許したくなる謝り方4選!友達や好きな人への上手な謝罪例

2022.09.16 Fri
シンくん
案内人 シンくん
ライター
執筆 浅井 音楽 臨床心理士 / 公認心理師
許したくなる謝り方
許したくなる謝り方4選!友達や好きな人への上手な謝罪例

「ちゃんと謝っているつもりなのに許してもらえない」
「許したくなる謝り方を知りたい」

そんな悩みを抱えている人はいるかな。

今回は「上手な謝り方」について、心理学的な視点から解説していくね。

上手な謝り方やそのための心構えが身についていると、人間関係を良好に維持しやすくなるだけでなく、自分の生きやすい環境づくりにも役立つんだ。それじゃあ一緒に見ていこう。

「謝る」って簡単なようで奥が深いんだ
 

謝る前の心構え

上手な謝り方を身につけるためには、まず謝る前の心構えをしっかり持っておくことが大切だよ。

心構えがない状態でなんとなく謝罪の言葉を口にしてしまうと、相手に伝わらず許してもらえなかったり、自分の心の中に「謝ったのに」と不満やイライラの気持ちが残ってしまったりと、後にも悪い影響が出てしまうんだ。

反射的に「ごめん」を繰り返さない

謝罪しなければならないような場面は多くの場合ストレスフルで萎縮してしまうものだよね。そんな苦痛が早く終わってほしいと「ごめんなさい」「申し訳ありません」などの言葉を繰り返してしまった経験がある人も多いんじゃないかな。だけど問題の焦点をつかめないまま反射的に謝罪の言葉を繰り返してしまうのは、その後に悪影響を及ぼすこともあるんだ。

「ごめんなさい」「申し訳ない」といった言葉は、言われた側の心の中に「もう同じ間違いをしないはず」と改善への期待が生まれるんだ。そのため、問題の原因や改善方法を掴めないまま謝罪の言葉を繰り返してその場を回避すると、再び同じような問題を起こして関係に亀裂を生じさせてしまうことがあるよ。

謝罪の言葉を繰り返すのを避け「〇〇だったので△△しちゃった」「次からは✕✕して気をつけます」など「失敗を理解している」「改善する気持ちがある」ことを示すことで信頼を回復しやすくなるよ。

次からは計画的に……
 

「謝る=自分の価値を下げる」ではない

謝らなければいけないときって、ドキドキや不安で押しつぶされそうになってしまうよね。そうした不安を和らげ、上手にその場を切り抜けるためには「謝ることは自分の価値を下げることではない」と認識することが大切なんだ。

自分の行動や言動の間違いを認めて謝罪することは「自分がやってきたことを否定・放棄する」ことだとも言えるよね。謝ることへの不安感や忌避感の背後には、こうした「自己否定の恐怖」が隠れていることがあるんだ。

自分が時間や労力を割いてきたことを間違っていたと認めるのはとても勇気のいることだからこそ「謝ること=自分の価値を下げる」と思ってしまったり、謝ること自体を回避しようとしようとしまうんだね。

だけど上手な謝り方を身につけるためには、考え方を変化させていくことが大切なんだ。まずは謝罪を「自己否定」や「自分の価値を下げる行為」ではなく「関係を修復したり、よりよくするためのきっかけ」と捉え直すことからはじめてみよう。謝罪を自分と相手の関係をより豊かなものにするための契機だと考えることで、謝り方のテクニックを身につけたり実践することへの抵抗感が薄れるはずだよ。

もちろんこれは自分自身の信念や譲れない部分について「謝らない」決断を否定するものではないから安心してね。自分にとってどうしても譲れない部分を認識することは自己理解を深め、自分を強くすることでもあるんだ。

関係を続けていきたい相手の間で譲れない部分があるときは思い切って「〜な考えがあって、そこは譲れない」と伝えてみてね。信頼関係が深まるきっかけになるよ。

謝るか謝らないか、それが問題だ
 

謝罪の意味や目的をはっきりさせる

上手な謝り方のためには「謝る目的をはっきりさせる」ことも大切だよ。謝罪の言葉を口にする前に、その謝罪にはどんな意味があるのかをはっきりさせよう

例えば同じ「コーヒーをこぼして相手の服を汚してしまった」という失敗でも、相手が友人なのか他人なのかによって、謝罪の意味や目的が変わってくるはずだよ。

コーヒーをこぼして相手の服を汚してしまったとき

【友人に対して】「せっかくの休日にごめん」など相手の悲しみに焦点を当て共感的に謝罪したり、弁償方法や埋め合わせなど納得できる対処を話し合ったりする

【他人に対して】「申し訳ありません」と自分のミスを簡潔に謝罪して、具体的な賠償の方法を提案する

謝罪は意味や目的を定めたうえで、適切な方法を選ぶのが大切だよ。

自分自身に責任がないクレーム対応では「ご不安でしたよね」と相手の不満に共感して落ち着いてもらうなどのテクニックも、意味や目的に合った方法を選んでいると言えるね。

ごめんなさい(交際の意思はありません)
 

