アダルトチルドレンとは? 5タイプの症状の特徴と回復方法

心理学 2020/08/01

アダルトチルドレンとは、機能不全家族によって育てられたことで心にトラウマ(心的外傷)を負い、不安定な精神や極端な人間関係を築いてしまう人のことです。

医学的診断名ではなく精神的な傾向のことで、うつ病や統合失調症のような精神疾患に分類されるものではありません。しかし、アダルトチルドレン傾向による生きづらさが看過できるレベルではない人も多く存在します。

アダルトチルドレンの5つのタイプや回復のためのアプローチ方法を解説します。

アダルトチルドレンの由来

もともとアダルトチルドレンは「Adult Children of Alcoholic=アルコール依存症の親の家庭など機能不全家庭で育った人」という意味で、1970年代のアメリカで使われ始めた言葉でした。

その後、日本では1995年頃から注目されるようになり、「機能不全家族で育った人」という意味から拡大され、アルコール依存症の親だけでなく、不適切な教育をする親にまで対象は広がっていきました。

アダルトチルドレンの特徴

アダルトチルドレン傾向の人は、感情・考え方・対人関係に問題を抱えることが頻発します。

具体的には、人と一緒にいても1人でいても疎外感を感じる・感情の起伏が激しい・必要以上に自己犠牲的・強く依存的だったり支配的、などが挙げられるでしょう。

心の問題は人によってさまざまな形で現れますが、共通している点は自尊感情が低いことです。自分の自我がなく、自己犠牲を払うことでしか自分の価値を認識することができません。

このため、オーバーワーク状態で心身が疲弊し、不安障害を引き起こす可能性が高いのです。

アダルトチルドレン尺度

生きづらさの原因がアダルトチルドレンにある場合、それに気がつくことが回復への第一歩となります。科学的論文に掲載された「アダルトチルドレン尺度」でチェックしてみてください。

(「はい」=2点、「どちらともいえない」=1点、「いいえ」=0点)

  • 1. 正しいと思われることに疑いを持つ。
  • 2. 最初から最後まで、ひとつのことをやり抜くことができない。
  • 3. 本音を言えるようなときに嘘をつく。
  • 4. 情け容赦なく自分を批判する。
  • 5. 何でもたのしむことができない。
  • 6. 自分のことを深刻に考えすぎる。
  • 7. 他人と親密な関係が持てない。
  • 8. 自分が変化をコントロールできないと感じると、過剰に反応する。
  • 9. 常に承認や称賛を求めている。
  • 10. 自分と他人は違っていると感じている。
  • 11. 過剰に責任を持ったり過剰に無責任になったりする。
  • 12. 忠誠心に価値がないことに直面しても、過剰に忠誠心をもつ。
  • 13. 衝動的である。行動が選べたり変えられる可能性がある時でも、お決まりの行動をする。

合計の得点が12点以上の場合、アダルトチルドレンに該当する可能性が高いと言えます。

アダルトチルドレンのタイプ

アダルトチルドレンと一言でいっても、個々によって性格や考え方・感じ方が違うため、さまざまなタイプがあります。アダルトチルドレンのタイプ分けには色々な考え方がありますが、ここでは代表的なものを解説します。

1. ヒーロー(英雄)

ヒーロータイプは、勉強やスポーツなどで良い成績をおさめ、良い評価をもらうことを第一に頑張るタイプ。しっかり者・頑張り屋さんと見られることがありますが、この努力は自分のためではなく、親の期待に応えるためです。

2. スケープゴート(生贄)

スケープゴートはヒーローとは正反対で、問題行動を起こしたり過剰に低い成績を取ったりして、家族の中での悪者の立場を引き受けます。

家族の怒りや不満などの鬱憤を1人で引き受けることで、家族のバランスを取ろうとするのです。

3. ロスト・ワン(いない子)

ロスト・ワンは、家族の中での存在を消して、生まれてこなかった子どもとして家族との関係を断ち、気配を殺して生きていこうとする特徴があります。

4. ケアテイカー(世話役)

 

ケアテイカーは献身的に家族の世話をしたり、愚痴を聞いたりして過剰なまでに支えようとします。具体的には、家事をしない親に代わってこなしたり、養育をしない親にかわって妹や弟の面倒を見たりします。

家族を維持することに注力し、崩壊しないように努力をするのです。

5. ピエロ(道化師)

ピエロは、おどけてみせたり、おちゃらけたりすることで、家族を笑わせて明るい雰囲気を作ろうとします。一見、明るい性格に見えますが、過度に場の空気を読んだり、人の顔色を伺ったりして険悪なムードにならないようにビクビクしています。

アダルトチルドレン回復のためのアプローチ方法

先述したように、アダルトチルドレンは病名ではなく傾向を示す言葉です。医療的な治療の対象ではありませんが、生きづらさを作る要因となっている可能性があるため、それを軽減することが生きづらさの改善につながります。

カウンセリングを通してアダルトチルドレン傾向を改善させるアプローチは以下の3つのステップがあります。

1. 無意識に設定されている「自分ルール」を自覚する

アダルトチルドレンを生み出す機能不全家族には、特殊なルールがあります。例えば、「子どもは親に気を遣い、機嫌をとらなくてはいけない」「自分の意見や感情を出してはいけない」といったことです。

そのルールを自分で大人になった後でも使い続けてしまうことが、生きづらさを生んでいます。それを思い出し、認識することが最初のステップです。

2. 感情を開放する

子ども時代に感情を出すことを我慢していると、大人になってもその気持ちが残り続けます。心の中にいる小さな子どもの自分と対話し、幼い頃にどんな気持ちで過ごしていたのか、どう愛されたかったのか、どんな言葉が欲しかったのかを聞きましょう。

無理にその気持ちを直接親に伝える必要はありません。心の中でイメージしたり、手紙に書き出して投函せず、神社で炊き上げしてもらうといった方法もあります。

3. 極端な思考を変える練習をする

アダルトチルドレンは、極端な思考を持つ傾向にあります。例えば、一度の失敗で「自分は何もできないやつだ」と決めつけたり、人の些細な行動で「嫌われた」と感じてしまうのです。

自分の思考を客観的かつバランスの良いものにするために、まず不安なことを書き出します。そして、その中で100%事実であることとそうでない部分を分けてみます。最後に、もう一度事象を思い返して「どのように考えておくのが良いのか」を考えます。

どうしても極端な考えや決めつけが入ってしまう場合は、「友だちだったらどう考えるだろう?」と第三者の視点を取り入れるのも有効な手段です。こうすることで、少しずつ思考の癖が変化していきます。

「変わろう」「克服しよう」と思った自分をまず褒めよう

アダルトチルドレン傾向は幼少期からの長期にわたるトラウマによるものです。人間は使い慣れた思考を優先して使うため、歪んだ認知をすぐに改善することは難しいでしょう。しかし、まずは「変わろう」「克服しよう」と思った自分を褒めてあげてあげてください。そこからすべてが始まります。

 

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