摂食障害は「食の病気」じゃない?治し方と接し方をくわしく解説

2022.07.16 Sat
シンくん
案内人 シンくん
ライター
執筆 小野寺 リヒト 臨床心理士/公認心理師
摂食障害
摂食障害は「食の病気」じゃない?治し方と接し方をくわしく解説

誰だってイライラしたときや自暴自棄になってしまったときにやけ食いしてストレスを発散したり、ダイエットをしてみた経験ってあるんじゃないかな。

ストレスは心の毒になりえるから、多少のやけ食いなら適応的と言えるかもしれないね。ダイエットだって身体の健康を維持するのに必要なときだってあるよ。

けど、いつも食べ物のことばかりを考えるようになって「過食していないと落ち着かない」「痩せていない自分には価値がない」「他人に『痩せている』と言われても全然ピンとこない」などの極端な考えが出てきたら要注意。摂食障害の可能性があるんだ。

今回は、摂食障害の基本から治し方まで丁寧に解説していくよ。摂食障害を克服するためには、「摂食障害は食べることに関する病気だ」という誤解を取り除いていく必要があるんだ。摂食障害は、食べることではなく、「自信」と「コミュニケーション」にまつわる病気なんだよ。

食べるのを我慢するのが過食症の治し方…ではないんだ
 

摂食障害とは

摂食障害とは「過食する」「嘔吐する」「ほとんど食事を摂らない」などの食にまつわる症状のために日常生活に著しい支障をきたす疾患だよ。

摂食障害には主に神経性大食症神経性無食欲症の二つがあるんだ。神経性大食症はいわゆる過食症のこと、神経性無食欲はいわゆる拒食症のことだよ。

この記事では一般的に使われている「過食症」と「拒食症」の言葉を使うことにするね。

過食症も拒食症も、ともに男性よりも女性が発症しやすいとされているよ。症状が出始める時期は思春期頃が多いんだ。

摂食障害、特に拒食症は重症化すると20%の人が命を落としてしまうリスクがあると言われているよ。メンタルヘルス問題の中でもトップクラスのリスクなんだ。それだけ正しい理解と早期の対応が要となることを意味しているんだ。

摂食障害の種類

先述したように、摂食障害には大きく分けて過食症と拒食症の二種類があるんだ。それらを詳しく見ていこう。

ただ、この二つの症状は固定的なものではなく、何かの拍子に一方からもう一方へ移行することがあるんだ。拒食症だったけど、我慢しきれず好物の甘い物を食べたらそのまま過食症に転じることになった、なんてことがあるんだよ。

過食症

過食症とは、一般的に考えられる量以上の量の食事を短期間のうちに食べる「過食」が主症状である摂食障害の一種だよ。

過食はある意味では「食べたくて食べている」とも言えるし、ある意味では「食べたくもないのに食べている」とも言える非常に複雑な症状なんだ。

過食が生じる背景には何かしらのストレスがあると考えられているよ。誰だってやけ食いして嫌なことを忘れようとしたことがあるよね。原理としてはそれと一緒なんだ。だから、「嫌なことから目をそらすために食べたい」気持ちもあるよ。

けど、摂食障害は体重が増えることが何よりも恐ろしく感じる病気でもあるから、「本当は食べたくない」気持ちも同時に抱えているんだ。食べたくないのにも食べてしまうのが「病気」と言われるゆえんで、自分の力ではコントロールできなくなってしまうんだ。風邪をひいたときに「熱だけ下げよう」と思ってコントロールすることが不可能なのと一緒だね。

過食症は非排出型排出型の二つのタイプがあるんだ。非排出型は過食のみが認められるタイプで、排出型は嘔吐や下剤などを使って食べたものを身体の外に出す行為を伴うタイプだよ。

拒食症

拒食症とは痩せていることが何よりも重要に感じ、過剰なまでに食事を制限する摂食障害の一種だよ。

拒食症には制限型過食・排出型の2タイプがあるんだ。制限型とは絶食のみが認められるタイプで、過食・排出型は絶食に加え、過食と食べたものを嘔吐する行為も伴うタイプだよ。

拒食症の過食・排出型と先述した過食症の排出型は、ともに過食と食べたものを身体の外に出す行為があるのでかなり似ているね。けど、拒食症の過食・排出型は「低体重」であることと「発症してからしばらくは過食はなかった」点で区別されるよ。

