障害のある息子との関わり方がわかりません

2023.01.22 Sun

「障害のある息子との関わり方がわかりません」の相談内容詳細

相談者
相談者 のんたん
いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
30代2児の母親(一応産後うつ)上4歳障害児保育園、療育通い中、下1歳来年より保育園予定。上の子はダウン症(知的障害+自閉傾向有り、中度)を持っています。上の子との関わり方、育児について。
「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
怒り60、不安30、悲しみ10
「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
上の子誕生と同時に障害の告知。数ヶ月は一緒に死のうと思いました。そこから旦那が一年育休、色々調べ探し、息子にあった病院、療育を受けてきました。
健常児との比較はもはやできず、結局同じ障害児との比較をしてしまったり、成長と共に起こる知的な部分へのストレス、コミニュケーションへの障害、常同的、反復的な行動、何もかも叫びたくなるほどストレスで息子を殺したくなります。
そうならない為に、療育や保育園に頼ったのですが、頭では理解しているけど、いざ目の前にすると怒りや将来への不安がなくなりません。
その一方で冷静に考えると、息子には、人生幸せな事は沢山あると感じてもらいたいです。虐めにあってほしくない、冷たい目で見られてほしくない、強い心を持ってもらいたい、自分で選択して生きてもらいたい、とにかく、愛おしい大切な存在です。だからこそ、真剣に向き合おうとして、障害を目の当たりにして心が崩れ落ちます。これを何度も繰り返しています。
いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
障害はなくならない。長い目で、その子の個性として見ていくしかない。
いま専門家に聞いてみたいことは?
障害と上手く付き合っていくにはどうしたらいいのか。また、このように自分ではどうにもならない事が起きた場合の対処法はあるか。
年齢、性別、職業
30代、主婦
既往歴
--- 未回答 ---
悩みの内容の自由記述
・自分にあう精神科、カウンセラーがいまだに見つからない(3件ほど受診済み)
・産後うつは保育園入れるために、次男の産院の精神科で診断してもらった
・次男へのきょうだい児としての関わりも不安
相談者 のんたん さんの自分史

自分史はまだありません。

※ プライバシー保護のため、ご質問の一部を編集部で変更している場合がございます。

「障害のある息子との関わり方がわかりません」への回答

  • 回答したカウンセラー

    中浦ダニ

    精神保健福祉士 中浦ダニ

    のんたん さん、ご相談を寄せていただきありがとうございます。精神保健福祉士の中浦です。

    ご長男に障害がおありなのですね。相談内容にも書かれていましたが、苦悩・怒り・悲しみ・愛おしさなど、どれだけの気持ちがどれほど深く のんたん さんの中にあるかと想像しても、きっと他人である私には想像し尽くせないと思います。

    どんな共感や励ましも、きっと のんたん さんの奥深くにまでは届かないのではないかと感じてしまいます。

    でも一言だけ。今息子さんは4歳ということですが、この4年間、 のんたん さんも息子さんも生きることができてよかった。お二人の存在に心から敬意を持って、今回のご相談を拝読させていただきました。

    聞きたいこととして、『障害と上手く付き合っていくにはどうしたらいいのか。また、このように自分ではどうにもならない事が起きた場合の対処法はあるか』と記載されていましたね。

    私はこの箇所を読んだ瞬間、「障害と付き合っていく方法」よりも「関わらない方法」の方がよっぽど今の のんたん さんには必要だと感じました。

    「息子さんの障害と関わらない方法」なんて聞くと薄情な感じがするかもしれませんね。もう少し正確にお伝えすると、うまく付き合うためには「関わらない視点」も重要ということです。

    障害と関わらないための鍵は「時間」です。なぜなら、障害を難しくしているのは状態や程度以上に「時間」が影響している部分も大きいからです。

    今回は「時間」をテーマに、息子さんと関わる のんたん さんのストレスや緊張を軽減できる方法を考えていきたいと思います。

    まずは「障害」を本人ではなく保護者側の視点で考え、「時間」が保護者に与える影響を考察していきます。

    その後、障害とうまく付き合う方法(私の考えでは「障害とうまく付き合わない方法」)を、具体的に考えていきたいと思います。

    「障害者」は障害者基本法の中で以下のように定義されています。

    「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、長期に渡り日常生活又は社会生活に相当な制限を受けるものをいう」

    そんなに難しい定義ではないですね。きっと多くの人は、「身体や知的、精神などに何かしら困難があって、生活に難しさがある人」と考えると思います。

    でも、実は保護者にとって影響力が強いのはそこだけではないんです。本当に保護者を苦しませるのは【長期に渡り】の部分なんです。なぜなら、人は「いつ終わるか予測できないこと」をストレスに感じるからです。

