良いケンカと悪いケンカの違いは何? 正しいネガティブコミュニケーションの取り方

人間関係 2020/09/12
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「ケンカするほど仲が良い」とよく聞きますが、それは本当でしょうか?

ケンカばかりで破局してしまうカップルはいますし、その一方でケンカが全くなく平穏で仲の良いカップルもいます。

実は、ケンカと良好な関係性には、ケンカのやり方と内容が大きく関わっています。

今回は、「ケンカするほど仲が良い」は本当か、そして関係性を強くする「良いケンカ」と破局に導く「悪いケンカ」について詳しく解説していきます!

「ケンカするほど仲が良い」とは?

そもそもケンカは、自分と相手がお互い本音を言い合える仲だからこそ成立することです。相手に無関心であれば、怒ったり悲しくなったりといった感情は出てこないからです。

よって「ケンカするほど仲が良い」とは、お互いが信頼し合い、ケンカしても関係が壊れない強い絆があるという意味があります。

しかし、「ケンカするほど仲が良い」とは、一概にすべてのカップル、すべてのケンカに当てはまるとは言えません。

なぜなら、ケンカを滅多にすることはないけど仲が良いカップル・夫婦や、互いが穏やかな性格で建設的な話し合いで済み、ケンカにまで至らないケースもあるからです。

また、ケンカをしないカップルの中には「相手に本音を言ったら嫌われてしまうかもしれない」「関係が壊れてしまうのが怖い」という理由でケンカを避けている人もいます。

どちらか一方が言いたいことを我慢していたら、本質的に「仲が良い」とは言えないでしょう。

ケンカのような対立的なコミュニケーションを、心理学では「ネガティブコミュニケーション」と言います。

もともとは「もっとふたりの関係を良くしたい・改善していきたい」と考えてネガティブコミュニケーション(ケンカ)をしているのに、関係を壊すような結果になってしまったら、本末転倒です。

そうならないために、関係性をよりよくするための「良いケンカ」を行っていきたいものです。「良いケンカ」と関係性を壊す「悪いケンカ」には明確な違いがあります。ケンカに悩んでいるカップルや夫婦の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

良いケンカの具体例

パートナーとの関係性をより良くする「良いケンカ」にはいくつかの特徴があります。以下では、4つの特徴について具体例といっしょに解説します。

1. 要求をストレートに伝える

良いケンカは、自分の要求や本音を把握し、きちんと相手に伝えることができます。例えば、「最近仕事ばっかり。仕事と私、どっちが大事なの?」というよく聞くこの言葉。

これには本当の要求や本音を隠しており、相手を困らせる言い方です。愛情を試したい気持ちが隠れているのかもしれません。

この場合は、ストレートに「最近一緒にいられなくて寂しい」「もっと早く帰ってきてほしい」「もっと会いたい」と伝えれば、相手も素直に謝罪したり、どうやって時間を作ろうか考えたりすることができます。

2. 相手の非難を受け止める

良いケンカでは、相手の非難が真実であった場合素直に受け止め、謝罪することがでいkます。そして謝罪した後、自分がとった行動の理由を述べます。

例えば「トイレから出たら必ず手を洗って!」と言われたとき、「つい忘れちゃうんだよ」「そんな言い方するなよ」と言いたくなりますが、そこは素直に自分の行為を謝罪し、手を洗いに行きましょう。

相手も自分の要求(トイレから出たら手を洗ってほしい)を受け入れられたと感じることができたら、相手の言い分を聞いたり許す気持ちになってくれます。

3. 相手の心理をネガティブに読み取らない

良いケンカは、両者が互いの意見や気持ちをそのまま受け取ることができます。

「相手は本当はこう思ってるに違いない」と深読みしたりネガティブな方向に読み取ると、「そんなこと言ってないじゃない!」となり、どんどん険悪なケンカになってしまいます。

相手の言葉をそのまま素直に受け取るのがポイントです。

4. すぐ答えを出せる内容についてケンカする

関係性が良好なカップルや夫婦が行う良いケンカの内容は、現実的にすぐ答えを出せることについてだけ、という研究結果があります。

2019年にテネシー大学で行われた研究では、121組の夫婦を集めて結婚生活の満足度と、普段どのようなケンカをしているのか、そのケンカの結果、どのようなことが起きているのかを調べました。

