「嘘」には誰かを騙したり、陥れたりする「人を傷つける嘘」もあれば、誰かを助けたり、人間関係を円滑にするための「人を守る嘘」もあるよね。
でも、何のメリットもないのに、つい小さな嘘をついてしまう人もいるんじゃないかな? 例えば、すぐ相手を期待させるようなことを言って、結局は実行しなかったり…。すぐバレる嘘なのに、なぜかついてしまうんだよね。
この記事では、一緒に反射的な嘘をついてしまう要因を探っていくよ。
目次
嘘をつく人の特徴
反射的に嘘をつく癖には、幼少期の環境が関わっているケースが多いんだ。だからまずは、嘘をついてしまう人にはどんな特徴があるのかを一緒にみていこう。
親がよく嘘をついていた
日ごろから親がよく嘘をついていると、子供ながらに「嘘はついてもいいもの」と思ってしまいやすいんだ。
例えば、親が「テストでいい点を取ったらゲームを買ってあげる」と言ったからテスト勉強を頑張ったのに、実際のところゲームを買ってもらえなかった…。
そんな経験がある人もいるんじゃないかな?こういう経験をすると、「何かあったら嘘をついてもいい」と思い込んでしまうよね。
親が失敗を許してくれない環境で育った
テストで悪い点を取ると親に怒られた経験をした人もいるんじゃないかな? 何を頑張っても「ダメ」と言葉にされてしまうと、正直に伝えるたびに傷ついてしまうよね。
だから長期的な視点が持てなくなって、「嘘をついてその場を乗り越えよう」と思ってしまうよ。「あれもダメ」「これもダメ」と親から言われることで、親に許してもらうために嘘をつく癖がついてしまうんだね。
その考えが大人になってからも抜けない人は多いんだ。
親に関心を持ってもらえなかった
幼少期に「親は自分に興味がないんだ」と感じてしまった経験はないかな?この気持ちが芽生えると「どうにかして親の興味を引きたい」と思ってしまうよね。
そこで「今日は学校で自分だけ先生に褒められた」などと嘘の話をして、親の興味や関心を引こうとしてしまうんだ。「自分のことをもっと見てほしい」と思うことは自然なことで、わがままじゃないよ。
とくに、嘘をついた話に限って親の反応が良いとなると、「これで構ってもらえる」と安心しちゃうんだよね。
出来ない自分を認めることができない
自分に対してのハードルが高いと、「何でこんなこともできないんだろう」と苛立ってしまうよね。出来ない自分を認めることができないと、その事実を隠したくなるんじゃないかな?
だから仕事場や友達との会話で「出来る自分」をアピールするために、つい自分を大きく見せる嘘をついてしまう。そうなると、自分で自分の首を絞めることになって、苦しい状況が積み重なってしまうよ。
嘘をつかざるを得ない環境で適応させられてきた経験をしたこと
学生時代にいじめなどが原因で、「今は嘘をついた方がいい」と直感的に感じることもあるよね。そうしないと自分を守れない状況の嘘は、きっと悪い嘘じゃないと思うんだ。
ただ、一度嘘をついてしまったがために、ずっと嘘をつきづつけなければいけなくなってしまって、しんどい思いをしてないかな?
自分を守るためについた嘘で自分の心が傷ついてしまう。そんな自分に嫌気がさしてしまうかもしれないけど、嘘をついた自分を責めすぎる必要はないんだよ。
嘘をつく人の心理
嘘をつく人の特徴を知ると、環境がかなり原因になっていることが分かったよね。過去の記憶はそう簡単に薄れるものではないから、その癖が抜けないのは仕方がないことなんだ。
さっき紹介をした特徴を持つ人は、どういう心理で嘘をついてしまうんだろう。ここから一緒にみていこう。
自分の器を大きく見せるための嘘
今の自分を認めてあげることができないと、「こんなの本当の自分じゃない」と思ってしまうこともあるんじゃないかな?そういう気持ちを抱いていると、「ありのままの自分」で周りの人と関わることが怖くなってしまうよね。
そうなると、「自分の器を大きく見せたい」「もっとできることを知ってほしい」と、つい反射的に嘘をつきやすくなるんだ。
親しい友人や同期につい嘘をついてしまうときほど、「できる自分を知ってほしい」という気持ちが強くなってしまうんだね。
嘘をついてでも自分のことを守りたい
仕事でミスをしてしまったとき、反射的に嘘をついてしまうことってないかな? こういうときは「自分を守るための嘘」をついているんだ。
「怒られたくない」「嫌われたくない」という気持ちから嘘をついてしまうこともあるよね。誰だってそう思うのは当たり前だからあまり自分を責めすぎないでね。
ただ、自分を守るために誰かを悪者にしたり、傷つけてしまうような嘘を咄嗟についてしまう場合は、その嘘で悲しい思いをする人がいないかを一度考えてみよう。
相手のことを傷つけないための嘘
相手のことを思うがあまり嘘をついてしまうこともあるんじゃないかな?「本当のことを言ったら相手が傷ついてしまうかも」と相手の気持ちをまず想像できるあなたは、とても優しいんだね。
ただ、一度ついてしまった嘘はずっとつきつづけなきゃいけないんだ。そうなると、あなたがしんどくなってしまうんじゃないかな?相手のことを考えてつく嘘は、あなたが優しい証拠。だけど、自分を苦しめる嘘はあまりつかないようにしたいよね。
嘘をつきやすい状況は?