摂食障害の重症度

摂食障害は症状の強さや体格指数(BMI)などによって重症度をはかることができるんだ。

過食症の場合、下記の基準で調べることができるよ。ここでいう「不適切な代償行動」とは、嘔吐や下剤の使用、過剰な運動などによって体重の増加を防ぐために行われる行動のことを指しているよ。

軽度:不適切な代償行動を週に平均して1~3回行っている。
中等度:不適切な代償行動を週に平均して4~7回行っている。
重度:不適切な代償行動を週に平均して8~13回行っている。
最重度:不適切な代償行動を週に平均して14回以上行っている。

あるいは、過食の回数によっても重症度を測ることができるんだ。

軽度:過食を週に平均して1~3回行っている。
中等度:過食を週に平均して4~7回行っている。
重度:過食を週に平均して8~13回行っている。
最重度:過食を週に平均して14回以上行っている。

拒食症の場合は、体格指数(BMI)によって重症度を調べることができるよ。BMIとはBody Mass Indexのことで、体重と身長から肥満度を表すことができる体格指数なんだ。体重㎏÷(身長m)2 によって計算するよ。

軽度:BMI≧17㎏/㎡
中等度:BMI16~16.99㎏/㎡
重度:BMI15~15.99㎏/㎡
最重度:BMI<15㎏/㎡

今日で過食嘔吐4回目…
 

摂食障害の原因

多かれ少なかれ誰でもやけ食いやダイエットをした経験はあるよね。でもそんなみんながみんな摂食障害になるわけではないんだ。では、摂食障害になる人とそうではない人を分ける原因って一体何なんだろう。

実はまだ摂食障害になる原因はよくわかっていないんだ。というよりも、様々な要因が複雑に絡み合って摂食障害は発症するので、原因を一つに絞るのは不可能なんだよ。

これから挙げていく原因も「これがあるから摂食障害になる」といった類のものではなく、摂食障害になる原因の一部だと思って見てみてほしいんだ。

体型についてからかわれた

摂食障害になった人のほとんどは、体型について何かしらの指摘を受けた経験があることが知られているよ。

「最近ちょっと太ってきたんじゃない?」といった何気ないものから、明らかに人を傷つける意図を持った言葉を言われた経験まで様々だよ。

体重が競技成績にダイレクトに関係してくる体操や水泳、バレエダンスなどのスポーツに従事している人にも摂食障害になる人は多いんだ。

体型のこと言われたらめっちゃ傷つく…
 

ダイエット

ダイエット経験も摂食障害になる原因の一つだよ。摂食障害と診断された人のほとんどはダイエットの経験があるね。

ダイエットはやれば必ず成果が出るものの一つで達成感があるんだ。でも、それは一時の話で、どこかのタイミングでいくら努力しても体重が減らなくなる瞬間が訪れるよね。

そんなタイミングで今まで我慢していたカロリーの高いものを食べるととてもおいしく感じるし、なによりセロトニンやドーパミンと呼ばれる脳内神経伝達物質が分泌されることで快楽や喜びがもたらされるんだ。このことが過食につながるんだよ。

体重が減らない苦しい時期を乗り越えたとしても、低体重・低栄養では脳が正常に機能しなくなるので、いつまでも自分が太っていると感じるようになり、拒食症につながるリスクがあるんだ。

過剰なダイエットは継続してもしなくても、ともに摂食障害の原因になり得るんだね。

対人関係上の問題

対人関係上の問題も摂食障害の原因として有力だよ。

繰り返すように、やけ食いやダイエットをした経験は誰にでもあるくらい一般的なものだよね。では、どうしてこのような経験が摂食障害発症の原因になる人もいれば、ならない人もいるんだろう。

実は摂食障害を理解するには、「発症因子」以外に「維持因子」にも目を向ける必要があるんだ。どうしてずっとやけ食いし続けなければならないのか、どうしていつまでもダイエットをし続ける必要があるのか、つまりどうして摂食障害が治らず続いているのか、を考える必要があるということだね。対人関係上の問題は、そんな維持因子の代表なんだ。

「やらないでとお願いしたことを『あなたのため』といって何度も繰り返される」
「辛い気持ちを吐き出したら『そんなことくらいでめそめそしない』と諭される」
「『絶対に100点じゃないと許さない』と結果ばかりを要求される」
「摂食障害は病気だから食べてしまうのは仕方がないといくら説明しても『少しは我慢しなさい』と怒られる」

