「自分って、なんでこんなに思いつめやすいんだろう…」
「あの人はいつもこうだ!」
こんな風に悩んでつらい日もあるよね。ネガティブな考えを頭の中に持ち続けるだけでも結構疲れちゃうと思う。
そんなときは、物事を新しい視点から捉えなおすリフレーミングがおすすめだよ。過去の出来事は変えられなくても、自分が注目するモノなら変えられるんだ。自己肯定感が低いときでも元気付けられる方法だよ。
目次
リフレーミングとは?
まずは、リフレーミングの概要から説明するね。注意点もあわせて読むと理解が深まるよ。
リフレーミングの意味
リフレーミングとは、「今まで思い込んでいた考え方を別の視点から捉えなおすこと」。
例えば、水が半分入ったコップを見て「もう半分しか残っていない」と捉えるとするよね。その水を、「まだ半分もある」と捉えなおすことなんだ。
こんな風に、リフレーミングでは「起きている事柄は変わらないけど、どう捉えるかは変えられる」と考えるよ。
リフレーミングはカウンセリングやマーケティングでも活用されているんだ。
例えば、カウンセリングなら「以前、同じような問題が起きた時、どんなふうに対応しましたか?」と尋ねて、過去の視点から現在をリフレーミングする場合もあるよ。
また最近のマーケティングでは、「商品性能」よりも「その商品を買ったらできること」を説明をしているよ。商品情報を説明するより、実際の使用状況を想像させたほうが購入確率が上がるんだ。
リフレーミングは人の心に大きな影響を及ぼすから、各業界で利用されているんだね。
リフレーミングとポジティブシンキングは違う
リフレーミングはよくポジティブシンキングと混同されがちだけど、この二つは別物だよ。
ポジティブシンキングはその名の通り「明るく肯定的に考える」こと。でも、リフレーミングは必ずしも明るく肯定的に捉えなおすとは限らないんだ。
むしろリフレーミングをする際にポジティブシンキングを使うと弊害のほうが大きいよ。否定的な考え方「✗」を無理やり肯定的な「◯」に変えようとすると、「✗」を否定する結果になるよね。「✗」がどんなものにせよ、自分の考えを否定すると、あたかも自分自身が否定されたように感じられて自信を失ってしまうんだ。
それに、人間は「××について考えるな」と言われると、かえってそのことを考えてしまうんだ。脳が否定形を理解でいない傾向をシロクマ効果といったりもするよ。
ネガティブ思考を否定するのではなく、「それはそれでOKなんだけど、今は○○の考えを採用します」というスタンスがおすすめ。ネガティブな考えは選択肢の一つではあるけど、今はその考えを取らなかっただけ、と考えてみてね。
リフレーミングの種類
リフレーミングはやり方に応じて大きく二種類に分けて考えられることがあるよ。それが、意味のリフレーミングと状況のリフレーミングだよ。順番にみていこう。
意味のリフレーミング
意味のリフレーミングは、出来事に対して異なる意味を見出そうとするリフレーミングだよ。
例えば、「スマホを落として画面を割ってしまった」という状況で、「新しいスマホに買い替えるチャンス!」「ひび割れをいい感じに利用できる待ち受け画面を探してみよう」などと捉えることだね。
状況のリフレーミング
状況のリフレーミングは、立場(コンテキスト)が違ったらどうなるかを想像するリフレーミングだよ。
「細かいことが気になる」人も、校閲の仕事を任される立場になったら、誰にも負けないくらいデキる人になるかもしれないよね。
リフレーミングの効果
リフレーミングにはどのような効果があるんだろう? 使い方次第で色んな効果を得ることができるけど、その中の代表的なものを紹介するね!
