「周りを騙している」と感じてしまうインポスター症候群とは? 原因と克服方法

仕事の心理学 2020/07/23

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おいもさん…そんなに自分の力が信じられないリンか

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うん…。わたしいつもこうなんだよね。なんか自信がないというか。周囲からは高く評価してもらってるんだけど、そんなにできる人間じゃないの。買いかぶってるんだよ

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おいもさんはきっと「インポスター症候群」だリンね。

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症候群ってわたし病気なの?

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そんなことないリン!「症候群」って付いているけど、病気ではないリン。ある研究では、70%以上の人が人生で一回以上インポスター症候群を経験したことがあるとわかったリン。

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そうなんだ。わたしだけが不安を感じすぎるわけじゃないんだね。

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そうリン!もっと安心してもらうために、インポスター症候群はどんな症状なのか、原因と克服する方法を教えるリン。

インポスター症候群とは

インポスター症候群とは、自分に実績や実力があるにもかかわらず、偶然や運、周囲のおかげと思い込み、自信が持てない状態のことを指します。

「症候群」と名はついていますが、病気ではなく心理傾向や気質であり、必ずしもうつや不安、自尊心の低さと結びついているわけではありません。しかし、過度なネガティブ感情は心身への負担になり、生活に支障をきたす恐れがあるため、注意が必要です。

有名人だと、『ハリーポッター』シリーズで一躍有名になった女優エマ・ワトソンがインポスター症候群を持っていることを告白し、「自分がいい仕事をすればするほど、『わたしはそんなに褒められる資格なんてない』という気持ちが大きくなっていく」とコメントを残しています。

インポスター症候群チェックリスト

インポスター症候群研究の第一人者である心理学者ポーリン・R・クランス氏のHPでは、簡単なセルフチェックリストが公開されています。

以下の20問の質問に最も当てはまる回答を1〜5から選びます。各質問はじっくり考えるのではなく、直感で答えてください。最後に回答のスコアを足すので、紙か何かにメモしておくと便利です。

1: 全くない

2: まれにある

3: ときどきある

4: たびたびある

5: とてもある

  • 1. テストやタスクに取り掛かる前に「上手くいかないだろう」と怖く感じていたにも関わらず、成功することがたびたびある。
  • 2. 実際よりも有能であると印象を与えることができる。
  • 3. もし可能なら評価を避けたいし、他人から評価されるのが怖い。
  • 4. 何か達成したことについて人が私を褒めてくれるとき、将来彼らの期待に応えることができないと怖くなる。
  • 5. ときどき、「今のポジションや成功を手に入れられたのは、たまたま適切な場所に、適切なタイミングでいられたから、もしくはたまたま適切な人を知っていたから」と考える。
  • 6. 大事な人に、私が「思っていたよりも能力がない人だった」とバレてしまうかもしれないことが怖い。
  • 7. ベストを出せたことよりも、ベストを出せなかった出来事の方をよく覚えている傾向がある。
  • 8. プロジェクトやタスクをやりたいようにやることはほとんどない。
  • 9. ときどき、人生や仕事における成功は、なにかしらのエラーが起こった結果なのではないかと感じる。
  • 10. 自分の知性や成し遂げたことに関しての賛辞や称賛を受け入れることが難しい。
  • 11. ときどき、自分が得た成功は何かしらの運によるものだと感じる。
  • 12. 「もっと多くのことを成し遂げるべきだった」と考え、ときどき、現在成し遂げたことにがっかりすることがある。
  • 13. ときどき、私がどれくらい知識や能力に欠けているのかを、人に知られるのが怖いと感じる。
  • 14. 大抵、自分が試みることは上手くいくにも関わらず、新しい業務や仕事で失敗してしまうかもと、しばしば怖くなる。
  • 15. 何かで成功し、成し遂げたことに対しての評価を受けるとき、繰り返し成功できるのかと疑ってしまう。
  • 16. 達成した何かに対し、多くの称賛の声や感謝の言葉を得たら、自分がしたことの重要性を考慮に入れない傾向にある。
  • 17. 私はしばしば自分と周りの人の能力を比べ、自分より周りの人の方が知性があると感じる。
  • 18. 自分の周りの人は「あなたならできる」とかなりの自信を持っているにも関わらず、私はプロジェクトやテストで成功しないのではと、しばしば心配してしまう。
  • 19. 昇進するときや何かしらの感謝を得たとき、事が済むまで人に言うのをためらう。
  • 20. 何かを達成する状況で、自分がベストでない場合、もしくは少なくとも「非常に特別」でない場合、申し訳なく感じたり、がっかりさせてしまう。

