不幸な境遇じゃないのに、感情の起伏が無くなってきた話

2023.01.25 Wed

「不幸な境遇じゃないのに、感情の起伏が無くなってきた話」の相談内容詳細

相談者
相談者 ねこまんま
いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
親は優しい、虐められてない、友達1人2人いる、付き合っている人もいる(躁鬱持ち)、自分の家ならちゃんと寝られる、病気もないのに毎日が作業に感じる。
好きな事が好きじゃなくなっていっている。
楽しい嬉しいが感じられなくなっている。
「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
不安焦燥感50%、恐怖30%、憂鬱しんどい60%
「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
どんどん感情の起伏が無くなってきていて怖い。その恐怖すら薄れてきているように感じて、今や無気力という感じです
学校とか成績とか進路とかどうでも良くなってしまっています。リスカODをする気力すらないです。付き合っている方は10個年上の社会人でその人といる時くらいしか気が楽になれなくなっているのですが、友達よりも家庭環境は悪くないどころかめっちゃ良いし、恋人のことは社会人ということ、僕のキャラもありおおっぴらに言うことができません。なので3週間に1度くらいしか会えません。ストレスは溜まるばかりだし友達の家庭内事情の相談をされる度、自分はこんな幸せな環境で生きていてなにが死にたいだともっと自己否定が進みます。ここまで言うとめっちゃ病んでそうですが、いつもは無気力という感じなので自然に涙が出るのと時々希死念慮が湧き上がってくるだけで特にこれと言って苦しくはありません。
ただ、本当に気力がなくなっています。抜け殻という感じです。
ヤバいかなと感じつつも止められないしもう元にも戻れない気がしています。
どうしたらいいかわからん!()
いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
もしかしたら自分は何か心に問題があって、そのせいでここまで無気力になってしまったんじゃないかとも一瞬思いました。(願望もあるかもしれません)
いま専門家に聞いてみたいことは?
幸せな境遇にいても心を病むことはあるんでしょうか。また、楽しいや嬉しいを感じずらくなるのは普通のことなんでしょうか。
年齢、性別、職業
17歳、高校生
既往歴
--- 未回答 ---
悩みの内容の自由記述
特にしんどかった出来事があったわけではないので取り留めのない文になってしまいましたが、気長にお返事待ってます。
相談者 ねこまんま さんの自分史

自分史はまだありません。

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「不幸な境遇じゃないのに、感情の起伏が無くなってきた話」への回答

  • 回答したカウンセラー

    小野寺 リヒト

    臨床心理士/公認心理師 小野寺 リヒト

    ねこまんま さん、ご相談をよせてくださりありがとうございます。臨床心理士・公認心理師の小野寺です。

    ねこまんま さんは今自分が置かれている状況をとても「幸せな環境」と考えておられるのに、どういうわけか無気力になっているのですね。その理由がわからず、少しでも解決の糸口になればいいなと、ココロジーにご相談してくださったのだろうと思います。

    確かに ねこまんま さんの記述を見る限り、「幸せな環境」に思えますね。「親は優しい、虐められてない、友達1人2人いる、付き合っている人もいる」。「うらやましい」と思う人も多そうです。

    では、なぜこんな「幸せな環境」にいるのにもかかわらず、無気力になり、ときには自然に涙が出たり、希死念慮が湧き上がってくることがあるんでしょうか。そもそも(【聞いてみたいこと】に書いてくださったように)、幸せな境遇にいても心を病むことはあるんでしょうか。

    結論から言うと「あり得ます」。正確に言うと、「幸せでも心を病む」ことはあるし、「実は幸せの陰に潜んで大きな悩みがあって、そのことで心を病む」こともあるし、「理由なく心を病む」こともあります。

    もし私が ねこまんま さんとカウンセリングをする立場なら、上記の3つのうちどこに該当するかを調べるために色々と質問をさせていただき、その回答からまた色々と考えて行くだろうと思います。