つい嘘をついてしまうシチュエーションにはどんなものがあるんだろう? 嘘をつきやすい場面を知っておくと、対策を考えるキッカケにもなるよ。一緒にみていこう。
・相手の反応が大きかったとき
・自分の意見を正当化したいとき
・失敗を合理化したいとき
・トラブルが起きることが予想されたとき
・周囲の人に構ってほしいとき
上記のようなシチュエーションを経験したことがある人もいるんじゃないかな?
嘘には種類があって、以下の4種類に別れているよ。
嘘の種類
- 防御の嘘
- 欺瞞(ぎまん)の嘘
- 背伸びの嘘
- 擁護の嘘
あなたが反射的についてしまう嘘はどの種類に分けられるかな?
嘘の種類を知っておくことで、自分が嘘をつく根本的な原因を探れるんだ。
嘘をつく癖の治し方
嘘をつく癖を治したいと思えるのは、ちゃんと今の自分と向き合えている証拠。まずは「治したい」と思えている自分を褒めてあげよう。
簡単に治せないかもしれないけど、下記4つの経験を積み重ねていくことで、嘘をつく回数が減っていくよ。焦らずいこう。
周囲の「できること」に振り回されない
職場の同期や後輩の姿をみると、「自分ももっとできるようにならなきゃ」と焦ってしまうよね。
周りと比べたくなる気持ちは仕方がないこと。でも、周りができることにばかり振り回されてしまうと、自分ができないことと向き合うことが嫌になってしまうんじゃないかな?
それが原因で「できる」と嘘をついてしまう。そんな繰り返しは辛いよね。
大事なのは、「周りができるから自分もできて当たり前」と思わないことだよ。周囲の「できること」に振り回されてしまうと、心がしんどくなってしまう。あなたにはあなたのできることがあるからね。それをちゃんと理解していこう。
自分のできることとできないことを整理する
反射的な嘘をついてしまう理由の一つは、自分の中にある「理想の自分」でいたいからだよ。でも、実際はすべてが思い通りに進まないのが現実。任された仕事を締め切りまでに終わらせるのが理想だけど、不得意分野の場合はできなかったり、遅れたりする可能性も出てくるよね。
だから、「理想の自分」は一旦脇に置いて、適切な自分のイメージを確認してみよう。自分ができることとできないことを分けて、できることを無理のない範囲でやっていくんだ。
その作業を重ねると、より正確な自己像をつかむことができるようになるよ。そうすると、だんだん嘘をつく必要がなくなっていくはず。
嘘をつきたくなるときの動機を探ってみる【ワーク】
嘘をつきたくなるとき。心の中にはどんな気持ちが芽生えているだろう?
「恥ずかしい想いをしたくない」
「自分のことを守りたい」
「後輩にいい格好を見せたい」
きっといろんな動機があると思うんだ。嘘をつくことが癖になっている人は、反射的な嘘をついた後、一度その動機を探ってみよう。
例えば、「自分のことを守りたい」動機で嘘をついている場合、本当にその嘘で自分を守れているのか考えてみよう。嘘をつかずに対処できる方法がないかを事前に考えておくことで、少しずつ嘘をつく癖が減っていくよ。
嘘をつきたくなるときの理由はなんだろう?
今の自分を認めてあげる
周りの人と比べて「自分なんか…」と思ってしまうこともあるよね。でも、あなたにはあなたにしかない魅力があるよ。
これまで頑張ってきた経験が積み重なって今のあなたをつくっているんじゃないかな?だからまずは、今の自分を認めてあげよう。
自分を認められるようになると、自分を大きく見せるためにつく嘘の回数も減ってくるよ。今日から全ての自分を認めるのは難しいかもしれないね。
だけど、今、「嘘をつく癖を治したい」と思って一歩踏み出せている。そんなあなたはとても素敵だよ。まずはそこから認めてあげよう。
ありのままの自分の認め方はこの記事が参考になると思うよ。
嘘をつかなくても安全な環境へ
反射的な嘘の対処法は、すぐに実践できるものではないから、難しいと感じた人もいるんじゃないかな? でも、自分が嘘をつく感情の原因に気づいたり、もう自分を守る嘘をつかなくても安全なんだと感じるだけでも、反射的な嘘から抜け出す小さな一歩となるよ。
どうしても自分一人での改善が難しいと感じた場合は、カウンセラーなどを頼ってみるのも一つの手だね。まずは、背伸びせず自分のできることを無理のない範囲で積み重ねていこう。