その結果、「休日にどこに出かけるか」「家事をどのように分担するか」「お金をどのように使うか」などの現実的にすぐに答えを出せることについてだけケンカをしていることがわかったのです。

すぐに答えを出せることによって現実的に落とし込むことができ、ケンカをするたびに問題が解決していきます。このように、ケンカをして結論が出たときに達成感が感じられ、夫婦仲がより強いものになるのです。

悪いケンカの具体例

一方で、関係性を壊しかねない「悪いケンカ」にも、特徴があります。ケンカばかりで関係がギクシャクシてしまっている人などは参考にしてみてくださいね。

1. 相手を負かせたいという気持ちが先行する

要求や本音を伝え、2人の間の問題を解決したいとうい気持ちが「勝ちたい」「負かしてやりたい」という悪意にすり替わってしまうと、ケンカは険悪な方向に向かい、関係を壊してしまう可能性があります。まずは、勝ち負けという意識を手放す必要があります。

2. 相手が悪い前提で話す

悪いケンカでは、相手が悪い前提で話を進めてしまいます。人はそれぞれ違う価値観や考え方を持っており、2人の間で起きる問題は互いに原因があると言えます。自分に意見があるように、相手にも意見があります。

それにも関わらず、「そもそもあなたが…」「あなたが全部悪いのよ」と相手が悪い前提で責めるように話すと、どんどん感情的になり落ち着いて話し合うことができなくなってしまいます。

また、「相手が悪い」「愛しているなら分かって当然」「夫婦なんだからしてもらって当たり前」などと思っている人は、相手が悪いという前提のもと、相手と向き合わない行為をしているので注意が必要です。

3. 相手の人格を否定する

感情的になっているときは、辛い気持ちをわかってほしくて相手を責める言葉をはいてしまうことがあります。例えば「なんでこんなこともわからないの?」「あなたのこういうところがダメなのよ」「あなたって本当にダメね」といった言葉です。

人格を否定されると、自分のすべてを否定された気持ちになります。本当の意味で強い関係性を築きたいのであれば、人格ではなく相手の行為を指摘するようにしましょう。

4. 感情的になって気分のままに発言する

悪いケンカは感情的になって気分のままに発言するという特徴があります。イライラしている状態でケンカに入ってしまうと、それを発散したい気持ちから過度に悪意のある言葉を口にしてしまいます。

「本当に意味がわからない!」「何が悪いかわからないの?少しは頭を使ったら?」といった攻撃的な言葉を避けるために、ある程度落ち着いてから話し合いをするようにしましょう。

5. すぐには解決できないことをケンカする

良いケンカの方でご紹介した2019年のテネシー大学の研究では、関係性が良好ではないカップル・夫婦は、すぐに答えを出せない難しい問題をケンカしたり、問題が解決しているのかがわかりにくい内容でケンカしていることがわかりました。

ケンカの内容は例えば、親戚との付き合いの問題や、政治や宗教の問題などが挙げられます。

6. 過去の不満を蒸し返す

過去の不満を蒸し返すのも、悪いケンカの特徴の1つです。

「そういえばあの時もあなたは〜だった」「あなたはいつだってそうよ。あの時だって…」というように、過去のことを蒸し返すと、何を解決すれば良いのかわからなくなり、相手はうんざりしてしまうでしょう。

過去のことを蒸し返すのは、日頃から言いたいことを我慢したり、当時の不満を抑え込んだままにしているからです。不満を覚えるたびにちょくちょく吐き出せるような関係性を築かないと、悪いケンカを繰り返し、関係性は悪化してしまいます。

なんのためにケンカするのかを忘れないで

今回は、良いケンカと悪いケンカの違いを詳しく解説しました。「ケンカするほど仲が良い」と言いますが、それは互いが相手を理解し、関係性をより良くするために行う「良いケンカ」を行った場合です。

怒ってるときは感情的な言葉や態度が出てしまって、本音とはかけ離れたことが口から出てしまったり、もう元通りにはなれないほどの言い合いに発展してしまうことがあります。

そうならないために、今回お伝えした「良いケンカ」を実践し、なんのためにケンカをするのかをもう一度考えてみてくださいね。

 

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