    でも今回は複数回やり取りができるカウンセリングではないので、実際のところ ねこまんま さんが3つのうちどれに該当するかはわかりません。

    どれに該当するのかがわからないので、「なぜこんな『幸せな環境』にいるのにもかかわらず、無気力になってしまうのか」のなぜの部分、つまり理由の部分も正確なところはわかりません。

    がっかりさせてしまったかもしれませんね。ごめんなさい。その代わりと言っては何ですが、考えられる可能性を一緒に考えていければと思います。何かしら ねこまんま さんのお悩みに関するヒントになっていれば幸いです。

    まず、「幸せがゆえに心を病んでいる可能性」について考えてみます。この可能性を考えるのに重要なファクターは、 ねこまんま さんが17歳の高校生である点です。

    ねこまんま さんもご記載の通り、 ねこまんま さんくらいのお歳は「学校とか成績とか進路とか」のことに本来頭を悩まされる時期です。大学に行こうか行かないか、行くならどこに行こうか、行きたい大学に行くのにどれくらい勉強しなきゃいけないか、その時間は確保できるのか(他のやりたいことをどの程度我慢しなきゃいけないのか)、働くなら何をしたらいいのか…。

    「さあ、今すぐにでも考えなさい。手遅れになる前に」と時間が発破をかけてくる問題が山積みの時期ですよね。でもほとんどの高校生は、そんな問題なんかよりもっと考えたい問題がたくさんあるんじゃないでしょうか。

    「恋人が欲しいな」「どうやったらモテる?」「好きな人に恋人ができてしまった…」「ソシャゲに忙しい」「親がうざい」「将来の夢がない」などなど。

    高校生はめちゃくちゃ多くの悩みを抱えているものなんです。一つ一つの悩みを深刻に捉えすぎてしまうと身と心が持ちません。だから、心が病まないように、ある程度ちゃらんぽらんになってやり過ごそうとするのです。何も考えていなさそうな人、クラスに1人はいませんか?

    あるいは「今解決する必要がないこと」に没頭して、「今すべき事柄」から目を背けたりもします。例えば、本当のことを言うと「恋人が欲しいな」「どうやったらモテる?」なんて高校生が考える必要がありません。そりゃ恋人がいたり、モテるに越したことはないですよ。でも、恋人がいち早くできる人が偉いわけでもないし、いくらモテても自分が好きな人にモテないと意味がない。少なくとも高校生の悩みとしては、進路のことなど高校時代に決めなければならない悩み(今すべき事柄)に比較すれば、優先順位が低い悩みのはずなのです。

    家族のことだってそうです。いくら家族とはいえ他人と言えば他人。こちらの思うように動いてくれないのだから、いくら悩んだところでどうしようもありません。学校、成績、進路といった自分でコントロール可能な悩みに比べれば、取り組むべき優先順位は低いはずです。

    でも、恋人が欲しい高校生は多いですよね。だからこのことばっかり考えちゃう。親のことを「うざい」と思ってしまう。ほっとけばいいのに、なぜか喧嘩を売ってしまう。少なくとも私はそうでした。

    今にして思えば、「たくさん悩みがある」と混乱するより、「恋人が欲しい悩み」あるいは「家族の悩み」など、「優先順位の低い悩み」のいずれか一つないしは少数の悩みにフォーカスする方が、精神衛生上よかったからそうしていた側面があったように思います。

    一つ急いで付け加えますが、「優先順位の低い・高い」と「悩みの深刻さ」は別の話です。いくら「恋人が欲しい悩み」の優先順位が低いからといって、それが取るに足らない悩みであることを決して意味しません。

    高校生が「恋人が欲しい」と真剣に悩むのは当然で、努力しても恋人ができないなどの理由があればとても悲しいし、悔しいし、しんどいはずです。この手の悩みを軽視しているわけではないので、そのことはくれぐれも注意してくださいね。

