自律神経が乱れるとどうなるの? 簡単セルフチェック!


自律神経とは

人間の体内にはたくさんの神経がありますが、内蔵の働きや代謝、体温などの機能をコントロールしているのが「自律神経」です。自律神経は自分で意識的に調整できず、また意思とは関係なく24時間365日働き続けています。
自律神経は2種類の神経で成り立っています。1つは「交感神経」、もう1つは「副交感神経」です。
交感神経は昼間に活動している時に活発になる神経。車で例えるとアクセルのような役割があり、血圧を上げる・瞳孔が拡大するといったように、心と体を興奮状態にします。
一方、副交感神経は夜間やリラックスしている時に活発になる神経です。車で例えるとブレーキのような役割があり、血圧を下げる・瞳孔を収縮させるなどして、心身をリラックスモードにします。
交感神経が優位になるから、胃や腸を動かして食べ物を消化したり、集中して仕事や勉強・スポーツに取り組めたり、体温を上げたり、といったことができます。また、副交感神経が優位になるから、寝付きがよくなってぐっすり眠れたり、心をリラックスさせたりすることができます。

自律神経が乱れることによる症状
自律神経のバランスが乱れることによって、心と体にさまざまな不調が出てしまいます。それぞれの症状が以下です。
身体的な症状
- 身体のだるさ
- 不眠
- (暑くもないのに)発汗
- ほてり
- 動悸や息切れ
- めまい
- 頭痛
- 食欲不振
- 下痢
- 便秘
精神的な症状
- イライラ
- 不安感
- やる気が出ない
- パニックになりやすい
わぁ当てはまるものばっかりだ…。
自律神経チェックリスト
自律神経の乱れを予防・改善するためには、まず把握することが大切。自律神経研究の第一人者である小林弘幸氏が監修した「自律神経チェックシート」を紹介します。
以下の10項目に対して、①〜④の4つの選択肢から最も自分に近いものを選んでください。選択肢の番号は、最後に計算するために必要なので、紙に書き留めておいてください。
1. 睡眠について
①布団で横になれば、ほぼすぐに眠れる
②夜にしっかり寝ていても、昼間になんとなく眠い
③なかなか寝付けない
④寝付きが悪く、眠れても途中で目が覚める
2. 仕事や家事、勉強について
①やりがいを感じ、それを結果に結び付けられると感じられる
②億劫になって眠くなったり、なかなかやる気がおきない
③できなかったときのことを考えると不安なので、集中して取り組む
④やれないことに対して不安を感じるが、なかなか取り組めない
3. 食欲について
①時間がくればお腹が減り、おいしく食べるこができる
②すぐにお腹が減って、お腹がなる
③仕事などで集中していると空腹感を覚えない
④食べたくない、あるいはお腹が空いていないのにずっと食べてしまう
4. 食後について
①胃もたれなどは、ほとんどしない
②食べてもすぐにお腹が減る
③食後に、よく胃もたれする
④食事の前後に、胃が痛くなることが多い
5. 何か解決すべきことがあるとき
①すぐに考えがまとまり、行動できる
②いつの間にかほかのことを考えてしまい、考えがまとまらない
③考え込んだり、考えすぎて不安になる
④考えようとは思うが、集中できずにやる気も怒らない
6.日頃の疲労度について
①それなりに疲れるが、眠れば疲れが取れる
②すぐ眠れるが、昼間もなんとなくだるい
③疲れはなかなか取れないが、仕事なら頑張れる
④何をするのも面倒で、いつも疲れを感じている
7. メンタルについて
①仕事中は気が張っているが、帰宅すれば切り替えることができる
②特にストレスを感じることはないが、ぼーっとしていることが多い
③1日中、心がほぐれない
④強い不安感や恐怖感を感じたり、考えるのが嫌で眠りたくなる
8. 手足の冷えについて
①どんな季節でも、冷えは感じない
②冷えは感じないが、逆に手足がポカポカして眠くなることが多い
③お風呂上がりでも、少し経つと手足が冷える
④寝付けないほど手足が冷たく、顔色も悪い
9. 体重増加について
①長期間、体重は大きく変動していない
②ついつい食べすぎ、太りやすい
③ストレスのあるときは体重が増えやすい
④ここ1年で体重が5kg以上、増減した
10. 今の自分について
①やる気に満ち溢れ、心身ともに幸福感がある
②大きなトラブルなどもなく、どちらかと言えば幸せだと思う
③日々刺激を受けることで、充実していると感じる
④漠然と不安感があり、憂うつ感が取れない
計算方法
回答した選択肢の番号は、AとBの2つに分けて計算をしていきます。設問の1つ目から、答えが①の場合はAに+1点・Bに+1点、②の場合はAに+1点・Bに0点、③の場合はAに0点・Bに+1点、④の場合はAに-1点・Bも-1点、で計算してください。
【結果】自律神経の4つのタイプ
A、Bともに8点以上:アスリート型
交感神経と副交感神経のバランスが良く、理想的な自律神経の状態です。
Aが7点以下、Bが8点以上:ストレス型
交感神経が高く、副交感神経は低い、心と体がいつも緊張した状態。現代人に多いタイプで、何かに追い立てられているような感情を抱くこともあるはずです。
Aが8点以上、Bが7点以下:のんびり型
交感神経が低く、副交感神経が高い状態。つねにのんびり気味で、モチベーションが上がらなかったり、やる気が起きにくかったりして、うつ状態になる恐れがあります。
Aが、Bともに7点以下:おつかれ型
交感神経も副交感神経も低い状態。心身に不調が表れ、疲れがなかなか抜けないと感じることが多いはず。何をするにしても面倒だと感じることもあるでしょう。
今日から始められる!自律神経を整える方法
ストレス型、のんびり型、おつかれ型に当てはまった人は、自律神経のバランスを理想的な状態にするために、以下でご紹介する方法をぜひ試してみてください。
発症時を記録する
だるさやイライラなど、症状が表れた時の状況を記録してみましょう。記録をつけることで、どんな状況で症状が起こりやすいのかが把握でき、対処できるようになります。
朝起きたら太陽の光を浴びる
朝起きたら、まずカーテンを開けて太陽の光を浴びるようにしましょう。目から光の刺激が入ると、脳内では神経伝達細胞の「セロトニン」が活性化され、自律神経を整える働きがあります。
栄養バランスの取れた食事を心がける
朝、昼、晩の3食の栄養バランスを気をつけるようにしましょう。ビタミンやミネラルの不足を防ぎ、自律神経を整えることができます。
軽い運動をする
ストレス社会の中で日々頑張る現代人は、交感神経が優位になっている人が多いですが、副交感神経が高すぎるのも心身の不調に繋がります。例えば、ひきこもって、昼夜逆転の生活をしていると、頭や体が重くてだるく、すっきりしない気分が続いてしまいます。
散歩やウォーキング、ヨガなど軽い運動をして体を動すことで、心臓から血液が送り出されたり、セロトニンなど神経伝達物質が活性化されます。