子育てって大変だよね。
楽しいことも多いんだけど、辛くてしんどくなるときもあると思うんだ。そんなとき、心理学の知識があると子育てに役に立ったり、楽になるヒントが得られたりするよ。
今日は、子育てにまつわる心理学用語を10個解説していくね。
目次
マザリーズ
マザリーズとは、赤ちゃんを見たときに自然と出る乳幼児向けの話し方のことだよ。
「いい子でちゅねー」って赤ちゃんにやや高めの声で声をかけちゃうことってないかな。俗にいう「赤ちゃん言葉」だね。この現象を専門的には「マザリーズ」と言うんだ。ほぼすべての国で観察される現象なんだよ。
マザリーズは赤ちゃんが安心する声なんだって。赤ちゃんは、やや高め・ゆっくり・抑揚がたくさんある声が好きなんだ。人の声に安らぎを感じると、「言葉」「言語」にも興味を持ちやすくなるから、言語力やコミュニケーション力が向上しやすくなることも期待できるよ。
ごく自然にやっちゃうけど、マザリーズをすること自体が、すでに赤ちゃんへの愛情を示す行為になっているんだね。
選好注視
生まれたばかりの赤ちゃんって、実は視力がおおよそ0.02程度しかないと言われているんだ。それにもかかわらず、赤ちゃんって人の顔をホントよく見ているよね。このように赤ちゃんが人の顔を好んでよく見ることを選好注視と言うよ。
視力の低い赤ちゃんが人の顔を他の対象から区別して選好注視することは、とても不思議だよね。自分一人では生きていけない赤ちゃんにとって「自分を世話してくれそうな対象」がわかった方が都合がよいので、本能的に自分の味方を探しているんだろうと推察されているよ。
3か月微笑
赤ちゃんを抱っこすると、微笑み返してくれることがあるよね。この現象にも名前がついていて3か月微笑と言うんだ。
3か月微笑は、お父さん・お母さんのような身近な人に対して以外にもみられるものだよ。この時期の赤ちゃんはあまり視力がよくなくて、親と他の人との区別がまだしっかりとできないからなんだ。親のことは髪型や眼鏡といったわかりやすい特徴で覚えているから、それらが変わると赤ちゃんは少し混乱した様子を見せるよ。
逆に言うと髪型や眼鏡のおかげで親だとわかるということだね。だから、赤ちゃんの近くに眼鏡を置いておくだけでも、赤ちゃんは「近くにお母さんがいる」と勘違いして安心してくれることもあるんだ。
けど、生後約6ヶ月で視力と記憶力がぐっと良くなってくるので、赤ちゃんは笑顔を見せる人・そうでない人を区別していくようになっていくよ。「自分には微笑んでくれた!」って体験があると、たまらない気持ちになるよね!
バビンスキー反射・モロー反射
バビンスキー反射とは、足の裏の外側を強くこすると、赤ちゃんが足を折り曲げて足指を扇状に開く現象のことだよ。これは「原始反射」の一つで、成長とともに見られなくなっていく反射なんだ。
同じく原始反射の一つにモロー反射があるよ。モロー反射は驚いた赤ちゃんが手足を広げた後に、何かを抱きかかえるようなしぐさを見せる現象のことなんだ。
いずれも不思議な動きだから親は心配してしまうかもしれないけど、次第になくなっていく反射だからあまり心配し過ぎなくても大丈夫だよ。でももしあまりに頻繁だったり、成長しても残り続ける場合は専門家に相談してみるのがいいかもしれないね。
自己中心性
小さな子どもって、かくれんぼをするときに自分の目を手のひらで隠して「隠れた」と思っていることがたまにあるよね。それは自己中心性のために「自分は何も見えなくなったから、他人も自分が見えていないだろう」と思ってのことなんだ。
自己中心性とは、他者の視点を正確に想定・理解できないことだよ。このように書くと「わがまま」「性格の問題」と思うかもしれないね。けど、ここでいう自己中心性は発達心理学の専門用語で、「2~4歳くらいの子どもにとって普遍的にみられる特徴」なんだ。
自己中心性のためにお友達のおもちゃを勝手に使っちゃうこともあるよ。「勝手に使われたらお友達はどう思うか」の視点があまりなく、「使いたい」自分の気持ちが優先されてしまうからなんだ。
自分の子どもがそんなことをしたら親は子どもの将来や性格をとっても心配しちゃうかもしれないね。けど、自己中心性のある一時だけみせる振る舞いかもしれないから、あまり思いつめなくて大丈夫だよ。
アニミズム
子どもがお人形で遊べるのは、お人形にも人と同じような考えや感情があると思えているからだよね。
