過去の失恋の傷が1年たっても癒えない

2023.04.23 Sun
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回答したカウンセラー

小野寺 リヒト

臨床心理士/公認心理師

小野寺 リヒト

臨床心理士・公認心理師。FP2級所持。
医療機関や一般企業の産業保健事業部等での勤務経験があります。心の悩みが気兼ねなく相談できたり、セルフケアの重要性が浸透した世の中になってくれたらいいなと思っています。読書と料理が好きです。
【得意な相談】
〇気分の落ち込みや不安に関する相談(上手な気持ちの切り替え方、最初の一歩になる行動の踏み出し方等)
〇人間関係に関する悩み(パートナー・親子・職場関係・友人等)
〇お金の相談(ついお金を使ってしまう心理、貯蓄・節約のこと等)

「過去の失恋の傷が1年たっても癒えない」の相談内容詳細

相談者
相談者 いももち
いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
1年ほど前に好きな人に捨てられて、1年経った今も悲しみから抜け出せず泣いてしまう。周りは結婚に出産と、人生のコマを進めているのに、私は誰にも愛されず、いつまでも振り出しにいるようで辛い。
「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
悲しみ90、寂しさ60、悔しさ20、みじめさ20
「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
軽い気持ちで始まった恋愛でしたが、私はかなり深く依存してしまっていたのかもしれません。職場恋愛でしたので、ほぼ毎日会い、毎日ラインで「かわいい」「好きだよ」と言ってくれ、週末も時々家に来てくれました。初めての彼氏ではありませんでしたが、初めて「愛されている」し、自分も愛しているかもしれない、と思えました。ところが彼は自称ポリアモリーで、他にも好きな女の子がいて、私にかけていた甘い言葉を他の子にもかけていたようです。それを知った上で始めてしまった恋愛なので、私も愚かなのですが、止められませんでした。彼を失いたくない一心で、私はよく彼に尽くしていましたが、他の女の子と会ってるんじゃないかという不安で押しつぶされそうになると、私は彼を試すような言動をとりました。また彼も、私が「されると嫌だからやめて」と言ったことは、口ではやめると言いながら、行動は伴っていませんでした。そうしてすれ違い、最後には捨てられてしまったのですが、結局最後まで「彼女」にはしてくれませんでした。体の関係だけの、都合のいい女だったと思えて、それが悲しく、悔しく、心を抉り続けています。
次の恋愛をするのも怖く、また傷つく可能性を思うと新たな出会いすらも怖いです。1年経っても傷が痛み続けている自分も弱くてみじめだと思います。誰かにもう好きだと思われる未来も想像できなくて、絶望しています。
いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
・彼の方が年下だったこと、ポリアモリーであることで結婚など責任を取れないからこそ、私の人生をダメにしないために、最後まで付き合ってくれなかったのかもしれない。
・これまでの人生で、確かな愛を感じる場面が希薄だったために、特にこの失恋が印象的だっただけかもしれない
いま専門家に聞いてみたいことは?
彼のことを気にならなくなるまでは、次の恋愛をする気になれなさそうです。また「会いたい」と連絡してしまいそうになる自分をぐっと抑えるのに必死です。連絡すると、1年間泣きながら乗り越えようとしてきた自分の努力が水の泡になってしまうので、絶対にダメだと思い、ラインを消しました。
「次の恋愛をすれば忘れられるよ」とか「まずは自己肯定感を上げて自分を好きにならなきゃ」といったよくあるアドバイス通りに、他の人を目を向けたり、自己投資のようなこともしてきましたが、傷が一向に癒えません。愛されるに値しないんだ、自分はなんで孤独なんだろうと思えてしまい、それが自分の心をグサグサと刺しています。どうしたら楽になれるのでしょうか。こんな泣いてばかりの自分ではなく、早く本来の自分を取り戻したいです。
年齢、性別、職業
29歳 女性 会社員
既往歴
--- 未回答 ---
悩みの内容の自由記述
弱っているということが万が一彼に伝わると悔しいので普段は平気なふりをしようと努めています。また、友人に相談するときっと涙が出てしまうので、友人にも相談できていません。一人で抱えているので余計、孤独感が強いです。
相談者 いももち さんの自分史
  • 30歳まで

    • 28

      大失恋

      軽い気持ちで始まった恋愛だったが、私が好きになりすぎていたようで、失恋の傷はあまりにも深かった。傷つくとわかっていながら好きになった私の自業自得ではあるが、好きだと言いながら都合のいい女にされていたのが悔しくて、悲しい。

