日本人が同調圧力をかける心理って?空気を壊さずに屈しない解決策

2022.05.25 Wed
シンくん

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シンくん

同調圧力
日本人が同調圧力をかける心理って?空気を壊さずに屈しない解決策

自分の意見があっても、ついつい集団の意見の圧力に負けて自分の意見を伏せてしまうことってない?

そのような空気感に流されることを同調圧力と呼ぶことがあるよ。

同調圧力に流されてしまう自分は弱い人間なんじゃないかって不安になるよね。でも、同調圧力に流されずに自分のやりたいことを実現するのは、相当な精神力が必要になるから簡単じゃないんだ。だから、無理に強くなろうとしなくても大丈夫だよ。

今回は、強い精神力がなくても同調圧力のストレスから解放される方法を紹介するね。最後まで読めば、同調圧力との上手な付き合い方がわかるかも。

同調圧力が起きる仕組みを理解して、自分なりの対処法を見つけてみよう

同調圧力とは?

たとえば飲み会の席で、同席者がビールを注文して自分だけ違う飲み物を注文することに気まずさを感じてしまうことがあるよね。

このように、周囲と同調しないことに対して発生する「気まずさ」の正体が同調圧力だよ。東北工業大学の青木氏らは同調圧力を「集団意思決定の際に、周囲の意見と同調させるように作用する無形の圧力のことである」と説明しているんだ。同調圧力という言葉は明確に定義されているわけではないんだけど、「権力者に対してどのくらい従順か」を外部から判断する上での指標として、臨床心理学や他分野において広く用いられてきた言葉なんだよ。

同調圧力による被害は目に見えない部分が多く、客観的に被害を証明することは難しかったんだけど、近年の「セクハラ」や「パワハラ」などの、いわゆるハラスメント問題が注目されたことで、背景にある「同調圧力」の存在が一般的に認識されるようになったんだね。

わかりやすい例として、2021年にYahoo!JAPANが調査した「あなたは同調圧力を受けたことがありますか?」というアンケートに対して、19,132人が回答し、約7割の人が同調圧力をうけた経験があると回答しているんだ。このアンケートの結果から、同調圧力は一部の人だけではなく、多くの人に関係していることがわかるよね。

つぎに同調圧力が発生する理由を見てみよう。

ほんとはレモンサワーが飲みたかった…

同調圧力を感じる理由

熊本大学の徳永達哉氏は、同調圧力を感じる理由について①「多数派を形成する人々の眼眼差し」②「孤立に対する漠然とした恐怖」によって暗黙的に形成されると説明しているよ。

順番に解説するね。

①多数派を形成する人々の眼差し

同論文によると、少数派は自らが多数派でないことを周囲に知られる恐怖があるから、周りの人の視線を意識してしまうと説明しているよ。

でも、なんで自分が少数派だと周りの人の視線が気になってしまうんだろう。

同論文では、「視線、表情、顔色などの言葉によらない非言語的コミュニケーションを媒体とすることで、言語によるときよりも強烈なメッセージを相手に伝えることがある」と説明しているんだ。たとえば、自分が謝って相手が許してくれても、相手の顔がひきつっていたら、「本当はまだ怒っているんだ」と感じてしまうよね。この理由について、清泉女子大学の相亰美樹子氏は「言語で伝えていることが真実でない場合、非言語メッセージは嘘をつくことはむずかしい」と説明しているよ。

つまり、自分が少数派に属している場合、多数派から向けられる「正直な」視線や表情などが、自分を「異質」と表現しているようで怖いんだね。周りの人から「異質」と思われないように、人と同調することを選択してしまうんだ。

やばい。観光客が笑ってない…

②孤立に対する漠然とした恐怖

たとえば、グループの方針に賛成する人が多数を占めてる場合に自分だけが反対意見を言うことって難しいよね。

それは、自分がグループのなかで孤立することに恐怖感があるからだよ。自分が反対意見を言った場合に、みんなから拒絶され、孤立してしまうことを想像するから怖いんだ。

同論文によると、孤立することを想像するのはグループ内の「標準的価値観」や「無言の圧力」が関係していると言われているよ。標準的価値観は、「良い-悪い」を決める指標になっているもので、無言の圧力は誰も明確に口に出さない「暗黙のルール」のことなんだって。

