雨の日が続くと憂うつになる人の特徴は? 体調不良の対処法

はぁ…。(深いため息)
ココりん、それはね、雨による天候の変化と身体のメカニズムに関係があるんだよ。(りんごの体がどうかはわからないけど)
わかった! それじゃあ、雨の日が憂鬱な理由と対処法を教えるね。
天気による体調不良「気象病」「天気痛」
天気や気候の変化で起こる体の不調である「気象病」「天気痛」。日本では2015年に初めて啓蒙書が出版され、以来広く知られるようになりました。
近年増え始めている症状で、日本でも潜在的な患者が約1000万人存在する(※神戸新聞より)といわれています。
気象病・天気痛の症状リスト
- 頭痛
- 腰痛や関節痛など体の痛み
- ぜんそく
- めまい
- 耳鳴り
- ひどい眠気
- だるさ
- 低血圧
- うつ病
どれも心が曇る症状ばかりですね。仕事や家事にも影響が出てしまう人は多いはずです。実際、気象病で悩んでいる人は日本で1,000万人以上いると推定されています。特に、20代〜40代の女性が多く、全体の2/3を占めるそう。
また、以下のチェックリストに当てはまる人は、気象の変化で体調を崩しやすいタイプと言えます。
- 慢性的な頭痛が悩み
- 季節の変わり目に体調を崩す
- 乗り物酔いをしやすい
- のぼせやすく冷えやすい
- 仕事はデスクワークが中心
- 中耳炎になった経験がある
- 顔がむくみやすい
でも、なぜ天気によってこんなにも心身に悪い影響が出るのでしょうか? まずは憂うつな気持ちになるなどの「心」に影響を与える仕組みを解説します。
雨の日の憂うつの正体は「自律神経の乱れ」
雨の日は気圧が下がります。気圧が変化すると、耳の奥にある中耳の気圧センサーが感知し、脳に「気圧が変化したので体を順応させてください」と情報を送ります。
体を順応させるために脳は自律神経を整えようとしますが、順応するために負荷をかけたり、センサーが敏感である場合、自律神経を刺激しすぎて自律神経が乱れてしまうのです。
先程、気象病に悩む2/3は女性とお伝えしましたが、それはホルモンバランスの変動が大きく、体温が上がったり下がったりするため、男性に比べて自律神経が乱れやすいという理由からです。
日照不足によって睡眠の質が低下
また、雨の日は太陽の光が届かず、気持ちよく浴びることができません。人間は太陽の光が足りないと、「セロトニン」という心のバランスを整える神経伝達物質が十分に作り出せないため、メンタルが乱れやすくなってしまいます。
日照不足によって心が不安定に
太陽の光が足りないと、体内時計も狂いがち。体内時計が狂うと、睡眠ホルモンである「メラトニン」が適切に分泌されず、睡眠の質を下げることに繋がります。最近、若者のうつ病は睡眠不足に深く関連しているという研究(海外論文サイトへ)も発表されました。しっかりと睡眠がとれないと、心が不安定になりやすいので注意が必要です。
自律神経の乱れは体調にも影響する
自律神経は「交換神経」と「副交感神経」の2つでできています。「交換神経」は起床後から日中に働き、活動モードにしてくれます。特に、晴れた日や気温が急激に下がったとき、気圧が急に変わったときに活発になります。
一方「副交換神経」は、夕方から夜にかけて働き、リラックスモードにしてくれる神経で、特に朝からくもりや雨の日に活発になります。この2つは綱引きのようにバランスをとって体の健康を保っています。
気圧の急変や気温が下がって交感神経が活発に働くと、血管が収縮し、緊張型頭痛や関節痛といった体の痛みが引き起こされます。
また、雨やくもりの日、気温が上がると副交感神経が優位になると、血管が拡張し、だるさや眠気などの症状を引き起こします。
どちらが良いというものではなく、バランスが大切なんですね。
天気による心身の不調の対処法
以下では、雨の日に起こるネガティブな心身の不調の対処法を症状別にご紹介します。
憂うつな気分・眠気・倦怠感
雨の日の朝には特に、「あぁ…。眠い…。だるい…。会社に行きたくない…。」と思いますよね。これは単に怠けているわけではなく、雨の日の朝に副交感神経が活発になりやすいためです。
これに対処するために、天気予報をチェックして次の日が雨の場合は、いつもより30分早く起きてみましょう。朝ごはんを作ってしっかり食べる、お化粧やヘアメイクをする・なるべく階段を使うなど活動的になることで、交感神経を働かせるようにしてみてください。
頭痛や関節痛などの痛み
頭痛や関節痛などの痛みは、血管が収縮することで起こります。雨に濡れたり、エアコンがきいた室内にいることで体が冷えると、悪化する恐れがあるため、使い捨てカイロなどで患部を優しく温めてください。
片頭痛
緊張型頭痛とは異なり、片頭痛は血管が拡張することで起こる痛みです。湯船につかるのは避け、シャワーだけにして、体を温めすぎないようにしましょう。PCやスマートフォンなどのブルーライトや、音の刺激を避けるのも大切です。
自分に合った雨の日対策を
今回は、雨の日の憂うつな気分の理由とその対処法についてご紹介しました。気圧の変化によって、人の心と体は大きな影響を受けています。
ご紹介した対処法だけでなく、天気予報や気圧の変化を知らせるアプリをチェックする、症状が出そうな日はなるべく大きな予定は入れないといった予防策を取ることができます。