自分の感情に素直になれる
人には色んな感情があるよね。
怒り、憎しみ、恥、不安、孤独、悲しみ。あるいは喜び、愉快、安心、感謝。言葉にするだけでもたくさんの種類があるよ。けど、人には言葉にできないような感情もあるし、ある感情が他の感情を覆い隠して見えにくくしていることもあるんだ。
だから何かに「怒り」の感情を感じたとき、リフレーミングしてその背景に「悲しみ」や「心配」「困惑」の感情がないか検討することも大切だよ。
例えばデートの待ち合わせ時間に彼(彼女)が連絡もなしに遅刻してきてイライラしたという経験があったとするよね。確かにこんな状況であればイライラしても無理はないよ。けど、そのほかにも「一生懸命考えたデートプランが台無し…」という「悲しみ」だったり、「事故にでもあったんじゃ…」という「心配」があったりしたかもしれないね。「悲しみ」「心配」にも気付いたときと「怒り」一色になっていたときで比べると、随分印象が変わってくると思う。
このように、リフレーミングは、自分の本当の感情に気付きやすくしてくれるんだ。
意外な発見がある
いつも高いところに登りたがる子どもに「登っちゃダメ」と注意しても聞いてくれないけど、「降りなさい」とリフレーミングして注意したら従ってくれた、なんてこともあるみたい。
さっき説明した「シロクマ効果」と似ているけど、人は禁止された行動ほどやりたくなる傾向があるんだ。これをカリギュラ効果というよ。
「ダメ」と言われると、よけいやりたくなっちゃうんだね。
自己肯定感が低くても自信を取り戻せる
自分の性格や置かれた状況をリフレーミングして自信を取り戻せることもあるよ。
「今回は上手くいかなかったけど、上手くいったときもあった。『もう何もかもお終いだ』と考えるには根拠が薄いな」と思えたら、また自信が戻ってくるかも。
自己肯定感が低い自分を否定せずに視点を変えられるんだ。
モチベーションが高まる
困難な状況に陥ったとき、誰だって落ち込んでしまうこともあるよね。
けど、場合によっては「こんな時、ルフィならどうするかな?」「もし、この状況を乗り越えたらどうなっているだろう?」といった感じで考えることで、モチベーションが高まることもあるよ。
本当に大変なときは誰かに頼るのが第一。でも、「背中を押してもらえたら何とかなりそう」なときにはモチベーションを高めるためにリフレーミングを使うのも悪くない使い方だよ。
人間関係がよくなる
自分の立場を相手の立場に置き換えれば、今まで苦手だった人との付き合い方が変わるかもしれないね。
いつも求めてないアドバイスをしてくるちょっとお節介なあの同僚も、「仕事のリフレーミングが上手な人」とリフレーミングしたら、「リフレーミングの師匠」と捉えられるかもしれないよ。
リフレーミングの使い方のコツ
リフレーミングは、コツをつかめば自由にできるようになるよ。5つのコツを覚えて、例題に挑戦してみよう。
「もし〇〇さんだったら?」と想像する
自分以外の誰かが自分の立場に置かれたらどう考えるだろうと想像してみよう。
「こんなとき、炭治郎ならどうするかな?」と考えるのが一例。誰かしら憧れの人やキャラクターがいるなら、その人を心のお守りとしていつも連れていってね。
逆にとらえてみる
一見してマイナスに思える事柄を、逆に「何かに活かせないかな?」と考えてみるのもコツだよ。
例えば「スマホの画面が割れた」というマイナスに思える状況を「ふさわしい待ち受け画面を探す」と考えを切り替えたのは、この一例だよ。
時間をずらしてみる
「この状況を乗り越えたらどうなっているだろう?」というように、「現在」から「将来」へ視点をずらすのもリフレーミングのコツ一つだね。
もちろん「過去」に時間をずらしてもいいよ。「今、この人と付き合えているのは、あの時勇気をもって告白したからだ」と考えたら、勇気を出すくらい大変だった経験をより素敵なものにしていけるよね。
肯定語を使う
カリギュラ効果で説明したように、否定語「〜するな」を使ってリフレーミングするとそのことをしたくなってしまうんだ。だから、「~する」肯定のリフレーミングのほうが効果があるよ。
「煙草を吸っちゃいけない」と思って禁煙を始めると辛いけど、「吸いたくなったら好きな味のガムを噛む」と決めると良いリフレーミングになるんじゃないかな。
根拠を考えてみる
心理学者のカーネマン氏は「人には二つの思考がある」と指摘しているよ。
1つ目がファスト思考で、瞬間的に発生するあまり根拠のない思考。直観的で感覚的な思考とも言えるよ。
