面接やスポーツの試合から好きな人との会話まで、人前に出るのは緊張するよね。「緊張しないようにしよう」と考える人も多いんじゃないかな?
実は、緊張したときに「落ち着こう」と考えるのは逆効果。よけいに緊張が悪化しちゃうことが心理学研究でわかっているんだ。
今回は、人前で緊張しがちな人に試してほしい方法を紹介するよ!
肩の力を抜いて、リラックスして読んでみてね。
目次
スピーチなどで緊張しない方法を試したいのはどんなとき?
「ヤバい、今緊張してる…」と感じてしまうのはどんなときだろう?
・人前でスピーチをするとき
・入試や試験のとき
・就職活動の面接
・初対面の人と合うとき
・一発勝負な場面
・上司に仕事の報告をするとき
・初バイトに向かうとき
上のような場面に出くわすと、始まる前から緊張しちゃうよね。
でも、緊張することは悪いことじゃないんだよ。「ちゃんとしなきゃ!」と自分のベストを尽くそうとしている証拠。いつも頑張っててすごいね。
まずは緊張する原因を知ろう!
緊張しない方法を知る前に、まずは緊張の原因を知っておこう。原因を知ると、事前に対処できる可能性も高くなるよね。
無理に落ち着こうとする
緊張しているとき、無理矢理自分を落ち着かせようとしてないかな? 実は、緊張を隠して無理に落ち着こうとするのは逆効果なんだ。
ある心理学研究1によると、過度な緊張を感じているときは、落ち着こうと頑張ってもリラックスができず、逆に興奮してしまうことが多いんだって。
身体が緊張するメカニズムには自律神経系が関係しているよ。
自律神経系は、体を休めているときに働く「副交感神経」と、緊張しているときに働く「交感神経」の二つの神経で成り立っているんだ。
だから、ふだん緊張していないときは副交感神経も活発に働いている状態ってことだね。
副交感神経と交感神経はいつも反対の働きをしながらバランスを取ってくれるんだけど、緊張している場面で気持ちを落ち着けようとして「落ち着け!」と集中すると、さらに交感神経系の活性が高まってしまうんだ。
だから頑張ってもリラックスできず、声が震えたり体が硬直したりする身体反応が起きるんだね。
これが、緊張しているときに「落ち着こう」と頑張ると、よけいに緊張してしまう原因だよ。
セルフイメージの不一致
緊張するのは「ちゃんとしなきゃ」と思う場面が多いよね。とくに、初めて何かをするときほど緊張するんじゃないかな?
研究では「できない自分」イメージと「理想の自分」イメージが一致していないと緊張するといわれているんだ。
「理想の自分」を演じるために無理やり緊張を隠そうとすると、 ますます自分にばかり注意が向いて、さらに不安 を強くしてしまうよ。不安が強くなるほど、赤面や震えなどの身体反応が高まって、結果的に頭が真っ白になったり、うまく話せなくなったりして悪循環に陥ってしまうんだ。
これじゃあ、ますます「自分は緊張しがちだ」という「できない自分」イメージが強まってしまうよね。そんなときは「できない自分」を受け入れて、「そこそこの自分」にイメージ変換する練習をしていこう。
「理想の自分」はどんな人?
「そこそこの自分」はどんな人?
過去の失敗や経験から
過去に人前で失敗した経験がトラウマになっている人もいるんじゃないかな。自分が間違えたタイミングで笑われたり、指摘されたりすることってあるよね。
そんな経験を一度してしまうと、頭に失敗するというイメージがこびりついてしまうんだ。だから、同じ場面に遭遇すると、当時の恥ずかしかった記憶が蘇ってしまうんだね。
でも、今のあなたと、過去のあなたは違うよね。過去の失敗があるから、努力できたこともあるんじゃないかな?まずは肩の力を抜いてリラックスしよう。
周りの視線を気にしすぎている
緊張しているときには、「失敗して笑われたくない」「できないって思われたくない」ってネガティブな気持ちが浮かんじゃうことも多いよね。
そういうときは周りの視線も気になっちゃうものだけど、周りの視線を悪い方向に捉えているとよけいに緊張してしまうんだ。
例えばプレゼンや発表のときには「周りも自分と同じように緊張しているに違いない」って見方を変えてみたりするのもオススメだよ。
すぐできる!簡単な緊張しない方法
どうしても緊張しちゃう場面ってあると思うんだ。そんなときは、簡単にできる緊張しない方法を試してみよう。
一番簡単な「緊張しないおまじない」
アメリカのハーバード・ビジネススクールの研究1で、テストやスピーチなどの緊張する場面でさまざまな言葉をつぶやいてもらったところ、「私は興奮している」とつぶやくのが最も緊張を和らげるのに効果的だとわかったんだって。
これは、感情の解釈を変えることでマイナス感情を減らす「リアプレイザル」という方法。人間の脳は、不安と興奮の感情をほぼ同じように認識するよ。そんな脳の特性を逆手にとって、「いま、私は興奮している」というおまじないを口にすれば、緊張による不安を「楽しさ」や「挑戦」といったワクワクした感情に代えられるんだ。
身体を動かす
緊張は自然な防衛本能で、交感神経が活性化して身体を臨戦態勢にさせるんだ。「緊張しない」のは難しいけど、心と身体は表裏一体。まずは身体の緊張を先にほぐしてあげよう。
バンザイや、少し上を向いて視線を外してみるなど身体を開く行動を取ると心の緊張も和らいでいくよ。
自分以外のものに注意を向けて他人と緊張を共有する
緊張すると「自分がどう見られているか」ばかり気になるよね。そんなときは、「見られるモード」から「見るモード」に変えて、自分以外のものに注意を向けてみて。
「観客の人が着ている洋服をチェックする」でもいいし、「実は緊張しています」「人前で話すのって緊張しますよね」といった、不安な気持ちを自分から周りの人に素直に伝えてみるのも効果的だよ。
また、仕事での電話対応などコミュニケーション上の緊張対策は下の記事で詳しく解説しているよ。
緊張しないツボを押す
どうしても緊張がおさまらないときは、「緊張しないツボ」を押してみて。
「労宮(ろうきゅう)」を「痛気持ちいい」ぐらいの圧で押すのがオススメだよ。
・労宮(ろうきゅう)
場所:手のひらの中央部。手を握ると中指の先端が手のひらに当たるところ
緊張しない方法まとめ
今回紹介した緊張しない方法は以下4つだよ。
- 「私は興奮している」とつぶやくおまじない
- 身体を動かす
- 自分以外のものに注意を向けたり、他人と緊張を共有する
- 緊張しないツボを押す
緊張するときに感じる「ちゃんとしなきゃ」という感情は、自分と向き合って努力している証拠。まずは、緊張する状況と向き合っている自分を認めてあげよう。
緊張したときに大事なのは、無理に落ち着かせようとしないこと。うまく肩の力を抜いてリラックスしようね。