「生きるのが辛い。自分はダメだと思い込んでやるべきことができません」の相談内容詳細
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いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
- ・自分はダメだと思い込んで勉強や他のやるべきことが手につかない。上手く進ませることが出来ない。
・頭では自分のダメなところや改善すべきことは分かってるのに、それを行動に移したり治したりすることができずに、自分を責めてしまう。そしてその度に自分のダメなとこや改善すべきことを頭の中で考えてしまう。負のループ。
・死にたいけど死にたくない。生きるのが辛い。
・ポジティブに考えることが出来ず、常に苦しい。それに対しても悩んでしまう。 - 「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
- 悲しみ30% 呆れ35% 怒り60% 罪悪感100% 不安70%
- 「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
- 自分は何してもダメと思い込んでいるし思い込みだけでなく実際に自分は何してもダメだと思う。勉強も人付き合いも、朝起きて遅刻せずに学校へ行くこともできない。(学校は好きです)
受験を控えてるのにメンタルが常に終わっているので勉強ができない。(言い訳かも)
自分が自分に課した比較的簡単な課題すらもこなすことが出来ない。(ex 朝8:00に起きる とか 部屋の掃除をする とか 二度寝をしない とか)
人の「普通」が私にとっては「普通」じゃない。そのギャップが辛い。
病気のせいにしたいが、病名が付くほどではないと感じる。
常に自己嫌悪に陥ってしまい、最終的には何に対しても気力を失ってしまう。
生きてるだけで自分が周りに迷惑をかけていると感じる。
常に「死にたい」と思っているが、死に方や死んだ後のこと(死んだ私を見つけた親の反応や姿など)などを考えると、死にたくない。でもこの現実が辛くて無性に逃げ出したくなる。生きるのが辛い。
周りに影響を与えてしまうのでは無いかと感じるほどネガティブになってしまい心がしんどい。 - いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
- 全て心のせいにしてるだけでただの怠惰なのかもしれない。
正直、別の可能性なんてひとつも思いつかないです。 - いま専門家に聞いてみたいことは?
- 親は私の精神面の不安には気づいていません。病院に行く勇気もありません。
ポジティブになれる方法や自己嫌悪にならない方法など、今よりも心が楽になる方法を教えてください。
どうせ無理、どうせダメ、という思考を無くしたいです。普通になりたいです。 - 年齢、性別、職業
- 18歳 女 高校生
- 既往歴
- --- 未回答 ---
- 悩みの内容の自由記述
- --- 未回答 ---
自分史はまだありません。
※ プライバシー保護のため、ご質問の一部を編集部で変更している場合がございます。
「生きるのが辛い。自分はダメだと思い込んでやるべきことができません」への回答
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うな さんこんにちは、臨床心理士の浅井です。
『人の「普通」が私にとっては「普通」じゃない』
『死にたいけど死にたくない。生きるのが辛い』
こうした短い言葉の中に うな さんの苦しさが詰め込まれているように思えます。今回は うな さんの苦しさが少しでも楽になるよう一緒に考えていければと思います。
改善すべきことは思い浮かぶのに実行できない状態では、たしかに「自分はダメだ」と自罰的になってしまうと思います。 うな さん自身気づいて書いてくださっているように うな さんは「負のループ」の中にいるようです。
頭では自分のダメなところや改善すべきことは分かってるのに、それを行動に移したり治したりすることができずに、自分を責めてしまう。そしてその度に自分のダメなとこや改善すべきことを頭の中で考えてしまう。負のループ。
このループを分解すると以下のようになるでしょうか。
①:自分のダメなところや改善すべきことが思い浮かぶ
②:思い浮かんだ改善策を実行できない
③:自分を責める