    さて、その点 ねこまんま さんはどうでしょうか? 
    恋人? いますね。
    家族? 優しいですね。

    高校生にとって優先順位の低い悩みに時間を注ぐ口実がないのです。だから ねこまんま さんは高校生にとって優先順位の高い悩みに直面せざるを得ない。

    高校生にとって優先順位の高い悩みの代表選手が「学校、成績、進路」です。高校生である以上学校には所属しているでしょう。必然的に成績のことを考えさせられます。17歳とあらば、大学に現役で入ることを希望するなら絶対に進路のことを考えざるを得ない。いずれも「今考えなければならないこと」です。「優先順位が高い」とはそういう意味です。

    「優先順位が高い」悩みは、現実的には避けたくても避けられないのでとても重いものと言えます。恋人や家族の悩みのように「今決めなくてもいい」「気長に捉えても問題ない」ことではないのです。

    でも、幸せだからこそ、学校、成績、進路みたいな、そんな誰でも思い悩んでしまうような事柄に貴重なエネルギーを注ぎたくない。みすみす幸せな気持ちが奪われてしまうことに向き合いたいとは思いませんものね。

    そこで ねこまんま さんの心は「特にしんどかった出来事があったわけではない」にもかかわらず、無気力や自己否定感などを ねこまんま さんに感じさせることを思いついたのでしょう。

    どうやら ねこまんま さんの心の試みはうまくいき、「学校とか成績とか進路とかどうでも良くなってしまっています」。優先順位が高くて重い荷物を背負うのを後回しにすることに成功しました。「リスカODをする気力すらない」のは、 ねこまんま さんの心は ねこまんま さんを傷つけたいわけではないからだと思います。

    以上が「幸せでも心を病む」メカニズムです。

    ねこまんま さんの心は ねこまんま さんを守りたくて、無気力や自己否定感などを作り出しているわけですね。これにより、確かに学校などのことを考えなくて済んでいるのかもしれません。ですが、無気力や自己否定感は ねこまんま さんに希死念慮を抱かせる結果をもたらしています。 ねこまんま さんの心に悪気はないのかもしれませんが、あまりうまいやり方ではなさそうです。

    ではどうしたらいいのか。それはちゃんと後ほど考えます。安心してくださいね。だから、いったん先に他の可能性も見ていきましょう。「どうしたらいいのか」を考えるには、他の可能性も考慮する必要があるからです。

    ということで、続いては「実は大きな悩みがあって、そのことで心を病んでいる可能性」について考えてみたいと思います。

    もし私が ねこまんま さんとカウンセリングしている立場だとしたら、掘り下げて質問させていただきたいことがいくつかあります。

    「友達が1人~2人おられるとのことですが、そのことについてどう思っておられますか?」

    「付き合っている人の特徴として『躁鬱持ち』と書いてくださいましたが、それはどのような意図があってのことでしたか?」

    「『自分の家ならちゃんと寝られる』とのことですが、他のところだと寝れない理由として何か思い当たる事柄はありますか?」

    「パートナーの存在を『おおっぴらに言うことができない』ことについてもう少し教えてください」

    「『ストレスは溜まるばかり』とのことですが、どんなときにどんなストレスを感じますか?」

    などです。

    人は自分のことは自分が一番よくわかっているつもりでいて、実はあまりよくわかっていないことも多いものです。

    だから、上記のような質問に答えていく中で初めて「自分はこう思っていたんだ」と気づくこともわりとあるんです。その気づきの中には、「大きな悩み」の発見も含まれることがあります。

    本当はもっと友達が欲しいとか、パートナーのことは好きだけど病気はどうケアしてあげればいいかわからないとか。これはあくまでも例なので ねこまんま さんはこんな風には思っていないかもしれませんが、普段気づくことのない悩みを何かしら抱えていたとしても、全く不思議ではないことは断言できます。悩みがあればそれがストレスになり、結果として「感情の起伏が無くなっていく」こともあり得るのです。