つまり、明確な決まりがないなかでグループが求める「良い」選択をしなければならないことが、同調圧力を感じる理由なんだね。

そんなに拒絶しないでくれ~

日本人は同調圧力を受けやすい

日本人が同調圧力を受けやすい理由について①「感情表出の二面性」や②「空気を読みすぎてしまう」の2つが関係していると考えられるよ。

それぞれどんな意味があるのか順番に解説していくね。

①感情表出の二面性

心理学者のマツモト・工藤(1996)らは著書のなかで、日本人の感情表出には二面性があると説明しているんだ。

感情表出の二面性とは、たとえば「笑う」という行為が単に楽しいというポジティブな意味合いだけでなく、遠慮や気遣いというネガティブな意味合いが含まれていることを指しているんだって。たしかに、上司が放ったおやじギャグが内心つまらないと感じても相手を傷つけまいと、本当の気持ちとは逆の表情をしてしまうことがあるよね。

本当の気持ちと逆の表情をとってしまうのは、「相手を傷つけたくない」「自分の本当の気持ちを察してほしくない」というふたつの感情が作用しているからなんだ。このように心のなかで思っていることと、実際のリアクションに差があるのは日本人特有の表現方法なんだって。

日本人の感情表出の二面性により、みんなが本当は何を考えているのか、表情や声だけでは分からなくなってしまうんだね。その結果、他人の意見が信用できなくなって、自分の意見を隠してしまい、周りの意見に同調することにつながっているんだ。

「お前のギャグつまんないんだよ~」って言えたらいいのに…

②空気を読みすぎてしまう

日本では空気を読めないことをKYと否定的に表現されることがあるよね。それは、日本社会の「空気を読めない=悪い」という強迫的な認識が一般化しているからなんだ。

空気を読むことを優先しすぎると、「周りの人が何をしてほしいのか」を先回りして考えてしまうから常に緊張している状態がつづいているよ。たしかに、物事を順調に進めるために「空気を読むこと」が必要になってくる場合もあるのは事実だよ。だけど、空気を読むことを重視するがゆえに、自分の本当の気持ちを相手に伝えることができなくなってしまうリスクも生じているんだ。

このような過剰に空気を読みすぎてしまう現代について、関西外国語大学の西川学は、「ある意味、集団同調圧力が強い日本社会ならではの問題かもしれない」と説明しているよ。日本社会の空気を読みすぎてしまうことが、周囲と同調することへのプレッシャーに変わり、同調圧力を受けやすくさせているんだね。

みんな落ち込んでいるから、僕も落ち込もう

同調圧力のメリット

同調圧力は、悪いイメージが先行しているけどメリットも存在しているよ。

同調圧力を言い換えれば「集団の意見に耳を傾けて行動を選択している」ということだよね。相手の意見に耳を傾けられるということは、相手の考えを大切にできている証拠でもあるんだ。

今回はそんな同調圧力のメリットを3つ紹介するから参考にしてみてね。

①みんなと一緒の安心感

嬉しいこともつらいことも、「自分だけじゃない」って思えると安心感につながるよ。その反対に、周囲と自分の違いに気づくことで不安が生じる可能性もあるんだ。

国際基督教大学の佐野氏らは、人との違いについて「たとえ個人にとってポジティブな違いであったとしても、周囲とのあまりに大きな相違は安心感を低め、不安な気持ちに結びつくと考えられる」と説明しているよ。たとえば友人と旅行に行くときに、自分以外のみんなが体調不良だったら残念な気持ちになるよね。自分は健康なのに、みんなは体調不良であるという違いが、「旅行に行けないんじゃないか」という不安な気持ちをつくっているんだ。

つまり、「みんなと一緒に〇〇したい」というようなポジティブな同調圧力の存在が、喜びへの期待に繋がっている可能性もあるといえるね。

このメンバー落ち着くわ

②不利益を回避できる

他人に同調することで、自分にふりかかる損害を回避する心理状態を行動経済学では「損失回避性」と呼んでいるよ。

失敗することって学びにつながることも多いけど、できることなら避けたいと思うものだよね。この心理について、行動経済学者のガーネマンらの研究によると、「人間は得よりも損に強く反応する」ということが明らかになったんだって。たとえば飲食店を決めるときに、「行列の出来ているお店」と「空いているお店」の場合、「行列の出来ているお店」を選択する人も多いよね。空いているお店を選択しない理由は、「もし美味しくなかったら嫌だ」と損することを避けようとする気持ちが作用しているからなんだ。

