「気難しい姉の対応に悩んでます」の相談内容詳細
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いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
- 数年前にお金の使い方が良くないと言われ、この一件から姉が管理する事に。数年経ちますがもう大人なのでそろそろ返して欲しいと言ったら返したらまた何も考えずに散財するとの事で返してくれません。一人暮らしをするなら返すと言われました。
先日、喧嘩をしてしまい境界線を引いて距離を置いたら「無視された」と勘違いされました。すぐ謝れば済む話との事でしたがその時はあまりにもビビりすぎてそれどころではありませんでした…その言葉を聞いてショックでした。
また自分の用事が済んだらサッサと部屋に戻って引きこもるのも良くないと言われ姉や母がやっている家事を少しはやって欲しいと言われたのだが多少はやってるけど…その後はほとんどやらなくなってしまう事が多い。家族との会話もして欲しいと言われました。
父親が亡くなって姉は重い病気になってある程度回復するまで自分が生活の肩代わりをしなきゃならないのは分かってるし色々と大変なのは分かるけど自分はもう大人なのでいつまでも心配を盾にしないで欲しい。たまには自分の時間も欲しい。 - 「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
- 悲しさ70%
諦め10%
疲労20% - 「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
- 原因は理解してるし境界線だって引くしこれ以上実家暮らしは良くないなと思い約3年後には一人暮らしが出来るように制度とか支援して貰える場所を調べてその後は一人暮らしで自分の人生を生きたいと思う。
- いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
- 単なる悩みすぎだと思います。姉もそれなりに心配して悩んでる。ちゃんと前もって言えば出してもらえる。自分が勘違いしてイライラして八つ当たりしてしまう時だってある。
- いま専門家に聞いてみたいことは?
- 言われた事を気にしない方法、勘違いされない距離の置き方、自分の心を守る方法、気難しい人の対処方、自分軸と他人軸のバランスの取り方などが知りたいです。
- 年齢、性別、職業
- 27、女
- 既往歴
- --- 未回答 ---
- 悩みの内容の自由記述
- 自分の言葉で文章にするのが苦手で自分でも考えながら打ちましたが…もし文章が分かりづらかったらすみません。
自分史はまだありません。
※ プライバシー保護のため、ご質問の一部を編集部で変更している場合がございます。
「気難しい姉の対応に悩んでます」への回答
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ラムネ さん、ご相談をよせてくださりありがとうございます。臨床心理士・公認心理師の小野寺です。
お姉さまが気難しく、どう対応したらよいのかわからなくてご相談をよせてくださったのですね。
ラムネ さんはどのあたりから「姉は気難しい」と思われていますか?
ラムネ さんがもう大人なのにお金を管理し続けて、一向に返してくれないところでしょうか。それとも「家事を少しはやって欲しい」と言ってくるところでしょうか。もしくはその両方でしょうか。
この他にもきっと色々とお姉さまにあれやこれやと言われていて、お姉さまを「気難しい」と感じる理由があるのでしょうね。
それにしても、どうしてお姉さんはそんなに心配してあれやこれやと言ってくるのでしょうか。一度お姉さまの思考を想像していってみたいと思います。お姉さんにこれ以上心配しなくても良いとわかってもらうためにはどうしたらいいか。この ラムネ さんの悩みを解決する糸口を見つけるのに必要な作業となりそうですから、少々お付き合いください。
両方の立場になって考えてみる
まずは、どうしてお金をお姉さまが管理しているのか?についてです。
お姉さまが ラムネ さんのお金を管理しているのは、過去に ラムネ さんが散財したからとのことですね。姉妹として、 ラムネ さんを心配する至極まっとうな理由があるように思います。
続いては家事についても考えてみましょう。
お姉さまが家事をするようにとおっしゃるのは、お父さまが亡くなり、お姉さまも重い病気を患っておられ、一方の ラムネ さんは「家事をほとんどやらない」まま「部屋に戻って引きこもる」からとのことですね。こちらについても、一つ屋根の下で暮らしているのであれば、特定のメンバーに負担がかかりすぎないように協力し合いたいと思うお姉さまのお気持ちは、とてもよくわかります。
お姉さまの立場になって考えてみましたが、以上でこの立場を降りて、今度は ラムネ さんのお気持ちも整理してみましょう。
おそらく色々と思うところはあるのかと思いますが、 ラムネ さんとしては「いつまでも心配を盾にしないで欲しい」との思いがきっと強くあるのだろうと想像します。
お二人のお気持ちをまとめると、次のようになります。
お姉さまは ラムネ さんのことを心配をしていて、心配な人がとる行動としては極めて適切な行動を取っている。そして、それに対して ラムネ さんは「心配しなくてもいい」「気難しい」と感じている。
「心配」をめぐって、二人の考えは矛盾・対立しているように思います。お姉さまは心配する必要があると考え、 ラムネ さんはその必要はないと考えているのですから。綺麗に正反対です。困りましたね。どうしてこのようなギャップが生まれるのでしょうか。
