心理学的な「共感」の使い方って?6つの共感能力の高め方

2022.05.06 Fri
シンくん

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シンくん

共感とは
心理学的な「共感」の使い方って?6つの共感能力の高め方

「人の話に共感しすぎてしまって疲れる」
「人の話に共感できず、人間関係がうまくいかない」
「共感力が重要だって言われるけどどうすればいいの?」

そんな悩みを抱えてる人はいるかな。
「共感」はよく使われる言葉だけど、実は共感には大きく分けて「情動的共感」と「認知的共感」の二種類があることを知っている人は少ないんだ。

今回は共感の種類や歴史のほか、生活に活かせる上手な共感の使い方について心理学的な背景を踏まえて解説していくね。

共感を使いこなすコツも紹介するよ

共感の種類

まず共感の種類について解説していくね。

情動的共感

情動的共感とは、「悲しむ相手を見て自分まで悲しくなる」のように相手の感情をまるで自分の感情のように感じるプロセスのことだよ。似た言葉として情動伝染などがあり、どちらも無意識的かつ自動的に他の人と似た情動状態を体験することを指すんだ。

情動的共感に関連する脳の部位としては扁桃体や​​島、全部帯状皮質の背側部など情動に関連する部位が関与していると言われているよ。

一般的に「共感」と言われてイメージするのはこの情動的共感のことかもしれないね。

情動的共感は人のつながりを強めたり安心感を与えてくれる一方「子供やよく知っている人、自分とふるまいや社会的地位が似ている人、好ましい外見の人など特定の相手にしか生じない」「グループに属さない人を排除する行動に繋がる」といった特徴を持つよ。

『反共感論』で情動的共感について「道徳的指針として不適切である」と述べたポール・ブルーム氏は「共感が暴力にブレーキをかけることもあるが、逆に暴力に導くこともある」とも主張しているんだ。

「その気持ちわかるよ〜」と情動的共感ばかりで繋がるのは、危うい部分もあるんだね。

とくに「共感性が高くて人の気持ちを感じ取りすぎてつらい」という悩みは、この情動的共感が働きすぎていることがあるんだ。ただ、このときに感じる「この人はこう感じているに違いない」という考えは事実とは異なり「“この人はこう感じてるに違いない”と自分が思い込んでいる」ことが多いんだ。

自分の中に生じる思い込みをうまく制御しながら相手に共感するためには、次に紹介する「認知的共感」が大切になってくるんだ。

感情って伝染るんです

 

認知的共感

認知的共感とは、例えば相手が悲しんでいるときに「この人は悲しんでいるんだ」と理解するプロセスのことだよ。

認知的共感には脳の運動前野や下前頭回を中心としたミラーニューロンシステムや、内側前頭前皮質を中心とするメンタライジングシステム、側頭・頭頂結合や上側頭溝から成る他者視点取得のシステムが関連することが研究で報告されているんだ。

認知的共感は相手の表情や言葉、置かれた状況など相手の立場の情報を元に

「この人の置かれている状況はどういうものなんだろう」
「この人の立場ならこう考えるかもしれないな」

と推測するプロセスであり「同じような気持ちを味わう」情動的共感とは少し違う、論理的な能力を必要とする共感なんだ。

この状況……お前ならこう感じるだろう

共感が社会に必要な理由

「共感」への注目は年々高まっていて、共感性に関する研究論文の年ごとの発表数が2006年から2015年で2倍以上になっているなど、研究者の間でも注目されているんだ。本屋さんや広告でも「共感」の文字を目にすることは増えてきているんじゃないかな。

なぜ「共感」がこれほど注目されるようになったんだろう。この背景には「従来の情動的共感だけでは社会が回せなくなってきている」ことが関係しているのかもしれないよ。

情動的共感だけではやっていけない

社会的本能としての共感、つまり情動的共感は認知的共感とは異なり、比較的少人数の集団の結束力を高めるために用いられる機能なんだ。

関わる人が限定されていた時代ならともかく、最近はネットワークの発達をはじめとしたテクノロジーの進歩で、遠く離れた人とも簡単にコミュニケーションが取れるようになってきたよね。

多様性を尊重する社会に進んでいることも重なって、考え方の違う人や自分にとって好ましくない属性の人を目にする機会も増えていくはず。そんなとき情動的共感だけで人と繋がろうとすると、どうしても他の集団を排除しようとしたり身内びいきを強めてしまうなど、様々な問題が起きてくるんだ。

SNSで自分とは異なる集団に対して過剰に攻撃したり、有名人への誹謗中傷が相次いだりする背景にも、情動的共感の暴走が潜んでいることが多いよ。

複雑になって広がっていく社会の中で、社会的な本能である情動的共感だけでつながろうとする危険性が浮き彫りになったことも、研究者たちの間で「共感」を改めて捉え直す動きと関係しているのかもしれないね。

共感しないやつは全員敵だっ……!