最後に各質問の回答の数字を足してください。

40以下の人は、インポスター症候群の気質はほとんどありません。

41〜60の人は、インポスター症候群の気質がわずかにあります。

61〜80の人は、頻繁にインポスター症候群の症状を感じているはず。80以上の人はたびたび強烈なインポスター症候群の経験をしているでしょう。

スコアが高ければ高いほど、頻繁に深刻なインポスター症候群の症状が現れ、生活に支障をきたしていることになります。

インポスター症候群に陥る原因

インポスター症候群の根本的原因は、「自分が思う自分」と「周囲が思う自分」(あるいは「自分が思う理想の自分」)とのギャップです。そのギャップを生む原因は、大きく分けると心理的要因と文化的要因に分類されます。

心理的要因

  • 自分が活躍したり、評価されることで周りの人たち(仲間)から嫉妬されたり疎まれたくない
  • いじめや仲間外れによって孤独になりたくない
  • 自分が良い業績をあげることで評価され、さらに大きな仕事や難しい業務を任されるのが重荷である
  • 失敗した時に目立つのを避けられるよう、あえて目立たないように行動している

また、TED EDによると、高い技術を持つ人や、何かを達成した人、成功した人は、他の人も自分と同じくらい高い技術を持っていると思い込む傾向にあるとのこと。

そして、「自分は称賛するに値しない」という負の感情のスパイラルに落ちます。言い換えれば、達成や成功のしきい値がないとも言えるでしょう。

文化的要因

  • 子供のころから「個性」よりも「同調」が求められ、「人より目立ってはいけない」と刷り込まれてきた
  • 自分自身の成功よりも、周囲や組織全体の成功を優先するよう教育されてきた
  • 「女性は女性らしく、家庭的で控え目に」という価値観の人が多い環境で育った(またはそういった環境で働いている)

インポスター症候群に関するある調査では、『「周囲の人が評価するほど、自分の能力は高くなく、周囲の人をだましている」と感じたことがありますか?』という質問に対し、女性の65%が「周囲の人」をだましている」と回答しました。

また、この質問で「はっきりと感じたことがある」と答えた人の年齢は、ポジションが高く、難易度も高い仕事をしている40代・50代が多かったそう。文化的背景の影響は女性の方が受けているのではと考えられます。

インポスター症候群を克服する方法

最後に、インポスター症候群を克服する方法を2つご紹介します。一朝一夕で克服できるものではありませんが、できることからチャレンジしてみてください。

1. ポジティブな評価やフィードバックをもらったとき、客観的に受け入れる

周りの人から良い評価を受けたときは、自分の行動を客観的に捉えるようにしましょう。「そんなことないです。私なんて~」「運が良かっただけです」と評価を否定することは、相手の判断力を傷つけることにもなります。

また、自分の能力や成功を話すとき、「たった~なので」「単に~だっただけ」「ただ~だっただけ」といった言葉を使わないように気をつけましょう。

また、「他の人が自分と同じ行動をしたらどう思うか?」と想像してみるのも客観的思考の訓練になります。

2. 日記をつける

成功と失敗の両方を書き記すことで、全体を俯瞰して見ることができます。また、読み返すことで、失敗だけでなく、成功も同じように覚えておくことができるのもポイント。自分の成功を運で片付けずに、客観的にみるようにしてみましょう。

心理的負担が大きい場合は専門医へ

今回は、インポスター症候群の症状と原因、克服する方法をご紹介しました。インポスター症候群に陥る原因は深く、すぐに克服することは難しいかもしれません。病気ではないとはいえ、心理的負担が大きく、日常生活に支障が出る場合は専門医へ相談することをおすすめします。

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