許したくなる謝り方4選

次は許したくなる謝り方について、具体的な例をもとに解説していくね。謝らなければいけない場面は多岐にわたるものの、許してもらいやすい謝り方にはいくつかのセオリーがあるんだ。

①謝罪の言葉はシンプルに

謝り方の基本はなんと言っても「ごめんなさい」「すみませんでした」の言葉を明確に、かつ短く伝えることだよ。だけどこの基本は意外に難しくて、できていない人も多いんだ。

謝罪の場面の多くは、自分の責任やミスを認めなければいけない場面だよね。だけどそういう場面では「自分は悪くないと思いたい」という心の働きが活発になって、相手に許してもらいにくい言葉選びになってしまうことが多いんだ。とくに「〜したつもりはありませんでした」「誤解させてしまったならすみません」などの言葉は「自分を守っているだけ」「受け取り手の問題にすり替えている」と思われやすく、許してもらいにくいよ。

また、感情的に怒っている人は長めの言葉や複雑な内容を理解しにくくなっているから、自分が思っている以上にシンプルな言葉で謝意を示すことが大切なんだ。

ほかにも「こういう理由があったから」「そんなつもりじゃなかった」など、理由や背景を説明する言葉は相手に促されるより前に口にすると逆効果になってしまうことがあるよ。

基本的には「ごめんなさい」「すみません」などシンプルな言葉で謝罪し、相手の怒りが落ち着いてきたら「今回の原因と改善方法を考えてみたから聞いてくれる?」と相手に尋ねるようにしてみよう。

謝罪の王道はシンプルな言葉
 

②相手の気持ちを分析して、共感的に接する

謝罪の場面では「相手が何に怒っているのか分析して、共感的に接する」のも効果的だよ。

例えば「待ち合わせに遅れた」とき、相手の心情としては「待っている間不安だった」「蔑ろにされた」などの気持ちが予測できるよね。

こうした背景を踏まえて「一人で待ってるの不安だったよね、ごめん」など相手の怒りの背後にある気持ちに共感的に接してみよう。相手に「わかってもらえた」と感じられやすく、許してもらいやすくなるんだ。

晴れてほしかったよな。すまない。
 

③相手が何を求めているのかを推察して、提案する

自分に明確な非があるときの謝罪では、謝意を伝える言葉と一緒に相手が求めているものを推察して提案するのも有効なテクニックだよ。

たとえば友達との待ち合わせに遅れて映画の時間に間に合わなくなってしまったときなど、「遅れてごめん」と素直に謝った上で「待っててくれてありがとう。まだ入れるか聞いてみようか? それとも次の回にしようか」提案をセットにすると、相手も「軽く考えているわけじゃないんだな」と感じやすく、許してもらいやすいんだ。

仕事上のミスの場合も、再発防止策を提案するなど「事態を重く捉え、改善しようとしている」ことを示すのが、許してもらいやすい謝罪のポイントだよ。

次はもっとイカした服で来ます
 

④感謝を伝える

最後に、謝罪をチャンスに変えるためのテクニックを紹介するね。謝罪のときには「ごめんなさい」「申し訳ありません」といった言葉はもちろん、感謝の言葉を添えることでより良い印象を持たれやすくなるんだ。

「気持ちを伝えてくれてありがとう」
「遅れてごめんね。待っててくれてありがとう」

このように感謝を伝えることで「ただ形ばかりの謝罪を繰り返しているだけじゃないか」と思われるのを回避できるうえ、相手の自己効力感を刺激することで「許してあげよう」と思ってもらいやすいんだ。

このテクニックは仕事の場面でもプライベートでもとても有効に働くよ。感謝の言葉を挟むタイミングは慣れが必要だから、最初のうちは既に許してもらった事柄について「あの時はありがとうございます」と触れる、などのやり方からはじめてみよう。

あのとき助けていただいた猪です
 

「謝り方」のコツまとめ

上手な謝り方のポイントは以下の3つだよ。

①:謝る前に「謝るのは自分の価値を下げる行為ではない」「謝るのは関係を修復するため」と謝罪の意味や目的を確認する
②:許してもらいやすい謝り方の基本は【シンプルな謝罪の言葉→相手の気持ちに共感→改善や補償の提案】
③:謝罪の言葉だけでなく、感謝の言葉を挟むことでより許してもらいやすく、関係を修復しやすくなる

絶対に失敗しない完璧な人がいない以上「謝らなければいけない場面」というのは誰の人生にも起きるものだよね。だからこそ「上手な謝り方」を知ることは人生の満足度を高めるうえでとても大切なんだ。今回紹介した「上手な謝り方」は、どんな場面でも活用できる汎用性の高いスキルだから、ぜひ意識して身に付けてみてね。

特にパートナーとの関係の中で使える上手なコミュニケーションの方法を知りたい人は「夫婦・カップル喧嘩の上手な仲直り方法(一部有料記事)」も参考にしてねみてね。

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