2つ目はスロー思考で、じっくり考えて捻出する思考。論理的な思考のことだね。
強い感情から生まれる思考はファスト思考が多いよ。ファスト思考は直観的・感覚的な思考だから、あまり根拠がないまま「絶対そうだ」と思い込みがちなんだ。
だから、「こう思う根拠はなんだろう?」と考えて、スロー思考に切り替えるのもリフレーミングのコツになるよ。
「もう何もかもお終いだ」と思ったときに、「本当にそうかな?」と根拠を考えてみて。「今回は上手くいかなかったけど、前は上手くいっていた」事実が見つかれば、「お終い」と考える根拠はそれほどなかった、と気付けるかもしれないんだ。
リフレーミングの例
たくさん例をあげながらリフレーミングについて話してきたね。他にも例があるからそれもみていこう。特に性格や特徴についてリフレーミングしたいってことも多いと思うから、それらを中心にみていくね。
最後にはリフレーミングの練習問題も用意したから、一緒に練習していこう。
落ち込みやすい→気遣いができる
落ち込みやすい人は自己肯定感が低い傾向があるよね。でも、自分が傷ついてきた分、どんな言動を取ったら人が傷つくかの想像力に長けているんだ。その分、人に優しくできる人も多いよ。
「落ち込みやすい」は「人に気遣いができる」という面の裏表かもしれないね。
騒がしい→興味関心の幅が広い
騒がしい人は、色々なところに注意が行きやすいけど、それは「興味関心の幅が広い」ということだよね。
色んな情報に自然と触れていけるのは、すごい才能だよ。
内向的→聴き上手
あまり自分から積極的に発信をしない、内向的な人。
でも、内向的な人は自分の話を控える分、話し手の邪魔をしないよね。細かいことが気になる人が校閲の仕事を上手くこなすように、誰かの話を聞く立場に立てばとても良い聴き手になれるんだ。
優柔不断→他人を尊重している
優柔不断は自分の意志で「決定」の判断が下せないということ。
でも、それだけ誰かの意見や気持ちを尊重しているんだ。優しさの表れかもしれないね。
大雑把→おおらか
「大雑把」には雑なイメージがあるかもしれないけど、細かいことを気にしないおおらかなことの表れでもあるよ。
怒りっぽい→正義感が強い
爆発させるような怒りをいつも繰り返していたら、それは大問題だよね。でも、内なる怒りを感じることが多いのだとしたら、その怒りは「~であるべき」という正義感の表れでもあるんだ。
すぐにキレない方法は「アンガーマネジメントのやり方」を読んでみてね。
ルーズ→こだわりなく柔軟
ルーズと聞くとだらしがないように感じるよね。けど、「こだわりがなく柔軟」とも捉えられるよ。
流されやすい→協調性がある
一見すると自分の考えを持っていないと思われるかもしれないね。でも、協調性があるがゆえに周囲に流されているともとれるんだ。
計画性がない→勇気がある
先んじて計画を立てないと何が起きるか行き当たりばったりになるよね。それでも構わないというくらい肝が据わっているのかもしれない。とても勇気があるんだ。好奇心も旺盛なのかもしれないね。
細かい→敏感
「細かい」のは敏感で繊細だからだよね。例えば友達の新しいイヤリングに気付いて、指摘してあげたら、相手は嬉しいかもしれない。細かいからこそ気付けたんだよね。
気が強い→情熱的
気が強いのは、それだけ情熱や曲げられない自分軸があるから。情熱や自分軸はとても大切なものだよ。
楽観的→ポジティブ
楽観的というと否定的なニュアンスもあるかもしれないけど、ポジティブと言い換えるとどうかな? ポジティブな人は、それだけで誰かに希望を与えられる人だよ。
のんき→堂々としている
多少の状況の変化ではなんとも思わないと「のんき」と言われるけど、それは堂々としている証拠とも言えるよ。動じないだけの自信があるんだね。
面倒くさがり→効率的
人より「どうしたら面倒くさくならないか」を考えるチャンスが多いということだよね。それだけ効率性や生産的な発想を持ちやすくなるよ。
リフレーミング・ワークシート
今まで挙げてきたコツや例を参考に、リフレーミングの練習をしてみよう!
今の自分の短所を書いてみよう
リフレーミングした自分の短所を書いてみよう
リフレーミングを実践する
物事を別の視点から捉えなおすリフレーミング。その捉えなおし方のコツはたくさんあるんだね。
一つのコツがうまくいかなかったら、他のコツでもチャレンジしてみるといいよ。嫌な気分が少しでも健やかになるといいね。