「頭の中がごちゃごちゃしてスッキリしない」
「何から整理したり手をつけたりしていいのかわからず疲れてしまう」
そんな悩みを抱えている人も多いんじゃないかな。
「頭の中がうるさい」悩みは、脳や身体の疲れといった環境的なものからADHDといった器質的なものまで、幅広い要因によって生じるよ。大切なのは、要因に応じた早め早めの対策なんだ。
今回はそんな「頭がごちゃごちゃするときの対処法」について、心理学的な観点から解説していくね。ADHDに悩む人も取り組みやすい対策を紹介していくから、一緒に見ていこう。
目次
頭の中がごちゃごちゃする理由って?
頭の中がごちゃごちゃしてしまう理由は大きく分けて「ノイズになる情報が多い」「脳の働きが弱まっている」の2つがあるよ。
ノイズになる情報が多い
身の回りにノイズになる情報が多いと、頭の中がごちゃごちゃして考え事に集中できなかったり、やるべきことに手がつけられなかったりしてしまうんだ。
ここでいう「ノイズになる情報」とは床のごみやデスクトップに散乱したファイルといった視覚的なものや未完了のタスクなどの様々な「未整理の情報」のことだよ。
身の回りにあふれた未整理の情報は知らず知らずのうちに脳の処理機能を圧迫して、脳のパフォーマンスを下げたり疲れやすくさせてしまうんだ。
ノイズになる情報が溢れていると、必要な情報を拾い上げる脳の疲労を回避するために決断を先延ばしにしてしまうんだ。先延ばし癖がある人の背景には、こうしたノイズになる情報の多さが影響していることがあるよ。
ADHDやうつ症状などにより脳の働きが弱まっている
脳の前頭葉の働きが弱まっているときも「頭の中がごちゃごちゃする」感覚になりやすいよ。前頭葉は論理的思考や情報の整理整頓といった働きを司る部分なんだ。
たとえば発達障害の一種であるADHDの人は、この前頭葉を活性化させるドーパミンという神経伝達物質を運ぶ働きが生まれつき弱いために、注意を向けたり集中したりするのが苦手になっていると考えられているよ。発達障害について詳しく知りたい人は下のリンクも見てみてね。
すぐにできる「頭の中のごちゃごちゃ」対処法
次に、すぐにできる頭の中のごちゃごちゃへの対処法を解説していくね。対処法の核になるのは「身の回りのノイズを減らす」ことだよ。ノイズの減らし方を知っておくことで脳の混乱や疲労を防げるうえ、自分が生きやすい環境作りにも役立ってくれるんだ。それじゃあ一緒に見ていこう。
タスクを「見える化」する
頭の中がごちゃごちゃする主な理由は「なんかやらなきゃいけない感じのやつ」が多すぎるからなんだ。人の頭の中はメールの返信や書類の記入、ゴミ出しから買い物までたくさんの「なんかやらなきゃいけない感じのやつ」が詰め込まれていて、容量の限界や疲れによる機能低下が起きたときに「頭の中がごちゃごちゃする」状態になってしまうよ。
そんなときはごちゃごちゃなタスクをそのまま一つ一つメモに書いて「見える化」してみよう。
例:指示を受けた時点で「【〜◯月◯日締切】〇〇さんに△△の連絡」とメモを作り、見える所に貼る
このように「見える」メモに記憶を外注することで、脳の負担を分散できるんだ。
タスクを細分化し「今自分がやるべきこと」をしぼる
「見える」メモが作れたら、次にメモの内容を細分化していくよ。
物事を細分化していない状態だと「完成or未完成」でしか把握できず、必然的に「終わっていないタスク」が多くなって思考を圧迫してしまうんだ。だからタスクを細分化し「今は気にしなくていいこと」を増やすのが大切だよ。
まずはタスク完了までの工程をチェックリスト形式に分解して「自分のターン」と「相手のターン」に分けることから始めてみよう。すると「今は相手の行動待ちなので気にしなくていい」ことが増え、脳の疲労を大幅に減らすことができるんだ。細分化のコツは「ちょっと過剰に感じるくらい工程を細かくすること」だよ。
【例:プレゼン資料作り】
□資料集め、情報分析
□クライアントの会社の規模を把握する
□クライアントの要望を理解する
□情報を持っている人へ相談、データを送ってもらう依頼をする
□返信待ち(相手のターン)
□下書き作り
□プレゼン全体のストーリーを考える
□クライアントの要望に合ったストーリーになっているか上司にチェックしてもらう
□上司の返事待ち(相手のターン)
□資料作成
□全体の目次作り
□目次に沿ってページを作る
□レビュー
□誤字脱字の確認
□文章量は適切か確認
□上司にチェック依頼
□上司の返事待ち(相手のターン)
□プレゼンのリハーサル
周囲の人にタスクを伝える
「今から〇〇に取り掛かります」「今〇〇をやってるんです」と周囲の人に自分の取り組むタスクを共有するのも効果的だよ。他の人に聞いてもらうことで「あれどうなったの?」と確認してもらえたり、自分の中の意識付けが強まって忘れにくくなるんだ。
やりすぎなくらい「確認」をする
「あれやっといて」「なるべく早くお願い」など、曖昧な指示は頭の中を圧迫してごちゃごちゃさせてしまうんだ。曖昧な指示を受けたときはなるべくその場で指示内容や期日を確認し、目に見えるメモを残しておこう。
「あれよろしく」→あれって◯◯のことでしょうか? 期日はいつまでですか?
