「他人に迷惑をかける、怒らせることがすごく嫌で引きずります。苦しいです。」の相談内容詳細
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いまストレスを感じている「出来事」を事実ベースで抜き出してみてね。
「いつ・どこで・誰が・何を」を意識するのがコツだよ。
- 最近というか、ずっとそうではあるが、仕事で何かミスをするとミスの内容より「他人に迷惑をかけた」ことにフォーカスしてしまう。ミスの内容の善し悪しとかは二の次になってしまって、その後のことが手につかなくなる。そのことばかり考えてしまう。
- 「1」についての「感情」を%で表現してみてね。合計で100%にならなくても大丈夫。直感で書いてみよう。
- 罪悪感100%
- 「1」について浮かんでいる「考え」を教えてね。
- 他人に迷惑をかけた、怒らせた事実に苦しくなってテンションが下がる。
頭ではちゃんとミスの内容を分析して繰り返さないようにフィードバックすることが大事というのは分かるのだけどそれより他人への迷惑ばかり考えてしまう。
迷惑をかけた人からの評価が下がる事が苦しいのかも。
もうダメだ私なんか価値がない、怒られて当然と負のループで落ちるところまで落ちて苦しむ。
逆に苦しまなくちゃダメ、必要なことと思う。
そういう時は他人に怒られてひたすら謝る夢を見る。 - いろんな視点から捉えるために、上記の回答の「別の可能性」を考えてみよう。
- その後直接迷惑をかけた人と話すと案外最後はサラッといつも通りの反応だったりする。
気にしすぎなだけかも。
大事なのはミスから学んで今後の行動で示していくこと。
そうすれば評価も上がるかも。 - いま専門家に聞いてみたいことは?
- 自分に自信がなく他人の評価に敏感だと思うが、どうすれば自分に自信がついて他人のことが気にならなくなるでしょうか?
- 年齢、性別、職業
- 36歳、女、病院勤め
- 既往歴
- やや対人恐怖気味なところがあると思います。
- 悩みの内容の自由記述
- ガツガツ来る人、性格的にキツい人は怖くて構えてしまいます。迷惑をかけた人が構えてしまう人だとさらに落ち込みます。
自分史はまだありません。
※ プライバシー保護のため、ご質問の一部を編集部で変更している場合がございます。
「他人に迷惑をかける、怒らせることがすごく嫌で引きずります。苦しいです。」への回答
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りるりる さん、ご相談をよせてくださりありがとうございます。臨床心理士・公認心理師の小野寺です。
「他人に迷惑をかけた」ことに強い罪悪感を感じてしまい、そして罪悪感を感じている間、他のことに手がまわらなくなるのですね。
りるりる さんが記載されている通り、正直私も「大事なのはミスから学んで今後の行動で示していくこと」が大事だし、「そうすれば評価も上がる」と思いますが、「他人に迷惑をかけた」出来事があってからしばらくの間は、とてもそういう風には思えませんよね。
でもせっかく【考えとは別の可能性】として素晴らしいアイデアを書いてくださったのだから、「とてもそういう風には思えないよ…」と諦めるのではなく、どうしたら「その後の行動で示そう」と少しずつ思えるようになるのか。それを一緒に考えていきたいなと思います。
そのためには、まず、どうして「ミスの内容より『他人に迷惑をかけた』ことにフォーカスしてしまうのか」を考えていくことが大事なような気がします。
りるりる さんがどういうミスをどれくらいの頻度で誰に対してしてしまったのかなど、実際のところはわからないので推察の域を出ませんが、「迷惑をかけたことそのもの」に焦点があたってしまうのは、過去の影響が大きいように思えます。
非公開ですので詳細は書きませんが、 りるりる さんは幼いころ(10歳)いわれのない被害を被りました。この出来事は りるりる さんには一切悪いことをしていないのに起きてしまった出来事でしたよね。
おそらく りるりる さんも悪いことをしていない自分がどうしてこんな目に遭わなければならないのかとても疑問に思っていたことと思います。
ですが、この疑問は一向に解決することはありません。 りるりる さんがどうしてこんな被害を受けなければならなかったのか、その答えは誰も持っていないからです。多分、 りるりる さんの加害者ですら答えを持っていません。子どもはときとして、それくらい無邪気に残酷になれるのです。
いくら考えても答えが出ない事柄に対して、人は非常に弱い生き物です。疑問を疑問のまま抱え続けることがなかなかできないのです。漠然とでも「きっとこういう理由なのだろう」と何かしらの答えを出しておかないと、人は非常に大きなストレスを感じるからです。
りるりる さんもきっとそうだったんではないでしょうか? 99%「自分は何も悪いことをしていない」と信じていたけど、1%「もしかしたら自分に非があるのかもしれない」。仮にそのように感じていたとしても、まったく不思議ではないのです。
この1%の懐疑が、今も心のわだかまりとして残っているように感じます。「ガツガツ来る人、性格的にキツい人」が怖いとのことですが、よくよく考えると、 りるりる さんの加害者もこんな人でしたね。「やや対人恐怖気味なところがある」はこのわだかまりの一つの表れかもしれません。だから今でも加害者に似た人が怖いのでしょう。
