うつ病を患う人への接し方と禁句6選

2022.05.17 Tue
シンくん

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シンくん

うつ病の人への接し方
うつ病を患う人への接し方と禁句6選

「うつ病の人に頑張れって言っちゃダメ」って話、よく聞くよね。

うつ病は「病気」だから、骨折したときはみだりに動かさない方がいいとか、胃腸炎のときには辛い食べ物は控えた方がいいとかと同じように、「うつ病のときには言わないほうがいい言葉」があるんだ。できればそんな言葉をうつ病を患っている人に向けて発しないようにしたいよね。

とはいえ、中には良かれと思って言ってしまう言葉もあるかもしれないよね。今回は、うつ病の人に対して発しない方がいい言葉と、その言葉をどう言い換えればいいかを解説していくね。

「大丈夫?」は大丈夫?

かけてはいけない言葉6選&言い換え言葉

それでは早速どんな言葉が禁句で、どんな言葉に言い換えるとよいのかをみていくね。

ただ、ここに挙げたNG言葉は「誰に対してもNG」とか「一度言ってしまった時点でアウト」というものではないよ。相手との関係性や状況やタイミングによっても相手の受け止め方が変わってくるんだ。

だからここに挙げたNG言葉は「極力控えた方がいいもののリスト」程度におさえておいてね。

「早く治してね」→「ゆっくりでいいよ」

うつ病で辛そうにしている人を見ると、つい早く楽になってもらいたくて「早く治してね」と言ってしまうよね。けど、この言葉はNGなんだ。焦ってしまい、逆効果になるからだよ。

風邪をひいたときに、「よし! いつまでに治そう!」とコントロールってできないよね。それと一緒でうつ病もいつまでに治すだなんて計画を立てることはできないんだ。

そんな中「早く治してね」と言われると、うつ病を患っている人は「早く治すことが期待されているのだから、それに応えないと」と焦ってしまうんだ。焦ると逆に「まだ治っていない部分」に目がいって落ち込んでしまうという悪循環に陥ってしまうよ。

病気の治療はそもそも計画通りに進まないもの。治るペースは人それぞれでコントロールできないんだから、焦らなくてもいいことを伝えるために「ゆっくりでいいよ」と言ってあげてね。

僕を参考に

「いつまで甘えているつもり?」→「必ず良くなるからね」

うつ病の症状である落ち込みや身体の重さなどは目に見えないよね。目に見えるのはその症状のために出来なくなってしまった「行動」だけなんだ。例えば、「ベッドで横たわっている」といった行動だね。

「ベッドで横たわっている」のは、うつ病の症状のために身体が鉛のように重たいと感じているからかもしれないね。周りの人に「身体が重い」ことが伝われば、「身体が鉛のように重いから、ベッドで横たわっているんだな」とストレートにわかるよね。

けど、本人以外には「身体が鉛のように重い」ことはわからない。ここが伝わらないから「ベッドで横たわっている」が「ダラダラしている」「甘えている」に見えてしまうことがあるんだ。

最初は献身的にうつ病を患っている人を支えていた人でも、このように見えてしまうことが続くと、つい「いつまで甘えているつもり?」と言ってしまいたくなるよね。

けれど、うつ病は決して甘えている状態ではないんだ。「甘えている」と周りが感じてしまうことがあったとしても、その背景には「そうしなければならない症状が出ている」んだ。一番しんどいのは、その症状が出ている本人だよ。

だから、そんなときこそ「必ず良くなるからね」と言ってうつ病を患っている人を安心させてほしいんだ。

必ず良くなるよ

「気の持ちようじゃない?」→「病気だと○○と考えちゃうよね。辛いね」

うつ病を患うと、考え方が悲観的なものになってしまうんだ。だから、うつ病を患っていない人からすれば「考えすぎ」「どうしてそうネガティブなの?」と思うことも多いよ。

ときには「ずっとこのうつ状態が続くんだ…」と、自分の症状に対しても悲観的になることがあるんだ。そんなとき、周りは治ってほしいからこそ「気の持ちようじゃない?」と、ポジティブに考えることをつい提案してしまうよね。

けど、うつ病はポジティブに考えられなくなる病気。病気が治るまでポジティブに考えられないのは当然だよ。とても「気の持ちよう」でどうにかなるものじゃないんだ。「気の持ちよう」と言われると、うつ病の人は「この辛さは誰にも分らないんだ」とますます悲観的になってしまうかもしれないね。