「多くの人が選択していること=損失を回避できる」と思えることが、自分がなにか決断するときの支えになっている可能性があるよ。

この店美味しくなかったな。お客さんが少ないわけだ。

③助け合い

お互いが協力し合うことで、相手との信頼関係がつくられるよ。

法政大学の新谷優氏は、協力することについて、「複数の人々が互いの行動を調整しながら、同一の目標を達成するためにとる行動のことを指す」と説明しているんだ。つまりは、個人や集団での目標を達成するためには、自分だけの努力だけではなく、関わる人がお互いに協力し合うことが大切なんだね。

たとえば、会社で一人だけ仕事が終わらない同僚がいたら手伝ってあげたい気持ちが発生するよね。仕事を手伝ってあげることは、同僚の仕事が終わること以外にも、会社としての利益や自分のスキルアップなど、複数の目標設定が発生しているんだ。

こんなふうに、相手に同調することは、単に決断を相手に委ねる以外にも「個人や集団の目標達成のため」に繋がっていることも多いんだよ。

俺も一緒に歌ってやるよ!

ちょうどいい同調圧力の回避方法3選

相手も傷つけず、自分も守れる同調圧力の回避方法を3つ紹介するね。

紹介する回避方法を実践すれば必ず同調圧力を受けないというわけではないけど、あくまで参考程度に、自分に合う回避方法を参考にしてみてね。

自分も相手も大切にする

自分と相手を傷つけない会話術「アサーション」を使ってみよう。

アサーションとは、1950年代にアメリカで生まれた行動療法のことだよ。当初は対人関係がうまくいかない人や、自己表現が苦手な人のためのカウンセリングとして実施されたのが始まりなんだ。アサーションには、「自分も相手も大切にするコミュニケーション」という意味が含まれていて、誰もが、いつでも、どこでも実施できる点が特徴だよ。

アサーションには、問題解決のための会話のマニュアル「DESC法」が定められているよ。このDESC法は下記で説明しているように4つの要素から構成されていて、それぞれの頭文字をとってDESC法と名づけられているんだ。

D=describe:描写する
E=express,explain,empathize:表現する、説明する、共感する
S=specify:特定の提案をする
C=choose:選択する

それでは早速、例題をもとにDESC 法の具体例を見てみよう。

(例題)
「苦手な友人から食事会に誘われたけど、できれば参加したくない。すでに2回も理由をつけて断っているんだ。今回はどうやってすり抜けようかな。」

 

<ステップ1>D=describe:描写する
いま、自分がおかれた状況をそのまま受け止めてみよう。ただし、ここで自分の気持ちを表現する必要はなくて、あくまで状況を客観的に捉えるだけでいいよ。

「また食事会に誘われた。〇〇ちゃんいつも自分の話しかしないから苦手なんだよね。できれば参加したくないな。」

 

<ステップ2> E=express,explain,empathize:表現する、説明する、共感する
自分の気持ち、考え、意見を表現してみよう。ここから自分の気持ちを相手に伝えるよ。なるべく「私は~」のように、自分の考えであることが相手にわかるようにしよう。

「食事会やるなら私も参加したいな~。でもその日は別の用事があって参加できないんだ。何回も誘ってくれているのにごめんね。」

 

<ステップ3> S=specify:特定の提案をする
相手にとってほしい行動やお願いをしてみよう。このとき、命令口調にならないように気をつけて、相手がYESかNOで答えられるような提案をしてみよう。

「今回の食事会は参加できないんだけど、次回は参加したいな~。今度は私が食事会を企画したいんだけど、そのときは〇〇ちゃんの意見も聞いていい?」

 

<ステップ4> C=choose:選択する
相手の反応を見てみよう。相手の反応がYESだったら目的達成だよ。相手の反応が全面的にNOの場合は、自分がどこまで許容できるのか考えてみよう。

