恋愛していくのに、嫉妬心がなくて困っています。どうしたらいいでしょうか。

2022.11.16 Wed

「恋愛していくのに、嫉妬心がなくて困っています。どうしたらいいでしょうか。」の相談内容詳細

相談者
相談者 藍鉄
いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
パートナーとLINEで自分達の関係について話をしていた所、自分には嫉妬心がほとんどないということに気付いて、どうしてだろうと思い質問をするに至りました。
「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
悲しみ40% 不安50% 焦燥感80% 罪悪感 70%
「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
嫉妬心は愛情の裏返しとも言うくらい大切な感情だとは分かっているのですが、いまいちその人間一人に執着する理由が分からず、これは今後付き合っていく上で支障が出てしまうのではと思っています。
いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
後からの報告で申し訳ないのですが、実は発達障害(ASD寄りのADHD併発)の診断をうけていて、あまり人に期待しないという性格も関係しているのかなと思っています。
いま専門家に聞いてみたいことは?
人に執着しないという点ではいいようにも見えるのですが、それと同時に向上心もあまりないという裏返しにもなると思うので、それだけは避けたいです。どうしたら「いいなぁ、私も出来たらなぁ」だけで終わらないで、行動できるようになるのでしょうか。よろしくお願いします。
年齢、性別、職業
25歳 ノンバイナリー 配達兼食品製造業
既往歴
発達障害(ASD寄りADHD併発)
てんかん
悩みの内容の自由記述
--- 未回答 ---
相談者 藍鉄 さんの自分史

自分史はまだありません。

※ プライバシー保護のため、ご質問の一部を編集部で変更している場合がございます。

「恋愛していくのに、嫉妬心がなくて困っています。どうしたらいいでしょうか。」への回答

  • 回答したカウンセラー

    浅井 音楽

    臨床心理士 / 公認心理師 浅井 音楽

    藍鉄 さん、こんにちは。臨床心理士の浅井です。

    「恋愛していくのに、嫉妬心がなくて困っています」というのは興味深い問いですね。嫉妬心に振り回されるのも困りものですが、無いとそれはそれで不安になってしまうのかもしれません。

    まず 藍鉄 さんのお悩みをじーっと眺めてみた感想ですが、 藍鉄 さんの心中ではいくつもの要素が複雑に絡み合っているように見えました。嫉妬心や向上心についての考えをはじめ、パートナーとの関係を案じる気持ちや罪悪感など、本来バラバラなものがごちゃついてしまい、 藍鉄 さんを悩ませているようです。今回は 藍鉄 さんの中で複雑に絡み合っている気持ちの糸を解きほぐせるよう、一緒に考えていければと思います。

    まずはタイトルにもなっている「嫉妬心」についてですが、誠信書房の『心理学辞典新版』では「嫉妬(jealousy)」は以下のように説明されています。

    “既存の価値ある関係が失われる危険を察知した時に生じ、不安や恐怖によって特徴づけられる感情のこと”

    もちろん辞書の定義だけが正しいということはありません。ですが定義としては嫉妬心は上のようなもので、向上心との関係はあまり無いようです。さらに嫉妬に関する研究をざっと眺めてみても「嫉妬心がない=向上心がない」というデータは見つかりません。実は、嫉妬心と向上心には関係がないんです。

    そのため 藍鉄 さんが嫉妬心のなさに罪悪感を覚える必要はありませんし、嫉妬心がないからと言って 藍鉄 さんに向上心がなくパートナーへの愛情が薄いといったことにもなりません。なので「嫉妬心を感じられるようにする」必要はないと思います。

    とはいえ 藍鉄 さんが焦燥感や罪悪感に苦しんでいるのは事実ですから、その苦しさは解消していきたいですよね。そのためにはまず 藍鉄 さんの焦燥感や罪悪感がどこから生じているのかを考える必要がありますが、実はそのためのヒントは 藍鉄 さんが既に書いてくださっていました。

    ヒントになるのは「(嫉妬心のなさは)同時に向上心もあまりないという裏返しになると思う」「嫉妬心は愛情の裏返しとも言うくらい大切な感情だとは分かっている」という部分です。

    私はこの部分を読んで、 藍鉄 さんが心からそう思っているというよりも「嫉妬心ってそういうものだよね」という一般的なイメージについて話しているような印象を受けました。

    それと同時に「 藍鉄 さんの苦しさは、嫉妬心に関する一般的なイメージからの影響が大きいのではないか」と仮説を立てました。もちろん短い文章からの推測ですから「それは違うよ」と思われるかもしれません。ですがもう少しだけお付き合いくださると嬉しいです。

    嫉妬心について検索すると「​​​​嫉妬心が生まれるのは向上心がある証拠」「嫉妬深さは愛情深さ」など嫉妬心についてのポジティブな意見が見つかります。ですが実際の所、こうした意見を科学的に補強するデータはありません。

    にもかかわらずこうした意見が量産されているのは、ひとえに「そうした意見を求める人がたくさんいるから」です。 藍鉄 さんが「嫉妬心がなくて困っている」と書いてくださったのに対して、どうやら多くの人は「嫉妬心が強すぎて困っている」ようです。