④:(連鎖的に)自分のダメなところ、改善すべきことが思い浮かぶ→①へ
実際の うな さんの苦しさはこのように単純化できるものではないと思いますが、単純化することによって、③の「自分を責める」が、このループを動かす原動力になっているという可能性が見えてきます。
「自分はダメ」ではなく「方法がダメ」なだけ
過剰な自己批判はネガティブな感情を呼び起こし、問題へ対処する能力を極端に低下させます。 うな さんは「メンタルが終わっているので勉強ができない(言い訳かも)」と教えてくれましたが、実際メンタルが終わってたらいくら勉強しても頭に入りません。
メンタルが終わっている理由が100% うな さんの過失であれば「言い訳」とも言えるでしょう。ですが人間のメンタル不調やパフォーマンス低下は、周囲の環境や刺激のほか、遺伝的なものを含む本人がもともと持っている資質に大きく左右されます。そのため うな さんが「言い訳かも」と自分を責めるのは合理的な考えとは言えません。
同様に「自分は何してもダメ」という うな さんの思い込みも不合理なものだと言えます。ダメなのは うな さんではなく、 うな さんと周囲の環境の相性や、課題への取り組み方・方法がダメだっただけと考えるのが妥当です。
うな さんがダメな人かどうかはわかりませんが、個人的には「死にたいけど死にたくない、生きるのが辛い」と言っている人をダメな人だとは思いません。変わりたいという意志を持って、苦しさを抱えながら文章をまとめ相談までこぎつけた うな さんがダメな人なら、世の中のほとんどはダメな人でしょう。
不合理な信念
うな さんを苦しめる「自分は何してもダメ」のような思い込みは「不合理な信念」と呼ばれます。人間は生きていく中で様々な思い込み、信念を獲得していきますが、その中でも「ぜんぶうまくいかないに決まってる」「自分は誰からも嫌われている」など生きづらさや苦しさに繋がる極端かつ具体性のない思い込みを「不合理な信念」と呼びます。
うな さんが書いてくれた中では「自分は何してもダメ」「生きてるだけで自分が周りに迷惑をかけている」といった部分が不合理な信念だと言えるでしょう。実際はそんなことはないとわかっていてもそのように感じてしまう。感じてしまうから自分を責め、改善のための活力を奪われてしまう。この状態はとても辛いと思います。
「できない」から「できるようになりたい」へ書き換えてみる
この負のループを断ち切るためには、 うな さんの中にある不合理な信念に気づき、現実に即した合理的な信念に変化させていく必要があります。ここからはそのための方法を紹介します。
まずは休日やその前日、時間に余裕のあるとき うな さんが「自分は〇〇できない」と感じることを思い浮かべてみて、ノートや紙に書き出してみてください。
「自分は勉強できない」
「自分はうまく人付き合いできない」
「自分は朝起きることができない」
「自分は部屋の掃除ができない」
次に、浮かんできた沢山の「できない」の向きを変えていきます。「〇〇できない」を「〇〇できるようになりたい」に書き換えてみてください。
「自分は勉強できるようになりたい」
「自分はうまく人付き合いできるようになりたい」
「自分は朝起きられるようになりたい」
「自分は部屋の掃除ができるようになりたい」
「できない」は失敗の経験から連想された思い込みであり、その先へと発展しにくい閉じた言葉です。対して「なりたい」は今できない自分を変えたいというモチベーションであり、目標でもある開かれた言葉です。
「できない」を「なりたい」に置き換えることで、自分を責める気持ちの向きを変化へのモチベーションに変えるきっかけになります。また、内容によっては「部屋の掃除はしたほうがいいけど、別に困ってないな」「うまく人付き合いができるようになりたいとは言っても、正直相手によるな」など、動機の薄さに気づくこともあります。
うな さんが置き換えによってどんなふうに感じるかはまだわかりませんが「できない」の中にはスムーズに「なりたい」に置き換えられるものとそうでないものがあります。
「〇〇できない」を「〇〇できるようになりたい」に置き換える際ひっかかりを感じる考えは、周囲の期待や「普通はこう」などの規範意識などから生じたものが多いです。このように自分の内側から生じたわけではない考えは「できない自分はダメ」という不合理な信念に繋がりやすく、焦りや自己否定の気持ちを呼び起こします。