このようなことがあると、慢性的なストレスとなり摂食障害の症状がいつまでも治らずに持続してしまうんだ。

お前のためにカラオケ予約したんだから歌えよ~
 

自信の低さ

自信の低さも摂食障害の最も大きな原因の一つだよ。

摂食障害を理解するためには自信について理解することはとても大切なんだ。自信は摂食障害の発症因子でもあり、維持因子でもあるからだよ。

もともと自分に自信がない人は、自分で自分を認めることを難しく感じるので他人からの評価をとても気にする傾向があるんだ。他人から「凄い」と言われることで、自分を保つ努力をするんだね。

ダイエットは自信がない人にとって、比較的簡単に自信をつけるのに有効に機能するよ。ダイエットによって痩せることができれば、人から「凄い」「可愛くなった」と評価してもらいやすいからなんだ。食事制限や運動などの努力がダイレクトに体重といった数字に表れるのも自信につながりやすいね。

でも他人からの評価は非常に不安定だよね。昨日まで「可愛い」と言ってくれていた人も何かの拍子に「痩せすぎて怖い」と言ってくるかもしれないし、体重だっていつまでも減り続けるものじゃないんだ。悲しいけど、ダイエットによって得られる自信は束の間の自信なんだね。

では、どうやって自信をつけていけばいいんだろう? 自分の中に残り続ける本当の自信のつけ方は「治し方」のところで一緒にみていくことにするね。

文化的背景

マスメディアが作る文化の影響も無視できないよ。

テレビをつけると痩せている女優さんやアイドルが「キレイ」「可愛い」ともてはやされているし、ファッションショーをみても、モデルさんはみんなとても細いプロポーションをしているよね。

このような「痩せているのが美しい」といった価値観は先進国の文化からきているんだ。逆に言うと、発展途上国では必ずしも痩せていることが美しさを表してはいなかったんだよ。

ところが経済が発展し世界全体が豊かになるにしたがって、発展途上国にもテレビが導入されるようになり、彼らも先進国の文化に触れる機会が増えてきたんだ。その影響か、フィジーやマレーシアなどの国々でも、それまではあまりいなかった摂食障害の患者が明らかに増えてきているんだよ。

「痩せていることが美しい」といった文化や価値観が人々に痩せることを動機づけていて、ダイエットに精を出す下地を作っているんだね。

番外編 母親が原因?

摂食障害の原因の一つに「母親」が挙げられることがあるんだ。聞いたことがある人も多いかもしれないね。

昔は摂食障害になる患者に女性が多かったことから、「母親のようになりたくなくて成熟するのを拒否しているのだろう(だから栄養のあるものを食べない)」と考えられたり「母性的なかかわりが少なかったから、食べ物を食べることで安心感を得ようとしている」と考えられたりしていたそうだよ。

もちろん、摂食障害はさまざまな要因が複雑に絡み合って生じるので、「母親との関係が強く摂食障害に影響している人」もいるかもしれないけど、それはあくまでも「その人の場合」。「摂食障害になる人はみんな母親が原因」と科学的に言えるほど直接的な関係があるわけではないんだ。

むしろ、科学的には摂食障害を治していくには家族の役割はとても重要であることがわかっていて、「母親のせい」と考えすぎることは母親に治療上の役割を担ってもらうチャンスを損なうので逆効果になる可能性もあるんだ。

「自分のせいで子どもが病気になった」なんて考えたら、支援することに自信をなくして「自分が何かすると子どもの症状が悪化してしまうのでは?」と消極的になってしまう場合もあるよね。もし自分の子どもが摂食障害に苦しんでいたら、きちんと摂食障害について理解してサポート役を担ってあげてほしいな。

かーちゃんもあんたのサポートしたいのさ
 

摂食障害になりやすい性格

摂食障害になりやすい性格があることが知られているよ。その性格に当てはまったら絶対に摂食障害になるわけでは当然ないけれど、どんな性格がなりやすいのかを知っておくことはとても有益だね。

自分の性格を把握する方法としてビッグファイブがあるんだ。これは「人には5つの特徴があり、その強弱によって性格が変わる」と考えるものだよ。

自分にはどんな特徴がどれくらいあるのかを調べる簡単な方法を用意したから、興味ある人はやってみてね。(※日本語版Ten Item Personality Inventory(TIPI-J)作成の試み 小塩 真司, 阿部 晋吾, Pino Cutrone 2012 年 パーソナリティ研究 21 巻 1 号 p. 40-52より引用)