      トラウマになって、今でも泣いてしまう。自分の行動の殆どが、「その人を見返すため」になってしまうほど、頭から離れない

    • 24

      世界で一番愛していた愛犬か天国へ行った。

      悲しくて寂しくてたまらなかった。自分が希望の職業に就くために家を離れてしまったせいだと後悔した

    • 24

      なりたい職業に就いた

      高校生からの夢が叶って嬉しかった

    • 22

      両親が別居

      両親は昔から喧嘩が多かったが、実際に「離婚」という言葉が出てきて悲しかった。勝手に出て行った母に怒りを感じた。

      自分が父を支えなければと思って、家事やバイトをがんばった。母と父の間で、板挟みになってつらかった

    • 22

      就活がうまくいかない

      社会に嫌われた気がして悲しかった。誰にも必要とされないのがつらかった。自分のなりたい職業への道を、親に応援してもらえず悲しかった

  • 20歳まで

    • 18

      大学進学。一人暮らしを始めた。

      初めは寂しさもあったが、過保護な親と離れて、自由になれて嬉しかったし、離れたことで親に感謝できるようになった。大学生活も楽しかった。

    • 15

      定期テストでクラス1位をとるようになった

      中学まで勉強は一切出来ず、親にも期待されていなかったが、自分もやればできるんだと思って嬉しかった。

    • 14

      習い事を辞めた。

      辞めたいと自分の意思を親に言えたのは初めてだったような気がする。意思が尊重されて安心したのと同時に、親を残念がらせたのではという気持ちや、自分の決断は正しかったのかという不安で、泣いた。

    • 14

      親に嘘をつき、習い事をサボって遊んでいたのが親にバレた

      また裏切ってしまったと思った。でも過保護すぎる親にも納得していなかったし、嘘をつかないとほとんど遊べず、友達がいなくなると思った。

  • 10歳まで

    • 10

      小学校を転校した

      4年通った前の学校の方が好きだったし、新しい環境に馴染むことが大変だった記憶

    • 9

      図工で使う材料を、クラスメイトから盗った

      そのクラスメイトにはもちろん、親が学校に呼び出されたので、親にも申し訳なく思った。

      子供の頃から自分の欲しいものを言えなかった。言うと困らせると思った。お金や手のかからない子供だと思われたかった

    • 4

      両親が共働きだったため一人でよく留守番していた

      一人で留守番できて偉いね、と褒められて嬉しかった気がする。寂しいといった感情は記憶にない

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「過去の失恋の傷が1年たっても癒えない」への回答

  • いももち さん、ご相談をよせてくださりありがとうございます。臨床心理士・公認心理師の小野寺です。

    失恋の痛みを1年近くたっても癒すことができずにおられるのですね。傷があるだけでもその痛みで相当つらいのに、その間、結婚や出産はもちろん、恋愛もできないことで自分だけ人生のコマを進められずにいる気がしてしまい、余計につらい思いをされておられるのでしょう。「傷が一向に癒えません」と記載された通り、次々に傷が作られてしまう状態にありますよね。

    傷ついた状態で次の恋愛に行ったり、自己肯定感を上げるだなんてできなくても無理はありません。例えるなら、穴が開いたバケツに水を入れているようなものです。水が溜まらないのは、水を入れている人の責任ではなく、バケツに穴が空いているせいです。傷を癒すために恋愛をしたり自己肯定感を上げるのではなく、傷が癒えてようやく恋愛したり自己肯定感を高める段階へと進むことができるのです。

    恋愛できなかったり、自己肯定感があがらないのは決して いももち さんのせいではありませんから安心してくださいね。今の状況に いももち さんの聞いたアドバイスがふさわしくなかっただけです。

    ここで改めて、「どうすれば傷を癒すことができるのか」、それを一緒に考えていきましょう。

    時間がかかるのはそれだけ傷ついているから

    結論から申し上げると「自分は今、傷ついている」としっかりと認識することかと思います。

    いももち さんは「1年経っても傷が痛み続けている自分」のことを「弱くてみじめだ」と思っておられるようですが、それは間違いです。 いももち さんは弱くもないし、みじめでもありません。

    いももち さんは「自分も愛しているかもしれない」と相手のことを真剣に思っておられました。異性としての関係もありました。そんな相手に、結局最後まで「彼女」にはしてもらえなかったショックは、何よりも大きいのは当然だからです。

    心の傷も、身体の傷も、同じ「傷」として扱う必要があります。車両事故のような甚大な事故に巻き込まれたことで負った大怪我が、一年経っても癒えていなかったとしても、それは全く弱いことを意味しませんし、みじめでもありません。傷を癒すには、それ相応の時間がかかるのは当然です。心の傷だって、傷が大きければそれ相応の時間がかかるのです。

    いももち さんの傷が1年経っても痛み続けているのは、それだけ大きな傷を負っていることを意味しており、 いももち さんの弱さやみじめさを意味してはいません。まずは、このことをしっかりと認識していただきたいと思っています。

    「早く本来の自分を取り戻したい」とのお気持ちはとてもよくわかります。とてもつらいですものね。しかし、今の自分は傷ついているのだということを無視しあたかも傷がないかのように振舞えば、傷口は一向に閉じないばかりか、せっかく閉じかけた傷口もまた開いてしまうのも事実です。「他の人に目を向けたり、自己投資のようなこと」をするには心の傷の回復がまだ追いついていないのです。

    思考を受容する

    いももち さんは1年経とうが癒えることのないほどの大怪我を負っている。まずはそのことを抑えることが重要です。これが「どうすれば傷を癒すことができるのか」の大前提です。先述のバケツの例で言えば、どこに穴が開いているのかを目視する段階でしょう。

    まだ穴の位置を確認しただけですから、このバケツに水を入れる必要はありません。次にやるべきことは当然、穴をふさぐことです。

    ではどうしたら穴をふさぐことができるのでしょうか。それは、否応なく出てくる自分を傷つける思考に対して

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