居場所がない気持ちの正体って?「罪悪感と無価値観」
ねぇ、ココりん、友だちのことで相談なんだけどね。その子は生まれつきの体質の関係で仕事を休んだり、家事ができなかったりする日がちょくちょくあるんだって。
ふんふん
その子の家族は理解があって、仕事を休んでも何か言われるわけでもなく経済的にカバーしてくれるし、家事はサポートしてくれるんだって。でね、「素敵だね。何も問題がないように見えるけど」って言ったら、「私は仕事も家事もろくにできない。人に迷惑をかけるだけ。私はここに居てはいけないんだ」って不安になっちゃうんだって。これってどういう気持ちなのかな?
なるほどリン…。恐らく、その友だちは「罪悪感」や「無価値観」を抱いている可能性があるリン。詳しく解説するリンね。
「ここに居てはいけない」という心理とは
ここに居てはいけない、居場所がないと感じる心理には2つのパターンが考えられます。1つは「罪悪感」、もう1つは「無価値観」です。詳しくみていきましょう。
1. 罪悪感
罪悪感の1つに「自分は毒である」という観念があります。具体的には、「自分は大切な人を傷つけてしまう存在だ。みんなに迷惑をかけてしまう。だから、私はここに居てはいけない」と感じてしまうことを指します。
「自分は毒のような存在だ」という観念を持っている人は、その毒から友人や家族といった大切な人を守るために、距離を取ろうとします。また距離を取るために、大切な人からの愛を受け取らない、といったこともしてしまいます。
2. 無価値観
もう1つのパターンは「無価値観」です。無価値観とは、「愛されるためには何かをしなければならない」「何かをしなければ、自分は愛される価値がない」という観念のことを指します。
心理カウンセラーの根本裕幸氏によると、罪悪感は、自分の存在の影響力を感じている一方で、無価値観は「自分の存在は不必要だ」と感じる特徴があるとのこと。
つまり、「自分なんて価値のない存在だ。いてもいなくても同じ。だったら自分が惨めになるだけだから、一緒に居たくない。私はここに居ない方がいいんだ」と考えてしまうのです。
「ここに居てはいけない」という心理を克服する方法
罪悪感や無価値観という観念は、自分自身では当たり前の感覚になっていることが多く、なかなか気づけないこともあります。生活に支障が出ていて、自分で改善するのが難しい場合は、カウンセラーなど専門医に相談するのが良いでしょう。
罪悪感を手放す方法
さまざまな方法がある中で、心理カウンセラーの根本裕幸氏によると、罪悪感(自分には毒があるという観念)を手放すために、カウンセリングでは今の自分をありのままに受け入れていくアプローチを行うそうです。
自分が感じることをネガティブに評価するのではなく、「私は、大切な人を傷つけてしまう存在だと思ってるんだなぁ」と、そのままの気持ちを感じ、認め、受け入れていきます。
徐々に受け入れていくことで、毒であるという観念を手放すことができるそうです。
無価値観を克服する方法
「自分には価値がない。何かしなければ、愛されない」という観念には、「誰からも愛されなかった、愛されなかったということは価値や魅力がないからだ」という裏側の思いがあります。
同氏のカウンセリングでは、無価値観を克服する方法として、「どうしてそう感じるようになったのか」を掘り下げ、自分を愛してくれた人(優しくしてくれた人や信頼してくれた人など)を探します。
また、自分と向き合って愛されてなかった自分を助けたり、愛してくれなかった人たちを許したり、人からの愛情を受け取るセラピーを施したり、といったアプローチを行います。
こうすることで「自分にも価値がある」と受け入れることがき、居場所を作ることができるのです。