「なるべく早くお願い」→今の進度だと◯曜日くらいに仕上がりそうですが、それでいいですか?
話しながらメモを取るなど、マルチタスクの苦手さがある場合は「恐縮ですが確認のために今お話いただいたことをメールいただけますか?」など、目に見える形で情報が残るようにお願いするのも大事だよ。
ゆっくり進める「頭の中のごちゃごちゃ」対処法
最後に、ADHDに悩む人も取り組みやすい、頭の中のごちゃごちゃをやわらげる「ゆっくり進める対処法」について解説していくよ。
日常の「選択」を減らす
人にとって何かを選択したり決断したりするのは、とてもエネルギーが必要なことなんだ。頭の中がごちゃごちゃしてしまいやすい人は、日々の生活から「選択」の回数を減らすことでエネルギーの消耗を抑え、快適に過ごせるようになるよ。
選択を減らすためには、以下のような方法が有効だよ。もちろん、服や食べることなど自分が好きなものを増やすのも精神的な健康には大切だから、人それぞれ減らすべきものは違っているんだ。自分は何を大切にしているのかを見つめ、自分の人生に必要なものを見極めていこう。
【「選択」の減らし方】
「物を捨てて、目に映る絶対数を減らす」
「物の定位置を決め、探さなくていいようにする」
「服や食べ物など、少数精鋭のお気に入りをローテーションして決断の回数を減らす」
情報を「見える化」していく
すぐできる対処法でも触れたように、いつでも「見える」メモに記憶を外注すると、脳の負担を減らすことができるんだ。
大きめのカレンダーやホワイトボードに予定やタスクの締切日を書き込んで、いつでも見えるようにする習慣を付けていこう。他にも出かける前の持ち物チェックリストやゴミ出しの日を玄関ドアに貼ったりするのも、記憶の外注だけでなく忘れ防止を兼ねていて効果的だよ。
自分のSOSサインを知る
パフォーマンスが発揮できなかったり、なんだかモヤモヤするときには身体や行動の異変に意識を向けてみよう。以下に脳や身体のSOSサインを出しているとき起きがちな異変の例をまとめてみたよ。
【脳や身体のSOSサイン】
・コンビニでカゴいっぱいにものを買う
・口内炎やにきびができやすくなる
・目がチカチカする
・関節痛や筋肉痛に似た痛みがある
・寝付きが悪くなる
・お風呂に入らなくなる
・身だしなみに気を使えなくなる
・趣味が楽しめなくなる
こうした異変は心や身体のSOSサインであることが多いんだ。サインに気づいたときはなるべく早く専門機関を受診してみてね。専門機関の受診については下の記事で詳しく解説しているよ。
自分の特性を観察、記録する
上のSOSサインと同じように「自分が調子が良かったとき」の時間帯や作業内容、そのときのタスクの状況などを観察し記録しておくと、自分が生きやすい環境づくりに役立つよ。
「午前中に資料作りをしたときは普段より早くできた。自分の場合は午前中に頭を使う作業をまとめたほうが良いみたいだ」など、自分がパフォーマンスを発揮できた状況を記録していくことで、自分の向き不向きがわかり、スケジュールを組み立てるときの助けになってくれるんだ。
他にも「寝る前にスマホじゃなくて本を読んだ日は寝付きがよかった」など、生活の中であった「よかった瞬間とそのときの状況」を記録していくのもとても効果的だよ。自分固有の特性を理解し記録していくことで「自分の取り扱い説明書」ができてくるんだ。記録と実践を通じて自己理解が深めていくことで、自然と自分らしく快適な生活ができるようになっていくよ。
頭の中がごちゃごちゃするときの対処法 まとめ
今回の記事のポイントは以下の3つだよ。
①:頭の中がごちゃごちゃするのは主に「ノイズになる情報が多い」から
②:ノイズになる情報を減らすには情報の「見える化」と「細分化」が重要
③:自己観察を通じて、自分の限界や得意な環境を理解し、形作っていくのが大切
自分らしさを発揮してのびのびと生きていくためには、自分自身の特性を知り、適切に対処していくことが大切なんだ。「頭の中がごちゃごちゃする」という苦しさも、適切に向かい合うことができれば自分自身を深めるチャンスになってくれるよ。1人で立ち向かうのはとても大変なことだから、困ったときは専門家の力を借りることも検討してみてね。きっと力になってくれるはずだよ。