ぜひ「病気だとつい将来に悲観的になっちゃうよね。辛いよね」と、共感的に理解している姿勢を示して、安心させて欲しいんだ。

悲観的に考えちゃう…けど、こういう症状が出るのがうつ病なのよね

「原因は何?」→むしろ言葉はいらない

うつ病の症状で苦しんでいる人を見ると、「そんなにつらいということは、よっぽどのことがあったに違いない」と気になって、つい「原因は何?」と聞きたくなるよね。けど原因を追究するのもNGなんだ。

うつ病は必ずしも原因があるとは限らないんだ。だから、原因を尋ねられても困ってしまうんだね。原因がある場合でも、原因をふいに思い出させてしまうことになるから危険だよ。

原因が気になったとしても、本人から「こんなことがあって…」と話してこない限り触れない方が無難かもしれないね。下手に言葉で刺激するよりも、ただそばにいてあげたり、ハグしてあげる方がずっと安心できることも多いんだ。

そばにいるわ

「大丈夫?」→「困ったらいつでも声をかけてね」

辛そうにしている人を見ると、「大丈夫?」って声をかけたくなるよね。他人を気遣える人はとても素敵だよ。けど、うつ病を患っている人にとって「大丈夫?」は、ときとしてしんどい言葉でもあるんだ。

うつ病の症状の一つに「易怒性」があるよ。これはイライラしやすくなることなんだ。易怒性が強い場合、「大丈夫?」と言われると、「大丈夫じゃないからこんなにしんどいんだよ!」とイライラしてしまうこともあるんだね。

イライラすると、あとで後悔するようなことをしてしまうかもしれないよ。後悔はうつ病を悪化させてしまうんだ。

うつ病を患っている人に対しては「大丈夫?」と声をかけたくなるその気遣いを「困ったらいつでも声をかけてね」という言葉に変換して発揮してほしい。「サポートしてくれる人がいる」と分かるだけでも、うつ病を患っている人にとっては大きな安心感になるんだ。

申し訳ない? 何言うとんねん。困ったときはお互いさまやろ~

「しんどいのはあなただけじゃない」→「今○○できる? もしできたらお願いしてもいい?」

うつ病を患わないまでも、生きていればしんどくなるタイミングは当然やってくるよね。仕事が忙しかったり、家事が負担に感じたり。そんなときに、うつ病を患っている人がベッドで横になっているのを見たりすると「これは症状のせい」と頭ではわかっていたとしても、「私だってしんどいときはしんどい。何もしたくない」とつい腹が立ってしまうこともあると思うんだ。

うつ病を患う人の態度や姿勢をみて、つい腹が立ってしまうことがあるのは全くおかしなことではないよ。自分と相手とは別人なのだから、相手の苦しみを100%理解するのは無理だよね。100%わかれば同情できたり、共感できたりしていら立ちを抑えることができるかもしれないけど、そんなのは無理なんだ。

自分自身が大変で余裕がなくなっているときに、自分だけが我慢するなんてことは難しいよね。だから、自分がうつ病を患っている人をサポートするばかりではなく、自分もうつ病の人のサポートを受けることがあってもいいんだ。

ただ、サポートを受ける場合には、言葉遣いには気を付けよう。「しんどいのはあなただけじゃない」という言い方だと、相手は「責められている」と感じて辛くなってしまうかもしれないんだ。「今○○できる? もしできたらお願いしてもいい?」といった言い方だと責められているニュアンスはぐっと減るはずだよ。

うつ病を患うと「自分は役立たず」など、自分に対して卑下する気持ちも大きくなるんだ。そんなときに「お願いしてもいい?」と頼りにされることは、「自分でも役立てることがあるんだ」といったことに気づいてもらうきっかけになることもあるよ。

ちなみに、「しんどいのはあなただけじゃない」という言い方が、相手に「責められている」と感じさせてしまうのは、この言い方がYOUメッセージになっているからだよ。YOUメッセージにしない、効果的なコミュニケーション方法はアサーションで学ぶことができるから、参考にしてみてね。

アサーションを参考に「(あなたはしんどいと思っているのは自分だけだと思っているのでしょうけど)しんどいのはあなただけじゃない」をIメッセージで言い換えたのが「今○○できる? もしできたらお願い(したいなと私は思っているのだけどお願い)してもいい?」なんだ。

わかった。僕も掃除するから。だからまず吸うのやめよ?