私は自分自身のことを……

  1. 活発で、外向的だと思う(1~7で点数をつけてね)
  2. 他人に不満をもち、もめごとを起こしやすいと思う(1~7で点数をつけて、その数字を8から引いてね)
  3. しっかりしていて、自分に厳しいと思う(1~7で点数をつけてね)
  4. 心配性で、うろたえやすいと思う(1~7で点数をつけてね)
  5. 新しいことが好きで、変わった考えをもつと思う(1~7で点数をつけてね)
  6. ひかえめで、おとなしいと思う(1~7で点数をつけて、その数字を8から引いてね)
  7. 人に気をつかう、やさしい人間だと思う(1~7で点数をつけてね)
  8. だらしなく、うっかりしていると思う(1~7で点数をつけて、その数字を8から引いてね)
  9. 冷静で、気分が安定していると思う(1~7で点数をつけて、その数字を8から引いてね)
  10. 発想力に欠けた、平凡な人間だと思う(1~7で点数をつけて、その数字を8から引いてね)

項目2、6、8、9、10は、つけた点数を8から引くことを忘れないように気を付けてね。例えば項目2の問題に「3」と答えた場合、つける得点は8‐3=5となるよ。

この注意点に気を付けつつ、下記の合計点を算出してみよう。

A・項目1と項目6の合計  →外向性
B・項目2と項目7の合計  →協調性
C・項目3と項目8の合計  →勤勉性
D・項目4と項目9の合計  →神経症傾向
E・項目5と項目10の合計 →開放性

Aは外向性の特徴を表すと言われているよ。簡単に言うと活力があって社交的で自分の意見をはっきり言えるようなタイプだよ。

Bは協調性の特徴を表すんだ。簡単に言うと、人とうまくやっていくことができて、親切で、思いやりがあり、信頼されやすいタイプだね。

Cは勤勉性の特徴を表すと言われているよ。簡単に言うと 勤勉で誠実で自分を律することができるタイプだね。

Dは神経症傾向の特徴を表すと言われているよ。簡単に言うと怒り、不安、抑うつなどの負の感情を感じやすいタイプなんだ。

Eは開放性の特徴を表すと言われているんだ。簡単に言うと知的好奇心が旺盛で、感情的、美意識が高いといった知プだね。

摂食障害の患者には「完璧主義」で「責任感」が強いと同時に「心配性」な性格の持ち主が多いことが知られているんだ。なので、C・勤勉性とD・神経症傾向の項目が高い人は、摂食障害になりやすい性格である可能性があるかもしれないね。

摂食障害傾向の人のビッグファイブ例

摂食障害のチェックリスト

自分が摂食障害か気になる人もいるかもしれないね。そんな人のためにチェックリストを作成してみたよ。

このチェックリストは、摂食障害かどうかを判断する目安となるSCOFFと、精神科医の永田氏が日常の診察から得た過食症者の特徴を考慮して作成したSRSEDを元に作成したものなんだ。

オリジナルで作成したもので科学的な研究を経て作られたものではないので、あくまで目安として使用してほしいな。

「はい」の数が4つ以上だと摂食障害のリスクが可能性が高い可能性があるよ。気になる人は精神科か心療内科へ行くことも検討してみてね。

摂食障害の方との接し方

自分は摂食障害ではないけれど、身近な人が摂食障害で苦しんでいるという人もいるかもしれないね。

そんな人のために、「摂食障害を抱える人とどう接したらいいのか?」も一緒に考えていこう

コツは①「自分の感情に名前を付けたうえで伝える」、②「症状の苦しさを理解する」、③「手助けできるか尋ねる」の3つの要素を肯定的な雰囲気で伝えていくことだよ。抽象的でわかりにくいよね。具体例を挙げながら考えていこう。

まずは、上記の3つの要素がなく、否定的な雰囲気で伝えるNG例を示すね。

家族の夕食用に準備していた冷蔵庫にあった食材が過食に使われた場合…

NG例:「あなたはいつも勝手に皆の分まで一人で食べてしまう。本当に困るからやめてよ」

NG例は①の「自分の感情に名前を付けたうえで伝える」はあるものの(「困る」)②や③はないし、それにとても批判的な雰囲気だね…。

では、betterな例も見てみよう。

家族の夕食用に準備していた冷蔵庫にあった食材が過食に使われた場合…

better例:「食べ物を食べたい衝動が抑えられないのは病気だって理解しているの。とても苦しいよね。けど、家族のために用意したものがなくなっていると夕食の準備ができないことは困っちゃうの。何かお互いが困らないようにする方法はあるかな?」

betterな例は①「自分の感情に名前を付けたうえで伝える」(「困っちゃう」)、②「症状の苦しさを理解する」(「病気だって理解している」「とても苦しいよね」)、③「手助けできるか尋ねる」(「方法はあるかな?」)の3つが上手く伝えられているね。

