「人はどうしてこんな行動をとるのだろう?」って不思議に思ったことはないかな?
心理学では「人が取りがちな行動傾向」に対して「特定の専門用語」がついていることがあるよ。今回はその中でも人間の闇を感じるような、ちょっと怖い心理学用語を10個紹介するね。
人は時々、理屈に合わない行動をとってしまうものなんだ。
目次
リスキーシフト
「誰か止める人いなかったの?」と感じる出来事に出会うことはないかな?
リスキーシフトとは、みんなで考えるほど、一人で考えていたら思いつかなかったであろうくらいの極論に行ってしまうことだよ。
リスキーシフトが起きる理由は主に4つあると考えられているんだ。
① 多数派の意見に引きずられてしまう。
② 極端なことを言うことで権威付けしようとしてしまう。
③ 忖度してしまう。
④ 責任の所在が曖昧。
ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺は史上最悪のリスキーシフトだね。第一次大戦後、ナチスが「不況になったのはユダヤ人のせいだ」と扇動したんだ。次第にユダヤ人を敵視する人が増えていった結果、あの最悪な事態を招いてしまったんだ。
ちなみにリスキーシフトに陥らないように、多数派にあえて反論する役割の人を「悪魔の代弁者」と呼ぶんだって。ちょっとかっこいい。
錯誤帰属
初デートには映画館へ行くのをおすすめされることが多いよね。
錯誤帰属とは、実は他のことで心臓がドキドキしているだけなのに、恋愛によるドキドキと誤って認識してしまうことだよ。ロミオとジュリエット効果とも吊り橋効果とも言われているんだ。
「周囲に認められないことがわかっているのに密会している」という背徳感や、吊り橋を渡るときのヒヤヒヤ感、ホラー映画を見た時のスリルからくる心臓のドキドキを「目の前の人を愛しているからこんなにドキドキするんだ…♡」と勘違いすることだね。
結婚式直前に「あなたがやたらとホラー映画やジェットコースターに誘ったのは、錯誤帰属狙いだったのね!」と言われないように注意してね。
内集団びいき
自分が属する集団には愛着が芽生えるよね。
内集団びいきとは、自分が所属する集団をひいきして、その他の集団に対して否定的な感情を持つことだよ。
「自分たち○○人は正直で誠実だけど、●●人は××だ」といった考えがまさに内集団びいきだね。
内集団びいきの恐ろしさは主に二つだよ。
一つ目は差別意識が身についてしまうことだね。本当はよく知らない人たちのことに否定的な感情が芽生えたら、それは内集団びいきが行き過ぎているサインだよ。
二つ目は黒い羊効果が働くことだね。黒い羊効果とは、自分の属する集団の中にいる少し異質な人を排除しようとする傾向のこと。内集団びいきが行き過ぎると、集団になじまない人を憎く感じるようになるんだ。
確証バイアス
人は自分が信じたいものを信じるんだ。
確証バイアスとは、都合の良い情報しか集めず、結果的に視野が狭まってしまうこと。バイアスは「偏り」を意味するよ。
「あいつ、絶対俺に気があるよな」って思ってた人に振られることもあるよね。その子は実は、自分の隣にいるイケメンの友だちのことを見ていただけだったりしてね。それなのにたまたま目が合ったことを「俺に気がある証拠」と捉えていたんだ。
恋は盲目っていうけど、色んなことを見えにくくするよね。恐ろしい…。
社会的手抜き
「自分一人さぼってもどうってことない」って、思うことあるよね。実は、みんな同じように思っているよ。
社会的手抜きとは、一人でやるときよりもパフォーマンスがかえって落ちてしまうことだよ。
社会的手抜きを調べた研究で、一人で綱を引いたときの力を100%とすると、二人のときには93%、八人になると、なんと49%にまで低下することがわかったんだ。
医療現場では患者さんへの投薬を間違わないために、2重、3重にチェックをしてくれているよね。そのおかげで、ほとんどの場合は正しいお薬が患者さんに投与されているよ。