「共感」テクニック初級編

次に、共感的なコミュニケーションのための方法をいくつか紹介するね。

共感の性質を利用する

一般的な共感についての項目で触れたように、共感は自分と似た人に生じやすいんだ。この性質をうまく利用して「この人は自分に似たところがあるな」と感じてもらうと「共感力がある」と思ってもらいやすいよ。

相手の声の抑揚やスピード、リズムのほか、動作やしぐさをさりげなく真似すると「共感されている」と思いやすく、親近感をもってもらいやすいんだ。人の話に耳を傾けながら真似しようとするのは大変だから、まずは相手の言葉を繰り返してみたり、簡単なことから取り組むのがおすすめだよ。

会話には音ゲーの要素がある

メタ認知能力を高める

共感力を高めるには、自分のメタ認知能力を高めるのが有効だよ。メタ認知能力とは簡単に言えば「自分の考えや感じ方についてより高い視点から認知すること」なんだ。

同じ人間である以上考え方の違いはあるものの「痛いのは嫌だ」などある程度共通する感覚はあるはずだよね。相手の考え方や感じ方を知ろうとするときには「自分の考え方や感じ方を元に、相手の考え方や感じ方を推測する」と、推測がスムーズに進むよ。

日頃から自分の考え方のクセを意識するようにすると「自分はこういうときこう感じるけど、相手はそうじゃない。立場や状況、なにが違うんだろう」と、相手を理解する助けになってくれるんだ。

メタ認知の鍛え方についてはココロジーでも詳しくまとめているから、興味があれば見てみてね。

メタ認知をわかりやすく解説!6つの鍛え方【トレーニング付き】

俺は長男だから我慢できたが、もし長男でなかったならどうだろう

 

「共感」テクニック上級編

次に「共感」テクニックの上級編として、「共感」を上手に使うための心構えについて紹介していくね。心構えについては、カウンセリング理論の中心でもある臨床心理学の知見が参考になるよ。

相手と自分の境界線を意識する

臨床心理学やカウンセリングでも「共感」は重要視されているよ。だけど臨床心理学における「共感」は「目の前の人のことはわからない」という前提に立っている、という点で一般的な共感とは異なるんだ。

現在のカウンセリング理論の中でも特に広く知られている「クライエント中心療法」を創始したカール・ロジャーズ氏は、クライエントの邪魔をすることなく自由に安心して話をしてもらうための態度として「共感的理解」の重要性を述べたんだ。

共感的理解とは「話している人の私的な世界を、“あたかも自分自身のことであるかのように”感じ取ること」と定義されているよ。ロジャーズは共感的理解について「あたかも」「かのように」の性質が失われると「同一化の状態」になってしまうと述べているんだ。

つまり「100%の共感はありえない、自分と相手の感じ方は異なる、と前提を置いた上で、できるだけ詳しく知るために近づいていく」態度こそが共感的理解ということだね。

あたかも服を着ているかのように

相手の考え方の“枠”を知る

ロジャーズ氏はクライエントを共感的に理解することについて「感情移入とか、感情移入的であるという状態は、他人の内的照合枠を正確に知覚することであり、それに付着している情動的要素や意味をも知覚することである」と述べているよ。

このままだとちょっと難しく感じるよね。簡単に言えば「感情移入(共感)するというのは、その人がなぜその考え方や判断をするのかを知ることで、そのときの感情やその人にとっての意味を知ることでもある」ということだよ。

内的照合枠」とは、簡単に言えば人がなぜその考え方や判断、感情などを持つのかの基準になる心の枠組みのことなんだ。

たとえば思わぬアクシデントが起きたとき、これまでの人生で成功体験の多かった人は「よし、自分の実力を示すチャンスだ!」と感じるかもしれないし、自信のない人は「どうしよう、不安で胸がドキドキする」と感じるかもしれないよね。

内的照合枠は、その人の元々の素質やそれまでに経験してきたことが組み合わさってできた考え方の枠組みで、様々なことがその枠組みにそって意味づけられていくんだ。

内的照合枠は個人的な経験と密接に関わっているから、ある意味その人だけ備わった主観的な世界観とも言えるよ。そのため他人には完全に理解することはできないんだ。上でも紹介した「100%の共感はありえない」という点とも重なってくるね。

ロジャーズ氏はこのような共感についての性質を踏まえ「理解しようと努め、それを伝えること」が重要だとしているんだ。

日常生活の中でも「私はあなたのことをわかってる」と上から目線にならず「あなたのことをもっと知りたいから教えてください。感じるものは違うけどなるべく近づいていきます」と気持ちや考えを伝えるようにすると、良好な関係を作りやすいよ。

僕ら決してわかり合えないから、わかろうとするんだ

共感まとめ

今回の記事のポイントは以下の3つだよ。

①共感には大きく「情動的共感」「認知的共感」の2つがある
②「情動的共感」だけで繋がるのは危ない。思いやりをもって人と関係を持つには「認知的共感」とのあわせ技が重要
③「共感」を上手に使うための心構えとして「100%の共感はありえない」という考え方が大切

共感は人間関係の基礎的な部分だからこそ、その背景や成り立ち、共感的なコミュニケーションのテクニックを知ることは人生を豊かにしてくれるよ。

今回は共感に関する研究や歴史の紹介を中心に解説したけれど、もっと具体的な悩みがある場合には下の記事も参考にしてみてね。

「共感しすぎて疲れる」などの悩みには自他境界の記事が「共感が下手、聞き上手になりたい」などの悩みには傾聴の記事が役に立つsはずだよ。

共感に振り回されず、うまく乗りこなせるといいね

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