まずは「なりたい」というにはひっかかりがある「できない」の背景を探っていきましょう。 うな さんの場合、朝起きられないことや掃除ができていないことなど、具体性のある失敗に対し「自分はダメだ」という具体性のない自己否定がセットになっているようなので、まずは具体性のある失敗に対して具体的な改善策を挙げることから始めてみてください。
【例】
「朝起きられない」→「起きられない自分はダメだ」→具体性がない自己否定
「朝起きられない」→「昨日夜ふかししたからだ」→理由があり、改善点が見える
そうは言っても「自分はダメだ」という思いに引っ張られてしまう場合は、失敗の原因をランキング形式にして分かりやすくしてみましょう。その際は失敗に対して原因それぞれがどれくらいの割合で影響しているのか、直感的に%をつけてみるとよりわかりやすくなります。
【例】「朝起きられない」原因ランキング
1位:昨日夜ふかししてしまった(40%)
2位:起きたとき寒すぎる(30%)
3位:そもそも8時起床が体に合っていない(20%)
4位:二度寝が気持ちよすぎる(10%)
これはあくまで一例ですが「できない理由」を細分化し切り分けていくことで、具体的な対処法が見えてきます。上でも書いたように、ダメなのは うな さんではなく うな さんと周囲の環境の相性や、課題への取り組み方・方法です。
夜ふかしが大きな理由だと検討がついたのなら、自分の夜ふかしの理由(テレビ、スマホなど)を遠ざける、理由の見つからない不眠や寝付きの悪さがあるなら不眠外来に頼ってみるなど、具体的な対処法が見えてきます。起床時の寒さが原因であればエアコンをタイマー設定する、といった感じです。
また「そもそも8時起床が体に合っていない」など、学生の内は避けにくい環境との相性についても、認識しておくことで今後に活かせます。たとえば大学では単位の取り方次第で早起きを回避することも可能です。それは逃げではなく、自分のパフォーマンスを十全に発揮するための作戦だと言えるでしょう。
「簡単だと思うこと」が「簡単なこと」とは限らない
うな さんは「自分が自分に課した比較的簡単な課題すらもこなすことができない」と自分を責めていますが、これは少々筋違いです。 うな さんが比較的簡単な課題だと思っているものを見て私は「とんでもなく過酷な試練だ」と感じました。
朝8時に起きる、部屋の掃除をする、二度寝をしない。これらは一見すると「普通のこと、誰でもできること」だと思われがちですが、難しい人にとっては限りなく難しいものです。少なくとも私にとっては、成功したらパーティを開くレベルの課題です。自分が「普通」と思っていることでも、できない人は案外多いものです。
課題の成否は、環境との相性のほか、持っている能力や素質、取り組む方法に大きく左右されます。極論を言えば、8時に起きられないなら8時に起きなくていい環境を作るというのも正解です。もちろん学生の間は厳しいと思います。ですが今後、大学での単位の取り方や就職先選びなどで「環境を調整する」という視点があるのとないのでは大違いです。私も早起きできないタイプだったので、大学では一限の履修から逃げまくりました。
「今の環境が合ってないだけ、次はこうしてみよう」
「失敗の理由は〇〇が大きい、こんなふうに対策していこう」
こうした考えは言い訳に見えるかもしれませんが、状況の分析と改善への道筋が見えているぶん「自分はダメだ」と責めるよりもずっと建設的です。こんなふうにどんどん「自分はダメ」以外の言い訳を積み上げてみてください。分析に基づいた上手な言い訳は、必ず うな さんの助けになります。
また、身体の不調や不眠といった悩みがある場合メンタルクリニックや不眠外来に相談するのもよいでしょう。医療機関にかかるのが不安な場合は、学校のスクールカウンセラーや保健の先生など、身近な専門家に相談してみるのもおすすめです。
周りが当たり前にできているように見えることができない自分に直面するのは、本当につらい経験だと思います。ある程度足並みを揃える必要がある学生生活であればなおさらです。
そんな苦しさの中、自分の悩みを言語化して相談してくれた うな さんを尊敬します。あらためて言いますが、私はそんな うな さんをダメな人だとは感じません。色々と書きましたが、私がそう感じたことは覚えておいてくれると嬉しいです。
お返事は以上です。 うな さんの抱える罪悪感や不安が少しでも軽くなりますように。