このように生き物ではない存在にも「命がある」と認識することをアニミズムと言うよ。ディズニーアニメの代表作、「トイストーリー」は子どものアニミズム的考え方を反映していてとても面白い作品だね。
アニミズム的な物事の捉え方は小さな子どもにとって、ある意味デフォルトな捉え方だよ。
だから、物を粗末に扱いがちな子どもには「カバンさんを放り投げたら痛い痛いだよ。優しくしてあげれるかな?」みたいに、子どものアニミズム的な物事の捉え方に沿った注意の仕方をしてあげると、子どもにも伝わりやすいかもしれないね。
鏡映文字
鏡映文字とは、鏡に映したかのように、反対向きになった文字のことだよ。3~4歳から小学校低学年までの子どもによくみられるんだ。
玩具量販店のトイザらスのゴロを見たことはあるかな。「TOYSЯUS」とRが反対になっているんだ。これがまさに鏡映文字だよ。ロゴに鏡映文字を使うことで、子ども向けのお店であることが一目瞭然にわかる工夫をしているんだね。
どうして鏡映文字を子どもが書くのかは、実はまだよくわかっていないんだ。でも、よく見られる現象であることに間違いはないから、仮に自分の子どもが鏡映文字を書いたとしても異常なことではないし、無理して矯正する必要はないよ。
ギャング・エイジ
グループで行動することが増える時期の子どもたちをギャングエイジと言うよ。
大体小学校3年生あたりから親の言うことよりも、同じグループに属する友だちのことを優先するようになるんだ。親にとってみれば「言うことを聞いてくれない」、まさにギャングみたいに思えるからギャング・エイジという名前が付けられているよ。
親にとっては言うことを聞いてくれなくなったり、秘密にされることが増えたり、汚い言葉を使うようになったりと、とてもショックを受けてしまうかもしれないね。
でも、子どもが「ギャング」になることで集団生活の中で規律を学んだり、大人の力を借りずに問題解決を図る努力をしたりして、自立への準備をしているから悪いことばかりではないんだ。
両親の日ごろの支えのおかげで、子どもは安心して「ギャング」でいられるんだね。子育てが上手くいっている証拠だよ。
9歳の壁
9歳の子どもがあらゆる面でつまづきを感じることを9歳の壁と言うよ。
この時期はちょうどギャング・エイジとも重なる時期で、他人と比較することが多くなるんだ。自我や脳機能も発達して物事を少しずつ客観的にみることができるようになってくるから、「あいつに比べて俺は背が低い」「私はあの子よりかわいい服持ってない」などといった気持ちになりやすいよ。
それに、学業の面でも抽象的な課題が増えていって、ついていけないと感じる子どもも出てくるんだ。確かに算数は図形や分数を習うし、理科は電気など目に見えない現象を扱うようになるね。国語も難しい漢字が増えてくるよ。
この時期の子どもには、勉強のサポートをしてあげたり、その子だけのいいところを見つけて褒めてあげてね。
「そんなこと言われても、どう褒めればいいかわからないよ」という人は褒め方の解説記事も参考にしてみてほしいな!
ピグマリオン効果・ゴーレム効果
ピグマリオン効果とは、ある人物に期待をかけると、その期待された人物が本当に期待通りの結果や成果を出す現象のことだよ。提唱者の名前を取ってローゼンタール効果とも言われるんだ。
どうして期待をかけられた人が本当に期待通りの結果や成果を出せるかというと、期待をかけている人物が意識的・無意識的に期待している人物にポジティブな影響を与えるため、それに応えようと期待されている人物が振舞うからだと言われているよ。
期待をかけられて良い方向に進むのがピグマリオン効果だけど、それとは逆に期待されないことで結果や成果が出なくなることをゴーレム効果というんだ。
ただ、ピグマリオン効果もゴーレム効果も、科学的な裏付けには乏しいと言われているよ。確かに親が子どもに「テストで100点取ってね」と期待しても、テストの難易度や子どもの体調などによっては必ずしも100点が取れるとは限らないよね。
とはいえ、親が子どもを温かく無条件に認めてあげることは、子どもに大きな安心感と「ありのままでもいい」という自己肯定感を与えるのにとても大事なことであることは間違いがないよ。詳しくはありのままでいるための記事も読んでみてね。
すぐに役立つ心理学用語まとめ
今回は、知っていると子育てに役に立つ心理学用語を10個解説したよ。参考になりそうなものはあったかな?
姉妹記事に中二病ご用達の「かっこいい心理学用語まとめ」や本当は怖い心理学用語特集もあるから、興味がある人はそちらも覗いてみてね!