摂食障害はなかなか理解されづらいし、この病気にかかっている人は自分に対する自信を大きく損なっていることが多いんだ。だから、3つの要素を肯定的な雰囲気で伝えていくコツを踏まえて接してあげると、相当大きな安心感につながると思うよ。今後摂食障害で苦しんでいる人とかかわるときはコツを少し意識してみてね。

3つのコツ、テストに出るぞ~
 

摂食障害の治し方

最後に摂食障害の治し方についてまとめていこう。摂食障害は自力で治すのがとても難しい病気なんだ。なのでここでは、自分で治す方法の他に、協力を求めながら治す方法についても解説していくね。

協力を求める方法

摂食障害は病気なので、医療機関や専門家の力を借りることがとても重要だよ。それだけではなく、身近な人とのかかわりもとても大切になってくるんだ。

薬物療法

精神科や心療内科で処方されるお薬を飲むことは摂食障害を治療していく上で必要なこととなってくるよ。

とはいうものの、過食や絶食といった摂食障害の目に見える症状に対して直接効果のあるお薬はないんだ。それでもお薬が必要なのは、摂食障害に伴って不安や抑うつ感が強くなるからだよ。お薬はこの不安や抑うつにアプローチするんだ。

また、拒食症でかなりの低体重になってしまった場合は、体重を戻して身体の機能を回復させるために入院治療を行うことは必須となってくるね。

認知行動療法

認知行動療法も摂食障害を治すのに効果的な方法として広く知られているよ。

認知行動療法とは、病気や悩みを持続させる理由となっている考え方のクセや行動パターンを今までとは異なったものにしていく心理療法の一種なんだ。

例えば「痩せなければ自分には価値がない」といった思考が極度なダイエットにつながって、摂食障害が維持され続けている場合を考えてみよう。この場合、思考の妥当性を検討して「価値がないって本当かな?」「痩せていることと人の価値ってどんな関係があるの?」と色々と元の思考にツッコミを入れて自分にとってストレスのない新しい思考を手に入れていくんだ。ちょっとずつ今まで避けていた高カロリーな食べ物を食べてみるといった行動も試していくよ。

認知行動療法についてはセルフ認知行動療法のやり方と“向かない人”の特徴をわかりやすく解説の記事も参考にしてみてね。

親しい人からの理解を得る

「摂食障害の方との接し方」のところでも解説したように、摂食障害は理解されづらい病気だし、この病気にかかっている人は自分で自分を責めている傾向があるんだ。

そんな思いが心の安定感を阻害し、より摂食障害の症状の維持・強化にかかわってしまうんだね。だからこそ、周囲の親しい人には自分の病気や状態をしっかりと理解してもらうように働きかけることが必要なんだ。

実際、文京学院大学の麦山氏の研究によれば、摂食障害を持つ人が他者から受容されることが、摂食障害を克服する上でとても重要なプロセスであることがわかっているよ。

身近な人の協力を得て病気を理解してもらうために、一緒に病院に付き添ってもらい、摂食障害とはどのような病気なのかを主治医から説明してもらうのも一つの手だよ。医師の説明を受けることでよりはっきりと摂食障害について理解出来るようになる人も多いんだ。

病院に連れていくのが難しい場合は、摂食障害について書かれた本を一冊読んでもらったり、この記事を読んでもらったりするのもいいかもしれないね。

摂食障害ってこんなに苦しい病気だったのね…
 

自分で治す方法

摂食障害は適切な治療的努力をすればするほど治療効果が高まる病気なんだ。どんな努力が摂食障害を治すのに求められるのかを見ていこう。

自分の素直な気持ちを表現する

もっとも大切なことの一つは、自分の素直な気持ちを表現することだよ。

摂食障害になる人は、コミュニケーション不全を抱えている人が多いと言われていて、なかなか自分の本心を人に伝えることができないことが知られているんだ。一見するととても多くの友人がいるように見える人でも、表面上合わせているだけでありのままの姿をさらせる友人はいない、なんてこともあるんだね。

本心を打ち明けることができず、他人の気持ちを優先してばかりだとストレスが溜まってしまうし、自分がどう感じているのか?といった自分の気持ちにも自信がなくなってしまうよ。このことが摂食障害の原因や病気を維持させる理由になっているんだ。