一度お姉さまの立場に立って考えてみたことから推察するに、おそらく、お姉さまには ラムネ さんの「もう自分は十分大人だから大丈夫」と思っているお気持ちがうまく伝わっていないのではないかと思います。これが上手く伝わっていないから、お姉さまはいつまでも心配し続けているのでしょう。
「心配する必要はないのに、ずっと心配し続ける」状態でいられたら、そりゃ ラムネ さんからすればお姉さんのことを「気難しい」と感じてしまうのも無理はないですよね。
やはり一度お姉さまの立場になって考えることが、 ラムネ さんの悩みを解決する糸口を見つけるのに役に立ちました。何とかしてこのギャップを埋めていくことが、解決の最優先事項となってきそうです。
ただ、当然と言えば当然ですが、残念ながら心の中は他者には見えません。お姉さまには ラムネ さんがいくら「大人だから大丈夫」「覚悟が出来ている」「もう準備できている」と思ったり感じたりしていても、そういった心の状態になっていることの判断がつかないのです。
もちろん「心配しなくていい」と口で言っても、お姉さまがそう思えるだけの根拠まで伝わらないと心の状態は伝えきれません。
ラムネ さんの課題は、ご自身のそんな心の状態を、目に見える形に変換させ、お姉さまから心配の種を取り除いていくことかと思います。
この作業をすることが、「言われた事を気にしない方法、勘違いされない距離の置き方、自分の心を守る方法、気難しい人の対処方、自分軸と他人軸のバランスの取り方」など、 ラムネ さんがお聞きになりたいことにもつながってくるはずです。
行動の具体的なアクションプラン
「心の状態を、目に見える形に変換させる」
これがお姉さまの気難しい振る舞いへの対処となってきます。一見すると難しそうですが、話はとてもシンプルです。「お姉さまが安心する行動を取る」です。
お姉さまは「一人暮らしをするならお金を返す」とおっしゃっていることから推察するに、 ラムネ さんが一人暮らしができるくらいに自立しているのを確認できれば、相当安心するのではないかと思われます。
もちろん、「お姉さまに迎合してください」と言っているのではありません。 ラムネ さんが思う「自立」を、行動という目に見える形に落とし込みさえすればいいのです。
例えばこんな感じです。3つほど具体例を挙げてみます。
①
約3年後に一人暮らしする計画を立ててらっしゃるとのことですが、別に3年待つ必要はありません。今から「一人暮らしするのに○○の制度とか××の支援があることがわかって、実際に一人暮らしするには□□円くらい必要なことがわかったから、その分のお金を返して欲しい」と言ったっていいのです。この主張は「もう一人暮らしする準備ができている」との気持ちが自他ともに分かる行動と発言ですし、 ラムネ さんの考える「自立」とも齟齬はないのではないかと想像しますが、いかがでしょうか?
②
境界線を引いて距離を置くことと、コミュニケーションを断絶することとは必ずしもイコールではありません。かといってお姉さまに迎合して「すぐに謝罪する」のが正解でもありません。ですので、例えば「今は冷静になれずに酷いことを言ってしまいそうだから、少し距離を取らせてね」などと言うことが、程よい境界線の引き方となるかもしれません。もしこのように言えれば、お姉さまは「無視された」とは思わないでいてくれただろうと予想されます。何より「自分の気持ちを自分が伝える」「自分の気持ちは自分で処理できる」ことも一つの「自立」だと考えれば、 ラムネ さんの「自立する覚悟が出来ている」お気持ちとも合致するかもしれません。
③
お姉さまやお母さんがやっている家事をお手伝いして「生活の肩代わり」ができれば、「他人のことまでできるのであれば、当然自分一人のこともできるだろう」とご家族は考えてくれるかもしれません。これも ラムネ さんの「一人暮らしできるくらい大人だ」との気持ちを表す行動といえるでしょう。3つほど例を挙げてみましたが参考になっていれば幸いです。
こうやって、自分の気持ちを行動として表現することが、そのまま「言われた事を気にしない方法、勘違いされない距離の置き方、自分の心を守る方法、気難しい人の対処方、自分軸と他人軸のバランスの取り方」に繋がると思います。
「私は私に必要なことを、自分の心に嘘をつかずにやった」
このように思えるだけの自信があれば、その自信は「自分の軸」となるはずです。軸があれば、それが精神的支柱となり、言われたことは気にならなくなっていくかもしれませんし、自分の心を守ってくれます。
3つ例を挙げたものの、例は例に過ぎません。参考にならなかったものもあったかもしれませんね。ただ、自分の気持ちは行動にしないと他人には見えないし、そうすることがお姉さまから心配を取り除くきっかけになることは事実です。ご自身の心に耳を傾けて、どんな行動を取ることが「自分の心」を表すのに適切かを考え、そしてぜひそれを実践してみてくださいね。
以上、 ラムネ さんはすでに自立できるくらい「もう大人」なのですが、そのことが今一つお姉さまに伝わっていない可能性を見てきました。
この可能性が少しでもあるのであれば、「伝わっていない」状態から「伝わっている」状態にしていきたいですね。そのために、目に見える行動によって「もう大人」であるとの気持ちをお姉さまに示していくことがこれからの ラムネ さんの課題となってきそうです。
まずは簡単なところからで構いません。一人暮らしに必要な制度について調べたことを報告することからでもいいし、ご家族の家事を手伝うところからでもいいかもしれません。
少しでも ラムネ さんが十分にやっていけることがお姉さまに過不足なく伝わることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。