■食事会不参加に対してYESの場合
「本当にごめんね。今度は私から連絡するね~。」

■食事会不参加に対してNOの場合
「それなら顔だけ出しにいくね。10分くらいしか居られないと思うけど、ごめんね。」

こんなイメージで相手とのコミュニケーションを意識してみてね。ポイントは、自分が主張したいことを単純に伝えるのではなく、相手も尊重しながら会話を心がけることだよ。

ただし、アサーションは誰でも、いつでも、どこでも使用することはできるけど、相手の反応を完璧にコントロールすることはできないんだ。だから、自分と相手の気持ちの両方を大切にするためにも、ときには自分の考えを妥協することも必要になる場合があるよ。

吸い込んじゃうと悪いから、どいてもらえると助かるな

SNSで発信する

自分が安心できる場所で、自分の意見を発信しよう。

上記で説明したように、周囲の意見を尊重することに慣れてしまうと、相手に拒否されたくない気持ちから、自分の意見を発信するのが難しくなってしまうんだ。

自分の意見を発信できないと、自分が相手から認められているような感覚が得にくいよね。

「自分が相手から認められたい」という欲求を、心理学では承認欲求と呼んでいるんだ。言葉だけ聞くと「自分を認めてください」と言っているような気がしてすこし恥ずかしいよね。でも、承認欲求は人間ならばだれしも持っている感情だから気にすることはないよ。心理学者のマズロー(1987)は 承認欲求を、人間の極めて基本的な欲求のひとつとして位置付けているんだ。たとえば、SNSなど自分が安心できる場所で自分の意見を発信して、誰かが共感や肯定をしてくれたら承認欲求が満たされることにつながるよ。

京都女子大学の正木大貴氏は、SNSにおける承認欲求について、「SNS では誰かから拒否されるかもしれないという不安を最小限にして承認を得ることができる特徴がある」と説明しているんだ。ただ、SNSでは、不特定多数の人が投稿された文字や画像だけを見て良し悪しを判断してしまうから、自分が本来伝えたいことが相手に伝わらなかったり、求める反応がこなかったりする場合があるのも事実だよ。だから、発信する内容は、誰に対して、何のために、どんな反応を期待しているか、ある程度の目標設定を意識することをおすすめするよ。SNSでの発信に限らず、自分が安心できる場合ならばどこでもいいよ。友人や家族に対して自分の意見を主張することでも承認欲求は満たされるからね。

承認欲求について詳しく知りたい場合はこっちの記事も読んでみてね。

「承認欲求をなくしたい」と感じる理由と満たす方法

「食べられる野草の見分け方…」よしっ投稿完了!

根拠を探して納得する

同調圧力が発生している根拠を知ると納得感が得られやすいよ。

たとえば、同調圧力を受けたときに、「同調圧力が発生している根拠」を自分なりに探すことができれば、納得できて気持ちが楽になるかも。

今回は、同調圧力が発生する場面を想定して「会社編」「プライベート編」で解説してみるから、根拠探しの参考にしてみてね。

(会社編)
同調圧力:「とりあえずビール」で乾杯。ビール以外は頼めないような気がする。
根拠:注文を取りまとめる同僚や店員の負担がないように。乾杯が早く始められるように。

同調圧力:会社からスーツの着用を義務付けられている。本当はもう少しラフな格好がしたい。
根拠:スーツを着ることでしっかりとした人に見えて、お客さんが安心する。

(プライベート編)
同調圧力:友人から「こんどみんなでカラオケいこうよ」との誘い。自分だけ参加しないのは気まずい。
根拠:自分がカラオケに参加することでより場が盛り上がる。人数が多いほうが楽しい。

同調圧力:「洋服何着ていこうかな。ファッション誌を参考にしてみよう。」でも個性がないようで不安。
根拠:流行の洋服を身に着ければ失敗が少ない。個性を出せるのはファッション上級者だけかも。

参考になったかな。大事なのは、「自分なりの根拠を見つける」ということだよ。

自分なりの根拠が見つかれば、ルールや法律で明確に定められていなくても、納得感が得られやすいからね。

順番を守るのは「ケンカを防ぐため」

まとめ

ちょうどいい同調圧力を受けない回避方法としては、①自分も相手も大切にする ②SNSで発信する ③根拠を探して納得する の3つだよ。

かたちの見えない同調圧力と付き合うのはとても大変だよね。

同調圧力により、行動をコントロールされても「自分は弱い人間だ」と思わなくて大丈夫だよ。

まずは、自分の本当の気持ちを大切にして、同調圧力と無理なく付き合っていけるといいね。

同調圧力とナチュラルに付き合うことが大切だよ

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