うつ病の4つのタイプとは?「コロナうつ」は状況的うつ病

心理学 2020/05/01

最近、不安感やうつ症状を示す「コロナうつ」と呼ばれる人が増加しています。

しかし、そもそもうつ病にはどのような種類があるのでしょうか?

状況的うつ病

状況的うつ病は、臨床基準に達しておらず、さほどひどくはないうつ病のことです。

ショックな出来事に反応して落ち込みを感じた時には、状況的うつ病に罹っている可能性があります。一例として以下のようなものが挙げられます。

  • 外出自粛の影響から、一人孤立して落ち込む
  • 失恋から一週間泣いて、ベッドから起きるのに苦労した
  • 志望校に合格できずに、自殺について考えた

否定的な出来事や孤立した状況に直面した時に、長期にわたって悲しみを感じることは普通のこと。このような経験をしても平静でいられる人は多くはありません。

状況的うつ病を経験した人物に対して、多くの人は「気分転換に外出したら?」などの誤ったアドバイスを与えてしまい、症状を悪化させることがあります。

そのため、周りに状況的うつ病で苦しんでいる人がいたら、「何もしなくていいから、そこに座ってたらどう?」などの優しい言葉に口にし、その人をことを気にかけていると示すようにしてください。その人の感じている感情を傾聴してあげるのもいいでしょう。

そうすることで、治療や投薬が必要のない状況的うつ病は、数日から数週間の内に治まるでしょう。

しかし、出来事から数週間経過した後でも、抑うつ症状が消えず、前向きな行動を行えなかったり自殺念慮が生じたりする時には、それは状況的うつ病ではないかもしれません。

生物学的うつ病

生物学的うつ病は、うつ症状が生理学的変化や神経学的変化と関連していると言われています。

特に、神経伝達物質とホルモンの変化は、絶望感や不快感、無気力などの心の不調につながると考えられています。神経伝達物質やホルモンの分泌が乱れることで、疲労感の持続や、代謝と認知機能の低下など身体の不調を引き起こすこともあります

これらの症状は、身体や心の問題を生むだけでなく、日常生活の動作と人生目標の達成を困難にしてしまうこともあります。日常生活を生き生きと過ごすことができないと、否定的な思考パターンや低い自尊心、関係性の問題が続いてしまうかもしれません。

このように、生物学的要因が抑うつ症状の原因になった場合、悪循環が起こってしまうのです。このサイクルを断ち切るためには、薬物療法が最も良いかもしれません。

抗うつ薬などの薬物療法によって、エネルギーや食欲が増え、前向きな気持ちを持てるようになり、目標達成行動が増えると期待されています。

心理的うつ病

うつ病の症状が、認知の歪みなど心理的な面から生じている場合、心理的うつ病と呼ぶことができるでしょう。

夢や希望を持っていても、現実では上手く行かない時に、絶望に押しつぶされてしまうこともあるでしょう。将来の失敗や失望を避け自分を守るために、夢や希望を捨て去ろうと考えるかもしれません。

この自己防衛戦略によって、うつ病や自尊心の低下、絶望感が無意識のうちに生じてしまいます。

臨床心理士などのセラピストは、認知行動療法(CBT)や精神力学的療法などを用い、この無意識のうちに生じた歪んだ考え方を見直すように働きかけてくれます。

さらに、心理的うつ病は、自分自身や他人による非現実的な期待から生じたり、恋愛関係や家族関係などの機能不全から生じたりします。

そのため、治療プロセスとしてどのようなものが適しているかは、熟練したセラピストが判断します。

実存的うつ病

多くのうつ病は、ネガティブな出来事が引き金となって起こりますが、実存的うつ病は、プラスの出来事を原因として起きます。

私たちは思春期のある時点で、人生に意味を与え、自己実現をもたらすだろう目標に人生を捧げることを決意します。その目標には、医者になることや本を出すことなどの高尚なキャリアが含まれる場合があります。

これらの目標を達成すると、私たちの人生から様々な不幸なことが消え、永遠の至福の状態が生まれると非現実的に期待してしまう傾向があります。

確かに、これらの目標を達成することで、私たちは一時的に満足感を得られますが、期待したほどの喜びを得られなかったといずれ気づいてしまいます。

その結果、自分の人生自体が無駄だったのでは?自分が追求してきたことは意味がなかったのでは?と悩んでしまい、実存的な危機状態に陥ってしまいます。

状況的うつ病や心理的うつ病よりも、この実存的うつ病は根深い問題です。

目標に意味がなかったと思えば、昔楽しんでいた趣味やスポーツ観戦、美味しい食事から喜びを得られず、未来の目標を失ってしまいます。

このタイプのうつ病に罹ると、人が真実であると信じていたこと全てに疑問を抱いてしまうのです。

実存的うつ病は、セラピストと精神力学的療法や精神分析などの継続的な心理療法を行います。長期間に渡って様々な療法の組み合わせを行うため、治癒にも時間がかかってしまう傾向があります。

心理療法以外にも、ブッククラブなどの社会的グループに参加したり、知らなかった外国の文化や生き方を経験したりすることもいいかもしれません。そのことで、人生の目標を再検討することができるかもしれないからです。

どのうつ病に当てはまる?

多くの抑うつ症状は、4つのうちのいずれかに当てはまることが多いです。これらの知識を応用すると、「コロナうつ」は多くの場合、長引くことはない症状と言えます。

しかし、あなたの感じているうつ症状が、状況的うつ病ではなさそうであれば、医療機関に相談してみるのもいいでしょう。

セラピストは、あなたが苦しんでいるうつ病を識別し、治療費や制限、性格に応じた治療計画を考案し、あなたの助けになってくれるはずです。

日本うつ病学会が「コロナうつ」を防ぐための自己管理法を紹介

references: psychologytoday /written by cocology編集部

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