    どんなに好きなアーティストのライブでも、終了時間が予測できるから楽しめます。もしライブが6時間を超えたら、最初は「ラッキー♪」と思っていても、徐々に「どういうこと?」と不安になる人も出てくるのではないでしょうか。12時間を超えれば、「もしかしたらこのまま会場から出られないんじゃないか?」と恐怖を感じる人も出てくるかもしれません。

    普段は意識することはありませんが、終わる時間が予測できないというのは大きなストレスを伴うのです。

    障害を持つ人の保護者の場合でも考えてみます。自閉傾向の子が繰り返し同じことを聞いてくるのにストレスを感じるのは、もちろん聞いてくる内容にだけストレスを感じるのではありません。繰り返されることがストレスなのでもありません。繰り返されるのが「いつ終わるかわからない」からストレスなのです。

    たとえばですが、どんなに繰り返し聞いてきたとしても、最初に「80回聞いたらやめます」と宣言されていたらどうでしょうか? 宣言されたからって80回が快適になるわけではないですが、少し居心地は変わるのではないでしょうか。

    相談内容に、息子さんと関わる中でのストレスを『知的な部分へのストレス、コミニュケーションへの障害、常同的、反復的な行動』と書かれていましたね。

    もちろん、これらの状態や行動はそれだけでも付き合うのは難しいものです。【感情の%】のところでも記載されていましたが、その都度、その瞬間に、どうしようもない「怒り」「不安」「悲しみ」を感じられていると思います。でも、それらの感情を のんたん さんに深く刻んでいるのは、「いつ終わるのかわからない」という不確実性であるという視点も重要です。

    ここまでは、障害のある人と関わるのを難しくしているものが、障害の症状や程度だけでなく、それが「いつ終わるかわからない」という「時間」による影響を説明してきました。

    それでは、なぜ「いつ終わるのかわからない」という不確実性の視点が重要なのでしょうか? それは、それを知ることで対処法がまるで変わってくるからです。

    つまり、終わりがわからない以上は「途中で休む」しかないということです。

    私はマラソン以上の距離を走るウルトラマラソンというものを趣味にしています。マラソン以上の距離を走るといっても、マラソンがすごく良くできるというわけではありません。たぶん、マラソンをする人の中では下の方だと思います。

    それなのに、マラソンではなくウルトラマラソンが好きな理由ははっきりしています。それは、途中で何度も休めるからです。

    42.195kmという距離は、一般的な身体能力と練習によって多くの人が歩かず完走できる距離と言われてます。ということは、それ以上の距離は一部のエリートアスリートを除けば、どんなに練習しても歩いたり休んだりしないとゴールできないということです。

    堂々と歩いたり休んだりできる。そして、それでもゴールすれば胸を張ることができる。この感じが私は好きなんです。

    子育てと私の趣味を同じに考えてはいけないのは重々承知しているつもりです。

    でも、障害のある子どもを育てるというのは、どう考えても多くの人が練習すれば休まずできるようなものとは思えません。練習して、真剣に向き合って、「うまく付き合えば」、休まずできるものとは思えないんです。

    もうすでに懸命にお子さんと障害に向き合って必死に走ってきた のんたん さんです。これ以上うまく走る方法を考えるのではなく、どこかで休むことも考えてほしいというのが私の提案なんです。

    いかがですか? もちろん子育てには休みがないという考え方もあると思います。でも、「休みがない」のと「頑張り続ける」はだいぶ違います。「そんなに頑張らなくてもいいのかも」と少しでも感じていただけたら嬉しいです。

    次に、休むために必要な考え方を考えてみます。

    結論から言うと、「息子さんの幸せを願わない」ことが役に立ちます。

    これまでとは違う視点を持っていただきたかったので、印象的な言い方をさせていただきましたが、願いは未来と強く結びつき、今をおろそかにしてしまう特徴があります。

    相談内容に書かれていた一文を抜粋させていただきます。少し長いですが重要なことなので、そのまま書き出してみます。

    『息子には、人生幸せな事は沢山あると感じてもらいたいです。虐めにあってほしくない、冷たい目で見られてほしくない、強い心を持ってもらいたい、自分で選択して生きてもらいたい、とにかく、愛おしい大切な存在です』

    ここに書かれていることは、言うまでもなく息子さんへの のんたん さんの愛情と不安です。辛く難しいことが多い中でも、息子さんに対する愛情をこれだけしっかりと言葉にできるのかと思い、拝見しながら心を強く掴まれた思いがしました。

    しかし、ここには愛情と不安以外のことも書かれています。不安と紐づいている のんたん さんの「願い」です。

    そして、「願い」は本人と相手にとって苦しみを助長させてしまう恐れがあるんです。なぜなら、願っている本人が「未来」を見過ぎてしまうからです。

    我が子の良い未来を願い、そのためにできることをしようとするのは、教育の根幹の一つだと思います。でも、そんな大人の思いとは裏腹に、子どもは「未来」ではなく「今の自分」を見てほしいと思うものです。

