「不妊治療の出口が見えません。どうすれば穏やかに日々を過ごせますか?」の相談内容詳細
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いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
- 12月のはじめ、流産した。
不妊治療3年、高度生殖医療を2年続けてやっと授かった命だった。
不妊治療と仕事との両立は、終わらない。
仕事の業務が多忙でも、有給を使わせてもらわなければ通院できない。
通院するタイミングは、ぎりぎりにならないと分からないから突然の有給申請になる。
通院するのにもお金がかかるから、仕事をしている。
仕事をしてても辞めても、妊娠しない。
姉が同じタイミングで2人目を自然妊娠。週数も同じ(だった)。
年末は帰ってこなくていいよ、と母親と姉から気を遣われる。 - 「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
- 苦しさ50%、悲しみ40%、絶望10%
- 「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
- 今後また授かれるのか、そして、ぶじ出産までいけるのか、不安。
職場の人に申し訳ない気持ちを持ちながら通院するのが苦しい。
この生活がいつ終わるのか知りたい。
終わりは、授かったときなのか、諦めて治療終了したときなのか、不明。
治療の終わり時は決めていないし、そんなに長引くなんて考えたくなくて、決められない。
不妊治療していて流産した自分と、自然妊娠して妊娠継続中の姉と比べてツラい。自分がみじめ。
自分がぶじ出産できるまで、姉にも姉の家族にも会いたくない。
若くて可愛いお母さんに憧れていたけど、もう間に合わない。 - いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
- まだ33歳だから間に合うかもしれない。
(逆に、30歳から不安治療をしていて未だにダメだから、やっぱりこれからも無理なのかもしれない。。)
どこかで子どもがいない人生を受け入れられるかもしれない。
自分ひとりのことだけに集中して、充実した人生を目指すのもアリかもしれない。
夫に似ていなくても、自分で産んでいなくても、こどもを育ててみたいと思うかもしれない。養子も検討した方がいいかもしれない。 - いま専門家に聞いてみたいことは?
- ①出口の見えないものと戦っているとき、どうやって長い日常を穏やかに、大切に過ごせるか。
治療周期で頭がいっぱいで、治療に関係ない日数は1秒でも早く過ぎてほしいと思っている。
採卵、移植、妊娠判定日以外は興味を持てない。治療は長期戦だから、1ヵ月はすぐ消化してしまう。
私の人生がもったいない気がするけれど、他のことはする気になれない。
妊娠、赤ちゃんネタはもちろん、家族ものの話もしんどい。
②挫折を繰り返せば、妥協できるようになるのか。
養子の制度は、その子が安全に生きていくためで、里親のためではない。妥協なんて思っているうちは里親にもなれないから、子どもも育てられないかもしれない。
今の私にとって里親になることは現実的でないし「妥協」ですが、自然に受け入れられるときが来るのか。 - 年齢、性別、職業
- 33歳、女性、契約社員
- 既往歴
- 高校生で摂食障害
20代後半から、パニック発作?脳貧血?低血糖症?の混ざったような発作が。
よくわからない吐き気や喉の詰まり、息苦しさが突然でてくる。1度心療内科で薬をもらうも発作の頻度が低いため、効果がわからず。通院する時間もないので詳細不明のまま。90分以上横になっていれば治る。
この発作が起きたときも、休ませてもらい職場で迷惑をかけている。 - 悩みの内容の自由記述
- 命に関わる病気や、もっと泥沼化した家族のトラブルだったり、私よりもっと深刻なケースはあると思う。
日常にある地獄と、みんなどう向き合っているのか。
苦しみにジワジワと慣れていくしかないのか。
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31
仲のよい人はみんな辞めてしまった。私もそろそろ転職して新しいキャリアを築きたい。
不妊治療と両立できる今の仕事はありがたい。でも、働き盛りのうちに違う仕事にもチャレンジしたい。
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30
今の夫と結婚。
素敵な人と結婚できて、うれしい。
私にはもったいないくらいやさしい人と一緒になれた。
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28
婚活をしていても好きになれる人に出会えず、地元へ戻ることを決意。
早く子どもが欲しいのに、結婚すらできないなんて、うまくいかない。
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22
就職
仕事なんてできないと思っていたけど、自分でお金を稼いで生活できている。うれしい。
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「不妊治療の出口が見えません。どうすれば穏やかに日々を過ごせますか?」への回答
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takahasi さん、ご相談をよせてくださりありがとうございます。臨床心理士・公認心理師の小野寺です。
何年も身を粉にして不妊治療を行い、その結果ようやく宿った命が半ばで絶たれてしまったとあっては、そのつらさ・苦しみは筆舌しがたいものがあるでしょう。まして、実のお姉さまとどうしても比較してしまうタイミングだったので、「どうして自分だけがこんなに苦しい思いをしなければならないのか」と絶望を感じていたとしても無理もない状況かと思います。
今回、 takahasi さんがお聞きになりたいことは①出口の見えないものと戦っているとき、どうやって長い日常を穏やかに、大切に過ごせるか、そして②挫折を繰り返せば、妥協できるようになるのか、の二つですね。
この二つは、「困難が今目の前にあるとき、気持ちに折り合いをつけることはできるのか」との質問に収れんすることができるように思います。
私がどれほど takahasi さんのお役に立てるのかとても心もとないのですが、 takahasi さんの質問に対して、私なりの考えをお伝えさせていただければと思います。
どの時間も大切な時間
takahasi さんは非常に頑張っておられると思います。
ただでさえ不妊治療はつらく、苦しいものだと思います。心と身体の負担だけではなく、時間や経済面での負担も相当でしょう。
子どもを授かることだけを考えたいのが本音のところかと思いますが、「通院するのにもお金がかかる」ゆえに働かざるを得ず、かといって治療するには急遽有給をとる必要があり、「職場の人に申し訳ない気持ち」も抱きますよね。
仕事をしないわけにはいかないが、したら迷惑をかけてしまう。この状況だけでも相当なストレスであろうと思います。
それでもなお不妊治療を続けておられるのは、 takahasi さんの頑張り以外の何者でもないでしょう。それだけ子どもを産み育てることを強く望んでおられるのだと思います。
それと同時に私は「私の人生がもったいない気がする」と記載された takahasi さんのお気持ちが心配にもなりました。
採卵、移植、妊娠判定日、あるいは今後子どもが生まれたとして子どもと過ごす日常。そういうものに意味を感じるのは至極当然だと思います。
しかし、 takahasi さんの人生は