人間も捨てたもんじゃない。人の良い面を発見した10の心理学研究

心理学 2020/05/02

心理学の実験や研究成果を見ていると、自分の利益を一番に考える利己性や、他者がいる環境では困っている人を助けようとしない傍観者効果など、私たちの悪い面を扱ったものが多いといわれています。

しかし私たちは、不正と戦ったり、弱い人を助けたりなど、良い面をたくさん持っています。

今回は、心理学の研究が発見した人の持つ10つの良い面について紹介します。

2才の子供の利他性

私たちは、幼い子供を利己的な生き物と考える傾向があります。しかし、幼い子供は、私たちが予測していた以上に向社会的であるようです。

ある調査では、2歳児のペアに、箱に入れたときに綺麗な音を出すビー玉のセットが与えられました。この子供たちは共有という概念をよく知りませんでしたが、半分の時間で子供がかなりのビー玉を分けたのです。

勝手に全てのおもちゃを1人の子供が自分の手に取ったという結果は、試行の19%でしか生じませんでした

さらに、全体のうち3分の1の試行で、たくさんビー玉を持っている子供は、ビー玉を持っていない子供にビー玉を1つを与えました。そして、幼児は他人を助けることを楽しんでいるようでした。

研究では、2歳児が他の人に利益をもたらした後、ポジティブなボディランゲージと感情を示していたとのこと。子供たちにとって、他の人を助けることはやりがいのある行為だと言えます。

全ての年齢で見られる利他主義

一部の研究者によると、利他性が見られるのは幼児だけではありません。私たちは皆、他人を助ける傾向があります。

二度と会うことのない人がいても、個人的にコストがかかっても、私たちはグループの利益のために行動します。グループのために利他的な行動をし、不当な行動をする人々を罰する傾向は、「強い互恵関係と呼ばれることがあります。

「明るい」個性

ナルシシズムや精神病、マキャベリ主義など、人のダークな面に関する何千もの論文が発表されています。

しかし、スコット・バリー・カウフマンらによると、私たちの人格のダークな側面へ焦点を当てすぎているといいます。

研究では、明るい特性のスコアが生活の質の向上に関連していることと、明るい側面のスコアが暗い側面のスコアより高く評価されたことを示しています。

暗い側面だけでなく、私たちの持つ明るい側面に焦点を当てることが重要かもしれません。

環境について子供が持つ正しい認識

2011年の調査によると、子どもは盗みなどの道徳的違反行為をしたり、木を傷つけるなどの環境に害を及ぼす行動をとったりなど、様々なシナリオを提示されました。

その時、子供たちは環境への害を非常に悪いものだと評価し、環境は人間に栄養などの利益を提供するものというより、尊敬に値するものであると信じました。

おそらく将来は、子供たちが気候変動を食い止める世界的な運動を先導しているかもしれませんね。

自分より他者の身体的痛みを考える

多くの方が、ミルグラムの実験について知っているのではないでしょうか。

これは、権威者から他の人に電気ショックを与えるように指示されて、実験参加者はどのように振る舞うかというのを測った実験です。

2014年の研究では、研究者は参加者に電気ショックに対する現金報酬を与えると約束し、報酬を高めるためには電気ショックの強度を高める必要があると言いました。

参加者自身が電気ショックを受けた場合もあれば、別の部屋にいる見知らぬ人が電気ショックを受けた場合もありました。

驚くべきことに、報酬を貰うために、参加者は自分自身に対して電気ショックを与えようとしました。しかし、報酬を貰うために、他者に電気ショックを与えようとはせず、見知らぬ人の痛みのレベルを上げるためには、2倍の現金報酬が必要でした。

与えることはメリット

私たちが人々に親切に振る舞うと、善意は巡り巡って来ると言われています。

研究者たちは、4週間の間、小さな従業員のグループに、同僚に親切な行動をするよう頼みました。

すると、調査期間の終わりまでに、それらの親切な行為をされた人々の間で幸福のレベルが増加しました。そして、親切を与えられた人は、自分自身が他者に対してより積極的な行動を行い始めたと報告しています

「毎日行う社会的に良い行動は、一つ一つは小さいものかもしれません。しかし、それらは取るに足らないことではないことを、これらの研究は示唆しています」と研究者らは言っています。

共感と思いやりから生じる喜び

テレビを見ると、人の関係に問題が生じたり、何百万人もの観客の前で夢が打ち砕かれたりするような場面を見ることも多いです。

しかし、2016年の調査によると、テレビを見ようとする行為は、全体として肯定的な理由から生じている可能性があると言われています。

研究者は、ショーにどれだけ参加したいか、家族が参加したいと思ったらどう思うかなど、ショーに関する参加者の意見を評価しました。

その調査結果によると、テレビに出ている人が屈辱を受けているのを見たいからではなく、その人に共感しているから、人々はテレビを見ていることを示しました。私たちは、肯定的な動機から行動を起こすかもしれないのです。

空腹でも利他的

私たちがしばらく食べていなくても、実際には他の人に対して協力的であることが分かりました。

一般的に、人々が他人に対して、空腹時にあまり協力的でないと考えるかもしれません。これは私たち全員が本質的に利己的であるという誤った信念によるものです。

2011年の実際の調査では、裁判官が空腹が増すにつれて、好意的な判決が少なくなることが判明しましたが、その後、その発見は違うと分かりました。

苦しんでいる人に対する思いやり

外傷を経験すると、様々な否定的な結果をもたらします。しかし、研究によると、多くの不利な経験をした人は、共感性が高くなる傾向があります。

研究では、災害や死別、けがなどの多くの否定的な経験を経験した人がより共感を示し、慈善活動に積極的に貢献することを発見しました。

もちろん、逆境はポジティブなものではないかもしれません。暗闇の中でも、何か良いことが時々生じるということでしょう。

人間の暗い歴史を打ち破る研究

社会心理学の授業では、多くの場合、人間のひどい状態や側面を教えてくれます。しかし、心理学の教科書の説明は、常に移りゆくものです。

例えば、スタンフォード刑務所の実験では、刑務所の警備員の役割に割り当てられたボランティアが、囚人を虐待したことが報告されていますが、最近、心理学者はこの説明に異議を唱えました。

記録を分析したところ、研究者自身が、警備員によりタフな方法で振る舞うように促していたというのです。この研究が、悲劇的な人間の側面を見つけたとは言い難いでしょう。

人類の歴史には恐ろしい例がたくさんありますが、人間の性質は、教科書上だけでは表現できないものなのかもしれません。

悪い面だけでなく、私たちは良い面をたくさん持っていることがきちんと証明されています。これらの利他性や思いやりを大事にしたいものですね。

画像1枚で「本当の自分」と「理想の自分」がわかる心理テスト

references: digest.bps /written by cocology編集部

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