    面白いもので検索ワードによっては「エリートは激しく嫉妬する」「真のエリートは嫉妬しない」といった内容が同時に出てきます。どっちだよという話ですが、きっとどっちでもなく、各々求めるほうを読んでいるのでしょう。人は自分の信念を強化する情報を収集する傾向があり、これを「確証バイアス」と呼んだりします。

    そのため嫉妬心がないタイプの人は「嫉妬心がないのはいいこと!」系の意見を取り入れ「これでいいんだ」と安心することが多いのですが、 藍鉄 さんの場合はもう少し複雑なようです。

    藍鉄 さんはてんかんや発達障害をお持ちとのことで、たくさんの苦労をされてきたと思います。症状や性格傾向などを通じ「自分と他人の違い」を強く意識する機会も多かったのではないでしょうか。

    そうした苦労をされた方は集団の成員としてのアイデンティティを育みにくいため「なんだか居場所がない」と感じやすくなります。 藍鉄 さんの場合ですとノンバイナリーという自認も含め「多数派の都合に合わせられる側」になりやすいことが考えられます。

    そうした状況にある方は「自分が間違っているのではないか」と不安になりやすく、同時に「自分が間違っている」ことを補強する情報を集めてしまうことがあります。

    「(嫉妬心のなさは)同時に向上心もあまりないという裏返しになると思う」
    「嫉妬心は愛情の裏返しとも言うくらい大切な感情だとは分かっている」

    この箇所からは 藍鉄 さんが「嫉妬心がない」という、それだけでは良いも悪いもない状態に「嫉妬心がある人は向上心があり、愛情深い」などの「嫉妬心が強い人(多数派)を助ける意見」を反転させて紐付け、自罰的になっている印象を受けました。

    もしかすると 藍鉄 さんは「パートナーは互いの外の関係に嫉妬し合うもの」「嫉妬心がないのは冷めた関係」など「普通(とされる)パートナー関係」のイメージに引っ張られている部分があるのかもしれません。

    パートナー関係は極めて個別性が高く、互いの思い描く「普通のパートナー関係」を目指そうとするとどうしても歪みが生じてきます。

    おそらく 藍鉄 さんを悩ませているものは「嫉妬心がない」ことではなく、パートナー関係をはじめとした「一般的なイメージ」と「 藍鉄 さんができること、したいこと」との乖離が大きいのではないでしょうか。

    藍鉄 さんは「人間一人に執着する理由がわからない」「人に期待しない性格」と書いていますが、これは 藍鉄 さんが今までの人生の中で獲得してきた生存戦略であると同時に 藍鉄 さんの長所だと思います。

    心理的な支援の場でもよく使われる常套句として「自立とは依存先を増やすことである」という表現があります。人に過度な期待をせず、一人に執着しない性格は、依存先を分散させやすいという強みとも言えます。「その人がいないと生きていけない」のが依存だとすると「その人がいなくても生きていけるからこそ、その人を選んだことに価値がある」のが自立、と言ったところでしょうか。

    ですがこの強みがときに足枷となってしまうのが、パートナー関係の難しいところです。

    例えばパートナーが「嫉妬されないのは愛されていない証拠」などの信念を持っている場合、 藍鉄 さんとの関係がギクシャクすることもあるでしょう。

    「今後付き合っていく上で支障が出てしまうのでは」という将来を案じる文章からも、 藍鉄 さんが関係を大切に思っていることが理解できます。その上で今後は、 藍鉄 さんが今の関係を大切に思っていることを、相手に伝わるように伝えていくことが大切な気がします。

    パートナー関係を良好なものにするには、互いの意見がスムーズにやり取りされ、改善点や目標が共有されていくことが不可欠です。相談の本文にも「LINEで自分達の関係について話をしていた」とあり話し合うための土壌はできているようなので、今後は以下のようなポイントを意識してみてください。

    ①:嫉妬心がないことや人に執着しないのも 藍鉄 さんの個性であり、無理に捻じ曲げようとするべきではない(自然に変わっていく可能性もある)
    ②:信頼関係を維持、強化していくために、お互いに「どんなときに大切にされていると感じるか」を話し合い、それぞれに合った形で実践していく。(嫉妬行動を示すだけが愛情のバロメーターではない)
    ③:パートナーとの関係については「普通の恋愛関係はこう」という一般論ではなく「自分たちの関係はこう」という点を重視する

    また、パートナー関係をより良いものにしていくのに有効なのが「I(アイ)メッセージ」です。Iメッセージは「私はこう感じた。あなたはどう思う?」などI(私)を主語にすることで相手を非難するニュアンスを和らげ、一般論ではなく自分たち固有の気持ちに接近しやすくなるテクニックです。日々の生活の中で感じたことを共有し、互いにとって心地良い関係を探っていっていただきたいと思います。

    また、パートナー関係は閉鎖的なものになりやすく、一度こじれるとなかなか厄介なことになります。互いの間で解消不能なように感じたら、臨床心理士をはじめとした専門家の力を活用することも視野にいれてみてくださいね。

    藍鉄 さんは「どうしたら『いいなぁ、私も出来たらなぁ』だけで終わらないで、行動できるようになるのでしょうか」と書きながらも、思うだけで終わらずこうしてご相談くださいました。まずはその一歩を踏み出せたご自身を労ってあげてください。

    ご相談いただきありがとうございました。 藍鉄 さんの行く道が少しでも歩きやすいものになりますように。

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