎日17時にジョギングします」と宣言する。
    ③ジョギングする時間になったらスマホを親に預ける。もしくは親に「ジョギングの時間だからスマホを預かります」と言ってもらうようにする。
    ④スマホはジョギングしなければ返してもらえないことにする。

    このように、目標を紙に書き出して見えるところに貼ることであったり、スマホを預かってもらうようにご両親に協力してもらったり、などが「行動を起こさざるを得ない環境」になります。どれだけ「今日はジョギングする気分じゃない」と思ったところで、スマホを返してほしければジョギングせざるを得ません。ちなみに、預けるのはスマホでなくても構いません。これはあくまでも例であり、「返してもらえないと嫌なもの」であればなんでもOKです。

    先の例にも書きましたが、できれば「毎日」実行できるプランにするのがおすすめです。というのも、「週に3回走る」などのプランにしてしまうと「今日は走ろうかな」「それとも止めておこうかな」と、思考や意志を介在させるタイミングが紛れ込んでしまうからです。

    「今日くらいやらなくてもいいんじゃ…」という誘惑に毎回抗って行動を起こす努力は想像以上にしんどいものです。だからそんな努力をしなくてもいいように、「毎日」できるものをプランニングする方が実は楽なのです。

    もちろん、ジョギングのような体力を使うものは体調が万全の状態で臨んでください。「できれば毎日」と言っても病気になったときや身体に痛みがあるときなどは休むべきです。そういう場合は当然のことながら「毎日」のルールの例外です。

    ジョギングが難しければ、最初は家でできる「腹筋10回を2セット」でもいいし、「近所を散歩する」でもいいと思います。とにかく、小さく始めることが行動を起こすコツです。慣れたら徐々にハードルを上げていきましょう。「自分が完璧主義すぎて続けられないからかもしれない」とのことですが、最初から完璧を目指す必要はありません。

    行動できたら褒めていい

    行動が起こせたら、それはとてもすごいことです。ぜひ自分を褒めてあげてください。そうすることでますます行動を起こしやすくなります。「これが終わったら○○が待っている」との期待は、行動を起こすモチベーションを高めてくれます。

    例えば「ジョギングできたら冷蔵庫で冷やした炭酸水を飲んでもいいことにする」とか、「月~土まで毎日ジョギングできたら日曜日はジョギングしなくてもいいことにする」とか「ジョギングできた日は500円を貯金箱に入れるようにして、欲しいものを買うための資金にする」などが自分を褒める行為になるかもしれません。

    何かしら自分のモチベーションを高めてくれるようなご褒美を設定してみてください。ただ、しつこく繰り返すように「思考や意志だけで行動を伴わせること」はできません。だから自分を褒めてモチベーションを高めるのは、あくまでもオプションです。自分を褒めることを目的としないように注意です。

    理想的には、「ご褒美があろうがなかろうが毎日淡々と行動し続ける」が正解なのですが、なかなかそれでは長続きしませんよね。「せざるを得ないから行動してたら褒められた! ラッキー!」くらいの感覚でいられるとよいかと思います。

    以上、「○○をやりたい、頑張りたい」の思考だけで行動が伴わないのは当たり前である、ということを前提に、どうしたら行動を起こせるのかを考えてみました。どのような思考や気分であろうともそうせざるを得ないような環境を作ることが重要です。

    最後に念のためにお伝えしておきたいことがあります。それは環境をつくること自体に抵抗を感じることも、もしかしたらあるかもしれない、ということです。

    その場合は、もう一度「本当に○○をやりたいの? 頑張りたいの?」と自分に問いかけてみてください。場合によっては「やりたいというより、やらなきゃいけないって他人から圧力をかけられている」みたいな可能性だってあるのです。その場合は、無理せず「やらない」方がいいのかもしれません。

    環境を作るのは、本当に「やりたい」「頑張りたい」と思うことに限定する方がいいのです。環境は「有無を言わせず」に行動させるための仕組みであり、ある意味とてもつらい事柄です。「本当はやりたくない」だけでもつらいのに、それを有無も言えない状況でやるのはあまりにも辛すぎますよね。

    今回のお返事が 夜空 さんが心から望む活動に邁進できる環境を作る上でなにかしらのヒントになっていれば幸いです。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

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