ミスを犯すことは、 りるりる さんにとって、そんなわだかまりを刺激するきっかけになります。何かしらのミスをすると、それは内容に関係なく りるりる さんにとっては「自分に非がある証拠」となり、だから過剰に「他人に迷惑をかけた」ことに強い罪の意識を感じてしまうのだろうと思うのです。
ですが りるりる さん。人に迷惑をかけることなんて誰にでもあることです。使い古された言い方ですが、人は支え合ってしか生きていけないのですから。「お互い様」なのです。
りるりる さんが誰かに迷惑をかけたとしても、それは りるりる さんが「過去に被害に遭うべくして遭った人」の証明にはなりません。だから安心してくださいね。
以上、どうして「ミスの内容より『他人に迷惑をかけた』ことにフォーカスしてしまうのか」を考えてきました。その理由は「被害に遭うべくして遭った人の証明」になっているように感じるからなのかもしれません。
では次は「どうしたらそのフォーカスをぼやけさせることができるか」を考えていきましょう。つまり、どうしたら迷惑をかけたことの罪悪感から少しでも早く抜け出せるのか、を考えたいのです。
ここで設定したい目標は「他人に迷惑をかけたこと」に当たっている焦点を、「ミスの内容」に移すことです。こちらに焦点を移すことができれば【考えとは別の可能性】に書いてくださったように「大事なのはミスから学んで今後の行動で示していく」「そうすれば評価も上がる」につなげられるからです。
とはいえ、そんなこといきなりできるはずがありませんよね。
ですから、まずは淡々と「どんなミスをしたか」、その事実だけを何か一冊のノートかスマホのメモ帳などに記載していくことから始めてみませんか? この段階ではまだ「ミスの内容を分析」する必要はありません。ただシンプルに事実を記載するだけでOKです。
しばらく記録を続けたら、今度は時間と心に余裕があるときにその記録を見返してみてください。なお、記録を見るときは、次の2つのステップを踏んでいただけると助かります。
一つ目のステップは、「このミスを自分がされたらどれくらい迷惑だろう?」を考えてみる、です。もし自分ではなかなか客観的に見れないのなら、パートナーに「これあなたがされたことって想像したら、どれくらいムカつく?」と聞いてもいいかもしれません。
このステップの目的は「案外人が怒るようなミスはしていないと気づく」ことにあります。もし りるりる さんが周りの逆鱗に触れるほどのミスを繰り返すような人であったのなら「迷惑をかけた人と話すと案外最後はサラッといつも通りの反応だったりする」なんてことはないと思うんです。きっと思っているほど、重篤なミスはしていないはず。それを改めて客観的に振り返るのはとても重要かと思います。
しかし、中には「やってしまった…」と強く後悔するようなミスもあるかもしれません。もしそういうミスがあったのなら、次のステップに移ります。
二つ目のステップは「後悔の残るミスに関しては、同じミスを繰り返さないよう、そのミスの内容を分析する」です。ここで初めて「ミスの内容を分析」するわけですね。
このステップの目的はもちろん、「ミスから学んで今後の行動で示していくこと」「評価を上げること」です。
「あのミスもこのミスも繰り返さないようにフィードバックしなきゃ」と思うとしんどいですよね。けどこの方法なら一つ目のステップの段階で分析すべきミスとそうではないミスの選別が出来ているはずですので、分析・フィードバックも想像しているよりも大変ではないと思います。
以上、「他人に迷惑をかけたこと」に当たっている焦点を、「ミスの内容」に移す方法を考えてみました。もし少しでも参考になるところがあったなら、是非記録をつけるところから始めてみてくださいね。
最後にまとめをしていきたいと思います。
りるりる さんはミスの内容より「他人に迷惑をかけた」ことにフォーカスしてしまうわけですが、それは過去の理由なき被害体験が影響している可能性があります。
当時の被害は正真正銘 りるりる さんに非はなかったのですが、被害に遭ったその事実から「もしかしたら自分に非があるのかも?」と僅かながらの懐疑を抱いてしまったのだと思います。もしそうだったとしても、それは りるりる さんの問題ではありません。人間誰しもにそういった傾向はあるのです。
ですがこの懐疑のゆえに、何かミスをして人に迷惑をかけると「被害に遭うだけの非があった証拠」と感じてしまうのかもしれません。だから内容がどうであれ、迷惑をかけてしまったことそのものが怖いのです。
しかし、人に迷惑をかけたって、それは被害者になっても仕方がない証拠では絶対にありません。誰だって迷惑をかけるのです。迷惑をかけることが被害に遭ってもいい理由になるなんて絶対におかしいです。
今後 りるりる さんにはこのことを念頭に置きつつ、少しずつ「ミスの内容」の方に焦点づけしていくことを意識していってもらえたら嬉しいです。いきなり内容に焦点をあてるのは難しいので、まずは「どんなミスをしたか」といった事実を書き留めるところから始めてください。
ミスの内容を分析してフィードバックするのは、もう少し後で全く問題ありません。フィードバックするまでのステップは先述した通りです。是非試してみてくださいね。
りるりる さんがたとえミスをしても、そこから学んで今後の行動で示していくことができるように応援しております。「頑張ってください」とは言いません。できることから取り組んでみるだけで結構です。
最後までお読みいただきありがとうございました。