だから少しずつでもいいので自分の気持ちをストレートに相手に伝えていく努力が欠かせないよ。注意してほしいのはここでいうストレートは「むかつく」「ほっといてくれ!」と怒りをただぶつけるようなことは意味していない点なんだ。怒りは相手に「何やら怒っているんだな」は伝わるけど、一体何に怒っているのかは伝わりづらいからだよ。

怒りの感情の背景には必ずもう一つの感情があると言われているんだ。例えば「むかつく」の背景には「せっかく楽しみにしていたのに、デートを無断でキャンセルされてとても悲しい」といった「悲しみ」が隠れている、みたいにね。

ストレートに気持ちを伝えるとは、まさにこの「悲しみ」を伝えるということを意味するよ。

気持ちをストレートに伝えられたとき、人は自信を感じることができるんだ。「自信」は「自分を信じると書く」ことからも分かるように、気持ちを明確にして受け止めてもらう体験をすると、「私はこの感情を感じてもいい」「表現できる」と自分を信じられ、自信になるんだね。

気持ちを伝えることで得られる自信は、体重を減らすことによって得られる自信にはないホッと安心できる自信だよ。

「今」を大事にする

「今」を大事にする努力も、摂食障害を克服していく上で欠かせない努力になるよ。

人間が生きている時間軸は、過去でも未来でもなく「今」でしかないよね。タイムマシーンがこの世にまだ誕生していない以上、今を生きることしかできないはずなんだ。

けど、摂食障害になると「きっと○○だと思われている」「太ってしまう」など、思考が将来に向かって不安になったり、「また吐いてしまった」と過去を悔んだりする気持ちになって、これらの感情に「今」が乗っ取られてしまうんだ。

このように頭の中の世界が将来へ行ったり過去へ行ったりすることをマインドワンダリングというのだけど、とてもストレスを感じることが知られているよ。このストレスが摂食障害を維持させる原因になってしまうんだ。

マインドワンダリングを辞めるのに、マインドフルネスが効果的だよ。マインドフルネスでしっかりと今にとどまり続けるよう意識してみよう。

焦らない

はやく治そうと焦る気持ちを手放す努力も必要になってくるよ。

過食症は「過食を我慢すれば治る」とか、拒食症は「無理して食べれば治る」とかそんな単純なものではないんだ。症状が出ているのは「何かしらのストレスが背景にある」証拠だよ。だから仮に過食を我慢したり、無理して食べて体重を増やすことで良くなったように思えても、背景にあるストレスが解消されない限り、依然として病気の状態と言えるんだ。

背景にあるストレスがどんなストレスなのかの見極めには、自分や他者との関係を振り返るプロセスが大事になってくるよ。

「自分は相手に何を分かってほしい・して欲しいと期待しているのか」
「自分は相手にどんな気持ちを持っているのか」
「自分はどんな自分になりたいのか」

焦って早く治そうとするとその大事なプロセスを疎かにすることになり、一向に背景にあるストレスに気づけなくなってしまうんだ。焦らず「何かしらのストレスがあるはずだぞ」と探求する姿勢になる必要があるよ。摂食障害は必ず治る病気なんだ。これを読んだ摂食障害で苦しんでいる人が、ゆっくりとでも、必ずいつの日か克服できますように。

「今」を見つめるのにヨガもオススメ
 

摂食障害まとめ

摂食障害について、「摂食障害とは?」から「摂食障害の治し方」まで基本的な観点を細かく解説してきたよ。摂食障害になりやすい性格や、摂食障害かどうかを判断する目安にも言及したね。興味ある人は是非取り組んでみてほしいな。

摂食障害は食べることや吐くこと、絶食などが目に見える症状だから一見すると食事管理をすることで治りそうな気がするよね。けど、その背景には対人関係問題や本人の自信の低さ、コミュニケーション不全、文化的背景など様々な心理社会的な要因が絡んでいて、食事管理をしたところで治るような病気ではないんだ。

でも、摂食障害は治療的な努力をすることで必ず良くなる病気だよ。不治の病ではないんだ。周囲の協力も得つつ、自分の気持ちや「今」を大切にして、焦らず努力を続けていくことが肝要なんだね。この記事が少しでも摂食障害に苦しむ人の回復の兆しになればいいな。

まずは家族や恋人など身近な人にこの記事を読んでもらうところから始めてみてね
 

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