【心理効果】”ついで買い”をうながす「シャワー効果」「噴水効果」ってなに?

社会心理学 2020/10/22
シャワー効果
Credit: depositphotos

「シャワー効果」や「噴水効果」は、マーケティングに活用される心理効果で、主にデパートや商業施設で活用されています。

例えば、デパートの上層階で開かれている期間限定イベントや物産展に行った後、1階の出口に向かうまでのフロアで服や雑貨など「ついで買い」をしたことはありませんか?

これは、建物の上層階を充実させて、そこを目的に来た人が下のフロアに流れる仕組みを作り、「ついで買い」を促して全体の売上を上げる動線が設計されているからです。これを「シャワー効果」と言います。

逆に、地下の食料品売場など下層階を充実させて、上のフロアに行く中で「ついで買い」を促すことを「噴水効果」と言います。

今回は、噴水効果とシャワー効果について、実際の活用例と合わせて詳しく解説します。

シャワー効果とは

「シャワー効果」とは、デパートや商業施設などで使われるマーケティング手法の1つです。

例えば、季節のクリアランスセールや、原画展などの催しもの、屋上で開かれるビアガーデンといったイベントなど、デパートに行くとき、お目当てのものが最上階や上層階にあることがあります。レストラン街も上の方のフロアにありますよね。

このようにデパートの上層のフロアを充実させて、シャワーのように上から下のフロアへお客さんの流れを作り、ついで買いなどでデパート全体の売上を上げるのが、「シャワー効果」の特徴です。

シャワー効果の活用例

実際に、シャワー効果を使ってデパート全体の売上増加を成功させた例があります。

大阪にある「あべのハルカス」は百貨店のほかにホテルや展望台などで構成される超高層複合ビルです。

あべのハルカスに訪れるお客さんの目的の1つが、高さ300mの展望台。上層階にある展望台に足を運んだお客さんは、そのまま下のフロアのレストラン街に向かう傾向が強く、1日約7,000人もの人が展望台入り口から飲食フロアを訪れるそうです。

まさに「シャワー効果」がポジティブに働いた結果と言えます。

噴水効果とは

噴水効果
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次に、「噴水効果」について解説します。

「噴水効果」とは「シャワー効果」とは逆に、下層のフロアから上層に向けてお客さんの流れを作るマーケティング手法を指します。別名で「ファウンテン効果」とも呼ばれます。

例えば、デパートの地下には食料品が、1階には女性向けの化粧品が並ぶことがあります。

多くの女性の必需品であるコスメと老若男女の関心を集める「食品」の売り場を下層フロアに設置することで、より多くのお客さんを呼び込み、「せっかく地下街に来たんだから、上のフロアを見ていこうかな」「ほかにもっと良いものが見つかるかもしれない」という心理にさせ「ついで買い」を促しているのです。

噴水効果の活用例

東京駅直結の大丸東京店では、2012年に大幅なリニューアルを行い、それまで1階にあった化粧品売場を2階に、地下1階と1階を食料品売場にレイアウトを変えました。

こうすることで、デパートを目的に来たお客さんだけでなく、旅行中の人やビジネスマンも入りやすくなり、上のフロアにもお客さんが流れるようにできました。

化粧品売場を2階にしたことで、男性の目線を気にせずに買い物を楽しめるという女性からの声もあったそうです。

ネットショッピングの台頭もあり、百貨店は倒産が相次いでいましたが、これまでの「シャワー効果」を期待してのレイアウトをやめ、「噴水効果」を狙ったレイアウトをすることで、ポジティブな効果が得られました。

シャワー効果と噴水効果を組み合わせた例

「シャワー効果」と「噴水効果」は、デパートのような階層のある建物だけでなく、平面でも活用することができます。

例えば、コンビニエンスストアでは、「シャワー効果」と「噴水効果」を組み合わせて使われています。

コンビニの商品レイアウトは、一番奥に飲み物やお弁当などが置いてあります。これらは、多くの人が購入する商品です。

飲み物やお弁当を求めてお店の一番奥まで行かなければならず、それまでに目に入った商品を「ついで買い」してもらう狙いがあります。

また、コンビニの入り口には雑誌が置いてあります。これは、雑誌を立ち読みしている人が店の外から確認できれば「お客さんが入ってる」という安心感を与えることができ、店に入りやすくなる効果を狙っています。

出入り口に近い場所を充実させて店に入ってもらい、店内を見ていくうちについで買いをしてもらう「噴水効果」を活用しています。

「ついで買い」に悩む人は「シャワー効果」と「噴水効果」の仕組みを知ろう

今回は、シャワー効果と噴水効果について、活用例もあわせて解説しました。

「シャワー効果」と「噴水効果」は、商品を1つでも多く買ってもらいたいビジネスマンにとっては使いやすいマーケティング手法です。

また、「お買い物にいくと、つい買う予定でなかったものまで買っちゃう」と悩む人は、そのメカニズムを知って「ついで買い」を防ぐために使えるでしょう。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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