    受験に励み過ぎる親がわかりやすいと思います。将来のキャリアのために良い大学に行ってほしい(そのために良い幼稚園に行ってほしい)という思いは、子どもの将来には良い側面もあるかもしれません。でも、当然子どもは寂しさを感じ、そんな環境にストレスを感じてしまいます。

    ストレスを感じるのは親も同じです。なぜなら、その願う将来はなかなか来ないからです。子どもの将来の幸せを今日願って明日叶うなら、子どももそこまで辛くないし、親だって執拗になることもないでしょう。

    でも、実際に願いが叶うかどうかはもっと先にならないとわからないんです。ずっとわからない場合もあります。

    未来に強い願いを持つことは、今起きている幸せにも気づきづらくなる可能性があります。気づいても未来が気になるので、今の幸せを十分に感じることができない場合もあります。

    このような状態は、子どもと向き合っているのではなく、子どもの可能性と向き合っていると言えます。

    何かできることが増えたら将来に期待し、できないことがあれば将来を案じる。これではあまりにも現実が厳しく辛いものになってしまいます。子どもにとっても、 のんたん さんにとっても、です。

    以上を踏まえて、最後に私が のんたん さんに助言できることは、障害と関わらないために「未来」ではなく「今」に意識を向けられる時間をつくるということです。

    相談内容には、すでに辛い状況を改善するために『療育や保育を頼った』と書かれていましたね。とても重要な判断だと思います。

    でも、距離を置くだけでは人は完全にリフレッシュすることはできません。なぜなら、お子さんを預けても家で悶々としていては、体は休めても心を休めるには不十分だからです。

    相談内容にも、療育や保育園に預けても『頭では理解しているけど、いざ目の前にすると怒りや将来への不安がなくなりません』と記載されていましたね。まさに「将来への不安」です。

    「将来への不安」ではなく、「今の自分・今の子どもたち」と向き合うことが鍵です。

    自由欄に『自分にあう精神科、カウンセラーがいまだに見つからない』と書かれていましたが、カウンセリングなどは「今」の自分の気持ちに向き合うことを中心にできる時間です。

    どんなカウンセラーが良いかは人による部分もありますが、何かを教えてくれるとか解決策を考えてくれるのではなく、 のんたん さんが「話を聞いてもらえてる」と感じられるかどうかを目安にもすると良いかもしれません。なぜなら、解決策は意識が未来に向かう傾向が強くなるからです。

    のんたん さんの苦悩は、対人関係のトラブルや仕事などで起きる解決すべき問題とは次元が違います。解決ではなく、 のんたん さんが話をすることでその時間を意味あることとして十分に感じられることの方が役に立つと思います。

    以下の記事ではカウンセラーの選び方を説明しているので、参考にしてみてください。

    正しいカウンセラーの選び方3選!避けたほうがいい人の特徴は?

    正しいカウンセラーの選び方3選!避けたほうがいい人の特徴は?

    カウンセリング以外でも、ある程度気兼ねなく自分の話ができる友達もいいですし、すでに試されたかもしれませんが、障害を持ったお子さんを育てる親が参加する自助会のようなものも役立つかもしれません。

    誰かと話す以外にも、今の自分に向き合うことはできます。

    日記はその日に起きたことや感じたことを言語化する作業です。言語化するためにはある程度客観的になる必要があるため(メタ認知とも言います)、書いている時間自体が今に向き合うことになりストレスの軽減になるかもしれません。

    書く内容はなんでも構わないですが、お子さんたちの今日の様子を植物観察のように客観的に書き記すのがおすすめです。お子さんの様子から未来を案じるのではなく、今の子どもたちにそのまま向き合う練習になると思います。

    日記の代わりに子どもたちの絵を描くのも良いかもしれませんね。抽象画は未来への不安を表現できてしまいますが、スケッチであればそのままの子どもたちを観察して描くだけです。

    以下に、その他にも「今」と向き合うために役に立ちそうな記事のリンクも載せておきます。もし試せそうな気分と心の余裕があるときには見てみてください。

    マインドフルネス

    初心者でも簡単!一番シンプルな「マインドフルネス瞑想」のやり方

    ジャーナリング

    書く瞑想「ジャーナリング」が3分でできるやり方【ワーク機能つき】

    長くなったのでまとめますね。

    ①障害は症状や状態だけでなく「いつ終わるか予測できない」こともストレスになる。
    ②将来への不安と願いは、子どもではなく子どもの可能性と向き合っている状態。
    ③障害にうまく付き合うには、関わらない時間をつくることと、今に向き合うことが重要。

    のんたん さんでなければわからない苦悩や悲しみ、その中にある愛おしさや喜びまで、私のできる限りで想像しながらお返事を書いてみました。

    これで何かが劇的に変わることはないかもしれませんが、少しでも のんたん さんが休むことを考えたり、未来ではなく今を見つめるきっかけになれば嬉しいです。

    最後まで読んでいただきありがとうございました。

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