「3年たっても仕事内容が把握できず、いつも不安な気持ちを抱えて悩んでしまいます。不安をうまくコントロールできるようになりたいです」の相談内容詳細
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いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
- 仕事ができない。
3年間同様の仕事をしているが、いまだに仕事内容が把握できない。
周りにも迷惑をかけているし、上司からの要求に答えられない。さらに仕事もできないため、上司の機嫌も悪くなり、質問することも躊躇してしまう。 - 「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
- 無力感50%、不安30%、罪悪感20%
- 「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
- 早く仕事をやめたい。
ただ、仕事をやめても次の仕事でも同じようにならないか、そもそも転職できるのか不安。
キャリアコーチングも受けているが、なかなかポジティブな「自分がやりたいこと」、「自分がなりたい自分」が見つからない。
夫からは仕事をやめてもいいと言われているが、万が一離婚して一人になったときに再就職できないのではないか、生きていけなくなるのではないかと不安。
また、自分がいることでたくさんの人に迷惑をかけているし、いつもネガティブな発言をするので、周りから腫れ物扱いや疎ましいと思われている。
周りにも仕事について質問したりするようにしているが、同じ仕事をしているわけではないので根本的な解決にならない。
いつも通勤中にどうすれば仕事に行かなくてよいかを考えている。逃げようとばかりする自分に嫌気がさす。
無力な自分を変えたくて資格の勉強もしているが、不合格だった。資格の勉強も続けていくつもりだが、今の仕事を続けたいとは思っていないし、本当に必要なのかわからないが惰性で続けているのかもしれない。 - いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
- 今の仕事が自分に合っていないだけかもしれない。
今の職場しか勤めたことがないため、他の職場や仕事を知らないが、もっと調べて転職すれば少しはましになるかもしれない。 - いま専門家に聞いてみたいことは?
- いつも何か不安を抱えて、周りにネガティブな事を言って、不快にさせてしまいます。また、逃げようとばかりする自分がいやになります。
どうすれば、辛いことに対して立ち向かえるような考え方ができるうになれるのでしょうか。 - 年齢、性別、職業
- 28歳 女性 公務員
- 既往歴
- 1年間の精神科通院歴あり、1ヶ月休職、現在は通院なし
- 悩みの内容の自由記述
- 自己啓発本に書いてある方法や楽観的に考える等、やってみようとは思うのですが忘れてしまい、すぐに嫌な気持ちが戻ってきて、ぐるぐると悩み続けてしまいます。
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小学校で買ったばかりの色鉛筆が紛失し、同じ特徴を持つ色鉛筆をもっていた同級生が盗ったのではと疑ってしまった。その際に、担任の先生から「人を疑うのは悪いことだ。」と叱責された。
自分の色鉛筆が紛失したことで、悲しく不安な気持ちなのにその事に対しては共感してもらえなくてさらに悲しい。
何でも自分のせいだと考えるようになってしまった。明らかに自分のせいではないことも自分に原因を求めてしまい、生きづらい。人に対して意見を言うのが怖くなってしまった。
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「3年たっても仕事内容が把握できず、いつも不安な気持ちを抱えて悩んでしまいます。不安をうまくコントロールできるようになりたいです」への回答
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ちろ さん、ご相談をよせてくださりありがとうございます。臨床心理士・公認心理師の小野寺です。
お仕事のことを中心に、いつも何かしらの不安を感じておられるのですね。不安は不快な感情ですから、「うまくコントロールできるようになりたい」と思われるのも当然だと思います。
ただ、私には感情をうまくコントロールすること以上に、今の ちろ さんに役立つのは「第三の選択肢を見出すこと」のような気がします。ご相談を拝読するに、「感情をコントロールするか・できないか」「仕事を辞めるか・転職か」「仕事が合っているか・合っていないか」という感じの二者択一で考える傾向があるような気がしたからです。
そもそも論、実は「感情をコントロールする」ことはほぼ不可能に近いのです。だから「感情をコントロールするか・できないか」という二者択一の問いは不毛な結末を迎えてしまいます。
「自己啓発本に書いてある方法や楽観的に考える等、やってみようとは思うのですが忘れてしまう」とのことですね。確かに忘れてしまうことがあるのでしょうが、それ以上に不安をコントロールする「効果がない」からこそ、今でも不安を感じておられるのではないでしょうか。
もし効果があるなら、毎日の習慣になっていても不思議ではありません。でもそうなっていないのですね。「すぐに嫌な気持ちが戻ってきて、ぐるぐると悩み続けてしまう」のは、効果がないことを物語っています。
自己啓発本は調子のよいことが書かれているものですが、必ずしも科学的な裏付けや現実味のあることばかりではありません。 ちろ さんが読んだことを実践できなくても、それは不思議なことじゃないのです。 ちろ さんが悪いわけではないので心配なさらないでくださいね。
一方、「第三の選択肢を見出すこと」は自己啓発本にあるような「衝撃的」なものでも、「目からウロコ」「盲点だった」みたいなカタルシスがあるものではないかもしれません。
しかし、選択肢を広げることで心理的な余裕が生まれ、不安への向き合い方を変えていくことはできます。地味ですが、心理療法でも取り入れられている確かな方法です。
自己啓発本では教えてくれないこと
では早速、 ちろ さんのお悩みをもとにして具体的に「第三の選択肢を見出すこと」をしていきたいと思います。
■「感情をコントロールするか・できないか」に代わる第三の選択肢
まず「感情をコントロールするか・できないか」についてです。こちらに対して三つ目の選択肢になり得るものは何かというと、