「特定の友達に対して些細なことで怒ってしまう。どうしたら上手く付き合えるだろう?」の相談内容詳細
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いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
- 自分は文章を書くのがある程度得意だ。(精査しないと下手だが)対象の友達にレポートを書く時にアドバイスを求められることが多い。その際に、私は「なんでこんなこと出来ないの?」と思い、怒ってしまう。対象の友達は伝えるのが下手な子ではあるが、その他に魅力は多くある。私はその友達と話すのが楽しいので、関わる度に怒ってしまうのを辞めたい。
- 「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
- 怒り40% 呆れ10% 理解不能20%
後悔20% - 「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
- なんでこんなことも出来ないんだろう、なんでこの人は文章を書くのが下手なのだろ。こうしたらもっと上手くいくからこうしたら良いのに。なんでこの子はろくに勉強もしないのにこっちに頼るんだろう。自分で勉強を頑張ればいいのに。
自分はなんで仲良くしたい友達にこんなこと言ってしまうんだろう。きっと自他境界線が弱いのかもしれない - いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
- その友達は変わった子で、運動が得意だ。運動を行う時間がかなり多く勉強に時間が割けずにそうなっているかもしれない。また、他人には他人のやり方があるので自分の方法を押し付けるのは良くないはずだ。それに、レポートが間に合うなら私がわざわざお節介をする必要も無い。
- いま専門家に聞いてみたいことは?
- 特定の他人に対して、お節介ですぐに怒ってしまう人が自他境界線を理解する方法。自分と近い存在に対して、上手く距離を置くことが出来ない。
- 年齢、性別、職業
- 20歳 大学生 男
- 既往歴
- AD/HD ストラテラ服用
- 悩みの内容の自由記述
- その友達は、変わっている子です。昔の自分は、薬を飲む前は変な子でした。
昔の自分を投影している可能性があります。他の友達は尊重出来るのに、その子と話すと些細なことで怒ってしまいます。その子と話すのは楽しいのに、話していると辛くなります 助けてください
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公認心理師を目指し、大学へ入学する。
自分は、立派なカウンセラーになるのだ という想いを持って入学した。
公認心理師になりたいと思い、入学したが、なれなかった。原体験からの動機づけが高くなった分、気分の落差が激しくなっている。
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17
発達障害だと診断を受ける
やはり自分は発達障害なのだと、実感をもてた。しかし、発達障害とわかっただけでは困難が解決しないことがわかった。
診断時に受けた心理面接、心理検査がカウンセラーを目指すきっかけのひとつになった。
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15
友人関係が少しづつ改善される。友達が出来始める。感情コントロールを学ぶ。
普通に近づけた事に喜びを感じる。異常にならず、組織から除外されない、その場にいて良いという肯定やその嬉しさを学ぶ。
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13
1番いじめが酷かった時期 寝る前に自分の名前を呼ぶ幻覚や、不登校、自殺、他殺を念慮するようになった
なんでこんな目に遭うのだろう。自分は異常なのだと気づく。普通とは何か、考え始めるようになる。
普通へのこだわり
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11
いじめが常態化 クラスが学級崩壊 いわゆるクラスの変な人だった
自分だけが虐められる、異常な状態であることになんとなく気づき始める
ただ、あまり自覚はない。
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8
いじめが始まる 周囲と馴染めない
自分の感情をコントロールするのが苦手で、よく怒っていた。なんで虐められるのか、なんでみんなと違うのか分からなかった
周囲の悪意に敏感になった
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「特定の友達に対して些細なことで怒ってしまう。どうしたら上手く付き合えるだろう?」への回答
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ななみ さん、ご相談をよせてくださりありがとうございます。臨床心理士・公認心理師の小野寺です。
特定の友達に限ってレポートのお手伝いをしているときに、どういうわけかつい怒ってしまうのですね。
ななみ さんはその理由として、その友達とかつての自分には似たところがあるから「昔の自分を投影している可能性」があるのではないかと推察しておられます。その可能性は確かにありそうですね。
「自分の感情をコントロールするのが苦手で、よく怒っていた」とのことですから、当時の自分がふつふつと思い出され、そのときよく感じていた感情が発現しやすくなっているのかもしれません。
ここまで分かってらっしゃるのですから、 ななみ さんにはもうやるべきこともわかっているのではないでしょうか? 【聞いてみたいこと】に「特定の他人に対して、お節介ですぐに怒ってしまう人が自他境界線を理解する方法」とありますが、その方法はシンプルです。難しく考える必要はありません。
その方法とは、誠実なコミュニケーションです。
誠実なコミュニケーションは自他境界線を明確にする
「それが出来なくて困ってるんだろう」と思われるかもしれませんね。ですが私が言っているのは、「怒る代わりに誠実なコミュニケーションを取ればいい」ということではありません。
私が言っているのは、「怒ってしまう自分のこともオープンにする誠実なコミュニケーション」です。具体的には以下のようなコミュニケーションです。少し長いですが、例としてご確認いただければ幸いです。
「どういうわけか君のレポートを手伝っていると怒っちゃうことがあるよね。それ以外の場面で話すと楽しいのに…。不思議に思って自分なりに考えてみたんだけど、どうやらレポートに関して君に怒ってしまうのは、自分の過去が関係しているかもしれないんだ。
そのせいで君に不快な思いをさせてしまって申し訳ないと思ってる。いけないと思ってるんだけど、自分の心に深く根差しているからすぐには変えられないかもしれない。
そこで君と考えたいのは、①お互い嫌な気持ちになるのでレポートは他の人に教えてもらうようにする、②しばらく今のままの状態が続くかもしれないけど、引き続き二人でレポートをする、のどちらがいいか?ということなんだ。
もしこれ以外にもいい方法があれば、それも考えたい」
というような自己開示です。
「自他境界線が弱いのかもしれない」とのことですが、境界線があいまいになるのは自分と相手との違いが明確ではないからでしょう。ここが明確になれば境界線もハッキリすることを意味しますが、じゃあどうやって自分と相手との違いを明確にすればいいのかというと、ずばりコミュニケーションを取るしかありません。
上記の例のようなコミュニケーションを取ることによって、
「え? そんな怒ってた?」と言ってくれるかもしれません。もしそのような回答があれば、「怒っていると思っていた自分」「怒るのを気にしていた自分」と「怒られていると思っていなかった相手」「気にすることすらなかった相手」との違いが明確になるかもしれません。
「じゃあ、他の人に聞くことにするね」と言ってくるかもしれません。そうなれば「なんでこの子はろくに勉強もしないのにこっちに頼るんだろう、と悶々としている自分」と「アドバイスもらえれば誰でもいいと割り切っている相手」との違いが明確になるかもしれません。
とにかく、対人関係はコミュニケーションを取らないことには分からないことが大変多く存在するのです。対象が「特定の他人」であろうが「変わっている子」であろうが、自分が「お節介」であろうが「すぐに怒ってしまう人」であろうが、そこに違いはありません。
自分の気持ちをアンカーにして、相手に意見を尋ねる。すると共通することもあれば自分とは異なる感じ方をしていることを発見することもある。そういう地道で誠実なコミュニケーションこそが、自他境界線を明確にします。
ななみ さんにとって当該のお友達は「話すのは楽しい」のですよね。そんな素敵なお友達ですから、きっと ななみ さんが誠実なコミュニケーションで自己開示すれば、誠実に応えてくれるのではないでしょうか。そう信じて、二人がもっといい関係になれるよう祈っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。