なんてことない言葉でも、英語だとちょっとかっこよく感じる。そんなことってあるよね。
心理学で使われる言葉の中にもつい「かっこいい!」と言ってしまうような専門用語がいくつもあるんだ。
今回は、思わず誰かに教えたくなっちゃうような響きのかっこいい心理学用語の中から『〇〇効果』に絞って紹介するね。
目次
アンダーマイニング効果
「趣味は仕事にしないほうがいい」なんて言葉を聞いたことはあるかな。
アンダーマイニング効果とは簡単にいうと「お金などの報酬をもらうことで、それまであったやる気が弱まってしまう効果」なんだ。
下に例をあげてみるね。
・イラストを描くのを趣味にしていたが、友人に依頼されて報酬をもらってから、報酬なしでは描きたくなくなってしまった。
・掃除機を動かすのが楽しくて掃除をしていた子どもにお駄賃をあげるようにしたら、お駄賃なしでは掃除しなくなってしまった。
アンダーマイニング効果は「自分がやりたいからやっている」というやりがいが目的だったのに、他の人によって目的を報酬にすり替えられてしまうことで起きると言われているよ。
アンダーマイニング効果とは反対に、賞賛や期待などの言語的な報酬を与えることでその人の内発的な動機付けがされ、モチベーションが上がることをエンハンス効果というんだ。
仕事や趣味などについてやる気を失わせたくないときには、その人自身が選んでやっているんだ、という気持ちを強めるように言葉かけをすることが大事だよ。
ウィンザー効果
ネットショッピングで、商品そのものの紹介よりそれを買った人のレビューのほうが信用できるような気がする、なんてことはよくあるよね。
ウィンザー効果とは「何かを直接伝えられるよりも、第三者から間接的に伝えられた方が信憑性が高まる」ことをいうよ。
これを応用しているのが飲食店の口コミサイトなどのレビューサイトだね。
人間関係の中でも、直接相手を褒めるよりも共通の知り合いを通じて間接的に褒め言葉を伝えたほうが効果的だと言われているんだ。
ヴェブレン効果
ヴェブレン効果とは「見せびらかすための商品は、価格が高いほど需要も高まる」効果のことをいうよ。これは別名「有閑階級の理論」とも呼ばれるんだ。
有閑階級とは、実用のためよりも見せびらかすためにお金を使う人たちのことを指す言葉だよ。
ブランドロゴが入っているだけのTシャツなどが思っている以上に高額なのは「それにわざわざお金を使っているのを見せること」自体に意味があるからなんだね。
カリギュラ効果
「押すなよ。絶対に押すなよ」と言われるとむしろ押したくなる。周囲に反対される恋愛ほど夢中になっちゃう。そんな経験がある人もいるんじゃないかな。
カリギュラ効果は簡単に言うと「ダメ」と禁止されるとやりたくなってしまう心理のこと。
映画「カリギュラ」が、その残酷な内容からボストンで上映禁止になったことが話題を呼び、かえって連日満員になったことが由来と言われているよ。
「痩せたい人以外は絶対に見ないでください」のような広告も、カリギュラ効果を利用していると言えるね。
ゴルディロックス効果
お昼ごはんに定食を食べようと思ったとき、下のようなランチメニューだったらどれを選ぶかな。
最高級 松定食:1500円
おてごろ 竹定食:1000円
格安 梅定食:500円
このような選択肢が与えられたとき、多くの人は真ん中の竹定食を選ぶんだって。
ゴルディロックス効果とはこうした「真ん中のちょうどいい価格のものを無意識に選んでしまう」効果のことだよ。
ゴルディロックス効果はマーケティングなどでよく使われていて、いちばん売りたい商品の横にそれより安いものと高いものを並べておく、という形で利用されていることが多いよ。
ゴルディロックスの語源は童話「3びきのくま」に登場する女の子の名前から。
くまの一家が暮らす家に入ったゴルディロックスは、くまたちのために準備されていた3杯のお粥の中から熱すぎず冷たすぎない「ちょうどいい」温度のお粥を飲んでしまったことに由来すると言われているよ。
ザイアンス効果
ラジオやCMで繰り返し聞いた曲をいつの間にか好きになっていた、なんて経験はあるかな。
ザイアンス効果とは、わかりやすく言えば「特定の人やものに接する回数が増えるほど好印象を持つようになる現象」のことだよ。
テレビで同じCMを集中的に流したりするのも、この効果を狙ったマーケティングだと言われているね。
SNSでよく反応をくれる人に好意的になっちゃうなんていうのも、ザイアンス効果が働いているのかもしれないね。
サンクコスト効果
「iPhoneに変えてみたいけど、これまでAndroidで買ってきたアプリがたくさんあるしなぁ…」
そんなふうに考えて結局同じ機種にしちゃうことってあるよね。
サンクコスト効果とは簡単に言うと「これだけのコストをかけたんだから今更やめられない」という心理のこと。
毎号パーツがついてくる雑誌や継続利用でランクが上がる会員特典…この効果を利用したマーケティングも探してみるとたくさん見つかるよ。
シャルヴァンティエ効果
「しじみ70個ぶんのオルニチン」「レモン50個ぶんのビタミンC」こんな広告を目にしたことはあるかな。
こういう広告で使われているのが「シャルヴァンティエ効果」なんだ。
シャルヴァンティエ効果とは「ある対象は、視覚的なイメージによって認知される」という効果。
たとえば重さ1キロの羽毛布団と重さ1キロのダンベルがあったとき、人はダンベルのほうが重いと感じることが多いんだ。
ダンベル=重いというイメージを持っているから、その視覚的イメージに印象が引っ張られてしまうんだね。
「オルニチン25mg」「ビタミンC1000mg」と書かれても直感的にわかりにくいけど、しじみ70個やレモン50個のほうが視覚的に「たくさんある」って感じがするよね。
バーナム効果
占いサイトなどで自分にぴったり当てはまる結果が出ると、つい驚いちゃうよね。
もしかしたらその背後にはバーナム効果の働きがあるのかも。
バーナム効果とはわかりやすく言うと「誰にでも当てはまる記述を、自分に当てはまる内容だと思い込んでしまう現象」のことだよ。
たとえば下の文章についても「自分に当てはまっている!」と思うんじゃないかな。
・あなたは活かしきれていない才能がある
・あなたは社交的なときもあるが、内向的で遠慮がちなときもある
この効果は特に星座占いや血液型占いなど、占いの分野で多く使われているよ。
試しに一度、自分のではない血液型占いの本を読んでみると面白いかも。
フォールス・コンセンサス効果
フォールス・コンセンサス効果とは、直訳すれば偽の(フォールス)合意(コンセンサス)となるよ。偽の合意効果…日本語にしてもまだちょっとかっこいいなんてすごいね。
これは簡単に言うと「自分の意見や考え、行動が常に多数派でありかつ正常であると思い込む」効果のこと。
この効果は「周囲の人も自分と同じように考えるだろう」という認知の偏り(バイアス)や、実証的なデータが少ない場合によく生じるとされているよ。
「よかれと思ってやったことで相手に迷惑をかけた」なんてことにもフォールス・コンセンサス効果が働いていると言われているよ。
「自分がよかれと思ってやることは相手も嬉しいはずだ」という思い込みをしてしまったということだね。
こうしたフォールス・コンセンサス効果によるトラブルを避けるためには日頃から「お互いがどう考えているのか」や「なにを求めているのか」について話し合っておくことが大切だよ。
中二病心がざわつく心理学用語は見つかったかな?
本当は怖い心理学用語特集もゾクっとできて面白いから、興味があったら読んでみてね!