    では、次に「理由なく心を病んでいる可能性」も考えてみましょう。といっても、「理由なく」なので、ここに記述できることはそう多くありません。

    「思春期はメンタルを崩しやすい」の一言につきます。

    ねこまんま さんは、子どもから大人へ成長する真っただ中にいます。これは一種の「変化」です。人は「変化」が良いものであろうと、悪いものであろうと、強いストレスを感じることが知られています。

    例えば、心理学でとても有名な研究に「どんなライフイベントが、どれくらいストレスになるのか」を調べたものがあります。その研究で分かったのは、「結婚」「妊娠」「休暇」「クリスマス」など、一見幸せに関係するような事柄ですら、ストレスになるのだということでした。意外ですよね。

    ここに挙げた要因は、全て非日常的なことばかりです。毎日結婚式を挙げている人もいなければ、毎日が休暇やクリスマスなわけではありません。イレギュラーな事柄は「イレギュラーである」といった理由だけで十分ストレスになるわけです。

    休暇ですらストレスになる変化なのですから、心と身体が大きく変わる思春期の変化は、そりゃ大きなストレスにもなります。思春期を生きる若者にとって、「心が病む」ことは「普通のこと」と言っても過言ではありません。

    以上、「幸せでも心を病む」「実は幸せの陰に潜んで大きな悩みがあって、そのことで心を病む」「理由なく心を病む」の3つの観点から可能性を考えていきました。

    ただ、大事なことなので繰り返しますが、私は ねこまんま さんのことをよく知らないので、ここに挙げたことは正確とは限りません。「もしかしたら自分の場合はこうかもしれない」と考えるヒントとして受け止めて欲しいのです。

    ヒントにしたうえで、実際に無気力や自己否定感を軽減するにはどうしたらいいのでしょうか? 二つ方法を考えました。

    一つ目は、「今 ねこまんま さんに起きていることは、決して異常ではない」ことを理解して欲しいということです。

    幸せであろうが不幸であろうが、理由があろうがなかろうが、今 ねこまんま さんが苦しい思いをなさっている現実は間違いありません。にもかかわらず、そんな自分を「異常だ」と捉えてしまうと、ますます苦しい思いになるはずです。

    苦しくなっているのには必ず事情があるのです。そんな事情に巻き込まれて大変な思いをしている自分自身を、これ以上責めないでいてくださると嬉しいです。

    二つ目は、今回ココロジーに相談してくださった相談を、誰か信用できそうな大人に話してみて欲しいのです。

    ねこまんま さんの学校にはスクールカウンセラーは来ているでしょうか? 週に一回くらい来ているかもしれません。もしスクールカウンセラーが来ているのなら、是非相談しに行ってみてください。

    ねこまんま さんが相談してくださったことは全然変なことではありませんから、相談しても恥ずかしいことではありません。スクールカウンセラーなら私ができなかった色々な質問をすることができます。その結果、スクールカウンセラーには ねこまんま さんのことがもっとよくわかるし、質問に答える中で ねこまんま さんにも新たな気づきが出てくるかもしれません。

    もしスクールカウンセラーがいなければ、保健室にいる養護の先生に相談されても構いません。いずれにせよ、こういった人たちは「守秘義務」と言って、秘密を漏らしてはいけない決まりがあります。だから ねこまんま さんの悩みが親やパートナーや友達に知られることはありません。安心して専門家を頼ってくださいね。

    長くなりましたので読むだけでも疲れたかと思います。最後に簡単にまとめて終わりにしますね。

    人は幸せでも心が病むことはあり得ます。そしてそれは全然異常なことではないし、 ねこまんま さんくらいの年の方ならよくあることとすら言えます。

    ですが、この悩みについてもっと掘り下げるには情報がもう少しばかり必要です。一緒に考えてくれるスクールカウンセラーなどが身近にいるのなら、ぜひそういった専門家を頼ってみてください。

    何かヒントになるようなことが書けていればいいのですが。最後までお読みいただきありがとうございました。

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