言葉がけでとっても大事なこと

いくつかNG言葉と言い換え言葉をみてきたね。ここで、どういう言葉がNGで、どういう言い換えがベターとなるのか、確認してみよう。

うつ病の人の禁句ワード

NG言葉は「うつ病を病気と認めていない」点が共通しているね。その点、言い換え言葉はしっかりと「うつ病は病気である」と認めているよ。

また、NG言葉は「相手を責めるニュアンスがある」と言えるかもしれないね。一方の言い換え言葉は「サポートする姿勢」があると言えそう。

個別具体に「この言葉がけはNGだから、こう言い換えよう」と覚えるのも大事だけど、「うつ病は病気であると認めて、そのうえでサポートできることがあればお手伝いしよう」といった認識を持ちつつ接すれば、自然と相手へのNG言葉は減っていくと思うよ。

かけてあげる言葉の例

今度は、日常の場面を切り取って、「こんなとき、どういう言葉がけができるとよいか」を見ていこう。「うつ病は病気であると認めて、そのうえでサポートできることがあればお手伝いしよう」という姿勢が反映されている点に注目してね。

友人Aと友人Bのやり取り場面を想定して、例を挙げていくね。

A「ねえ、B。突然こんなこと言うのもあれなんだけど」
B「どうしたの?」

A「実は、この前病院に行ったら『うつ病』って診断されて」
B「そうだったんだ。最近しんどそうだったもんね…。話しづらかっただろうに、話してくれてありがとう」
A「こちらこそ、変なこと言ってごめん」

B「全く変なことじゃないよ。もし差し支えなければ、Aがうつ病を治すのに協力できることがあればしたいと思ってるから、お医者さん、何か言ってたか教えてもらうことはできる?」

A「いいよ。そうだな。ゆっくり休むようにって言ってたかな」
B「そうか、やっぱり休むのって大事なんだな。じゃあ、忙しかったりして十分休むに休めないみたいなことがあったとき、何か手伝えることがあったら遠慮なく言ってね」

A「ありがとう」
B「まぁ、Aの場合遠慮しそうだね(笑)。心配だからこちらから連絡することもあるかもしれないけど、それはどう? 負担かな?」

A「いや、負担じゃないよ」
B「わかった。とはいえ、わかってあげられないことって多いだろうから、もし負担だな、このサポートは違うなと思うことがあったら言ってね。言ってくれれば『あ、これは違うんだ』ってすぐわかるから。言ってくれる方がむしろありがたいんだ」

A「なるほど。じゃあ、もっとこうしてほしいと思うことがあったら言うようにするよ」
B「ありがとう」

関係性にもよるけど、「うつ病は病気であると認めて、そのうえでサポートできることがあればお手伝いしよう」という意識でやり取りをすると、上記のようなやり取りになると思うよ。参考にしてみてね。

番外編:「頑張れ」

この記事の冒頭でも触れたように、「うつ病の人に頑張れって言っちゃダメ」って聞いたことがある人も多いと思う。

最後に番外編として「頑張れ」って本当に言っちゃいけないのかも確認してみよう。

基本的にはNGだけど…

埼玉工業大学の友田氏が行った研究によると、抑うつ傾向が強い人は「がんばれ」という言葉に触れても「嬉しい」「楽しい」などの快感情が生じないことが分かったそうだよ。特に女性はその傾向が強かったみたい。

この研究は「うつ病の人に頑張れって言っちゃダメ」なことの妥当性を示していると考えられるね。

ある場面ではOK

一方で、 精神科医の岩波氏は、「うつ病を患う人に対して「頑張れ」が有効な場合もある」と言っているんだ。

その有効な場合とは、治療場面だよ。うつ病は病気だから治していく必要があるんだ。その治療は医療者のサポートを受けつつも、本人の努力が欠かせないよね。努力する姿勢をより確かなものにするために「頑張れ」といって励ますことは有効だ、と考えているんだ。

このように、紋切り型に「頑張れはNG」と捉えるのではなく、治療につながることを本人が頑張っているときには、「頑張れ」と言ってあげることもサポートの一つになると知っておくことは大事だね。

「気分が乗らなくても行動すること」がうつ病を治すのに大事! それをサポート!

うつ病の人への接し方 まとめ

今回は、うつ病を患う人にかけてはいけない言葉を6つ選んで、その代わりの「言い換え言葉」を具体的に解説したよ。

ただ、個別具体に「これはNG」「これはOK」と覚えるのではなく、「うつ病は病気であると認めて、そのうえでサポートできることがあればお手伝いしよう」といった認識を持つことが何よりも大事なんだ。

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