だけど、社会的手抜きのために薬の取り違えが起きることもごく稀にあるんだ。取り違えによって患者さんが命を落としてしまったという悲しい出来事も過去に実際に報告されているよ。
凶器注目効果
人はストレスを感じると物事を正確に記憶できなくなるんだ。
凶器注目効果とは、凶悪な事件であればあるほど、重要な目撃証言が得られにくくなってしまうことだよ。
例えばナイフや拳銃のような明らかに危険な凶器を犯人が持っていると、そこに注目が集まってしまう。そのため、目撃証言においてより大事な情報である犯人の顔や服装にまで意識が及ばなくなってしまうんだ。
凶器注目効果が起きるほどの凶器を持っている犯人を目撃しただけでも相当怖いのに、ちゃんと顔を覚えていられなかったことも警戒心が高まるから余計に怖いよね…。
カクテルパーティ効果
どんなに騒がしい場面でも、自分の名前を呼ばれたらそれに気付けるよね。
カクテルパーティ効果とは、意識的な注意を向けていなくても自分に関係する情報への感受性が高まることだよ。
周りの人がヒソヒソ話をしていても、自分の名前を言われたらそこだけはっきり聞こえたりするよね。逆もまたしかりで、聞かれないように話しているつもりでも、相手の耳には筒抜けになっているよ。
どうしてカクテルパーティ効果が起きるのか、実はまだよくわかっていないんだ。一説では、周波数の違いや左右の耳に到達する音の時間差が関係していると言われているよ。
同調圧力
皆がやってることって、ついやってしまうよね。
同調圧力とは、自分の意志がなくなってしまうことだよ。
ユダヤ人の心理学者アッシュ氏はこんな実験を行ったよ。1本の線をモデルとして提示して、その後、3本の異なる長さの線を提示したんだ。そして「先ほどお見せした線と同じ長さはどれでしょう?」と実験の協力者に尋ねた。
もちろん、モデルと同じ長さの線は一つだけだよ。
ところが、自分以外の人みんなが正解とは異なる長さの線を指して「この線がモデルと同じです」と言い始めると、その意見に引きずられて誤った判断をしてしまうんだ。こんな風に、人は周囲の意見に流されて本来の意見とは違う意見をしてしまうことがよくあるよ。
確かに、みんなが一斉に上空を見上げ始めたとき、自分一人だけ前を見続けられる人は少ないよね。
ハロー効果
「ただしイケメンに限る」ってズルいよね。
ハロー効果とは、優れているのは一点だけなのに、他の面も優れていると勘違いしてしまうことだよ。
不動産投資に関心のある人に対して「こちら優良物件です。手付金を払ってキープしておきましょう」と、“紳士な態度”で持ちかけてくるのは詐欺師の常套手段だね。紳士な態度の裏で、その手付金をだまし取ろう考えているよ。それで何百万円もの大金を一瞬で失うこともあるんだ。
顔が良いだけのイケメンでも、他の面まで良いように感じるからある程度のことは許されてしまうんだ。
誤った関連付け
「○○する人って、××なところあるよね」みたいなセリフってよく聞くよね。
誤った関連付けとは、確率の低いものこそ大げさにとらえられ、誤った情報が流布する流れを生んでしまうことだよ。
起きることが少ない事柄は、少ないがゆえに目立ちやすいんだ。そして、その目立った事柄を引き起こした人物が何かのマイノリティだと「マイノリティ」ということも目立つので、この二つが掛け合わさると余計に目立つことになるよ。
例を挙げてみるね。
・大人になってもゲームに熱中する人は犯罪を犯しやすい。
・バイク好きにはヤンキーが多い。
・この宝くじ売り場で買うとよく当たる。
本当は「少ない事柄」×「少ない事柄」だからかなり珍しいことのはずなんだ。だけど、目立つがゆえにさもよく起きる事柄かのように感じられてしまうんだね。
まとめ
心理学にはたくさんの用語があるね。今回はよく考えると怖い心理学用語について解説したよ。今回の記事が、実際に「怖いこと」が起きないために、また起きたときの参考になったら嬉しいな。
名前の響きがやたらかっこいい中二病御用達の心理学用語まとめもあるよ。